業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度(2021年4月1日から2022年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による影響の長期化に伴い経済活動の一部制限が続いたものの、ワクチン接種の進展による経済活動の段階的再開や海外需要の回復等を追い風に、企業業績は持ち直しの動きが見られました。

 このような経営環境のもと、当社グループは中核事業である温浴事業を中心に事業を展開してまいりました。

 当連結会計年度の当社グループの売上高は751,440千円(前連結会計年度比25.4%増)、営業損失115,493千円(前連結会計年度は営業損失177,740千円)、経常損失131,783千円(前連結会計年度は経常損失186,595千円)、親会社株主に帰属する当期純損失22,004千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失158,464千円)となりました。

 なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度の売上高は722千円増加し、営業損失は1,112千円減少し、経常損失は36千円増加し、税金等調整前当期純利益は36千円減少しております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更)」に記載しております。

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

<温浴事業>

 当社グループの主力である温浴事業では、連結子会社の株式会社テルマー湯が東京都新宿区歌舞伎町にて事業展開する温浴施設「テルマー湯」におきまして、2021年4月から9月にかけて東京都の要請に従い、臨時休業と時短営業を繰り返したため通常の24時間営業ができなかったことから業績低迷の要因となりました。そのような中、緊急事態宣言解除後の10月からようやく通常の24時間営業を再開できたことで入館者数も徐々に回復し、12月には2万5千人を超えコロナ以前の水準の8割ほどまで回復いたしました。ところが、2022年1月に入り、新型のオミクロン株の拡大により、まん延防止等重点措置が発令され、人流が減少したことから再び入館者数が減少いたしました。しかしながら、前連結会計年度に比べて臨時休業期間及び時短営業期間が短かったことなどから当連結会計年度の入館者数は、前連結会計年度に比べ54.9%増の17万9千1百人(前連結会計年度は11万5千6百人)と増加いたしました。それでもコロナ以前の水準の年間入館者数32万人と比べると約4割減となっております。そのような中、各種イベントを企画し、特に近年ブームとなっているサウナに関連するイベントに注力いたしました。当事業の売上高は687,448千円(前連結会計年度比54.9%増)、営業利益は5,124千円(前連結会計年度は営業損失166,625千円)となりました。なお、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために休業した43日分の固定費(人件費・賃借料・減価償却費)の合計額32,909千円を「新型コロナウイルス感染症対応による損失」として特別損失に計上しております。

 また、当社グループではアフターコロナを見据えた温浴事業の拡大を模索してまいりましたが、資金的に目途が立ったことから埼玉県比企郡滑川町に新たな温浴施設の開業を目指して現在準備中であります。また、東京都港区西麻布に所有するエコナック西麻布ビルの一部にも新たに都心型のサウナ・スパ施設を計画し現在改装工事を行っております。今後は当社グループの主力となっている温浴事業をさらに拡大していく計画であります。

 

<不動産事業>

 当社が不動産の売買・賃貸を営む当事業におきましては、東京都港区西麻布に所有するビルの住居部分の賃料につきまして、継続して安定した収入を得ることができました。しかしながら、テナント部分の賃料収入に関しましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、賃料の回収が困難となった大口テナントの売上が計上できなくなったほか、その他のテナントも2021年11月をもって退去したことに伴い、テナント部分の売上は大幅に減少いたしました。その結果、当事業の売上高は63,991千円(前連結会計年度比58.8%減)、営業利益は15,895千円(前連結会計年度比85.6%減)となりました。

 今後は、空きテナントとなった地下1階から地上2階までと住居部分の一部を改装し、都心型のサウナ・スパ施設として新たに有効活用することといたしました。

 

 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ687,348千円増加し、6,099,893千円となりました。これは、主に現金及び預金が増加したことによるものであります。

 負債は、前連結会計年度末に比べ178,655千円減少し、1,517,077千円となりました。これは、主に長期借入金の減少によるものであります。

 純資産は、前連結会計年度末に比べ866,004千円増加し、4,582,816千円となりました。これは、主に第三者割当増資によって資本金及び資本剰余金が増加したことによるものであります。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ724,373千円増加し、1,931,013千円となりました。

