当連結会計年度における我が国経済は、社会経済活動が正常化に向かうなかで、各種政策や海外経済の改善もあり、景気が持ち直していくことが期待されます。ただし、国内外の新型コロナウイルス感染症の動向や世界金融資本市場の変動の影響等について留意する必要があります。
このような環境のなか、中古車業界におきましては、2020年12月から2021年11月までの国内中古車登録台数は6,288,062台(前年同期比99.0%)と前年を下回る結果となりました。車種別では、普通乗用車登録台数が3,269,473台(前年同期比98.4%)であり、軽自動車の登録台数は3,018,589台(前年同期比99.6%)という結果となりました。(出典:一般社団法人日本自動車販売協会連合会統計データ・一般社団法人全国軽自動車協会連合会統計データ)
当社グループにおきましては、このような状況のなか、『お客様に最も愛される企業』という経営理念に基づき、ライフタイムバリューと管理顧客数(=3年以内の取引ユーザー数)を意識した店舗運営を行ってまいりました。
出店に関しましては、総合店として2021年4月に宮崎県に初出店となる「宮崎北店」、愛知県に「日進駅前店」、高知県に初出店となる「高知店」、2021年5月に千葉県に「幕張店」、2021年7月に大分県に「大分店」、岩手県に初出店となる「盛岡店」、2021年9月に群馬県に「太田店」、埼玉県に「新座店」、2021年11月に北海道に「札幌手稲店」をオープンいたしました。
専門店としては、2021年4月に「一宮スバル車専門店」、2021年5月に「UNIVERSE千葉北」、2021年
11月に「広島安芸店」をオープンいたしました。また、既存店に併設して買取専門店10店舗を出店するとともに、買取店の単独店舗として「いわき店」、「長久手グリーンロード店」、「浜松店」、「昭島店」、「さいたま中央店」、「石岡店」、「葛飾店」、「広島三篠店」、「池袋店」、「京都八幡店」、「奈良店」、「橿原店」、「八王子店」、「世田谷店」、「弘前店」をオープンいたしました。輸入車正規ディーラーに関しましては、フォルクスワーゲン正規販売店として「フォルクスワーゲン大阪枚方」をオープンいたしました。
中古車販売事業
中古車販売事業は、北海道東北地方4拠点(4店舗)、関東甲信越地方10拠点(11店舗)、東海北陸地方4拠点(4店舗)、関西地方3拠点(3店舗)、中国四国地方3拠点(3店舗)及び九州沖縄地方2拠点(2店舗)を出店いたしました。また、併設店として買取専門店10店舗を出店したことにより、当連結会計年度末の拠点数は103拠点(159店舗)となりました。
新車販売事業
新車販売事業は、関西地方に1拠点(1店舗)を出店したことにより、当連結会計年度末の拠点数は21拠点(23店舗)となりました。
その結果、当連結会計年度末の拠点数は124拠点(182店舗)となりました。
当連結会計年度の主な経営成績は次の通りです。
(単位:百万円)
売上高分析
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度から501億17百万円(20.8%)増加し、2,912億63百万円となりました。前連結会計年度は、消費税増税・新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けましたが、当連結会計年度は新規出店による市場拡大等により売上高が前年同期比で増加しました。
また、セグメント別の概況については、当社グループの事業は自動車販売及びその附帯事業がほとんどを占めており実質的に単一セグメントでありますので、その概況を地域別に示しております。地域別の売上高は、(生産、受注及び販売の状況)の(2)販売実績をご参照下さい。
売上総利益率の分析
当連結会計年度の売上総利益率は、前連結会計年度から1.3ポイント増加し、19.5%となりました。当連結会計年度では、新型コロナウイルス感染症影響の反動増による市場の需要回復及び商品リードタイム短縮による台当たり利益改善により売上総利益率は前年同期比で上昇しました。
販売費及び一般管理費の分析
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度から59億89百万円増加し、430億93百万円となりました。主な要因は、社員数の増加による人件費の増加、販売台数増加に伴う販売諸費用の増加、新規出店に伴う地代家賃・減価償却費の増加であります。
上記の結果、当連結会計年度の売上高は2,912億63百万円(前年同期比20.8%増)、営業利益は136億37百万円(前年同期比99.8%増)、経常利益は133億88百万円(前年同期比105.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は96億63百万円(前年同期比103.9%増)となりました。
当連結会計年度末の総資産は1,110億32百万円となり前連結会計年度末に比べ113億98百万円増加いたしました。
流動資産は前連結会計年度末に比べ59億76百万円増加し、748億65百万円となりました。主な要因は現金及び預金が46億94百万円減少したものの、売掛金が8億70百万円増加及び商品が84億円増加したことによるものであります。
固定資産は前連結会計年度末に比べ 54億22百万円増加し、361億66百万円となりました。主な要因は新規出店等により、建物及び構築物が46億78百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の流動負債は280億12百万円となりました。買掛金が9億96百万円減少及び1年内償還予定の社債が10億円減少したものの、未払法人税等が17億16百万円増加となりました。
固定負債は前連結会計年度末に比べ2億1百万円減少し、414億1百万円となりました。主な要因は長期借入金が6億79百万円減少したことによるものであります。
