業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要  

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しておりますが、それによる経営成績等への影響はありません。

①財政状態及び経営成績の状況

ア)財政状態について

当事業年度末における総資産は5,366,387千円となり、棚卸資産の増加等によって前事業年度末に比べ201,875千円増加しました。

当事業年度末における負債合計は1,601,493千円となり、長期借入金の減少等によって前事業年度末に比べ103,340千円減少しました。

当事業年度末における純資産合計は3,764,893千円となり、当期純利益の計上によって前事業年度末に比べ305,216千円増加しました。

 

イ)経営成績について

当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスのワクチン接種が進み経済活動に回復の兆しがみられましたが、新たな変異株の感染拡大リスクに加えて、また、ロシアのウクライナ侵攻、中国等のサプライチェーンの寸断、エネルギー価格の高騰、米国はじめ金融市場の変動等の影響にも注意する必要があり、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。

当社が属する不動産業界におきましては、国土交通省の調査「主要都市の高度利用地地価動向報告」(2022年6月公表)によれば、2022年第1四半期(2022年1月1日~2022年4月1日)の主要都市・高度利用地80地区の地価動向は、2021年第4四半期(2021年10月1日~2022年1月1日)に比べ、46地区が上昇(前回45地区)し、13地区が下落(前回16地区)しました。

また、当社の主力事業である中古住宅の売買の状況については、公益社団法人西日本不動産流通機構(西日本レインズ)に登録されている物件情報の集計結果である「市況動向データ」の調査(2022年6月公表)によると、中国地方では、2021年6月から2022年5月までの中古戸建住宅の成約件数は、前年同期間に比べて6.5%減となりました。九州地方では、同期間の中古戸建住宅の成約件数は、前年同期間に比べて14.1%減となりました。

このような環境の中、当社は、主力の不動産売買事業に注力いたしました。中古住宅の仕入れで競合相手との競争に厳しさが増していることもあり、営業人員の増強を図ったほか、広告宣伝を積極的に行う等により、中古住宅等の在庫の拡充に努め、顧客の反響の増加を図りました。

この結果、当事業年度の売上高は7,483,283千円(前事業年度比3.5%減)となりました。一方、売上高原価率が改善して、売上総利益が前事業年度を上回ったものの、人件費、広告宣伝費及び租税公課の増加により販売費及び一般管理費が増加したことから、営業利益は566,274千円(同1.6%減)、経常利益は567,269千円(同1.0%減)、当期純利益は387,550千円(同1.0%減)となりました。

なお、事業別の業績は、次のとおりであります。

 

(a)不動産売買事業

自社不動産売買事業については、前期に自社不動産を積極的に販売した反動から、中古住宅等の在庫が減少していたため、積極的な仕入れ活動を行って在庫の充足に努めました。また、販売価格を柔軟に変更する等して販売にも注力いたしましたが、前年末から今年初めにかけての閑散期の低迷が影響して、自社不動産の販売件数は453件と、前事業年度を24件下回りました。一方、平均販売単価は14,869千円と前事業年度に比べ76千円上回りました。

不動産売買仲介事業については、不動産売買仲介件数はわずかに減少しましたが、1件当たり平均手数料が上昇したことにより仲介手数料は前事業年度を上回りました。これらの結果、不動産売買事業の売上高は、7,147,184千円(前事業年度比3.8%減)となりました。また、営業利益は、売上高の減少に加えて、広告宣伝費の増加、仕入れに関わる租税公課の増加等により、964,275千円(同1.5%減)となりました。

 

(b)不動産賃貸事業

不動産賃貸仲介事業については、賃貸仲介件数が増加して、賃貸仲介手数料が前事業年度を上回ったことにより、売上高は前事業年度を上回りました。

不動産管理受託事業については、請負工事高が前事業年度を下回ったものの、不動産管理の受託件数の増加により管理料が前事業年度を上回ったこと等から、全体の売上高は前事業年度を上回りました。

自社不動産賃貸事業については、売上高は前事業年度を上回りました。これらの結果、不動産賃貸事業の売上高は204,060千円(前事業年度比6.3%増)となりました。また、営業利益は、売上高が増加したものの、人員の増加により人件費が増加したこと等から、36,825千円(同21.7%減)となりました。

 

(c)不動産関連事業

保険代理店事業については、既存顧客の更新需要の取り込みに努めましたが、自社不動産販売事業で販売件数が減少したことに加え、土地の比率が上昇したことにより、新規契約件数が前年を下回り、売上高は前事業年度を下回りました。これらの結果、不動産関連事業の売上高は、43,360千円(前事業年度比7.3%減)となりました。また、営業利益は、売上高の減少により、27,014千円(同10.8%減)となりました。

