業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、東京2020オリンピック、パラリンピックは開催され、新型コロナウイルス感染症拡大防止に向けた緊急事態宣言やまん延防止等重点的措置の解除により景気回復の兆候があったものの、オミクロン株など変異したウイルスの感染症拡大の懸念などにより未だ終息時期の見通しが立っておらずまたロシアによるウクライナ侵攻の影響等があり、引き続き厳しい経営環境が続いております。

 このような状況の中、当社におきましては、「一杯のラーメンをお客様に満足していただく」という創業当時からの理念にのっとり、「美味しさと快適な食の空間」の追求、「食の安心・安全」の維持向上に取組み、お客様一人一人に誠実であり続けることに、より一層邁進してまいるとともに、固定客の獲得のための接客サービスとマーケティング戦略、商品開発の強化・充実に力を注ぎ、収益構造の改善及び強固な企業体質づくりを取組んでまいりました。

 また、令和3年10月に「筑豊ホルモン鍋 香春」を東京都立川市にオープンしました。『筑豊の食を世界の活力

に』をコンセプトに、『筑豊ホルモン鍋』をメインに筑豊をイメージした店づくりと、お食事を中心に取り揃え、

ラーメンブランドとは異なる新たな顧客の獲得に努めました。

 当事業年度におきましては、国内事業におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大防止に向けた営業時間の短縮及び休業の影響により、売上高は、前事業年度に比べ16百万円減収(1.2%減)の1,287百万円となりました。

 営業損益におきましては、本社及び店舗におけるコスト圧縮を推進し、販売費及び一般管理費が682百万円(3.9%減)となっております。

 経常損益におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う営業時間短縮及び休業の発生に伴い、福岡県感染拡大防止協力金等により助成金収入37百万円があったことから経常利益3百万円(前年同期は経常損失73百万円)となっております。

 特別損益におきましては、固定資産について将来の回収可能性を慎重に検討した結果、減損損失45百万円及び持分法適用関連会社の「Japan Traditionals Sp.z.o.o」の株式について関連会社株式評価損18百万円並びに国内外の債権について、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う影響により得意先の財務状況等を検討した結果、回収に疑義が生じたため貸倒引当金繰入額17百万円を特別損失に計上しております。

 以上の結果、当事業年度の経営成績は、売上高1,287百万円、営業損失46百万円(前期は営業損失94百万円)、経常利益3百万円(前期は経常損失73百万円)、当期純損失83百万円(前期は当期純利益0百万円)となりました。

 

 セグメントの業績は、次のとおりであります。

 当社の事業については、ラーメン店及びラーメン店のフランチャイズ・チェーン本部の経営を主とした「外食事業」、当社が所有する店舗用地等の不動産賃貸を主とした「不動産賃貸事業」、ラーメン等の製品を主要販売品目とした「外販事業」、衛生関連の販売等を主とした「衛生事業」、「ほうじょう温泉ふじ湯の里」の運営しております「温泉事業」を報告セグメントとしております。

 

1)外食事業

当事業年度におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大防止に向けた営業時間の短縮及び休業による来店客数の激減、国内店舗の減少、休業及び営業時間の縮小があったことから、店舗売上高及び食材取引高が減収となりました。

以上のことから、当事業年度の売上高は1,111百万円(前年同期比0.3%減)となり、営業利益65百万円(前年同期比2,117.1%増)となりました。

店舗数については、前事業年度末に比べ4店舗減少し138店舗(直営店10店舗、FC店91店舗、海外37店舗)となりました。店舗数の増減については、新規出店が3店舗(直営店2店舗、FC店1店舗)、中途解約による店舗の閉店が7店舗(直営店1店舗、FC店5店舗、海外1店舗)、FC店から直営店へ転換した店舗は1店舗、直営店からFC店へ転換した店舗は1店舗であります。

 

 

2)不動産賃貸事業

当社が所有する店舗用地等の有効活用を目的とした賃貸事業を行っております。

当事業年度の売上高は37百万円(前年同期比10.6%増)、営業利益5百万円(前年同期比154.6%増)となりました。

 

