業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の再拡大や収束時期が見通せないことから、先行き不透明な状況が続いております。

当社が属する飲食業・小売業におきましては、ワクチン接種の進展により経済活動再開による持ち直しの兆しが見られるものの、当事業年度の大部分の期間において自治体からの休業要請や時短要請、酒類の提供時間制限等の営業制限を受けたため、大変厳しい環境で推移いたしました。

このような経済状況のもと、店舗におきましては、お客様と従業員の感染防止を最優先とし、店頭及び従業員用のアルコールの設置、従業員の出勤時の検温などの健康管理、ビニールシートやパーテーションの設置などの感染防止対策認証制度に準拠した感染対策を講じたうえで店舗運営をしてまいりました。フランチャイズ本部としましては、当社のオリジナルブランドであります「かつてん」の加盟店2店舗を出店いたしました。2021年10月より北海道寿都郡黒松内町の「黒松内町特産物手づくり加工センター」(トワ・ヴェール)の指定管理者として、チーズ、ハム、ベーコン、アイスクリームの製造、加工及び販売を開始いたしました。

当事業年度末における当社の展開業態は16業態、稼働店舗数は63店舗(前年同期末、15業態67店舗)となりました。休業要請や時短要請に対応するため、ワークスケジュールの見直しによる人員の最適化、店舗不動産の契約内容の見直し、原材料等の仕入れコストの管理、不採算店舗の閉店等を行ったものの、緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置の適用期間が当事業年度の大部分を占めたことにより、当事業年度の売上高4,020,841千円(前年同期比3.6%減)、営業損失135,174千円(前年同期、営業損失135,794千円)、経常損失68,575千円(前年同期、経常損失144,610千円)、当期純損失110,227千円(前年同期、当期純損失215,262千円)となりました。

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

飲食部門

当事業年度の飲食部門におきましては、新型コロナウイルス感染症に対する取組みを徹底しつつ、テイクアウトやデリバリーなどの店内飲食以外の対応を強化するとともに、フランチャイジー事業はフランチャイズ本部主導の新商品の投入や販売促進活動を、オリジナルブランド事業は季節限定商品の開発及び販売を継続し、LINE等で特定商品を訴求することで客単価増やリピート顧客の獲得、売上回復に努めてまいりました。

飲食部門の当事業年度末の店舗数は前事業年度末より4店舗減少し、60店舗となりました。当事業年度の売上高は3,690,161千円(前年同期比2.3%減)、セグメント損失127,304千円(前年同期、セグメント損失119,798千円)となりました。また、飲食部門につきましては、まん延防止等重点措置の終了が当事業年度末の直前だったこともあり、店舗を管轄する地方公共団体に給付金等の申請をしているものの、当事業年度末までに補填が間に合わず、損失計上額が前事業年度を上回る結果となりました。

物販部門

当事業年度の物販部門におきましては、飲食部門と同様に新型コロナウイルス感染症に対する取組みを徹底しつつ、フランチャイズ本部主導によるスマートフォンアプリやLINE等を使用した販売促進活動に加えて、季節商品訴求のための売場づくりを行って、季節に合わせた商品提案を実施してまいりました。

物販部門の当事業年度末の店舗数は前事業年度末と同数の3店舗となりました。当事業年度の売上高は229,944千円(前年同期比41.6%減)、セグメント損失1,529千円(前年同期、セグメント損失15,996千円)となりました。

食品製造部門

2021年10月より、トワ・ヴェールの指定管理者業務が本格的に始まり、チーズ、ハム、ベーコン、アイスクリームの製造、加工及び販売を開始いたしました。

当事業年度の売上高は100,735千円(前年同期比-)、業務開始に伴う初期費用を計上したことにより、セグメント損失6,340千円(前年同期比-)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ45,478千円減少し、当事業年度末は510,144千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果使用した資金は83,262千円となり、前年同期と比べ50,818千円増加しました。これは主に減価償却費128,971千円があるものの、税引前当期純損失90,646千円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は23,660千円(前事業年度は37,947千円の獲得)となりました。これは主に敷金及び保証金の回収による収入33,059千円があるものの、その他投資の減少40,571千円、有形固定資産の取得による支出20,079千円等によるものであります

