業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

  当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以 下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

 ①財務状態及び経営成績の状況

当連結会計年度(平成29年10月1日~平成30年9月30日)における世界経済は、米国をはじめ比較的堅調に推移してまいりましたが、米中の貿易摩擦が貿易戦争と呼ばれるほど激化しつつあります。また、北朝鮮・中東情勢の地政学的リスクも依然存在しており、今後の景気動向は不確実性が増しており、わが国経済もその影響を受け、先行きが懸念される状況です。
 当社グループが参入しております電子部品業界は、車載用途向け電子部品の市場は堅調を維持しているものの、スマートフォン市場の伸びが鈍化しております。
 このような環境の中、当社グループにおきましては、既存取引の強化及び太陽光セカンダリ事業等の新規事業の推進や取扱商品の拡大に取り組み、業績の向上を目指してまいりましたが、スマートフォン関連製品の売上が減少しました。また、商流の変更により、パソコン用パネルの販売が終了したことなどによりパネルの売上も減少いたしました。
 この結果、売上高は379億45百万円(前期比31.9%減)となり、営業利益は8百万円(前期は営業損失44百万円)となりました。太陽光セカンダリ事業に関連した固定資産売却益を1億44百万円計上したことなどにより、経常利益は81百万円(前期比2.5%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は50百万円(前期比339.8%増)となりました。
 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

電子部品関連事業

当連結会計年度における電子部品関連事業の売上高は、 370億52百万円 (前期比32.9%減) となりました。

a. 電子 部品 事業

白物家電、車載機器、PCバッテリー監視用途向け半導体の需要は底堅く推移し、売上は堅調に推移いたしました。新製品の受注獲得については、技術・需要動向の変化が激しいスマートフォン・車載機器・バッテリー監視市場のニーズに応えるべく、仕入先への最先端技術動向のフィードバックや製品開発の提案を行いました。その結果、今後の期待が大きい車載機器部門において受注に向けた進展がみられました。また、顧客へのCS向上の観点より、部品の供給面・生産面での問題を未然に防ぐ目的で、仕入先との調整機能を拡充いたしました。一方、当社取扱い製品が採用されているスマートフォンの販売は、新モデル発売を控えた既存モデルの買い控え現象や顧客の新規モデルの立上げ遅延もあり、当社製品売上も減少する結果となりました。LCDモジュールは顧客ニーズに対応した新たな技術動向の紹介等の営業活動や保守需要の取り込みに努めましたが、売上は大幅に減少いたしました。
 この結果、売上高は191億10百万円(前期比37.9%減)となりました。

 

b. パネル事業

デスクトップモニター市場においては、大型・高付加価値のモデルの拡充に努め、売上は堅調に推移いたしました。また、パブリックディスプレイ市場においては、狭額縁のパネル、大型・高精細のモデルの販売が順調に伸びました。一方、国内パソコン市場においては、スマートフォンへの需要のシフトにより、冷え込みと縮小傾向が続く状況において、顧客・仕入先との緊密な連携を維持し、顧客の需要の変化に対応してきましたが、商流の変更により、パソコン用パネルの販売が終了したため、売上が減少いたしました。

この結果、売上高は158億95百万円(前期比31.9%減)となりました。

 

c. 電子材料事業

有機EL用封止材においては、競合他社の安価な製品にシェアを奪われ、売上が減少いたしました。導光板用PMMAレジンにおいては、需要に対する物量不足が続いている状況でありましたが、前期と比較して売上を伸ばすことができました。また、太陽光発電パネルにおいては、受注した案件の一部が工事遅延のため、来期に持ち越しとなったものの、売上は順調に推移いたしました。リチウムイオンバッテリーセルにおいては、新規顧客とのビジネスを開始し順調に推移いたしました。
 この結果、売上高は20億46百万円(前期比93.9%増)となりました。

 

太陽光発電関連事業

太陽光発電関連事業は、稼働中の当社小松ヶ丘太陽光発電所、旭第一太陽光発電所、旭第二太陽光発電所とも、例年並みの発電量となりました。また、太陽光セカンダリ事業の推進にも注力いたしました。
 この結果、売上高は8億93百万円(前期比60.8%増)となりました。

 

 ②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、たな卸資産の増加による支出等の要因により減少したものの、仕入債務の増加、有形固定資産の売却による収入等の要因により増加したことにより、前連結会計年度末に比べ5億43百万円増加し、16億34百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動の結果使用した資金は、7億77百万円(前連結会計年度は資金の増加35億61百万円)となりました。これは主に、増加要因として売上債権の減少9億57百万円、仕入債務の増加12億62百万円、減少要因としてたな卸資産の増加28億59百万円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動の結果得られた資金は、11億40百万円(前連結会計年度は資金の減少9億27百万円)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入12億38百万円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動の結果得られた資金は、1億86百万円(前連結会計年度は資金の減少30億89百万円)となりました。これは主に、増加要因として短期借入金の純増加5億21百万円、減少要因として非支配株主への払戻による支出1億12百万円、長期借入金の返済による支出1億20百万円、配当金の支払額86百万円等によるものであります。

