業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概況

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウィルス感染症(以下、COVID-19)の拡大と縮小に合わせ経済活動の制限と緩和が繰り返される中、景気は緩やかに持ち直しています。世界経済におきましては、ワクチン接種率の増加に伴い、欧米諸国では回復の兆しがみえたものの、原材料・エネルギー価格の高騰、中国でのCOVID-19の再拡大によるロックダウン等による経済減速懸念、ロシア連邦によるウクライナ侵攻の影響など、先行き不透明な状況が続いております。
 当社の属するエレクトロニクス産業におきましては、製造業のDX(デジタルトランスフォーメーション)化やデジタル関連需要の増加を背景に、期を通じて半導体の需要は高い水準で推移しました。産業機器市場におきましては、半導体への設備投資が加速し各種半導体製造装置の需要が拡大、製造業の自動化・高度化を目的としたFA機器や工作機械など幅広い分野で市場が成長しました。また、通信インフラ市場やコンピュータ市場では、第5世代移動通信システム(5G)や人工知能(AI)システムのクラウド化を背景に、スマートフォンやデータセンター等も増加しメモリーなどの需要が拡大しました。車載市場では、半導体不足による生産調整が発生していますが、より高度な自動化・脱炭素化向けに、電装化やEV(電気自動車)化の動きが加速しました。IT産業におきましては、企業のデジタル化への取り組みを背景に、IT投資の回復基調が継続しています。高い利便性を提供するクラウドサービスの利活用が進んでいる一方で、クラウドへの移行にあたっては情報流出等の懸念から包括的なセキュリティ対策を講じることが重要になっています。加えて、リモートワークの定着により、社内システムと社外との境界防御に依存しないセキュリティ対策や、高度なセキュリティ人材不足を背景に運用性の高いセキュリティサービスへの需要が高まっています。また、企業のセキュリティ対策が拡充されていく中で、インターネットに面している脆弱なシステムを対象とする攻撃が見られるようになっており、アタックサーフェイス(攻撃対象面)の管理に注目が高まっています。

以上の結果、当連結会計年度における売上高は761,823百万円(前年同期比37.5%増)、営業利益は36,707百万円(前年同期比95.6%増)、経常利益は35,487百万円(前年同期比116.4%増)、第1四半期にて当社の持分法適用会社であった台湾法人ANSWER TECHNOLOGY CO., LTD.の株式を追加取得し、連結子会社化したことに伴い、従前から保有する持分を当該追加取得時の時価で再評価する事による評価差益(段階取得に係る差益) 1,918百万円を特別利益として計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては25,798百万円(前年同期比137.2%増)となりました。

 

セグメント別の経営成績を示すと、次のとおりであります。

集積回路及び電子デバイスその他事業

当事業におきましては、半導体不足や材料不足、原材料の高騰などサプライチェーンの混乱が続いているものの、世界的な半導体需要の増加を背景に、各市場にて大きく伸長しました。当社グループがターゲット市場として特に注力している産業機器市場は、生産の自動化・高度化を目的としたFA機器をはじめ、半導体製造装置、計測機器、医療機器など各分野が成長し、アナログ製品やその他標準IC等の幅広い商品を提供したことで売上が大幅に拡大しました。車載市場は、半導体不足による生産調整がありましたが、当社グループの仕入先との強固な関係性を活かし、アナログ製品やその他標準IC、ASSPなどが好調に推移しました。通信インフラやコンピュータ市場は、5Gやクラウド化を背景にデータセンター向けにメモリーの売上が伸長し、民生機器市場は、エンターテインメント機器向けにアナログ製品を中心に販売が進み、OA・周辺機器市場もコロナ禍で需要が落ち込んだオフィス向け複合プリンター向けにASSPなどが回復しました。

これらの結果、同事業の当連結会計年度の売上高は678,602百万円(前年同期比41.0%増)、営業利益は産業機器向けの売上構成比率の増加等により収益性が改善し27,499百万円(前年同期比184.7%増)となりました。

 

 