純資産は前連結会計年度末に比べ116億円増加し、416億17百万円となりました。この要因は株式の発行に伴う増資等により資本金が10億36百万円増加、資本剰余金が10億36百万円増加及び利益剰余金が91億36百万円増加したことによるものであります。
(単位:百万円)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ47億24百万円減少し、227億18百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、32億14百万円の収入(前年同期は192億69百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益133億1百万円、減価償却費39億33百万円に加え、たな卸資産の増加額85億69百万円及び法人税等の支払21億51百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、82億56百万円の支出(前年同期は85億29百万円の支出)となりました。これは主に、新規出店等に伴う有形固定資産の取得による支出73億49百万円及び差入保証金の差入による支出6億82百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、3億17百万円の収入(前年同期は56億73百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出61億30百万円があった一方、長期借入れによる収入55億円及び株式の発行による収入19億95百万円があったことによるものであります。
当社グループは自動車販売及びこれらの附帯業務がほとんどを占めていることから、単一セグメントとしております。当連結会計年度の仕入実績を項目別に示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは自動車販売及びこれらの附帯業務がほとんどを占めていることから、単一セグメントとしております。当連結会計年度の販売実績を地域別に示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.地域別の区分は次のとおりであります。
3.期末拠点数の( )内は店舗数であります。当社は、車種タイプ別に複数店舗を構える拠点があるため、拠点数と店舗数は異なります。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。
その他重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なもの及びその補足事項については以下のとおりであります。
固定資産の減損
「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
繰延税金資産の回収可能性
各納税主体の将来課税所得を過去の実績や事業計画等を勘案のうえ合理的に見積り、将来の税金負担を軽減する効果を有すると考えられる部分につき回収可能と判断し繰延税金資産を計上しております。今後、経営環境等の変化や関係法令の改正により将来課税所得の見積りに変動が生じた場合には、繰延税金資産の計上額に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度末の財政状態につきましては、「(経営成績等の状況の概要) (2) 財政状態の状況」をご参照ください。
当社グループでは、生涯取引の実現のためライフタイムバリューと管理顧客数を意識した店舗運営を引き続き行ってまいります。そのために、車両の販売からカー用品の販売、保険、車検、メンテナンス整備、鈑金修理、買取まで一貫したサービスが提供できる環境を整えた店舗出店を行い、お客様へ継続的な利用を促進する取り組みを行ってまいります。
2022年11月期通期の業績予想につきましては、2022年1月6日に公表しました業績予想に変更ありません。
しかしながら、今後、新型コロナウイルス感染症の感染状況やその経済環境が変化した場合には、業績予想に影響を及ぼす可能性があります。業績予想の修正が必要となった場合には速やかに開示いたします。
(単位:百万円)
(注)上記連結業績見通しに関する注意事項
2022年11月期通期の業績予想値は、業界等の動向、国内外の経済状況等の要因について、現時点で入手可能な情報をもとに行った見通しであります。そのため、上記連結業績予想値はこれらの要因の変動により大きく異なる場合があります。
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(経営成績等の状況の概要) (3)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(5) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社は、株主に対する利益還元を重要な課題の一つとして認識しており、経営基盤の強化と財務体質の健全性を勘案しつつ、株主への剰余金の配当を安定かつ継続的に実施することを配当についての基本方針として位置付けております。原則、期末配当を年1回実施していく考えであり、その決定機関は株主総会であります。また、当社は取締役会の決議により、毎年5月31日を基準日として、中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
なお、内部留保資金につきましては、自己資本の充実を目的として一定の手元資金を確保するとともに、今後も成長が見込める販売店の展開やグループ成長に効果的な投資に備えてまいりたいと考えております。
上記の方針を踏まえた上で、当期の配当につきましては、前期以上の増配を実施することにより一層の株主還元強化を図り、中長期的な企業価値向上に資するべく、2022年1月6日に公表しました通り、1株につき15円の配当といたしました。
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