課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、主に山口県及び九州の主要都市において、ファミリータイプの「オーヴィジョン」マンション及び分譲戸建「オーヴィジョン」ホームを提供しております。「オーヴィジョン」シリーズにおいては、「人と地球にやさしい暮らし」をコンセプトに、環境に配慮した良質な住まいの提供を通して、「人」と「社会」と「環境」の調和した未来の創造を目指しております。
 また、親会社である西部ガスホールディングス株式会社及び同社グループの関連部門と連携し事業推進体制を整備しております。引き続き、同社及び同社グループとのシナジー効果の最大化に向け、プロジェクト用地情報の共有をはじめとするグループ連携を深めてまいります。

 

(2) 経営指標

当社グループは、用地の取得資金及び建築資金等の一部を主に金融機関からの借入金により調達しております。安定的な事業展開を行うために、自己資本の拡充による財務基盤の強化が重要であると認識しており、最も重視している経営指標は自己資本比率であります。
  なお、自己資本比率の目標値を30%以上としておりますが、持続的な成長と更なる企業価値向上に努めた結果、事業用地等の棚卸資産が増加し、当連結会計年度末における自己資本比率は27.2%となりました。引き続き自己資本の拡充と有利子負債の圧縮等を行うことにより自己資本比率の向上に努めてまいります。

 

(3) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略

①経営環境

当社が属する不動産業界におきましては、住宅取得に対する税制優遇等もあり、住宅需要は底堅く推移しているものの、地価の上昇、労務費及び建築資材の高騰から分譲マンションの建設費が上昇傾向にあります。また、新型コロナウイルス感染症流行の長期化による住宅取得マインド低下の懸念等もあることから、今後の事業環境は楽観視できない状況にあります。

このような環境の中、当社は山口県及び九州の主要都市を中心に不動産事業を行い、持続的な成長と更なる企業価値向上に努めております。

 

②中長期的な会社の経営戦略

中期経営計画(2023年2月期~2025年2月期)の主要な業績目標は以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

2023年2月期

2024年2月期

2025年2月期

売上高

16,100

16,500

20,000

営業利益

1,200

1,250

1,500

経常利益

1,000

1,050

1,300

親会社株主に帰属する当期純利益

700

720

880

 

 

目標達成に向けた各事業の取組みは以下のとおりであります。

(不動産分譲事業)

不動産分譲事業におきましては、再開発や複合開発などの開発事業を積極的に行っていくほか、他社との共同事業(JV)への積極参入や福岡都市圏での用地仕入強化を行い、引渡戸数はマンション500戸以上、戸建60戸以上の販売体制を目指してまいります。また、ZEH(注)仕様の住宅など環境に配慮した住宅の供給にも注力してまいります。

(注)ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、「住まいの断熱性能や省エネ性能を向上し、さらに太陽光発電などで生活に必要なエネルギーをつくり出すことにより、年間の一次消費エネルギー量(空調・給湯・照明・換気等)をゼロ以下とすることを目指した住宅」であります。

 

(不動産管理事業)

不動産管理事業におきましては、ストック事業として管理関連事業の強化を行い、6,000戸超の管理戸数と管理戸数の増加に伴う組織体制の整備を行ってまいります。

 

(不動産賃貸事業)

不動産賃貸事業におきましては、オフィスビル事業の強化をするとともに、立体駐車場の建築や将来的な開発を見据えた立地かつ収益性を考慮した賃貸不動産の厳選取得を行ってまいります。

 

(その他)

その他の事業におきましては、郊外や狭小等の分譲マンション開発の困難な用地について、近隣環境等に考慮しながら、宅地造成開発による販売、賃貸マンション、コンパクトマンション等の供給をするなど、土地の有効活用策を検討し、事業を行ってまいります。

 

2023年2月期において、収益に大きく寄与する分譲マンションについては、373戸の引渡しを計画しております。分譲戸建については、引き続き山口県内を中心として45戸の引渡しを計画しております。

 

当社グループは、引き続き不動産市況の変動に適切に対応するとともに、他社との差別化を一層推進し、長期的な競争優位性を維持しながら収益力向上を図るため、特に以下の内容を重要課題として取り組んでまいります。

 

 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①資金繰りを考慮した事業展開

当社グループの分譲マンション開発には期間を要し、その間に発生する建築費等の支出を考慮した場合、複数の案件を手掛けることは、資金繰りに支障をきたす可能性があります。当社グループは今後も、販売中の既存物件の契約状況に十分に配慮しながら、適切なファイナンスを実行し事業拡大を図ってまいります。

 

②経営管理体制の強化

当社グループの属する不動産業界は、「建築基準法」、「国土利用計画法」、「都市計画法」、「宅地建物取引業法」等、建築や不動産取引に関わる多数の法令及び各自治体で定められる建築に関する条例等の法的規制を受けております。これらの法令や各種業務に伴い発生するリスクは著しく多様化し、その影響は増大しております。

また、企業の社会的責任も増大してきており、企業は自身の責任と判断でそのリスクを管理し、収益を上げていくことが必要であります。当社グループは、多様化するリスクを正確に把握し、業務が適正かつ効率的に遂行される仕組みである内部統制システムの構築を進めるとともに、グローバルな視点から国内外のステークホルダーの期待に応えるため、コーポレート・ガバナンスの強化を最重要視した経営管理体制の構築に取り組んでまいります。

 

③人材育成の強化と人材の確保

当社グループでは、役員及び従業員のスキルアップが不可欠と認識しており、職種に応じた専門知識の修得だけでなく、他分野での知識の修得を奨励する資格手当制度を定めております。今後においても、これらの制度を拡充し人材の育成に努めてまいります。また、事業発展の前提となる人材の確保につきましては、中途採用に加え、新卒の定期採用等を積極的に実施し、優秀な人材の確保に努める方針であります。
 

④再開発プロジェクト及び複合プロジェクトにおける進捗管理

当社グループでは、再開発プロジェクト及び複合プロジェクトを手掛けており、仕掛販売用不動産が大きく増加している要因となっております。再開発プロジェクト及び複合プロジェクトは、その性格上、事業規模の大型化や開発期間が長期化いたします。当社グループは、プロジェクトの進捗など、適切に管理を行い、事業拡大を図ってまいります。

 

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