当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
当事業年度におけるわが国経済は、世界規模での新型コロナウイルス感染症拡大の影響が長期化したことにより、業種・業態によっては壊滅的な打撃を受けております。国際情勢について、高まる地政学リスクにより、ますます不安定さが増大し、先行きは依然として不透明な状況が続いております。小売業界におきましては、新型コロナウイルス感染症により、長期間に及ぶまん延防止等重点措置などが実施され、経済活動の自粛、個人消費の減退と厳しい経営環境が続いております。
このような外部環境に対応するために、当社はさまざまな取組みを進めてまいりました。
商品政策におきましては、全体の商品調達力を高める取組みをしております。店頭買取システムの見直しに注力し、効率アップを目指しております。買取専門店の出店や宅配買取・法人買取の強化などを通して、多様な調達ルートを確保してまいりました。お客様を待たせないように、買取王国業態では、買取予約システムを導入いたしました。また、品物で大学へ寄付を行える寄付事業を発展させ、寄付サイトモノドネを立ち上げ、大学のみならず、各種非営利活動団体へと間口を広めております。
店舗政策におきましては、標準化システムの構築を推進しております。買取王国業態では、見やすい・探しやすい・手に取りやすいという標準化を推進する一方、各店の魅力を伝えるために、それぞれ狭属性一番化を追求いたします。工具専門店業態では、誰でも買取・販売・マネジメントができる標準化システムを構築し、常に改善を求めております。
出退店におきましては、不採算のRE&(リアンド)長久手店、買取王国刈谷店を撤退し、工具買取王国業態を5店舗、買取専門のおたから買取王国業態を4店舗出店いたしました。詳細状況につきましては、下表のとおりです。
(注) 工具買取王国長久手店はRE&長久手店の跡地にオープンしております。
売上高については、前年同期をわずかに上回りました。商材別の状況では、主要商材のファッションが前年同期を若干下回りましたが、ホビー・工具等が順調に推移しております。また、サブ商材のトレカ・貴金属に関して、市場が活性化したことに合わせて取組みを強化した結果、前年同期を大きく上回りました。
以上の結果、当事業年度の売上高は4,950百万円(前年同期比1.2%増)、営業利益は195百万円(前年同期比55.0%増)、経常利益は219百万円(前年同期比50.3%増)、当期純利益は122百万円(前年同期比20.0%増)となりました。
財政状態の状況
(資産)
流動資産は、前事業年度末に比べ17百万円減少し、2,197百万円となりました。これは、商品が160百万円、未収法人税等が11百万円増加した一方、現金及び預金が179百万円、売掛金が16百万円減少したことなどによるものです。
固定資産は、前事業年度末に比べ68百万円増加し、1,249百万円となりました。これは、投資その他の資産が110百万円増加した一方、有形固定資産が10百万円、無形固定資産が31百万円減少したことなどによるものです。
この結果、総資産は前事業年度末に比べ50百万円増加し、3,447百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前事業年度末と比べ150百万円減少し、608百万円となりました。これは、買掛金が18百万円、未払費用が28百万円、未払消費税等が72百万円減少したことなどによるものです。
固定負債は、前事業年度末と比べ76百万円増加し、718百万円となりました。これは、資産除去債務3百万円、長期借入金が71百万円増加したことなどによるものです。
この結果、負債合計は前事業年度末と比べ73百万円減少し、1,326百万円となりました。
(純資産)
当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べて124百万円増加し、2,120百万円となりました。これは、譲渡制限付株式報酬としての新株発行により資本金が6百万円、資本剰余金が6百万円、当期純利益により利益剰余金が122百万円増加した一方、配当金の支払により利益剰余金が10百万円減少したことによるものです。
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ179百万円減少し、909百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は54百万円(前事業年度は370百万円の資金増)となりました。これは主に、税引前当期純利益193百万円などにより資金が増加した一方、たな卸資産の増加額160百万円、法人税等の支払額67百万円により資金が減少したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は188百万円(前事業年度は51百万円の資金減)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出100百万円、有形固定資産の取得による支出63百万円などにより資金が減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は63百万円(前事業年度は68百万円の資金減)となりました。これは、長期借入れによる収入450百万円により資金が増加した一方で、長期借入金の返済による支出375百万円、配当金の支払額が10百万円により資金が減少したことによるものであります。
当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社の主要な運転資金需要は、商品仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、主要な設備投資資金需要は、店舗の新規出店であります。
これらの資金需要については、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、銀行借入による資金調達にて対応していくこととしております。
なお、当事業年度末における借入金の残高は923百万円、現金及び現金同等物の残高は909百万円となっております。
③仕入及び販売の状況
当社は、総合リユース小売業の単一セグメントであり、当事業年度における仕入実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社は、総合リユース小売業の単一セグメントであり、当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
各品目の主な内容は以下のとおりです。なお、前事業年度にホビーに含まれていたトレカについては、当事業年度より別掲しております。
(注) ジャパントイとは、日本のアニメキャラクター玩具や特撮ヒーロー玩具等、日本企画のおもちゃを総称したものであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
売上高については、主力商材のファッションがやや不調でしたが、工具・ホビー等が順調に推移しました。また、トレカ、ブランド(貴金属含む)に関しては、市場が活発になったことに合わせて強化した結果、大きく成長しました。そのため、売上高が4,950百万円(前事業年度4,893百万円)となり、前年同期を1.2%上回りました。
粗利率について、商品回転率を重視し、早期現金化などに努めました。ただし、売上構成の変化により、前事業年度の55.5%から若干下がりまして、55.2%になりました。
販売費及び一般管理費の売上比率は前事業年度より1.6%下回り、51.3%となりました。これらの結果事業年度の営業利益は195百万円(前事業年度125百万円)、経常利益は219百万円(前事業年度145百万円)となり、前年同期を上回ることとなりました。
減損損失17百万円、店舗閉鎖損失3百万円等特別損失として25百万円を計上した結果、当期純利益122百万円(前事業年度102百万円)となりました。
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。インターネットの普及が人々の生活様式に根本的な変化を引き起こしています。当社は、常に顧客の感動を追求し、環境の変化や顧客のニーズに適応していく必要があると認識しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
(キャッシュ・フロー)
当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資金需要)
当社の主要な運転資金需要は、商品仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、主要な設備投資資金需要は、店舗の新規出店であります。
これらの資金需要については、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、銀行借入による資金調達にて対応していくこととしております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社の財務諸表の作成にあたっては、事業年度末における資産、負債の報告数値及び収益、費用の報告数値に影響を与える見積り、判断及び仮定を必要としております。当社は財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じて、合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があり、この差異は、財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。
当事業年度末現在において、見積り、判断及び仮定により当社の財務諸表に重要な影響を及ぼすと考えている項目は、次のとおりであります。
商品
商品は、主として個別法による原価法(貸借対照表価額は、収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しております。また、販売可能性の低い長期滞留品については、必要な評価減並びに廃棄処分等を行っております。
④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断する客観的な指標等について
当社は、継続的な事業拡大のため、「売上高経常利益率」を重要な指標として位置づけております。当事業年度における売上高経常利益率は4.4%(前事業年度3.0%)となりました。
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