業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度(2021年9月1日から2022年8月31日まで)における日本経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による行動制限が緩和され社会経済活動の正常化に向けた動きが進んだことで、外食業や宿泊業、小売業などを中心に緩やかながらも改善の兆しがみられました。一方で、新たな変異株による感染再拡大の懸念や、ウクライナ・ロシア情勢の緊迫化など地政学的な問題や原材料価格の高騰、外為市場の急速な円安など様々なリスクが集積しており、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 当社グループの主たる事業領域である不動産市場においても、ホテルや商業施設等のアセットタイプは稼働率の改善が顕著にみられるものの投資環境・融資環境は今もなお大きな影響を受けている一方で、コロナ禍による影響が限定的又は追い風となった賃貸マンションや物流施設といったアセットは引き続き国内外問わず投資意欲が強い状況が継続しております。

 このような状況の下、当社グループにおきましては、2022年8月期から2026年8月期までの中期経営計画「KC2.0」の初年度として、主力事業である物流施設開発事業やホテル開発事業を進捗させると同時に、新たにファンド事業とヘルスケア関連施設開発事業の事業化を行うことで案件パイプラインとAUM(Asset Under Management:当社が開発・運営を行うアセット)の積極的な積み上げを行いました。

 物流関連市場においては、通信販売・電子商取引といった巣ごもり消費の急速な拡大とそれらに伴う宅配取扱個数の増加を背景に倉庫面積や拠点を拡充する企業が増加すると見込まれており、自用に加え3PL(サードパーティロジスティクス)事業者の利用の拡大等を背景として、物流不動産に対する需要は引き続き高く、今後も増加すると見込まれます。当社グループでは、中小型・冷凍冷蔵倉庫をメインターゲットに物流施設開発を進めておりますが、当連結会計年度においては物流施設開発用地5件を新規に取得、開発用地6件を開発投資家に売却するなど滞りなく開発を進捗させております。

 ホテル関連市場においては、徐々に緩和されつつあるものの依然として外国人の入国規制が続いていることにより、インバウンドの本格的な需要回復には引き続き時間を要する様相を呈しております。国内旅行需要についてはオミクロン株の感染急拡大により再び行動規制が行われましたが、2022年3月にまん延防止等重点措置が解除された後は、全国自治体による旅行・宿泊割引キャンペーン等が実施され、3年ぶりに行動制限のないゴールデンウィークと夏季繁忙期を迎えることができました。直近では全国旅行支援などの景気刺激策や外国人観光客の受け入れ再開の動きがみられるなど、景気回復に向けた期待が高まりつつあります。

 さらに当期はファンド、ヘルスケア関連施設開発事業といった新規事業への取り組みも本格化し、既存セグメントに加えこれらの分野での事業拡大も目指してまいります。レジデンスファンドにおいては、これまで限られた投資家のみがアクセスできていたプロ向け不動産投資をSTO(Security Token Offering)等のテック技術を活用することで、不動産デジタル証券ファンドとして個人投資家が投資しやすい形に整え、約2,000兆円に迫る日本の個人金融資産に対して投資機会を提供する金融商品化を目指してまいります。ヘルスケア事業においては、超高齢社会である日本において、ヘルスケア関連施設の不足は社会的課題の1つであると捉え、当社はこの課題に対して新規のヘルスケア関連施設をマーケットに供給する開発主体として、この社会的課題に取り組んでまいります。

 また、ESGに関して当社は創業以来、SDGsに着目した取組みを行ってきておりますが、足元では特に物流施設開発を通じて当該活動を一層加速させております。開発する物流施設のすべてについて、環境へ配慮した施設にすることを目指しておりますが、この度当社が企画を行い、現在アセットマネジメント業務を受託している「LOGI FLAG COLD 市川Ⅰ」と「LOGI FLAG 三芳Ⅰ」の2物件につき株式会社東京建築検査機構より認定を受けたCASBEE評価認証機関より、「CASBEE不動産評価認証書」において、『Aランク』をそれぞれ取得いたしました。当社は引き続き本取り組みを推進し、社会課題の解決企業となるべく邁進してまいります。

 

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は20,780,698千円(前年同期比45.4%増)、営業利益は2,141,932千円