 当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は、134,415千円(前連結会計年度は52,340千円の使用)となりました。

 これは主に補助金の受取額及び和解金の受取額によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、184,390千円(前連結会計年度は81,863千円の使用)となりました。

 これは主に温浴事業拡大に向けての有形固定資産の取得による支出によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果獲得した資金は、774,348千円(前連結会計年度は416,600千円の獲得)となりました。

 これは主に第三者割当増資による株式の発行による収入であります。

 

③生産、受注及び販売の実績

(a)商品仕入実績

セグメントの名称

仕入高(千円)

前年同期比(%)

温浴

10,766

166.3

合計

10,766

166.3

 (注)1.上記の金額は、仕入価格によって表示しております。

2.当連結会計年度において、商品仕入実績に著しい変動がありました。これは、主に新型コロナウイルス感染症の影響が少なくなったことによる増加であります。

 

(b)販売実績

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

温浴

687,448

154.9

不動産

63,991

41.2

合計

751,440

125.4

 (注)1.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、「温浴」セグメントにおきましては主に新型コロナウイルス感染症の影響が少なくなったことによる増加であります。「不動産」セグメントにおきましては主に賃貸ビルのテナントが退去したことによる減少であります。

4.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社A.F.S

69,300

11.6

なお、当連結会計年度においては、総販売実績に対する割合が10%未満であるため、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、前連結会計年度から引き続き新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受けております。特に当社グループの中核事業である温浴施設の運営に大きな支障をきたしました。

 当連結会計年度の当社グループの売上高は751,440千円(前連結会計年度比25.4%増)、営業損失115,493千円(前連結会計年度は営業損失177,740千円)、経常損失131,783千円(前連結会計年度は経常損失186,595千円)、親会社株主に帰属する当期純損失22,004千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失158,464千円)となりました。

 当社グループの経営成績に重要な影響を与えた要因といたしましては、温浴事業におきましては新宿区歌舞伎町の温浴施設「テルマー湯」が新型コロナウイルス感染症拡大に伴う東京都の要請に従い、計43日間の臨時休業を実施いたしました。臨時休業期間以外においても東京都の要請に従い営業時間の大幅な短縮を実施しており、10月からようやく従来の24時間営業が再開できした。通常の24時間営業を再開できたことで入館者数も徐々に回復し、12月には2万5千人を超えコロナ以前の水準の8割ほどまで回復いたしました。ところが、2022年1月に入り、新型のオミクロン株の拡大により、まん延防止等重点措置が発令され、人流が減少したことから再び入館者数が減少いたしました。しかしながら、前連結会計年度に比べて臨時休業期間及び時短営業期間が短かったことなどから当連結会計年度の入館者数は、前連結会計年度に比べ54.9%増の17万9千1百人(前連結会計年度は11万5千6百人)と増加いたしました。それでもコロナ以前の水準の年間入館者数32万人と比べると約4割減となっております。その結果、温浴事業の売上高は前連結会計年度に比べ54.9%増加し、687,448千円となりました。

 不動産事業におきましても東京都港区西麻布に所有するビルの住居部分の賃料につきまして、継続して安定した収入を得ることができましたが、テナント部分の賃料収入に関しましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、賃料の回収が困難となった大口テナントの売上が計上できなくなったほか、その他のテナントも2021年11月をもって退去したことに伴い、テナント部分の売上は大幅に減少いたしました。その結果、不動産事業の売上高は前連結会計年度に比べ58.8%減少し63,991千円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、当連結会計年度末現在において各事業を継続していく上での運転資金は自己資金で賄っております。当社の主な資金需要は、設備投資によるものであり、投資を目的とした資金需要につきましては、主に営業活動によるキャッシュ・フローにより調達しております。しかしながら、当連結会計年度において事業拡大の計画を実行するため第三者割当増資による資金調達を行っております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、経営者は、見積りが必要な事項について、過去の実績や現状等を考慮し、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。ただし、将来に関する事項には不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる可能性があります。

 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りに係る事項につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

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