業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

増減率

売上高

24,932

45,920

20,987

84.2

営業利益

751

2,397

1,646

219.0

経常利益又は

経常損失(△)

△479

1,498

1,978

親会社株主に帰属する当期純利益

12

2,064

2,052

営業利益率

3.0

5.2

2.2ポイント

(注)親会社株主に帰属する当期純利益は、増減率が1,000%を超えているため、「-」としております。

 

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、ワクチン接種の進展や感染対策の定着を背景に、経済活動の正常化が進み、緩やかながらも景気回復の兆しがみられました。しかしながら、ウクライナ情勢をめぐる各種資源価格の高騰、物価上昇に起因した各国政府における金融政策の変更による急激な円相場の下落により、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 当社グループの属する不動産市況においては、建築資材の供給制約にともなう建築コストの上昇や、継続する用地価格高騰の影響等、将来の懸念材料が潜在している一方で、賃貸マンション市場や分譲マンション市場における国内外投資家の購入意欲は依然として高く、販売状況は好調を維持しております。

 このような状況のもと、当社グループは強みである不動産開発事業を強化し収益の安定化を図る一方で、将来の収益の多様化、リスク分散の観点からファンド事業や物流開発事業にも参入するなど、事業の拡大、拡張を図ってまいりました。当連結会計年度における当社グループのセグメント別の実績としては、不動産開発事業においては、賃貸マンション38物件(土地での売却を含む)、分譲マンション6物件及びオフィス1物件の売却を行い、不動産ソリューション事業においては、バリューアップ7物件の売却を進めてまいりました。また、ホテル事業においては、1物件の売却を行っております。

 この結果、当社グループの当連結会計年度における経営成績は、売上高45,920百万円(前期比84.2%増)、営業利益2,397百万円(前期比219.0%増)、経常利益1,498百万円(前期は479百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益2,064百万円(前期は12百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

 なお、当連結会計年度において、連結子会社の株式会社THEグローバル社の全株式を売却し、特別利益1,060百万円を計上しております。

 セグメントの業績の概要は、以下のとおりであります。各セグメントの売上高の金額は、セグメント間の内部売上高を含めない数値を記載しております。

 

(不動産開発事業)

(単位:百万円、%)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

増減率

売上高

20,161

36,861

16,699

82.8

セグメント利益

2,018

4,750

2,731

135.3

セグメント利益率

10.0

12.9

2.9ポイント

 

当連結会計年度における売上高は36,861百万円(前期比82.8%増)、セグメント利益は4,750百万円(前期比135.3%増)となりました。

当社グループの不動産開発事業は、賃貸マンション開発及び分譲マンション開発並びにオフィス開発に分かれており、その売上高及びセグメント利益は次のとおりであります。

 

賃貸マンション開発

(単位:百万円、%)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

増減率

売上高

14,290

29,475

15,185

106.3

セグメント利益

2,286

4,205

1,918

83.9

セグメント利益率

16.0

14.3

△1.7ポイント

 

当連結会計年度における売上高は29,475百万円(前期比106.3%増)、セグメント利益は4,205百万円(前期比83.9%増)となりました。

前連結会計年度は30物件を売却いたしました。当連結会計年度においては、38物件を売却いたしました。なお、「OZIO桜新町」「ASTILE麻布十番」は2022年度グッドデザイン賞を受賞し、当社グループの賃貸マンションシリーズは7年連続、通算15度目の受賞となりました

 

分譲マンション開発

(単位:百万円、%)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

増減率

売上高

5,836

5,865

28

0.5

セグメント利益又は

セグメント損失(△)

△93

363

456

セグメント利益率

6.2

 

当連結会計年度における売上高は5,865百万円(前期比0.5%増)、セグメント利益は363百万円(前期は93百万円のセグメント損失)となりました。

前連結会計年度においては、分譲マンション5物件及び戸建て11戸を売却いたしました。当連結会計年度においては分譲マンション6物件を売却いたしました。

 

オフィス開発

(単位:百万円、%)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

増減率

売上高

35

1,520

1,485

セグメント利益又は

セグメント損失(△)

△174

181

356

セグメント利益率

12.0

(注)売上高は、増減率が1,000%を超えているため、「-」としております。

 

当連結会計年度における売上高は1,520百万円(前期は35百万円)、セグメント利益は181百万円(前期は174百万円のセグメント損失)となりました。前連結会計年度においてはオフィス物件の売却はありませんでした。当連結会計年度においては1物件を売却いたしました。また、開発物件において賃料収入を得ております。

 

(不動産ソリューション事業)

(単位:百万円、%)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

増減率

売上高

4,171

7,747

3,576

85.7

セグメント利益

959

914

△45

△4.7

セグメント利益率

23.0

11.8

△11.2ポイント

 

