業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

  ①財政状態及び経営成績の状況

 当事業年度においては、米中間の貿易摩擦や通商問題の動向が世界経済に影響を与え、経済環境の不確実性、金融・資本市場の変動など、不透明な経済状況が続きました。また、我が国の経済環境においては、猛暑や大型台風などの異常気象や、地震などの影響が懸念されたものの、雇用環境や企業業績において改善が見られ、緩やかな景気回復基調で推移しました。

 このような環境の中、当社は、2021年3月期を最終年度とする新中期3ヶ年計画を掲げ、収益基盤の拡大と強化、安定した財務体質の維持、早期復配の実現を目指してまいりました。

 当社のコア商権である寝装用原料事業及び寝装・インテリア事業は、原料費の高騰や物流コストの大幅なアップにも関わらず リビング・インテリア事業を中心に 収益の増加に貢献いたしましたが、テキスタイルの輸出事業につきましては、当社が得意とする中東市場の低迷、EUにおけるBrexitなどの影響もあり、目標とする経常利益を 獲得するには至りませんでした。

 また、新システム導入に伴う一時的な費用の増加もあり、全体としては減益となり、下方修正を余儀なくされました。

 以上の結果、当 事業年度 の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

a.財政状態

 当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ66百万円増加し、56億20百万円となりました。当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ46百万円減少し、42億円となりました。ネットDERは0.4倍となり0.5倍未満を維持しました。当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べ1億13百万円増加し14億20百万円となり、目標には届かなかったものの、当期純利益の計上等により純資産比率は前事業年度末に比べ1.74ポイント増加し25.3となりました。

b.経営成績

 当事業年度の売上高は135億75百万円(前年同期比23.2%増)、営業利益は93百万円(同56.9%減)、経常利益は1億円(同48.5%減)、当期純利益は80百万円(同62.6%減)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

〔寝装用原料〕

 羽毛原料は、従来からの取引先に加え、新規取引先との取り組みがスタートしたことで売上高を伸ばすことが出来ましたが、原料価格の高止まりを受けて利益率は低下しました。

 羊毛原料は、敷き布団の不振が続いたことから、取扱数量、売上高ともに減少しました。

 合繊原料の取扱数量は、寝装用途は減少しましたが、不織布用途を増やすことができました。

 その結果、当セグメントの売上高は41億80百万円(前年同期比23.8 %増 )、営業利益は1億5百万円(同24.3 減)となりました。

 

 

〔寝装製品〕

 羽毛布団は、暖冬等の影響により小売やテレビ通販等多くの販売チャネルにおいて売上高が伸び悩みました。また、ムートンも年明け以降売上高を伸ばすことが出来ませんでした。

 その結果、当セグメントの売上高は11億19百万円(前年同期比11.1%減)、営業利益は45百万円(同35.7%減)となりました。

 

〔リビング・インテリア用品〕

 リビング・インテリア用品は、競合する国内のカーペット販売業の撤退が相次いだことにより、その商権を得ることで売上高が伸びました。また、カーテンの輸入取引を大きく伸ばすことが出来ました。

 その結果、当セグメントの売上高は17億99百万円(前年同期比23.8%増)、営業利益は98百万円(同26.3%増)となりました。

 

〔生地反物等繊維製品〕

 生地反物等繊維製品は、狭幅の生地販売からの撤退、手袋用生地の不振、羽毛布団の不振に伴う寝装用生地の減少、暖冬によるアパレル製品の伸び悩み等により売上高が減少しました。

その結果、当セグメントの売上高は7億72百万円(前年同期比28.4%減)、営業利益は25百万円(同38.2%減)となりました。

 

〔生活関連用品〕

 生活関連用品は、海外商品との価格競争により農業資材が苦戦しましたが、一般包装資材は堅調に推移し、売上高を伸ばすことが出来ました。しかし原料高が続いた影響で利益を伸ばすことが出来ませんでした。

 その結果、当セグメントの売上高は7億93百万円(前年同期比6.4%増)、営業利益は11百万円(同40.9%減)となりました。

 

〔輸出 用原料・テキスタイル〕

  輸出用原料・テキスタイル事業は、 世界的に地政学リスクが高まる中で、主力の中東市場向け生地輸出は、付加価値税の導入など経済政策による混乱により市場の低迷が続いたこと及び日本品を中心に生産や加工遅れの問題が発生し、予定通りの出荷が出来なかったことにより売上高を伸ばすことが出来ませんでした。また、 顧客のニーズに応じて迅速なサービスを提供するため、 欧州域内で生機を備蓄するオペレーションでは、Brexitの問題等で市場環境の悪化が続き、苦戦を余儀なくされました。

 一方、欧州市場向けの生地輸出は堅調に推移し、増収増益となりました。

 その結果、当セグメントの売上高は49億9百万円、営業利益は1億64百万円となりました (平成29年10月以降のセグメントにつき前年同期比較は省略しております。)

 

②キャッシュ・フローの状況

  当期のキャッシュ・フローにつきましては、現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べて39百万円減少し、8億45百万円となりました。当期のキャッシュ・フローの内訳は以下の通りであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

  当期において営業活動の結果獲得した資金は29百万円(前期は7億62百万円の獲得)となりました。これは主に、仕入債務の増加2億16百万円、売上債権の増加76百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当期において投資活動の結果使用した資金は5百万円(前期は10億44百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出21百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当期において財務活動の結果使用した資金は76百万円(前期は4億14百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金の返済64百万円によるものであります。

 

 

③仕入及び販売の実績

a.仕入実績

当事業年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

寝装用原料

3,826,992

119.47

寝装製品

1,025,602

90.18

リビング・インテリア用品

1,987,583

148.24

生地反物等繊維製品

745,322

75.99

生活関連用品

729,942

102.71

輸出用原料・テキスタイル

4,321,368

128.52

合計

12,636,812

117.71

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 販売実績

当事業年度における商品販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

寝装用原料

4,180,758

123.8

寝装製品

1,119,688

88.9

リビング・インテリア用品

1,799,979

123.8

生地反物等繊維製品

772,596

71.6

生活関連用品

793,366

106.4

輸出用原料・テキスタイル

4,909,148

158.2

合計

13,575,536

123.2

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する 認識及び 分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項につきましては、当事業年度末現在において判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5経理の状況 2財務諸表等 注記事項重要な会計方針)」に記載しているとおりであります。

 当社は、税効果会計、貸倒引当金、投資その他の資産の評価等に関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び利益・費用の金額に反映して財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社の当事業年度における経営成績等は、「3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析  (1)経営成績等の状況の概要  ①財政状態及び経営成績の状況 」に記載のとおりであります。

 当社の 経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 当社の資本の財源及び資金の流動性については、運転資金につきましては、借入及び債権の流動化により資金調達することとしております。売上債権及び在庫の圧縮等、資金の効率を高め、財務基盤の健全化を進めていく方針であります。

 当社は、健全な財務状態及び営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力があることにより、当社の成長を維持するために将来必要となる資金を調達することが可能と考えております。

 

 

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