ネットワーク事業

当事業におきましては、ソフトウェアは、境界防御に依存しないセキュリティ対策として、当社グループの主力のエンドポイントセキュリティ関連商品やクラウドゲートウェイセキュリティ関連商品等の販売が大企業や官公庁を中心に継続し、加えて、業務効率化等を目的としたクラウドサービス関連商品の拡販強化により、売上が大幅に伸長しました。一方、ハードウェアは、セキュリティ運用の効率化や内部不正対策を目的としたセキュリティマネジメント関連商品等が伸長したものの、一昨年のCOVID-19の感染拡大に伴うリモートアクセスを目的としたゲートウェイセキュリティ関連商品の特需の反動減等により、売上が減少しました。

これらの結果、同事業の当連結会計年度の売上高は83,333百万円(前年同期比14.0%増)、営業利益は9,082百万円(前年同期比2.3%増)となりました。

 

(資産)

流動資産は、前連結会計年度末に比べ91,632百万円増加となりました。これは主に売掛金が35,813百万円、商品が53,882百万円、その他の流動資産が2,487百万円それぞれ増加したことによるものです。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ1,360百万円増加となりました。これは主に投資有価証券が5,296百万円減少したものの、のれんが1,622百万円、その他の無形資産が4,096百万円それぞれ増加したことによるものです。

(負債)

流動負債は、前連結会計年度末に比べ52,897百万円増加となりました。これは主に支払手形及び買掛金が18,254百万円、短期借入金が21,403百万円、未払金が6,747百万円、未払法人税等が4,305百万円それぞれ増加したことによるものです。

固定負債は、前連結会計年度末に比べ6,341百万円増加となりました。これは主に長期借入金が5,175百万円増加したことによるものです。

(純資産)

純資産は、前連結会計年度末に比べ33,754百万円増加となりました。これは主に、利益剰余金が21,756百万円、為替換算調整勘定が6,425百万円、非支配株主持分が5,805百万円それぞれ増加したことによるものです。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末の25,438百万円に比べ339百万円減少し、25,099百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは15,534百万円の減少 (前連結会計年度は、38,076百万円の増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益37,081百万円の計上、仕入債務の増加及び未払金の増加があったものの、売上債権の増加及び棚卸資産の増加があったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは1,653百万円の減少 (前連結会計年度は、2,181百万円の減少)となりました。これは主に連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入があったものの、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出があったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは14,368百万円の増加 (前連結会計年度は、26,189百万円の減少)となりました。これは主に配当金の支払いがあったものの、短期借入金及び長期借入金の純増があったことによるものです。

 

③ 仕入、受注及び販売の実績

a. 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

仕入高(百万円)

前年同期比(%)

集積回路及び電子デバイスその他事業

646,459

+54.6

ネットワーク事業

72,947

+16.1

合計

719,407

+49.6

 

(注)  1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 当連結会計年度において、集積回路及び電子デバイスその他事業の仕入高が著しく増加している要因は、「(1) 経営成績等の状況の概況 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりビジネスの拡大、ANSWER TECHNOLOGY CO., LTD.を連結子会社化した事によります。

 

b. 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

集積回路及び電子デバイスその他事業

1,223,315

+96.0

816,780

+200.2

ネットワーク事業

89,291

+17.9

34,114

+21.6

合計

1,312,606

+87.5

850,894

+183.5

 

(注)  1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 当連結会計年度において、集積回路及び電子デバイスその他事業の受注高、受注残高が著しく増加している要因は、 「(1) 経営成績等の状況の概況 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりビジネスの拡大、ANSWER TECHNOLOGY CO., LTD.の連結子会社化、半導体の供給リードタイム長期化に伴うものであります。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

集積回路及び電子デバイスその他事業

678,602

+41.0

ネットワーク事業

83,220

+14.3

合計

761,823

+37.5

 