当連結会計年度における売上高は7,747百万円(前期比85.7%増)、セグメント利益は914百万円(前期比4.7%減)となりました。当社グループの不動産ソリューション事業は、バリューアップ事業並びに不動産コンサルティング、不動産仲介等に分かれており、その売上高及びセグメント損益は次のとおりであります。

 

バリューアップ

(単位:百万円、%)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

増減率

売上高

4,123

7,447

3,324

80.6

セグメント利益

1,009

963

△45

△4.5

セグメント利益率

24.5

12.9

△11.6ポイント

 

当連結会計年度における売上高は7,447百万円(前期比80.6%増)、セグメント利益は963百万円(前期比4.5%減)となりました。

前連結会計年度においては、5物件を売却いたしました。当連結会計年度においては7物件を売却いたしました。

 

不動産コンサルティング、不動産仲介、その他

(単位:百万円、%)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

増減率

売上高

48

299

251

523.9

セグメント損失(△)

△49

△49

0

セグメント利益率

 

当連結会計年度における売上高は299百万円(前期比523.9%増)、セグメント損失は49百万円(前期は49百万円のセグメント損失)となりました。

主に不動産ソリューション事業におけるバリューアップ以外の事業を集約しております。

 

(ホテル事業)

(単位:百万円、%)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

増減率

売上高

43

480

436

セグメント損失(△)

△1,150

△1,131

19

セグメント利益率

(注)売上高は、増減率が1,000%を超えているため、「-」としております。

 

当連結会計年度における売上高は480百万円(前期は43百万円)、セグメント損失は1,131百万円(前期は1,150百万円のセグメント損失)となりました。

前連結会計年度においてはホテル物件の売却はありませんでした。当連結会計年度においては1物件を売却いたしました。

 

(その他事業)

(単位:百万円、%)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

増減率

売上高

555

830

275

49.5

セグメント損失(△)

△191

△587

△396

セグメント利益率

 

当連結会計年度における売上高は830百万円(前期比49.5%増)、セグメント損失は587百万円(前期は191百万円のセグメント損失)となりました。

 

② 財政状態の状況

(単位:百万円、%)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

増減率

総資産

67,040

52,591

△14,448

△21.6

負債

42,121

26,536

△15,584

△37.0

純資産

24,918

26,055

1,136

4.6

自己資本比率

34.8

47.6

12.8ポイント

 

当連結会計年度末における総資産の残高は、前連結会計年度末に比べ14,448百万円減少し、52,591百万円となりました。主な要因といたしましては、現金及び預金、匿名組合出資金がそれぞれ2,441百万円、2,248百万円増加し、貸倒引当金の減少により4,384百万円増加したものの、販売用不動産、投資その他の資産のその他がそれぞれ18,788百万円、4,881百万円減少したこと等によるものであります。

なお、増減要因のうち当連結会計年度において株式会社THEグローバル社の株式を売却し連結子会社から外れたことによる同社の前連結会計年度末残高の減少による当連結会計年度末残高への影響額は、現金及び預金、貸倒引当金、販売用不動産、投資その他の資産のその他がそれぞれ1,028百万円、4,418百万円、20,716百万円、5,105百万円減少したこと等によるものであります。

負債につきましては、前連結会計年度末に比べ15,584百万円減少し、26,536百万円となりました。主な要因といたしましては、短期借入金、1年内償還予定の社債及び社債、1年内返済予定の長期借入金及び長期借入金がそれぞれ1,880百万円、1,840百万円、10,495百万円減少したこと等によるものであります。

なお、増減要因のうち株式会社THEグローバル社の株式売却による当連結会計年度末残高への影響額は、短期借入金、1年内償還予定の社債及び社債、1年内返済予定の長期借入金及び長期借入金がそれぞれ2,492百万円、1,840百万円、18,093百万円減少したこと等によるものであります。

純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ1,136百万円増加し、26,055百万円となりました。主な要因といたしましては、株式会社THEグローバル社の株式売却の影響により非支配株主持分が568百万円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等の影響により利益剰余金が1,674百万円増加したこと等によるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、16,722百万円の支出(前期は1,117百万円の収入)となりました。主な要因として、税金等調整前当期純利益が2,644百万円あったものの、棚卸資産の増加額、関係会社株式売却益がそれぞれ△19,317百万円、△1,060百万円あったこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、4,864百万円の収入(前期は2,117百万円の収入)となりました。主な要因として、匿名組合出資金の払込による支出が3,009百万円あったものの、債権譲渡による収入、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入がそれぞれ5,568百万円、1,156百万円、1,072百万円あったこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、14,362百万円の収入(前期は2,300百万円の収入)となりました。主な要因として、長期借入金の返済による支出15,630百万円があったものの、長期借入れによる収入、短期借入金の純増額がそれぞれ23,407百万円、7,106百万円あったこと等によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

1) 生産及び受注実績

当社グループの「不動産開発事業」「不動産ソリューション事業」「ホテル事業」及び「その他事業」は、生産及び受注実績を定義することが困難であるため、生産及び受注実績の記載はしておりません。