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は61,444千円となり、前年同期と比べ128,515千円減少しました。これは主に、株式の発行による収入が171,322千円減少したこと等によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

飲食部門

(千円)

物販部門

(千円)

食品製造部門

(千円)

47,209

合計

(千円)

47,209

 

b.仕入実績

当事業年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

飲食部門

(千円)

1,395,596

99.7

物販部門

(千円)

121,354

54.8

食品製造部門

(千円)

890

合計

(千円)

1,517,841

93.7

 

c.販売実績

当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

飲食部門

(千円)

3,690,161

97.7

物販部門

(千円)

229,944

58.4

食品製造部門

(千円)

100,735

合計

(千円)

4,020,841

96.4

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社の当事業年度の財政状態及び経営成績は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による緊急事態宣言やまん延防止等重点措置により、飲食店の営業が制限される期間の長期化により、非常に厳しい経営環境で推移いたしました。

a.財政状態

(資産合計)

当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ175,732千円減少し、2,933,865千円(前事業年度末は3,109,598千円)となりました。

流動資産は866,841千円(前事業年度末は903,633千円)となりました。これは主に、現金及び預金が45,478千円、前払費用が10,853千円減少したこと等によるものであります。

固定資産は2,067,024千円(前事業年度末は2,205,964千円)となりました。これは主に、有形固定資産が103,131千円、投資その他の資産が32,291千円減少したこと等によるものであります。

(負債合計)

当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ133,666千円減少し、2,931,309千円(前事業年度末は3,064,976千円)となりました。

流動負債は629,891千円(前事業年度は749,304千円)となりました。これは主に、買掛金が57,990千円、未払金が27,221千円、未払消費税等が35,283千円減少したこと等によるものであります。

固定負債は2,301,418千円(前事業年度は2,315,672千円)となりました。これは主に、長期借入金が3,000千円、長期預り金が7,480千円減少したこと等によるものであります。

(純資産合計)

当事業年度末の純資産は2,555千円(前事業年度は44,621千円)となりました。これは新株予約権の発行及び行使により、資本金及び資本剰余金がそれぞれ34,415千円増加したものの、当期純損失110,227千円を計上したこと等によるものであります。

b.財政政策

当社の事業活動の維持に必要な資金は、内部資金及び第三者割当増資により資金調達をしております。当社の有利子負債は、当事業年度末現在、2,457,879千円と負債・純資産の83.8%を占め、手元流動性に比して高水準であるため、取引金融機関から返済条件の緩和を継続して受けている状況にあります。そのため、設備投資費用全額を内部資金で賄うため、設備投資には慎重を期しております。また、2021年12月6日開催の取締役会において、第6回新株予約権の発行を決議し、2022年12月22日を行使期限として新株予約権600,000個を発行し、当事業年度末までに334,000個、68,830千円が権利行使されております。

c.経営成績

(売上高)

当事業年度は、店舗数は前年同期に比べ4店舗減少したことに加え、前事業年度末からの新型コロナウイルス感染症による店舗の営業規制の影響が大きく、売上高は前事業年度末に比べ3.6%減の4,020,841千円(前事業年度は4,171,023千円)となりました。

セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析は以下のとおりであります。

<飲食部門>

飲食部門の売上高は、前事業年度に比べ2.3%減少し、3,690,161千円となりました。売上高減少の主な要因は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う休業要請や営業時間短縮によるものですが、「ミスタードーナツ」、「モスバーガー」などのテイクアウト需要の多い業態についてはコロナ禍においても好調に推移いたしましたが、ディナー営業を主体とする「牛角」、「暖中」、「温野菜」等の業態については苦戦を強いられる結果となりました。

<物販部門>

物販部門の売上高は、前事業年度に比べ41.6%減少し、229,944千円となりました。売上高減少の主な要因は、飲食部門と同様、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴うものであります。

<食品製造部門>

2021年10月より、北海道寿都郡黒松内町の「黒松内町特産物手づくり加工センター」(トワ・ヴェール)の指定管理者として、チーズ、ハム、ベーコン、アイスクリームの製造、加工及び販売を開始し、当事業年度の売上高は100,735千円となりました。