(注)  1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度の当社の属するエレクトロニクス業界は、製造業のDX(デジタルトランスフォーメーション)化やデジタル関連需要の増加を背景に、期を通じて半導体の需要は高い水準で推移しました。当社グループがターゲット市場として特に注力している産業機器市場におきましては、半導体への設備投資が加速し各種半導体製造装置の需要が拡大、製造業の自動化・高度化を目的としたFA機器や工作機械、計測機器や医療機器など幅広い分野で需要が拡大しました。また、通信インフラやコンピュータ市場は、第5世代移動通信システム(5G)や人工知能(AI)システムのクラウド化を背景に、スマートフォンやデータセンター等も増加しサーバーや通信設備の増強が進んでいます。車載市場は、半導体不足による生産調整が発生していますが、より高度な自動化・脱炭素化向けに、電装化やEV(電気自動車)化の動きが加速しました。IT産業におきましては、企業のデジタル化やデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みを背景に、IT投資の回復基調が継続しています。リモートワークが定着する中で、ロケーションに関わらない社内データへのアクセスや、社外の関係者とのデータ共有を安全に行うなど、企業の業務効率化や利便性の向上を提供するクラウドサービスの販売が大幅に伸長しました。クラウドへの移行にあたって包括的なセキュリティ対策を講じることが重要になっており、クラウドセキュリティゲートウェイやエンドポイントセキュリティ等の境界防御に依存しないセキュリティ対策製品の販売が伸長しました。このような経済環境下、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ37.5%増加761,823百万円、営業利益は前連結会計年度に比べ95.6%増加36,707百万円、経常利益は、116.4%増加35,487百万円、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、第1四半期にて当社の持分法適用会社であった台湾法人ANSWER TECHNOLOGY CO., Ltd.の株式を追加取得し、連結子会社化したことに伴い、従前から保有する持ち分を当該追加取得時の時価で再評価する事による評価差益(段階取得に係る差益)を特別利益1,918百万円として計上した結果、前連結会計年度に比べ137.2%増加25,798百万円となりました。

 

a. 売上高

当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ37.5%増加761,823百万円となりました。

集積回路及び電子デバイスその他事業におきましては、主力商品のPLDやアナログIC、その他標準ICは、幅広い産業機器向けに販売が進み、電動化が加速する車載向けに増加しました。メモリは、データの増加に伴いデータセンター向けサーバーの需要が増加し好調に推移しました。その結果、前連結会計年度に比べて41.0%増加678,602百万円となりました。

ネットワーク事業におきましては、ハードウェアはセキュリティ運用の効率化や内部不正対策の目的としたセキュリティマネジメント関連商品等が伸長したものの、一昨年のCOVID-19の感染拡大に伴うリモートアクセスを目的としたゲートウェイセキュリティ関連商品の特需の反動減等により減少しました。ソフトウェアは、境界防御に依存しないセキュリティ対策として、エンドポイントセキュリティ関連商品やクラウドゲートウェイセキュリティ関連商品等の需要が大企業や官公庁を中心に継続し、加えて、業務効率化等を目的としたクラウドサービス関連商品の需要が持続したことから、大幅に伸長しました。その結果、前連結会計年度に比べて14.0%増加83,333百万円となりました。

 

b. 売上原価、販売費及び一般管理費

売上原価は、前連結会計年度の489,126百万円から37.2%増加し、671,104百万円となりました。売上高に対する売上原価の比率は88.1%となりました。販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ17.2%増加し、54,010百万円となりました。なお、販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は7.1%であります。

 

c. 営業利益

営業利益は、売上総利益の増加により、前連結会計年度の18,769百万円から95.6%増加し、36,707百万円となりました。

 

d. 営業外収益

営業外収益は、受取配当金183百万円及び為替差益295百万円の減少等により、前連結会計年度の1,257百万円から32.8%減少し、844百万円となりました。

 

e. 営業外費用

営業外費用は、持分法投資損失1,884百万円の減少等により、前連結会計年度の3,627百万円から43.1%減少し、2,064百万円となりました。

 

f. 経常利益

経常利益は、前連結会計年度の16,399百万円から116.4%増加し、35,487百万円となりました。

 

g. 特別利益

特別利益は、段階取得に係る差益1,918百万円の増加等により、前連結会計年度の206百万円から835.0%増加し、1,928百万円となりました。

 

h. 特別損失

特別損失は、関係会社株式評価損が166百万円減少したものの、投資有価証券評価損が172百万円増加したことにより、前連結会計年度の328百万円から1.8%増加し、334百万円となりました。