 

2) 仕入実績

当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年10月1日

   至 2022年9月30日)

 

金額(百万円)

前年同期比(%)

不動産開発事業

18,343

343.0

不動産ソリューション事業

19,796

596.4

ホテル事業

その他事業

4,370

合計

42,509

490.5

 (注)当連結会計年度のセグメント間の取引はありません。

 

3) 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年10月1日

   至 2022年9月30日)

 

金額(百万円)

前年同期比(%)

不動産開発事業

36,861

182.8

不動産ソリューション事業

7,747

185.7

ホテル事業

480

その他事業

830

149.5

合計

45,920

184.2

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年10月1日

至 2021年9月30日)

当連結会計年度

(自 2021年10月1日

至 2022年9月30日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

A社

8,530

18.6

※A社との間で守秘義務を負っているため、社名の公表は控えさせていただきます。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、決算日における資産及び負債の報告のうち、報告期間における収入、費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に棚卸資産の評価、有形固定資産の評価、投資有価証券の評価、貸倒引当金、繰延税金資産の回収可能性及び法人税等であり、継続して評価を行っております。

なお、見積り及び判断、評価については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績の分析

 当社グループは、不動産開発事業において賃貸マンション38物件、分譲マンション6物件、オフィス1物件、不動産ソリューション事業においてバリューアップ7物件、ホテル事業においてホテル1物件の売却等を行いました。

 この結果、当社グループの当連結会計年度における経営成績は、新型コロナウイルス感染症による影響が顕著となったホテル事業の低迷等はあったものの、特に不動産開発事業において前連結会計年度を大きく上回る結果となり、売上高45,920百万円(前期比84.2%増)、営業利益2,397百万円(前期比219.0%増)、経常利益1,498百万円(前期は479百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益2,064百万円(前期は12百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

 なお、当連結会計年度において、連結子会社の株式会社THEグローバル社の全株式を売却し、特別利益1,060百万円を計上しております。

 

1) 売上高

当連結会計年度における売上高は45,920百万円となり、前期において連結子会社となった株式会社THEグローバル社の好調もあり、前期と比較して20,987百万円の大幅な増加となりました。

なお、セグメント別の詳細につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」をご参照下さい。

 

2) 売上原価・売上総利益

当連結会計年度における売上原価は38,059百万円となり、前期と比較して17,728百万円の増加となりました。これは売上高の増加に比例して増加したものとなります。

また、当連結会計年度における売上総利益は7,860百万円となり、前期と比較して3,259百万円の増加となりました。

売上総利益については前期と比較して、不動産開発事業において3,086百万円増、不動産ソリューション事業において182百万円増、ホテル事業において262百万円増、その他事業において271百万円減となりました。

 

3) 販売費及び一般管理費・営業利益

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は5,462百万円となり、前期と比較して1,613百万円の増加となりました。

主な要因として、前期の途中で連結子会社となった株式会社THEグローバル社の販売費及び一般管理費が前期と比較して1,611百万円の増加となったこと等によるものであります。

これらの結果、当連結会計年度の営業利益は、2,397百万円となり、前期と比較して1,646百万円の増加となりました。

 

4) 営業外損益・経常利益

当連結会計年度における営業外収益は400百万円となり、前期と比較して230百万円の増加となりました。

主な要因として、株式会社THEグローバル社において債権の回収が行われたことによる貸倒引当金戻入額の計上により175百万円が増加したこと等によるものであります。

当連結会計年度における営業外費用は1,299百万円となり、前期と比較して101百万円の減少となりました。

主な要因として、支払利息が362百万円増加したものの、貸倒引当金繰入額、支払手数料がそれぞれ257百万円、128百万円減少したこと等によるものであります。

これらの結果、当連結会計年度の経常利益は1,498百万円(前期は479百万円の経常損失)となりました。

 

5) 特別損益・当期純利益

当連結会計年度における特別利益は1,149百万円となり、前期と比較して1,105百万円の増加となりました。

主な要因として、株式会社THEグローバル社の全株式を売却したことにより関係会社株式売却益1,060百万円を計上したこと等によるものであります。

当連結会計年度における特別損失は4百万円となり、前期と比較して241百万円の減少となりました。

主な要因として、前期は出資金評価損192百万円を計上したこと等によります。

これらの結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は2,644百万円(前期は679百万円の税金等調整前当期純損失)となり、法人税等を計上し、非支配株主に帰属する当期純利益を減算した結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は2,064百万円となり、前期と比較して2,052百万円の増加となりました。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの主な資金需要は、開発用地の取得費及び建築費、バリューアップ物件並びにホテル開発用地の取得費のほか、各事業における販売費及び一般管理費等の運転資金であります。

 これらの資金需要に対し必要な資金を安定的に確保するため、プロジェクトごとに調達金額、期間、金利等の条件を比較のうえ借入れ先を選択し、主に金融機関より、計画的に資金の調達を行っております。

 

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