 

(売上原価、販売費及び一般管理費)

売上原価は、前事業年度に比べ52,646千円減少し1,565,091千円となり、販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ98,156千円減少し2,590,923千円となりました。これらは売上減少に伴う費用減及びコスト削減によるものであります。

(当期純損益)

当事業年度は、経常損失68,575千円であり、特別利益22,664千円等を計上したものの、特別損失44,735千円を計上したことにより、当期純損失110,227千円(前事業年度は、当期純損失215,262千円)となりました。

d.経営成績等の認識及び分析・検討内容

当社の経営に影響を与える大きな要因としましては、市場動向、原材料価格動向、人材の確保等があります。

市場動向については、当社が属する飲食業界、小売業界においては、多くの同業他社との競争が今後も続くことが予想されることから、当社を取り巻く経営環境は厳しい状況で推移するものと認識しております。また、新型コロナウイルスの感染拡大により、緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置により、店舗が属する地方公共団体から飲食店の営業時間短縮や休業要請等が翌事業年度も発出される可能性があることから、当社の業績に及ぼす可能性が極めて高く、損失を最小限にするために迅速かつ適切な経営判断が求められることから、業務執行体制の簡素化・高度化が求められると認識しております。

原材料価格の動向については、当社の売上高の91.8%を占める飲食事業に影響を及ぼすことから、経営成績に与える影響が大きく、原材料価格の上昇を最小限に抑える必要があります。このため、業態横断的に使用する食材については、年間契約等により安定した価格で供給できるよう取り組んでおります。

人材の確保については、当社だけではなくあらゆる方面で直面している問題であります。人材の確保だけではなく、育成・強化していく必要があります。人材の定着が店舗収益の安定に繋がることから、多様な働き方を検討・提案していくことが必要不可欠であると認識しております。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当事業年度のキャッシュ・フローは、前事業年度に比べ現金及び現金同等物が45,478千円減少し、510,144千円となったものの、税引前当期純損失90,646千円を計上したこと等もあり、事業運営上必要な資金の流動性を確保できているとは言えない状況にあります。

当社の運転資金需要のうち主なものは、材料仕入高、給与手当を含む販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、新規出店等に係る設備投資や大規模改装等によるものであります。

当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金は、自己資金及び第三者割当による新株の発行により資金を調達しております。

当社の有利子負債は当事業年度末現在、2,457,879千円と負債・純資産の83.8%を占め、手元流動性に比して高水準であるため、取引金融機関から返済条件の緩和を継続して受けている状況にあります。そのため、設備投資費用全額を内部資金で賄うため、設備投資には慎重を期しております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、貸倒引当金については、一般債権と個別債権に分類し、個別に回収不能見込み額を算出したうえ、損失額を計上しております。店舗閉鎖損失引当金については、閉店予定店舗の閉鎖に係る損失額を計上しております。資産除去債務については、不動産契約ごとに原状回復費用等を算出して計上しております。また、減損損失については、店舗又は資産ごとに収益性や将来性を勘案し、その要否を判断したうえ、損失額を計上しております。これらは、個別に過去の実績並びに契約条件等を勘案して損失額を見積もっております。

なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大や収束時期等を含む仮定に関する情報は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 追加情報」に記載しております。

 

 

(4) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、中長期的に経常利益率を向上させ、安定的な成長を目指していきたいと考えております。このため、経常利益率を重要な指標として位置づけており、中長期的な目標として経常利益率3.3%の達成を目指しております。

不採算店舗の整理に目途がついたことから、前事業年度から新規出店、業態変更、大規模改装等に少しずつシフトし始め、慎重な判断のもと店舗を増やしてまいりました。2016年3月に株式会社JFLAホールディングスと「業務資本提携契約」を締結し、当社のオリジナルブランドであります「かつてん」の加盟店を2店舗出店いたしました。今後は、店舗運営とフランチャイズビジネスの双方で収益確保、コスト管理を継続するとともに、新型コロナウイルス感染症の対策に努めてまいります。また、慎重な経営判断のもと、収益性の高い新規事業に参入し、収益の回復に努めてまいります。

 

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