当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、国内外での新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限、物流混乱、部品・部材不足や半導体不足等で自動車をはじめとした生産活動が大きな影響を受けました。また、地政学的情勢の激動や資源価格の高騰、物価上昇の加速、円安の急激な進行により先行き不透明感が強まりました。
東証プライム市場に移行し、創立75周年を迎えた当社グループでは、このような事業環境のもと長期経営計画「VISION2023」に沿って、強みを活かした付加価値の高いビジネスを追求、深化させ、新規ビジネスの発掘、グローバル展開の更なる加速、新規投資の推進などに継続して取り組み、グループを挙げて業績の向上に努めてまいりました。
新規投資としては、当社グループが注力するライフサイエンス領域の強化を目指し、バイオテクノロジー関連機器・試薬の輸入販売を手掛ける㈱スクラムを買収しました。モビリティ領域では、自動車および部品の開発活動をサポートする事業を新たに展開しておりますが、これを補完する車両および部品調達サービス機能を強化するため、㈱アジアブリッジパートナーズに出資しました。また、DX戦略強化を狙い、ソフトウェア受託開発を主業とする㈱コスモ・コンピューティングシステムを買収することを決定いたしました。
この結果、当連結会計年度の 売上高は111,250百万円(前連結会計年度比23.9%増)、営業利益は5,319百万円(前連結会計年度比3.4%減)、経常利益は6,299百万円(前連結会計年度比1.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,296百万円(前連結会計年度比0.9%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。
また、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の算定方法により作成したものを記載しています。
ゴム関連商品は、商品の供給逼迫と仕入価格高騰が深刻化したものの、自動車向けや家電・情報機器向けなど幅広い産業での合成ゴムや副資材の需要は好調に推移しました。
化学品関連商品では、主力の塗料・インキ向け原材料輸入販売が堅調に推移しました。また、近年取り組んできた環境配慮型商材の新規展開も本格化しました。
ライフサイエンス関連商品は物流停滞の影響を受けたものの、電材や北米向け食品添加物など輸出関連取引が伸長しました。
この結果、化成品の売上高は37,734百万円(前連結会計年度比19.7%増)、営業利益は2,510百万円(前連結会計年度比24.4%増)となりました。
産業資材関連商品は、半導体・部品不足等による日系自動車メーカーの減産の影響を受けたものの、前期並みに推移しました。
機械・環境関連商品は、プロジェクトの一部が計画遅延となり、また、円安等の影響で業績が低調でした。
科学機器関連商品は、表面物性試験機、粒子分散測定機器が好調に推移しました。
資源開発関連商品は海洋資源採鉱機材、地熱開発機材が好調でした。なお、当期より㈱スクラムおよび三洋テクノス㈱を連結の対象にしました。
この結果、機械資材の売上高は36,333百万円(前連結会計年度比8.7%増)、営業利益は3,172百万円(前連結会計年度比13.4%減)となりました。
Sanyo Corporation of Americaは、高機能性樹脂が好調に推移しましたが、中国製自動車部品の追加関税、原材料価格や輸送費の高騰等の影響を受けました。三洋物産貿易(上海)有限公司は、上海ロックダウンをはじめとした中国のゼロコロナ政策の影響を受けながらも、自動車部品および部品用材料が堅調に推移しました。
Sanyo Trading Asia Co., Ltd.(タイ)は、ゴム関連商品が好調に推移しました。Sun Phoenix Mexico,S.A. de C.V.は、中国からの海上輸送費高騰の影響を受け、自動車関連部品が低調でした。Sanyo Trading (Vietnam) Co., Ltd.は塗料関連商品が低調でした。PT.Sanyo Trading Indonesiaはゴム関連商品が好調でした。なお、当期よりSanyo Trading India Private Limitedを連結の対象にしました。
この結果、海外現地法人の売上高は36,992百万円(前連結会計年度比49.8%増)、営業利益は1,235百万円(前連結会計年度比26.3%増)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
流動資産は、現金及び預金が減少しましたが、売掛金・電子記録債権等の売上債権や商品及び製品が増加したこと等から、 前連結会計年度末に比べ12,598百万円増加し、55,133百万円となりました。
固定資産は、機械装置等が増加した一方、投資有価証券の時価評価額の減少等により、 前連結会計年度末に比べ573百万円減少し、7,726百万円となりました。
(負債)
流動負債は、仕入債務とともに金融機関借入金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ7,345百万円増加し、22,013百万円となりました。
固定負債は、退職給付に係る負債の増加等によって、前連結会計年度末に比べ192百万円増加し、1,633百万円となりました。
(純資産)
親会社株主に帰属する当期純利益の計上による株主資本の増加や、為替換算調整勘定の増加等によってその他の包括利益累計額が増加しました。
この結果、前連結会計年度末に比べ4,487百万円増加し、39,212百万円となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、5,718百万円(前連結会計年度末比2,944百万円の減少)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、3,395百万円の支出(前連結会計年度比5,648百万円の減少)となりました。売上債権及び契約資産の増加や棚卸資産の増加、法人税等の支払による支出の一方で、税金等調整前当期純利益の計上があったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,809百万円の支出(前連結会計年度比799百万円の減少)となりました。㈱スクラムの株式取得に係る支出等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,864百万円の収入(前連結会計年度比5,165百万円の増加)となりました。これは主に金融機関からの借り入れによる収入と親会社の配当金支払いによる支出です。
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
受注実績と販売実績の差異が僅少の為、記載を省略しています。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1. セグメント間の取引は相殺消去しています。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に有価証券の評価、固定資産の評価、貸倒引当金、賞与引当金、退職給付に係る負債等であり、継続して評価を行っています。
見積りおよび判断・評価については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づいて行っていますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりです。
a.経営成績の分析
(売上高)
売上高は111,250百万円となり、前連結会計年度に比べ21,461百万円の増収となりました。Sanyo Corporation of AmericaおよびSanyo Trading Asiaの売上伸長や円安を背景に、海外現地法人の売上高が大きく増加しました。
(営業利益)
売上の増加に伴い、売上総利益は17,144百万円と前連結会計年度に比べ1,634百万円の増益となりました。販売費及び一般管理費は人員増による人件費の増加や販売費の増加等により11,825百万円と前連結会計年度に比べ1,821百万円増加しました。この結果、営業利益は5,319百万円となり、前連結会計年度に比べ187百万円の減益となりました。
(税金等調整前当期純利益)
税金等調整前当期純利益は6,523百万円と前連結会計年度に比べ422百万円の増益となりました。当連結会計年度の特別損益は、負ののれん発生益の計上等により、224百万円の利益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は4,296百万円と前連結会計年度に比べ40百万円の増益となりました。
b.財政状態の分析
財政状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりです。
c.経営成績に重要な影響を与える要因
「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりです。
d.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、運転資金および投資等の資金需要に対して、自己資金で賄うことを基本方針としつつ、不足分は金融機関からの短期/中長期借入金で調達しています。
また、売掛/手形/電子記録債権の流動化による資金調達手段の多様化や、当社および国内子会社間で導入しているキャッシュ・マネジメント・システムによりグループにおける余剰資金を効率的にグループ内で活用するなど、安定的な流動性の確保と金融費用の削減を図っています。
なお、キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
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