(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度における経済環境は、新型コロナウイルス感染症の影響による停滞から、ワクチン接種が進み経済活動に回復の兆しが見え始めたものの、半導体の供給不足や世界的なサプライチェーンの混乱、燃料価格や原材料価格の高騰、ウクライナ情勢の影響など、国内外の経済は不透明な状況が続きました。
当社グループの事業につきましては、コスト削減や省エネルギーを促進する商品・サービスを取り扱っているこ
とから、景気の変動にかかわらず需要は安定しており、再生可能エネルギーの利用促進・脱炭素といった、環境に
やさしく社会の潮流に合った商品・サービスの提案をすることで、事業者向け・一般消費者向けのいずれも受注は
好調に推移いたしました。また、前期に電力取引価格の高騰により発生したインバランス料金(新電力事業者が計
画と実績の同時同量を達成できずに供給する電力の過不足が生じた場合、その調整の対価として支払わなければな
らない料金)の還元や投資有価証券の売却により特別利益を計上しております。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高は23,252百万円(前期比20.4%増)、営業利益は2,450百万円(前期比48.5%増)、経常利益は2,514百万円(前期比44.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,158百万円(前期比92.6%増)となりました。売上高につきましては、会社設立以来17期連続の増収を達成しております。
事業別の状況は、以下のとおりであります。
〔エネルギーコストソリューション事業〕
エネルギーコストソリューション事業につきましては、事業者のコスト削減や省エネルギー化のため、電力基本料金削減コンサルティング、各種省エネ設備の販売を推進し、顧客に電力の運用改善・設備改善などの提案をしてまいりました。また、前期から販売を開始した事業用太陽光発電システム、IoT機器の販売を拡大いたしました。
その結果、エネルギーコストソリューション事業の売上高は5,122百万円(前期比6.5%減)、セグメント利益は2,079百万円(前期比0.9%減)となりました。
〔スマートハウスプロジェクト事業〕
スマートハウスプロジェクト事業につきましては、脱炭素による再生可能エネルギーへの関心の高まりや、太陽光発電の10年間の固定価格買取制度の適用が終わる卒FIT案件の増加といった市場環境による底堅い需要がある蓄電池の販売を積極的に推進いたしました。
その結果、スマートハウスプロジェクト事業の売上高は4,528百万円(前期比1.2%減)、セグメント利益は629百万円(前期比15.5%減)となりました。
〔小売電気事業〕
小売電気事業につきましては、電力の調達改善を顧客に提案することにより、順調に受注を伸ばしました。また、電力調達における相対電源の比率を高めることで電力調達価格の変動リスクを低減いたしました。
その結果、小売電気事業の売上高は13,600百万円(前期比47.0%増)、セグメント利益は445百万円(前期は486百万円の損失)となり、売上につきましては過去最高を更新しております。
② 財政状態の状況
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産は10,473百万円となり、前連結会計年度末に比べ692百万円減少いたしました。これは主に、現金及び預金が2,689百万円、未収還付法人税等が247百万円減少した一方で、受取手形、売掛金及び契約資産が1,707百万円、商品が117百万円、その他が384百万円増加したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産は3,144百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,390百万円増加いたしました。これは主に、機械及び装置が75百万円、資金運用により投資有価証券が1,321百万円増加したことによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債は4,409百万円となり、前連結会計年度末に比べ795百万円減少いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金が913百万円、未払金が182百万円減少した一方で、未払法人税等が333百万円増加したことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債は1,239百万円となり、前連結会計年度末に比べ457百万円減少いたしました。
これは主に、長期借入金が457百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は7,968百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,951百万円増加いたしました。これは主に、「収益認識に関する会計基準」の適用に伴う会計方針の変更により165百万円、親会社株主に係る包括利益により2,152百万円増加した一方で、剰余金の配当で387百万円減少したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、5,517百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,689百万円減少いたしました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果支出した資金は619百万円(前期は2,921百万円の収入)となりました。これは主に、投資有価証券売却益367百万円、売上債権の増加1,194百万円、棚卸資産の増加117百万円、仕入債務の減少1,097百万円、未払金の減少232百万円、法人税等の支払612百万円等による資金の減少があった一方で、税金等調整前当期純利益3,218百万円等による資金の増加があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果支出した資金は1,145百万円(前期は375百万円の収入)となりました。これは主に、投資有価証券の取得2,250百万円、有形固定資産の取得245百万円等による資金の減少があった一方で、投資有価証券の売却1,286百万円等による資金の増加があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果支出した資金は924百万円(前期は733百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入金の返済537百万円、配当金の支払386百万円による資金の減少があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
該当事項はありません。
b. 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前期比(%) |
エネルギーコストソリューション事業(千円) |
888,462 |
8.4 |
スマートハウスプロジェクト事業(千円) |
2,419,720 |
25.3 |
小売電気事業(千円) |
12,699,099 |
34.4 |
合 計(千円) |
16,007,282 |
31.2 |
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前期比(%) |
エネルギーコストソリューション事業(千円) |
5,122,749 |
△6.5 |
スマートハウスプロジェクト事業(千円) |
4,528,535 |
△1.2 |
小売電気事業(千円) |
13,600,788 |
47.0 |
合 計(千円) |
23,252,073 |
20.4 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、本文における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度における経営成績は「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおり、売上高・各段階利益ともに増加しており、いずれも過去最高となりました。当期純利益の増加及び有利子負債の減少により自己資本比率は58.3%まで上昇しており、引き続き財政状態は健全です。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、電力をめぐる状況があります。当連結会計年度におきましては、前連結会計年度のような電力市場価格の大幅な高騰はなかったため小売電気事業はセグメント利益を計上していますが、燃料価格高騰などの要因による電力調達価格の上昇の影響により、利益率は従前に比べて低下傾向にあります。一方、そのような電力価格高騰を背景に、エネルギーコストソリューション事業において、電気を創って自家消費する形態の事業用太陽光発電システムは好調に販売を拡大しました。
なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響はスマートハウスプロジェクト事業における催事販売においてあったものの軽微であり、当社グループの連結業績への影響も軽微でありました。
(売上高及び売上総利益)
当連結会計年度における売上高は、小売電気事業の増収額が他事業の減収額を上回ったことでグループ全体の売上高は増収となり、過去最高の23,252百万円(前期比20.4%増)となりました。売上総利益につきましては、相対電源の比率を高めることで電力調達価格の変動リスクを低減した小売電気事業が901百万円の利益(前期は196百万円の損失)となり前期比1,098百万円の増益となったことで伸長し、過去最高の6,117百万円(前期比14.7%増)となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は売上総利益と同様に伸長し、過去最高の2,450百万円(前期比48.5%増)となりました。
なお、セグメント別の内容は「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、過去最高の2,158百万円(前期比92.6%増)となりました。また、1株当たり当期純利益は94.81円となり、前連結会計年度に比べ45.36円増加いたしました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおり、営業活動によるキャッシュ・フローは支出となりました。
当社グループは、主に営業活動によるキャッシュ・フローを財源として企業活動を行っております。重要な資本的支出の予定はありません。また、安定的な資金の確保のため金融機関から長期借入金を調達しております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は1,620百万円、現金及び現金同等物の残高は5,517百万円となっております。また、当連結会計年度末における自己資本比率は58.3%となっております。
③ 重要な会計方針及び見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されております。その作成は、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、電力料金収益の算定、棚卸資産の評価及び貸倒引当金の計上につきまして、過去の実績等を勘案して合理的に見積りを行っております。
当社グループの連結財務諸表作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1. 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。
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