業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

a.経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的蔓延の長期化により、インバウンド需要の低迷に加え、各地で繰り返し発出された緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の影響により、人流が抑制され、経済活動の収縮が続いており、景気の先行きは依然不透明な状況が続いております。

当社グループが属する不動産業界におきましては、ホテル系不動産の収益性の回復が遅れている一方、物流施設や住居系不動産については、各国政府の金融緩和に支えられ、潤沢な投資マネーが日本の不動産市場に流入しており、積極的な投資姿勢が維持されております。一般財団法人日本不動産研究所「第45回不動産投資家調査」(2021年10月現在)においても、今後1年間の投資姿勢として、回答者の95%が「新規投資を積極的に行う」としており、前回調査(2021年4月)よりも1ポイント上昇しております。

このような状況のもと、当社グループは創業以来、不動産及び不動産金融分野において社会に価値を与えるビジネスを創出し、社会から求められる企業としての利益の追求と長期継続的な成長を目指しております。当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が想定以上に長期化したことから、ホテル系不動産を中心とした一部の販売用不動産について、その収益性をさらに保守的に見積もり、前期に引き続き評価損を計上することにいたしました。一方、不動産投資開発事業において、住居系不動産の取得ニーズが強く、一部物件において想定以上の利益にて売却することができたことに加え、不動産コンサルティング事業において、子会社であった株式会社ライフステージの吸収合併による業務効率化や体制強化等グループシナジー効果の発揮や、当社がスポンサーとなるビーロットリート投資法人に関わるパートナー企業様から派生した不動産仲介取引の増加により、手数料収入及びそれらによる利益の積み上げを図ることができました。

結果として、2020年11月に公表いたしました中期経営計画初年度の計画値に対して、重要なKPIである「親会社株主に帰属する当期純利益」の計画値を確保できたことから、保有する販売用不動産の販売予定時期を翌期以降に見直すなどしたため、当連結会計年度の業績は、売上高は14,751百万円(前年同期比44.3%減)、営業利益は2,030百万円(前年同期比18.0%増)、経常利益は1,501百万円(前年同期比45.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は953百万円(前年同期比176.6%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりとなりました。

 

(不動産投資開発事業)

当連結会計年度における売上高は11,093百万円(前年同期比51.1%減)、セグメント利益は1,864百万円(前年同期比27.2%増)となりました。

 

(不動産コンサルティング事業)

当連結会計年度における売上高は1,582百万円(前年同期比24.7%増)、セグメント利益は580百万円(前年同期比27.5%増)となりました。

なお、売上高及びセグメント利益はセグメント間取引の相殺消去前の金額です。

 

(不動産マネジメント事業)

当連結会計年度における売上高は2,087百万円(前年同期比20.9%減)、セグメント利益は573百万円(前年同期比37.4%減)となりました。

 

 

b.財政状態

(資産)

当連結会計年度末における総資産は前連結会計年度末に比べ2,791百万円増加し、48,753百万円となりました。増減の主な内訳は、販売用不動産(仕掛販売用不動産を含む)の増加2,605百万円であります。

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は前連結会計年度末に比べ197百万円増加し、38,120百万円となりました。増減の主な内訳は、借入金等有利子負債の増加550百万円であります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,593百万円増加し、10,632百万円となりました。増減の主な内訳は、資本金及び資本剰余金の増加1,887百万円と利益剰余金692百万円の増加であります。これらの結果、自己資本比率は21.7%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ617百万円増加となり、12,172百万円となりました。

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

△7,122

298

7,421

投資活動によるキャッシュ・フロー

432

260

△171

財務活動によるキャッシュ・フロー

11,847

2,082

△9,765

 

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、不動産投資開発事業における仕入が順調に進んだことで、たな卸資産の増加による支出2,608百万円があったものの、税金等調整前当期純利益1,398百万円、匿名組合出資金の減少による収入1,631百万円があったことを主な要因として、298百万円の収入(前年同期は7,122百万円の支出)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻による収入527百万円を主な要因として、260百万円の収入(前年同期は432百万円の収入)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、株式の発行による収入1,872百万円を主な要因として、2,082百万円の収入(前年同期は11,847百万円の収入)となりました。