 

i. 税金等調整前当期純利益

税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度の16,277百万円から127.8%増加し、37,081百万円となりました。

 

j. 法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額

税金等調整前当期純利益に対する法人税等の比率は、前連結会計年度の28.2%から2.4%減少し、25.8%となりました。

 

k. 親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の10,875百万円から137.2%増加し、25,798百万円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a. 財政状態

「第2 事業の状況 3  経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概況 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。

 

b. キャッシュ・フロー

「第2 事業の状況 3  経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概況 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。 

 

c. 資金需要

当社グループの運転資金需要の主要なものは、売上の増加に伴う支払と回収のサイト差及び商品在庫の保有によるものです。サイト差については、主に海外の仕入先に支払う仕入代金のサイトが20日から50日程度なのに対し、国内外の得意先からの回収サイトは30日から150日程度と長くなっているのが主な要因であります。また商品在庫に関しては、得意先への納入期限に対応するために適正水準を保持しております。

 

d. 財務政策

当社グループにおける増加運転資金につきましては、内部資金、売上債権の流動化、金融機関からの借入及び増資等によって調達しております。グループ各社の必要資金は、主に親会社が資金調達をし、親会社から他のグループ企業に融資していく方針であります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

この連結財務諸表の作成にあたって、資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の報告数字に影響を与える見積りは、主として棚卸資産、貸倒引当金、投資の減損、繰延税金資産、賞与引当金、退職給付費用等であり、継続して評価を行っております。見積り及び判断については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づいて行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

当社は、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。

a. 棚卸資産

当社グループは、棚卸資産の保有日数、将来における需要や市場状況等に基づき、正味売却価額が帳簿価額を下回る場合には収益性の低下があるものとし、商品評価損を計上しております。実際の市況が当社グループの見積りより悪化した場合、追加の評価減が必要となる可能性があります。

 

b. 貸倒引当金

当社グループは、顧客の支払不能時に発生する損失の見積額について、貸倒引当金を計上しております。顧客の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。

 

c. 投資の減損

当社グループは長期的な取引関係維持のために、特定の顧客、仕入先及び金融機関等に対する少数持分を保有しています。また新規仕入先の開拓を目的とした情報収集のために、投資事業有限責任組合及びそれに類する組合(金融商品取引法第2条第2項により有価証券とみなされるもの)等への出資をしています。これらには市場価格のある公開企業等への投資と市場価格のない未公開企業等への投資があります。市場価格のある投資につきましては、市場価格が取得原価に比べ50%以上下落した場合には無条件で減損処理を行い、30%以上50%未満下落した場合には個別に下落率の推移、発行体の財政状態等を勘案し、減損処理を行っております。

一方、市場価格のない投資の減損につきましては、実質価額が著しく低下した場合、合理的な事業計画等に基づき、回復可能性が認められない場合には実質価額まで減損処理を行っております。

また非連結の子会社及び関連会社の株式等についても、有価証券の評価方法に準じて処理を行っております。

当連結会計年度において減損処理を行い、投資有価証券評価損295百万円(市場価格のない株式等295百万円)を計上しております。今後も株式市場の悪化や投資先の業績不振などにより、評価損を計上する可能性があります。

 

d. 繰延税金資産

当社グループは、将来の課税所得と慎重かつ実現可能性の高い継続的な経営計画を検討したうえで繰延税金資産を計上しておりますが、繰延税金資産の全部又は一部を回収又は解消できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上する可能性があります。

 

e. 賞与引当金

賞与引当金は、支給対象期間の業績に応じて支給見込額のうち当期に帰属する額を計上しておりますが、実際の支給額は支給時点における外部環境及び当社グループの状況を勘案のうえ決定されるため、実際の支給額が見積りと異なる場合には追加の費用計上が必要となる可能性があります。

 

f. 退職給付費用

従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率及び直近の統計数値に基づいて算出される死亡率が含まれており、実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。近年の割引率の低下及び年金資産運用での損失は当社グループの年金費用に対して悪影響を及ぼします。

 

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