 

(d)その他事業

介護福祉事業については、物品販売が減少したものの、取扱商品の拡充等により介護用品のレンタル売上高が増加したことに加え、介護用のリフォーム工事等の請負工事が増加したことから、売上高は、前事業年度を上回りました。これらの結果、その他事業の売上高は、88,678千円(前事業年度比4.3%増)となりました。また、売上高の増加のほか、人件費及び賃借料の減少により2,146千円の営業利益(前事業年度は営業損失539千円)と改善いたしました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、税引前当期純利益567,269千円(前期比1.0%減)を計上したものの、積極的に自社不動産を仕入れたことに加え、法人税等の支払、収益物件の取得及び長期借入金の返済等により、前事業年度末に比べ264,752千円減少し、当事業年度末には759,704千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況及び増減の要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により使用した資金は59,567千円(前事業年度は1,472,678千円の獲得)となりました。これは主に、税引前当期純利益567,269千円を計上したものの、棚卸資産の増加額470,284千円に加え、法人税等の支払額237,005千円の影響によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は66,955千円(前事業年度は192,011千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出62,725千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は138,229千円(前事業年度は847,480千円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の借入れ100,000千円及び短期借入による増加80,000千円があったものの、長期借入金の返済234,542千円及び配当金の支払額83,497千円によるものであります。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

ア) 生産実績

当社が営む不動産売買事業、不動産賃貸事業、不動産関連事業及びその他事業では生産実績を定義することが困難であるため、「生産実績」は記載しておりません。

 

イ) 仕入実績

当事業年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当事業年度

(自  2021年6月1日

至  2022年5月31日)

仕入高(千円)

前事業年度比(%)

不動産売買事業

3,729,372

22.2

不動産賃貸事業

16

不動産関連事業

その他事業

41,548

△2.6

合計

3,770,937

21.9

 

(注)1.不動産売買事業の仕入高は、中古住宅等の仕入れが主な項目となります。当事業年度は中古住宅等の仕入れ件数が増加したことにより増加いたしました。

2.その他事業の仕入高は、介護福祉事業の物品販売の仕入れが主な項目となります。当事業年度は物品販売が減少したことにより減少しました。

 

ウ) 受注実績

不動産売買事業のリフォーム事業、不動産賃貸事業の不動産管理受託事業及びその他事業の介護福祉事業において受注販売を行っておりますが、いずれも受注から売上高計上まで期間が短期であるため、「受注実績」は記載しておりません。

 

 

エ) 販売実績

当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当事業年度

(自  2021年6月1日

至  2022年5月31日)

売上高(千円)

前事業年度比(%)

不動産売買事業

7,147,184

△3.8

不動産賃貸事業

204,060

6.3

不動産関連事業

43,360

△7.3

その他事業

88,678

4.3

合計

7,483,283

△3.5

 

(注)1.主たる販売先は不特定多数の一般消費者であり、相手先別販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の販売先はありません。

2.不動産売買事業の販売高は、中古住宅等の販売が主な項目となります。当事業年度は、自社不動産販売件数が453件と前事業年度の477件を下回ったため、販売高が減少しました。

3.不動産賃貸事業の販売高は、不動産賃貸仲介手数料、不動産賃貸物件の管理料、賃貸物件の賃貸収入及びリフォーム工事等が主な項目となります。当事業年度は、賃貸仲介手数料、賃貸収入、管理料の増加により、販売高が増加しました。

4.不動産関連事業の販売高は、不動産の火災保険料の代理店手数料が主な項目となります。当事業年度は、自社不動産の販売件数の減少に加え、土地の比率が上昇したことから、販売高が減少しました。

5.その他事業の販売高は、介護福祉事業の物品のレンタル収入及び販売並びにリフォーム工事が主な項目となります。当事業年度は、物品販売の増加により、販売高が増加しました。

 

 

オ)不動産売買事業の地域別販売実績

当事業年度における不動産売買事業の地域別の販売実績を自社不動産売買事業と不動産売買仲介事業に分けて示すと、次のとおりであります。

 

 

当事業年度

(自  2021年6月1日

至  2022年5月31日)

売上高

(千円)

構成比

(%)

前事業年度比(%)

 

山口県

自社不動産売買事業

1,337,290

18.7

△7.3%

 

不動産売買仲介事業

169,320

2.4

18.9%

 

 

5店舗計

1,506,611

21.1

△4.9%

その他

自社不動産売買事業

390,748

5.5

△12.0%

 

 

不動産売買仲介事業

6,513

0.1

26.2%

 

1店舗計

397,262

5.6

△11.6%

 

合計

自社不動産売買事業

1,728,039

24.2

△8.4%

 

