当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度の300mm半導体用シリコンウェーハ市場は、スマートフォンの5G 化やテレワークの浸透等により通信量が増大した結果、データセンター向けの投資が活発化し、更に、EV の深耕、自動運転の普及、及び民生・産業向け需要の回復等により、需要に供給が追い付かない状況が継続しました。
200mm以下の小口径ウェーハ市場につきましても、車載・民生・産業向け需要が急回復し、需要に供給が追い付かない状況が続きました。
このような環境のもと、当社グループでは、「SUMCOビジョン」に基づき、顧客の高精度化要求や製品の差別化に対応した技術開発により、顧客での高いプレゼンスを維持するとともに、AI導入による生産性向上、及びコスト低減により損益改善にも努めてまいりました。
中長期的な市場の成長が見込まれる中、当社グループにおいては、既存建屋内の増産スペースが尽きていることから、300mm 半導体用最先端シリコンウェーハの段階的な増産を継続することを可能とするために、国内において新たな建屋、ユーティリティ設備及び製造設備にかかる設備投資を決定いたしました。
あわせて、公募増資を行い、上記シリコンウェーハの段階的な増産に機動的な対応ができる財務基盤を構築しました。
また、台湾の合弁会社であるFORMOSA SUMCO TECHNOLOGY CORPORATION においても300mm グリーンフィールド投資を決定しました。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高335,674百万円(前年同期比15.2%増)、営業利益51,543百万円(前年同期比36.0%増)、経常利益51,107百万円(前年同期比43.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益41,120百万円(前年同期比61.2%増)となりました。
なお、当社グループの事業は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
当連結会計年度末における財政状態は、資産合計は764,821百万円(前年同期比171,378百万円増)、負債合計は241,978百万円(前年同期比3,538百万円増)、純資産合計は522,842百万円(前年同期比167,839百万円増)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ142,809百万円増加し、224,673百万円となりました。これは、営業活動によるキャッシュ・フローが104,708百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△67,337百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが99,099百万円、現金及び現金同等物に係る換算差額が6,338百万円となったことによるものであります。
当社グループの事業は「高純度シリコン」のみの単一セグメントであり、セグメント情報に関連付けては記載しておりません。
当連結会計年度の生産実績は、次のとおりであります。
(注) 1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループの生産及び販売製品は、大半が受注生産形態をとらないため、受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度は、5G・テレワーク等による通信量の拡大やデータセンター拡張等の半導体需要増加により、半導体用シリコンウェーハの需給が逼迫し、最先端ロジック向けやメモリー向け300㎜ウェーハの販売が増加、200㎜以下ウェーハについても車載用、民生用の需要が増加いたしました。
このような旺盛な需要に支えられ、当連結会計年度の当社グループ業績は、前年対比では増収、増益となり、 売上高335,674百万円、営業利益51,543百万円、親会社株主に帰属する当期純利益41,120百万円を計上し、営業利益率は15.4%、ROEは10.4%となりました。
(資産)
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ171,378百万円増加し、764,821百万円となりました。現金及び預金が135,205百万円増加したこと、有形固定資産が22,450百万円増加したこと、受取手形及び売掛金が15,185百万円増加したことが主な要因であります。
(負債)
当連結会計年度末の負債につきましては、前連結会計年度末に比べ3,538百万円増加し、241,978百万円となりました。短期借入金が5,646百万円減少したこと、長期借入金が3,034百万円減少した一方で、支払手形及び買掛金が5,128百万円増加したこと、未払法人税が1,852百万円増加したこと、設備関係未払金が1,878百万円増加したこと及び賞与引当金が1,432百万円増加したことが主な要因であります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ167,839百万円増加し、522,842百万円となりました。株式の消却により資本剰余金が2,492百万円減少した一方で、株式の発行により資本金及び資本剰余金がそれぞれ60,315百万円増加したこと、親会社株主に帰属する当期純利益等により利益剰余金が33,509百万円増加したことが主な要因であります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ20,519百万円増加し、104,708百万円となりました。これは、税金等調整前当期純利益の増加、減価償却費の増加が主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ支出が12,144百万円増加し、△67,337百万円となりました。これは、有形及び無形固定資産の取得による支出が増加したことが主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、99,099百万円となりました。これは株式の発行による収入が 119,816百万円、自己株式の取得による支出が △2,500百万円、配当金の支払額が △7,553百万円及び非支配株主への配当金の支払額が △1,785百万円あったことが主な要因であります。
(財務戦略の基本的な考え方)
当社グループは、継続的な損益改善に取り組んでおり、獲得した資金につきましては、設備投資資金に充てる一方で、財務体質の健全性にも留意しつつ、大規模な設備投資の資金需要に対しても、機動的かつ効果的に対応してまいります。
また、当社は、適正な株主還元を経営の重要課題として認識しており、柔軟かつ積極的な株主還元を実施してまいります。
(資金需要の主な内容)
当社グループの資金需要は、運転資金に加え、生産能力増強、製品の高精度化、研究開発を目的とした設備投資等があります。
(資金の流動性)
資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、主要金融機関とコミットメントライン契約を締結しており、必要とされる資金水準を十分満たす流動性を保持していると考えております。
(資金調達)
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、自己資金及び外部資金を有効に活用しております。
また、安定的な外部資金調達能力の確保は重要な経営課題と認識しており、取引先金融機関とは良好な取引関係を維持しております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成において、資産・負債及び収益・費用の状況に影響を与える見積り及び判断は、過去の実績やその時点において入手可能な情報に基づいた合理的と考えられる様々な要因を考慮したうえで行なっておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」の(重要な会計上の見積り)に記載の通りであります。
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