課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループは、下記を経営理念としております。

  永 永続的な発展を使命とする

  徳 自利利他の精神をもって事を為す

  環 社会との繋がりを大切にする

 この経営理念の基に、「"つなぐ未来を創造する" 私たちの使命は真の価値を生み出し 必要とされる企業グループで在り続けることです」とする企業理念を掲げ、事業ビジョンである「世界の人とモノをつなぐ物流インフラプラットフォームとしてNO.1企業グループ」に基づき、物流を支えるすべてのサービスの基盤となる、社会へ貢献し続ける企業グループへの成長を目指してまいります。

 

(2)経営環境

 当社グループの事業を取り巻く環境は、複雑化する消費者ニーズへの対応から、各企業は、物流業務のサードパーティ・ロジスティクス事業者(3PL事業者)へのアウトソーシングに代表されるように、物流の合理化・効率化を推し進めており、3PL事業者の事業拡大や自社保有不動産のオフバランス化ニーズに伴い、先進的な賃貸物流施設への需要は増加しております。加えて、世界的な新型コロナウイルス感染症の流行に伴う外出や移動の自粛による巣ごもり消費需要の高まりにより、EC市場規模の拡大がさらに加速、今後もオンライン消費による物流施設需要の増加が期待されており、EC事業者が利用する先進的な大型物流施設への需要は、益々高まると見込まれております。

 しかしながら、国内経済は、65歳以上の高齢者人口が総人口の3割に迫るなど少子高齢化の進展、生産年齢人口の減少及び都市部への人口集中継続による労働力不足や個人消費の低迷など将来への影響が懸念されております。また、新型コロナウイルス感染症流行の影響により停滞していた経済活動は、ワクチン接種が進み、社会的抑制が緩和されたことで徐々に再開され緩やかに持ち直しの動きが見られたものの、ウクライナ情勢による影響等により、依然として先行き不透明な状況にあります。今後も経営環境を取り巻く変化を注視し、必要な施策を講じていくことが重要であると考えております。

 

(3)経営戦略等及び対処すべき課題

 当社グループは、2021年8月に第2次中期経営計画(2022年7月期~2026年7月期)を策定しております。当社グループは、本計画の達成を最重要課題と認識し、以下を主要な課題として取り組んでまいります。

 

①物流不動産領域の着実な成長

 フロービジネスを成長ドライバーに、ストックビジネスの着実な成長を図ります。

 

 イ.管理面積の拡大

 不動産所有者への資産活用提案による新築物件の供給、新規物件の借り上げや取得及びプロパティマネジメント受託の推進により管理面積を増加させ、不動産管理収入・利益の拡大を図ります。

 

 ロ.受託資産残高の拡大

 従前の開発手法とともに、開発型ファンドの組成や他デベロッパーとの共同開発等の外部資本も活用し、開発の促進を図ります。加えて、投資家ニーズに応じた多様な金融商品を提供することにより、アセットマネジメント受託資産残高の拡大を図ります。

 

②新領域(海外事業・新規事業)の収益化

 イ.海外事業

 ベトナムでの倉庫開発などASEAN地域での不動産投資を拡大し、海外事業の収益化を図ります。

 

 ロ.新規事業

 資本及び業務提携を推進することにより事業領域を拡充し、既存事業や企業間のシナジー連携を通して収益化を図ります。

 

③持続可能な社会への取り組み

 開発物件の脱炭素化、グリーンビル認証等の取得及びグリーンファイナンスの活用等により持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)の達成貢献に向けて取り組んでまいります。

 

④成長を維持するための体制整備

 イ.適切な財務コントロール

 ネットD/Eレシオ2.5倍以下を目安にコントロールし、借入期間の最適化や調達資金の多様化を図ります。

 ロ.成長を支える人材の育成

 当社グループの業務には、専門的な知識やノウハウが必須であり、人材を最も重要な経営資源の一つと位置付けております。成長を支える人材を育成するため、階層別研修の導入、自己研鑽の促進、新卒採用、誰もが働きやすい環境の整備等に取り組んでまいります。

 

⑤継続的な株主還元の実施

 当社は、これまで、ストックビジネスで得られた利益剰余金を配当原資としておりましたが、物流投資事業の成長を鑑み、株主還元の原資をストックビジネスに限定せず、配当と自己株式取得を合わせた総還元性向の目標を30%程度といたしました。今後は配当に加え、機動的な自己株式取得を実施し、積極的な株主還元を目指してまいります。

 

(参考)サステナビリティに関する取り組み

 当社は、サステナビリティ基本方針を定め、2022年6月には、金融安定理事会が設置した「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」による提言への賛同を表明いたしました。当社グループは、事業活動を通じた社会課題の解決による持続的な社会発展への貢献という企業が本来有する社会的責任に対する認識をより一層深め、中長期的な企業価値向上を実現するため、サステナビリティに関する取組みをより一層強化してまいります。この一環として、各種ガイドライン(SDGsの17の目標および169のターゲット等)を踏まえ課題抽出を行い、マテリアリティ(重要課題)を特定し、優先して取り組んでいくテーマを明確化しました。CREグループはマテリアリティへの取組みを通じて、持続可能社会の実現に向けて貢献してまいります。

なお、特定したマテリアリティについては、サステナビリティに関連する世界的な動向や業務の進捗等に合わせて適宜見直しを行い、効果的な取り組みを推進してまいります。

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標等

 当社グループは、2022年7月期から2026年7月期までの第2次中期経営計画を策定し、2026年度において事業利益120億円、ROE15%以上を数値目標としております。

※事業利益=営業利益+持分法投資損益+のれん償却費(連結子会社・持分法適用会社)+事業投資による損益

 

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