不動産売買仲介事業

175,834

2.5

19.2%

 

 

6店舗計

1,903,873

26.6

△6.4%

 

福岡県

自社不動産売買事業

3,976,467

55.6%

△7.4%

 

不動産売買仲介事業

160,585

2.2%

7.2%

 

 

10店舗計

4,137,053

57.9%

△6.9%

その他

自社不動産売買事業

1,069,246

15.0

15.8%

 

 

不動産売買仲介事業

37,010

0.5

26.3%

 

3店舗計

1,106,256

15.5

16.1%

 

合計

自社不動産売買事業

5,045,714

70.6%

△3.3%

 

不動産売買仲介事業

197,596

2.8%

10.3%

 

 

13店舗計

5,243,310

73.4%

△2.8%

全店

自社不動産売買事業

6,773,753

94.8%

△4.6%

 

 

不動産売買仲介事業

373,431

5.2%

14.3%

 

 

全19店舗計

7,147,184

100.0%

△3.8%

 

(注) 1.自社不動産売買事業の販売高は、中古住宅等の販売が主な項目となります。

2.不動産売買仲介事業の販売高は、不動産売買仲介手数料が主な項目となります。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りが必要となります。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。

詳細につきましては、「第5 経理の状況  1 財務諸表等  (1) 財務諸表  注記事項  重要な会計方針」に記載しております。

 

② 財政状態に関する分析

ア)資産

当事業年度末における総資産は5,366,387千円となり、前事業年度末に比べ201,875千円増加しました。流動資産は4,529,284千円となり、前事業年度末に比べ208,583千円増加しました。これは主として、積極的に自社不動産を仕入れたことにより、現金及び預金が254,751千円減少した一方、販売用不動産が158,189千円増加し、仕掛販売用不動産等も311,897千円増加したことによるものであります。固定資産は837,102千円となり、前事業年度末に比べて6,707千円減少となりました。

 

イ)負債

流動負債は1,079,717千円となり、前事業年度末に比べ17,416千円減少しました。これは短期借入金が80,000千円増加する一方、未払法人税等の減少56,003千円及び未払消費税などその他の減少89,396千円によるものであります。固定負債は521,776千円となり、前事業年度末に比べ85,923千円減少いたしました。これは主として長期借入金の減少98,612千円によるものであります。

 

ウ)純資産

純資産は3,764,893千円となり、前事業年度末に比べ305,216千円増加しました。これは主として、剰余金の配当83,446千円があったものの、当期純利益の計上額387,550千円によるものであります。

以上の結果、自己資本比率は、前事業年度末の67.0%から70.2%となりました。

 

③ 経営成績に関する分析

ア)売上高及び営業利益

売上高は、自社不動産売買事業における販売件数が453件と前事業年度の477件を下回ったことから、7,483,283千円(前事業年度比3.5%減)となりました。減少の要因としては、前期に自社不動産を積極的に販売したことから、中古住宅等の在庫が減少していたことに加え、前年末から今年初めの閑散期の低迷があげられます。

不動産売買仲介事業においては、売買仲介件数はわずかに減少しましたが、1件当たりの平均手数料が上昇したことにより仲介手数料は前事業年度を上回りました。

また、不動産賃貸仲介事業及びその他事業も売上高が前事業年度を上回りましたが、主力の自社不動産売買事業が減少したことから、不動産関連事業は前事業年度を下回りました。

売上総利益は、売上高が減少したものの、売上高利益率の良い不動産売買仲介手数料が増加したことに加え、滞留在庫の減少により自社不動産売買事業における売上高原価率が低下したことにより、2,232,850千円(同2.5%増)となりました。

販売費及び一般管理費は、減価償却費及び賃借料が減少したものの、人件費が2.3%増加し、広告宣伝費も18.8%増加したことに加え、中古住宅の仕入れの増加により不動産取得税の増加を通して、租税公課が25.2%増加したことから、1,666,576千円(同3.9%増)となりました。

以上の結果、営業利益は566,274千円(同1.6%減)となりました。

 

イ)営業外損益及び経常利益

営業外損益(純額)は、995千円の利益(前事業年度は2,694千円の損失)となりました。これは、営業外収益が顧客の事情による違約金収入が3,600千円計上された(前事業年度は計上なし)ことに加え、支払利息が687千円減少したためであります。

以上の結果、経常利益は567,269千円(前事業年度比1.0%減)となりました。

 

ウ)特別損益及び税引前当期純利益

特別利益及び特別損失は、計上しておりません。

以上の結果、税引前当期純利益は567,269千円(前事業年度比1.0%減)となりました。

 

エ)法人税等(法人税等調整額を含む)