3)外販事業

当社は、ラーメン等の製品を主要販売品目とする外販に加え、インターネット通販サイトにおける通信販売及び一般小売先向け卸し、委託販売による小売りを行っております。

当事業年度における外販事業の売上高は46百万円(前年同期比7.3%減)となり、営業損失5百万円(前期は営業損失3百万円)となりました。

 

4)温泉事業

当社は、令和2年6月より、福岡県田川郡福智町「ほうじょう温泉ふじ湯の里」の指定管理者となり、同施設の経営を行っております。

当事業年度における温泉事業の売上高は74百万円(前年同期比19.4%増)となり、営業損失14百万円(前期は営業損失14百万円)となりました。

 

5)衛生事業

新型コロナウイルス感染症の拡大以降、外食産業だけでなく、全ての生活・経済環境において感染症予防、対策が求められております。各業界で様々な取り組みが行われている中、当社は、「お客様の為に店舗内衛生管理において、安心、安全に食して頂ける店舗作りを提案、提供し、実行する」ことを通じて、新しい生活様式における安心と安全の価値を創造することを目的に、衛生事業を行っております。

主に、世界最先端のテクノロジーで、感染症対策に最も重要な表面付着菌を含む空間すべてのウイルス・細菌を不活性化する空間除菌器「SterilizAir ステライザ」の正規販売代理店として販売を行っております。

当事業年度における衛生事業の売上高は16百万円(前年同期比52.2%減)となり、営業損失19百万円(前期は営業損失14百万円)となりました。

 

6)その他

当社は、飲食店用の厨房設備の販売を、FC加盟店などに行っております。

当事業年度におきましては、その他事業の売上高0百万円(前年同期比86.1%減)となり、営業利益0百万円(前年同期比68.9%減)となりました。

 

②キャッシュ・フロー

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による資金の増加61百万円、投資活動による資金の減少35百万円及び財務活動による資金の減少69百万円があったことにより、前事業年度に比べ44百万円資金は減少し、当事業年度末は434百万円となりました。

 

 各キャッシュ・フローの状況と増減要因は、以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、獲得した資金は61百万円(前年同期比12.8%減)となりました。

 これは主に、税引前当期純損失75百万円があったものの、減価償却費78百万円及び長期未収入金の増減額61百万円があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、支出した資金は35百万円(前年同期は199百万円の獲得)となりました。

 これは主に、東京都立川市の「筑豊ホルモン鍋 香春」による出店資金等による有形固定資産の取得による支出32百万円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、支出した資金は69百万円(前年同期は123百万円の獲得)となりました。

 これは主に、長期借入金の返済による支出が69百万円あったことによるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

(1)生産実績

   当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

構成比(%)

前期比(%)

外食事業

878,170

100.0

△2.6

合計

878,170

100.0

△2.6

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

   2.不動産賃貸事業及びその他については、生産を行っていないため記載しておりません。

 

(2)受注実績

   当社は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

(3)販売実績

   当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

構成比(%)

前期比(%)

外食事業

1,111,252

86.3

△0.3

不動産賃貸事業

37,243

2.9

10.6

外販事業

46,323

3.6

△7.3

温泉事業

74,863

5.8

19.4

衛生事業

16,592

1.3

△52.2

 報告セグメント計

1,286,275

99.9

△0.7

その他

971

0.1

△86.1

合計

1,287,246

100.0

△1.2

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

   2.当社の主な販売先は不特定多数の一般消費者とFC加盟店であり、販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の販売先は該当ありません。

 

   外食事業セグメントの販売実績を部門別に示すと、次のとおりであります。

外食事業の部門別名称

金額(千円)

構成比(%)

前期比(%)

 直営店部門

178,798

13.9

2.1

 フランチャイズ部門

932,454

72.4

△0.8

         外食事業合計

1,111,252

86.3

△0.3

(注)構成比は、売上高に対する部門別売上高の比率であります。

 

   外食事業セグメントのうち直営店部門の地域別販売実績は、次のとおりであります。

地域

当事業年度

(自 令和3年 4月 1日

至 令和4年 3月31日)

店舗数

金額(千円)

構成比(%)

前期比(%)