(前年同期比61.2%増)、経常利益は1,732,563千円(前年同期比67.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利

益は1,018,434千円(前年同期比28.3%増)となりました。

 

セグメント別の業績を示すと、次のとおりであります。

イ.不動産コンサルティング事業

 投資用不動産の売買及び投資家に対するコンサルティング受託による収入並びに保有しているショッピングセンターフォルテにおける、各テナントからの賃料収入により、売上高20,726,131千円(前年同期比49.8%

増)、セグメント利益4,310,003千円(前年同期比49.3%増)となりました。

 

ロ.自然エネルギー事業

 太陽光発電案件の売却等により、売上高54,566千円(前年同期比88.1%減)、セグメント損失23,582千円

(前年同期は8,589千円のセグメント利益)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,786,460千円増加し、5,390,045千

円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度は972,441千円の収入であったのに対し、当連結会計年度は11,689,170千円の支出となりました。主な要因は、棚卸資産が前連結会計年度に比べ、13,134,965千円の増加による支出があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ支出が1,204,583千円減少し、436,576千円の支出となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出が1,460,428千円減少したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ収入が11,705,652千円増加し、13,901,289千円の収入となりました。主な要因は、長期借入れによる収入が14,390,400千円増加したことによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

イ.生産実績

 当社は生産活動を行っていないため、該当事項はありません。

 

ロ.受注実績

 当社は受注生産形態をとらないため、該当事項はありません。

 

ハ.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年9月1日

  至 2022年8月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

不動産コンサルティング事業

20,726,131

149.8

自然エネルギー事業

54,566

11.9

合計

20,780,698

145.4

 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.セグメント間取引については、相殺消去しております。

3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年9月1日

至 2021年8月31日)

当連結会計年度

(自 2021年9月1日

至 2022年8月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

合同会社LOGI FLAG3号

 

 

3,634,167

17.5

K・Kレジデンス合同会社

 

 

3,134,994

15.1

合同会社オルタナ13

 

 

2,291,286

11.0

合同会社LOGI FLAG4号

2,277,430

11.0

大和ハウス工業株式会社

2,230,060

10.7

JR西日本プロパティーズ株式会社

3,304,158

23.1

リベレステ株式会社

2,464,818

17.2

合同会社LOGI FLAG2号

2,046,141

14.3

4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

5.主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。

 

(2)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。

① 重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを用いております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項4.会計方針に関する事項」に記載しております。

 

② 財政状態の分析

  (資産の部)

 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比較して15,397,148千円増加し、30,437,272千円となりました。

 流動資産は、前連結会計年度末と比較して15,054,487千円増加し、25,759,597千円となりました。これは主に現金及び預金が1,786,461千円、販売用不動産が13,176,443千円増加したことによるものであります。

 固定資産は、前連結会計年度末と比較して345,393千円増加し、4,666,780千円となりました。これは主に投資有価証券が207,613千円増加したことによるものであります。

 

(負債の部)

 当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比較して10,943,230千円増加し、21,077,230千円となりました。

 流動負債は、前連結会計年度末と比較して9,750,371千円増加し、13,889,874千円となりました。これは主に短期借入金が1,526,434千円、1年内返済予定の長期借入金が7,606,144千円増加したことによるものであります。

 固定負債は、前連結会計年度末と比較して1,192,859千円増加し、7,187,356千円となりました。これは主に長期借入金が1,807,687千円増加したことによるものであります。

 

(純資産の部)

 当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末と比較して4,453,917千円増加し、9,360,042千円となりました。これは主に資本金が1,870,462千円、資本剰余金が1,877,210千円、利益剰余金が885,252千円増加したことによります。

 

③ 経営成績の分析

 経営成績の分析については「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

④ キャッシュ・フローの状況の分析

 キャッシュ・フローの状況の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

    ⑤ 資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの資金需要の主なものは、不動産コンサルティング事業における物流施設、ホテルの開発用地取得及び開発資金、再生可能エネルギー事業における自然エネルギー発電施設の開発資金であり、その調達手段は主として、金融機関からの借入金及び自己資金によっております。

 

⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑦ 経営戦略の現状と見通し

 「第1 企業の概況 3 事業の内容」及び「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

  ⑧ 経営者の問題認識と今後の方針について

 「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

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