 

 ③生産、受注及び販売の実績

当社は、商社として事業活動を展開しており、生産については該当実績がないため、仕入実績を記載しております。

 

a. 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年10月1日

至 平成30年9月30日)

仕入高(千円)

前期比(%)

電子部品関連事業

37,063,676

71.1

 

電子部品事業

19,497,806

69.9

 

パネル事業

15,685,032

67.4

 

電子材料事業

1,880,837

192.7

太陽光発電関連事業

2,444,130

633.3

合計

39,507,807

75.2

(注)1 金額は、仕入価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

b. 受注実績

当社は、受注と仕入がほぼ同額であるため、記載を省略しております。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年10月1日

至 平成30年9月30日)

販売高(千円)

前期比(%)

電子部品関連事業

37,052,159

67.1

 

電子部品事業

19,110,446

62.1

 

パネル事業

15,895,223

68.1

 

電子材料事業

2,046,489

193.9

太陽光発電関連事業

893,295

160.8

合計

37,945,454

68.1

(注)1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

(自 平成28年10月1日

至 平成29年9月30日)

当連結会計年度

(自 平成29年10月1日

至 平成30年9月30日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

LG Display Co., Ltd.

21,089,253

37.8

12,154,432

32.0

日本電気株式会社

8,366,459

15.0

9,619,919

25.4

LG電子株式会社

6,935,463

12.4

4,588,987

12.1

シンデン・ハイテックス株式会社

9,754,457

17.5

3,992,274

10.5

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、たな卸資産の評価、有価証券の評価、減価償却資産の耐用年数の設定、貸倒引当金及び退職給付引当金の計上等の重要な会計方針並びに税効果会計等に関して見積り及び判断を行っております。過去の実績及び当該取引の状況に照らして、合理的と考える見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

なお、文中の将来に関する事項については、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 財政状態

(資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は170億44百万円となり、前連結会計年度末に比べ26億83百万円増加しました。これは主に商品が28億59百万円、現金及び預金が5億43百万円増加したことによるものであります。固定資産は30億14百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億10百万円減少いたしました。これは主に有形固定資産が5億39百万円、のれんが5億95百万円減少したことによるものであります。

この結果、総資産は200億59百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億72百万円増加いたしました。

 

(負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は124億3百万円となり、前連結会計年度末に比べ18億40百万円増加しました。これは主に買掛金が12億62百万円、短期借入金が5億48百万円増加したことによるものであります。固定負債は12億92百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億13百万円減少いたしました。これは主に長期借入金が1億20百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は136億96百万円となり、前連結会計年度末に比べ17億27百万円増加いたしました。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は63億62百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億54百万円減少しました。これは主に非支配株主持分が1億12百万円減少したことによるものであります。

この結果、自己資本比率は31.7%(前連結会計年度末は34.6%)となりました。
 

b. 経営成績

(売上高)

当連結会計年度の売上高につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

 

(売上総利益)

売上総利益は、太陽光発電関連事業の利益増加により、12億97百万円(前期比6.1%増)となりました。

 

(営業損益)

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ21百万円増加し、営業利益は8百万円(前期は営業損失44百万円)となりました。

 

(経常損益)

営業外損益につきましては、為替差益が2億23百万円減少し、太陽光セカンダリ事業に関連した固定資産売却益が1億44百万円増加したため、営業外収益は2億8百万円(前期比25.3%減)、また、営業外費用は、支払利息が33百万円減少し、為替差損7百万円増加により、1億35百万円(前期比12.6%減)となりました。その結果、経常利益は81百万円(前期比2.5%増)となりました。

 

(当期純損益)

特別損失につきましては、太陽光セカンダリ事業に関連した関係会社株式売却損14百万円増加したため、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は67百万円(14.0%減)、法人税、住民税及び事業税を18百万円、法人税等調整額を11百万円計上したため、当期純利益は60百万円(463.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は50百万円(339.8%増)となりました。

 

③資本の財源及び資金の流動性についての分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、電子部品・電子材料の仕入代金と、販売用の太陽光発電設備の仕入代金であります。主要な取引先はいずれもLGグループ他の大手企業との取引であることから、売掛金回収も滞りなく安定した資金を確保しており、また金融機関からの借入金により資金調達を行っております。海外支店の運転資金につきましては、国内で調達しており、本社で一元管理しております。

なお、当社は運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行3行とシンジケートローン契約を締結し、100億円の借入枠を設定しており、当面の資金の流動性を確保していると考えております。

 

④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、継続的な成長を実現するため、「売上高」、「経常利益率」及び「自己資本比率」を重要な経営指標と位置づけ企業価値の向上を目指してまいります。当連結会計年度における「売上高」は379億45百万円(前期比31.9%減)、「経常利益率」は0.2%(前期比0.1ポイント改善)でありましたが、「自己資本比率」は31.7%(前期比2.9ポイント悪化)となりました。主な悪化要因につきましては、期末時に仕入れた商品が在庫となったため、一時的に総資産が増加したためであります。これらの指標につきましては、改善されるよう引き続き取り組んでまいります。

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