福岡県

7

147,188

82.3

△0.8

高知県

1

20,983

11.7

9.0

大分県

1

1,694

1.0

東京都

1

8,933

5.0

合計

10

178,798

100.0

2.1

(注)1.前期比は売上高の比較数値であります。

     2.店舗数は当事業年度末の数値であり、当事業年度中に閉鎖した店舗の売上高は閉鎖までの期間の数値が含まれております。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

 この財務諸表の作成に当たりましては、必要と思われる見積は、合理的な基準に基づいて実施しております。

 

②当事業年度の財政状態の分析・検討内容

a.資産

当事業年度末における流動資産は、前事業年度末に比べ24百万円減少し662百万円となりました。これは主に、商品及び製品が8百万円、その他に含まれる短期貸付金が6百万円及び貸倒引当金が4百万円増加したものの、現金及び預金が44百万円減少したもののしたこと等によるものであります。

固定資産につきましては、前事業年度末に比べ132百万円減少し2,053百万円となりました。これは主に取引先の破産があったこと等に伴い貸倒引当金が45百万円増加及び長期未収入金が61百万円減少したことに加え、有形固定資産及び無形固定資産に係る減価償却費の78百万円減少、固定資産の減損損失の45百万円減少があったことによるものであります。

この結果、総資産は2,716百万円となり、前事業年度末に比べ157百万円の減少となりました。

 

b.負債

当事業年度末における流動負債は、前事業年度末に比べ26百万円増加し、598百万円となりました。これは主に、未払金が16百万円減少したものの取引金融機関との間で、返済条件の緩和(支払い余力に応じたプロラタ返済)を締結したことから1年内返済予定の長期借入金が31百万円及増加したこと等によるものであります。

固定負債につきましては、長期借入金の減少等により、前事業年度末に比べ92百万円減少し、728百万円となりました。

この結果、負債合計は1,327百万円となり、前事業年度末に比べ66百万円の減少となりました。

 

c.純資産

当事業年度末における純資産は、前事業年度末と比較して90百万円減少して、1,389百万円となりました。これは主に、その他有価証券評価差額金が9百万円減少及び当期純損失が83百万円あったことによるものであります。この結果、自己資本比率は50.9%(前事業年度末は51.4%)となりました。

 

 

 

③当事業年度の経営成績の分析・検討内容

a.売上高、売上原価、販売費及び一般管理費、営業損益

売上高につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」及び「③生産、受注及び販売の実績」に記載したとおりであります。

売上原価は、前事業年度に比べ37百万円減少し、650百万円となりました。これは主に売上高が前事業年度に比べ減収となったことによるものであります。

販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ27百万円減少し、682百万円となりました。

これは主に、本社及び店舗におけるコスト圧縮を推進した結果、経費全体の削減効果によるものであります。

以上の結果、営業損失は前事業年度に比べ48百万円減少し、46百万円となりました。

 

b.営業外損益及び経常損益

営業外損益は、前事業年度に比べ28百万円増加し、62百万円となりました。

これは、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う営業時間短縮及び休業の発生に伴い、福岡県感染拡大防止協力金等があったことから助成金収入37百万円が営業外収益として計上しております。

以上の結果、経常利益は3百万円(前事業年度は経常損失73百万円)となりました。

 

c.特別損益及び当期純損益

特別利益は、3百万円となりました。これは、保険解約返戻金があったことによるものであります。

特別損失は、83百万円となりました。これは主に減損損失が45百万円及び持分法適用関連会社の「Japan Traditionals Sp.z.o.o」の株式について関係会社株式評価損18百万円並びに国内外の債権について、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う影響により得意先の財務状況等を検討した結果、回収に疑義が生じたため貸倒引当金繰入額17百万円をあったことによるものであります。

以上の結果、当期純損失は83百万円(前事業年度は当期純利益0百万円)となりました。

 

④経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑤資本の財源及び資金の流動性について

 資本の財源についての分析は、「第2事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。

 資金の流動性については、主たる運転資金につきましては、主に営業活動によって得られた自己資金を充当し、事業活動のために必要な資金の確保と流動性を維持するために、出店及び改装に必要な設備資金は、投資活動のキャッシュ・フローにおける借入金による資金調達を基本としております。

 

⑥経営上の目標達成を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況について

 経営方針、経営戦略、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

 

⑦重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

 

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