 

(資本の財源及び資金の流動性について)

当社グループの資金需要の主なものは、不動産投資開発事業における販売用不動産の仕入であります。販売用不動産の仕入は、当該販売用不動産を担保とした金融機関からの借入金等及び営業活動で獲得した資金によって充当しております。当該借入金は、販売用不動産の販売時に一括返済することを基本としているとともに、想定される在庫期間よりも長期性の資金を借入等により調達することで、流動性リスクの軽減を図っております。

 

(重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定)

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社は、生産活動を行っていないため、該当事項はありません。

 

b.受注実績

当社は、受注生産及び受注仕入を行っていないため、該当事項はありません。

 

c.販売実績

1)当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

前年同期比(%)

不動産投資開発事業

(百万円)

11,093

△51.1

不動産コンサルティング事業

(百万円)

1,571

24.9

不動産マネジメント事業

(百万円)

2,087

△18.3

合計

(百万円)

14,751

△44.3

 

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

2)当連結会計年度のセグメントの地域別の販売実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

関東圏

北海道圏

九州圏

関西圏

中部圏

不動産投資開発事業

(百万円)

9,624

566

902

不動産コンサルティング事業

(百万円)

756

178

127

434

73

不動産マネジメント事業

(百万円)

1,600

142

120

72

151

合計

(百万円)

11,981

320

248

1,073

1,127

 

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3)当連結会計年度のセグメントの物件種類別の販売実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

住居

事務所・店舗

その他

不動産投資開発事業

(百万円)

8,089

2,949

54

不動産コンサルティング事業

(百万円)

1,292

68

209

合計

(百万円)

9,382

3,018

264

 

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

4)最近2連結会計年度の主な相手先別販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年1月1日

至 2020年12月31日)

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

ビーロットリート投資法人

13,007

49.1

東神開発株式会社

4,251

28.8

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比較して11,729百万円減少14,751百万円(前年同期比44.3%減)となりました。これは主として、重要なKPIである「親会社株主に帰属する当期純利益」の計画値を確保できたことから、保有する販売用不動産の販売予定時期を翌期以降に見直すなどしたため、不動産投資開発事業の売上高が11,574百万円減少したことによるものであります。

当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度と比較して11,817百万円減少9,929百万円(前年同期比54.3%減)となり、売上総利益は87百万円増加4,821百万円(同1.9%増)となりました。これは主として、不動産投資開発事業において、売上高同様、販売用不動産の販売予定時期を見直したこと、販売用不動産評価損を914百万円計上したことによるものであります。

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比較して222百万円減少2,791百万円(前年同期比7.4%減)となりました。

当連結会計年度の営業利益は310百万円増加して2,030百万円(同18.0%増)となりました。

セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

(不動産投資開発事業)

不動産投資開発事業におきましては、売却件数は27件(前年同期25件)となり、その内訳は、物件種類別では住宅系不動産22件(前年同期17件)、事務所・店舗ビル5件(前年同期5件)、土地(開発用地含む)-件(前年同期3件)となり、地域別では関東圏12件(前年同期13件)、北海道圏-件(前年同期1件)、九州圏-件(前年同期6件)、関西圏13件(前年同期2件)、中部圏2件(前年同期3件)となりました。

当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が想定以上の長期化している状況に鑑み、販売用不動産として保有しておりましたホテル系不動産を中心にさらなる評価損を計上いたしました。一方で、潤沢な投資マネーを背景に、堅調な不動産市況を取り込み、需要旺盛な住居系不動産を中心に売却を進め、利益面においては、前年同期を上回りました。

一方、取得した物件数は35件(前年同期30件)となり、物件種類別では住宅系不動産28件(前年同期20件)、事務所・店舗ビル3件(前年同期9件)、開発用地3件(前年同期1件)、ホテル1件(前年同期-件)となり、地域別では関東圏15件(前年同期14件)、北海道圏3件(前年同期1件)、九州圏2件(前年同期3件)、関西圏11件(前年同期9件)、中部圏4件(前年同期3件)となりました。