法人税等は、法人税等調整額が△1,829千円と前事業年度に比べ11,772千円増加したものの、売上高の減少による法人税、住民税及び事業税が前年度に比べ13,295千円減少したことから、179,718千円(前事業年度比0.8%減)となりました。

 

オ)当期純利益

以上の結果、当期純利益は387,550千円(前事業年度比1.0%減)となり、1株当たり当期純利益金額は143.98円(同1.3%減)となりました。

 

④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況

当社は、2021年4月12日に『2025年5月期に売上高100億円、経常利益率10%達成』を目指して、この長期ビジョン実現のために前段階として、3つの力(商品提供力・人材力・資金調達力)を差別化戦略のベースとする第2次中期経営計画を策定いたしました。

当社は、従前より「エコモデルの創造を通して人と環境に優しい暮らしづくりに貢献します」という経営理念のもと、中古住宅のリフォームによる住宅再生および流通促進に地道に取り組んでまいりました。

その経営理念に基づき、引き続き堅実な歩みに努め、中国地方と九州地方の中古住宅再生No.1企業を目指してまいります。

2020年から世界的な感染拡大を引き起こした新型コロナウイルス感染症は、ワクチン接種などの対策が進む一方、継続的な変異株への置き換えなどから、人と人の接触を減少させ、通勤や出張等の移動を減らし、会議や面談においてもオンラインミーティングが多用されることとなり、働き方、生活様式を大きく変化させることとなりました。

住宅については、ワークスペースの確保が集合住宅に比べて容易な戸建住宅のニーズが高まることとなり、当社には追い風の要因となっております。空き家問題が年々、深刻さを増しつつある中で、当社はこれらの課題に取り組むとともに、第2次中期経営計画に沿って安全で安心できる、人に優しい住宅サービス等の提供により、株主様、地域社会の皆様はじめステークホルダーの方々に貢献してまいりたいと考えております。

上記を基に2023年5月期を最終年度として売上高・利益計画及び指標目標値を以下のとおり設定いたしました。

 

当事業年度はその2年目でしたが、2023年5月期目標値に対する進捗率がすべての項目で前事業年度の進捗率を下回りました。その最大の要因は、主力事業である自社不動産売買事業の販売件数が通期で453件にとどまったことが挙げられます。

 

売上高・利益計画

2023年5月期

目標値

(a)

当事業年度実績

(b)

進捗率

(b)÷(a)

売上高(百万円)

8,000

7,483

93.5%

経常利益(百万円)

640

567

88.6%

税引後当期純利益(百万円)

420

387

92.3%

自社不動産販売件数(件)

500

453

90.6%

指標目標値

 

 

 

自己資本比率

60%以上

70.2%

DOE(株主資本配当率)

2.5%以上

2.53%

 

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べて264,752千円減少し、759,704千円となりました。

当事業年度のキャッシュ・フローの状況及び増減要因につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析  (1)経営成績等の状況の概要  ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当期は、税引前当期純利益567,269千円を計上したものの、期初から自社不動産を積極的に仕入れたことにより、営業キャッシュ・フローがマイナスとなりました。また、有形固定資産の取得により投資活動によるキャッシュ・フローもマイナスとなり、長期借入金の減少等により、財務活動によるキャッシュ・フローもマイナスとなりました。

今後も中古住宅等の積極的な仕入れにより、営業キャッシュ・フローがマイナスとなる可能性がありますが、当社は、自社所有の中古住宅等の売買回転率の向上を図ることにより、営業キャッシュ・フローの改善に努めてまいります。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

① 資金需要

当社は、主力の自社不動産売買事業において中古住宅等の仕入れ及びリフォーム工事の費用の支払等の資金需要が大きいことに加え、今後の選択肢としてリフォームできない中古住宅については更地もしくは新築住宅の建築も選択肢とする可能性も年々、大きくなっており、ますます資金ニーズが強くなると考えております。さらに、収益性及び将来の転売等を視野に入れて収益物件を取得する必要があることも認識しております。また、営業員を積極的に採用する方針であり、そうして採用した従業員の研修にも注力していくことから、費用が今後、増える見通しであります。

営業員の充実により当社の営業力が向上すると期待され、その後に、不動産売買事業の店舗の出店や移転に伴う費用の支出も予想されます。これらの資金の必要額は個別には大きくないものの、まとまると流動性の面で無視できないと考えます。

 

② 財源

上記の資金需要に対する財源としては、利益剰余金に加え、長期・短期の借入金を活用してまいります。当社は、資金需要の金額あるいは時期に応じて機動的な借り入れができるよう、金融情勢に注意を払いつつ、金融機関と良好な関係を継続してまいります。

 

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