多くの金融機関の融資を得ながら、賃料収入のある住宅系不動産や事務所・店舗ビルを中心に仕入れを進め、安定収益を確保しながら、今後の商品化を進めてまいります。

なお、上記にはビーロット・ホスピタリティマネジメント株式会社の販売用不動産は含めておりませんが、カプセルホテル1件、開発用地1件を在庫として保有しております。

これらの結果、当連結会計年度における売上高は11,093百万円(前年同期比51.1%減)、セグメント利益は1,864百万円(前年同期比27.2%増)となりました。

 

(不動産コンサルティング事業)

不動産コンサルティング事業におきましては、関東圏及び関西圏を中心に投資用不動産の売買仲介及びコンサルティング受託案件を積み重ね、成約件数は60件(前年同期28件)となりました。内訳は関東圏22件(前年同期12件)、北海道圏9件(前年同期2件)、九州圏3件(前年同期5件)、関西圏26件(前年同期7件)、中部圏-件(前年同期1件)、東北圏-件(前年同期1件)となります。

当連結会計年度においては、堅調な不動産投資市況を取り込んだ不動産仲介取引が増加するとともに、昨年吸収合併いたしました株式会社ライフステージとのグループシナジー効果を発揮し、新築マンションの販売受託も積み上げることができ、売上・利益ともに前年同期を上回りました。

これらの結果、当連結会計年度における売上高は1,582百万円(前年同期比24.7%増)、セグメント利益は580百万円(前年同期比27.5%増)となりました。

なお、売上高及びセグメント利益はセグメント間取引の相殺消去前の金額です。

 

 (不動産マネジメント事業)

不動産マネジメント事業におきましては、プロパティマネジメントでのクライアントの所有不動産の管理運営受託件数が116件(前年同期101件)に増加しました。管理運営受託のエリアの内訳は、関東圏54件(前年同期42件)、北海道圏33件(前年同期30件)、九州圏21件(前年同期21件)、関西圏5件(前年同期5件)、中部圏3件(前年同期3件)となります。

管理運営受託件数は着実に増加したものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって、宿泊施設の賃料収入の減少や前期保有しておりました大型物件の賃料収入の剥落などもあり、売上・利益ともに前年同期を下回りました。

これらの結果、当連結会計年度における売上高は2,087百万円(前年同期比20.9%減)、セグメント利益は573百万円(前年同期比37.4%減)となりました。

 

b.財政状態

当連結会計年度における総資産は48,753百万円となり、前連結会計年度と比較して2,791百万円増加しました。このうち、流動資産は前連結会計年度と比較して2,865百万円増加し、残高は44,342百万円となりました。これは主として、販売用不動産(仕掛販売用不動産を含む)が2,605百万円増加したことによるものであります。

固定資産は、前連結会計年度と比較して63百万円減少し、残高は4,388百万円となりました。

当連結会計年度末における負債は38,120百万円となり、前連結会計年度と比較して197百万円増加しました。このうち、流動負債は17,798百万円となり、前連結会計年度と比較して3,932百万円増加しました。これは主として、1年内返済予定の長期借入金が4,769百万円増加したことによるものです。また、固定負債は20,321百万円となり、前連結会計年度と比較して3,734百万円減少しました。これは主として、長期借入金が3,534百万円減少したことによるものであります。

当連結会計年度末における純資産は10,632百万円となり、前連結会計年度と比較して2,593百万円増加しました。これは主として、公募増資及び第三者割当増資により1,872百万円調達したことに加え、剰余金の配当を240百万円実施したことものの、親会社株主に帰属する当期純利益が953百万円だったことにより、利益剰余金が692百万円増加したことによるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社の資金状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの資金需要の主なものは、不動産投資開発事業における販売用不動産の仕入であります。販売用不動産の仕入は、当該販売用不動産を担保とした金融機関からの借入金等及び営業活動で獲得した資金によって充当しております。当該借入金は、販売用不動産の販売時に一括返済することを基本としているとともに、想定される在庫期間よりも長期性の資金を借入等により調達することで、流動性リスクの軽減を図っております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当社グループが採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

なお、連結財務諸表の作成にあたって、資産・負債や収益・費用に影響を与える見積りは、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる各種の要因に関して仮定設定、情報収集を行い、見積り金額を算出しておりますが、実際の結果は見積り自体に不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。

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