業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 令和2年3月31日)等を適用しております。

これに伴い、当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度と比較して減少しております。

そのため、当連結会計年度における経営成績に関する説明は、売上高については前連結会計年度と比較しての増減額及び前期比(%)を記載せずに説明しております。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度(令和3年9月1日から令和4年8月31日まで)のわが国の経済は、米欧諸国によるインフレ抑制のための金融引き締めの影響による新興国や発展途上国の債務危機や、ロシアのウクライナ侵攻を背景とした国際商品市況の高騰、また中国の都市封鎖(ロックダウン)など厳しいゼロコロナ政策によるサプライチェーン(供給網)の混乱等により各国の物価上昇圧力が高まり、世界的な景気後退リスクが広がっております。国内においては、新型コロナウイルス感染症に対する予防ワクチン接種が進み、新規感染者数が低水準に推移したことに伴い、経済活動・社会活動の行動制限が緩和され個人消費に回復の兆しが見られはじめましたが、新型コロナウイルス感染症オミクロン型の新たな派生型「BA.5」の感染が再び広がったことや、ウクライナ情勢の悪化による原材料価格・原油価格等の高騰や、令和4年3月に入り急速に進んだ円安の影響等でガソリン価格や電気代、食料品等の生活必需品の相次ぐ値上がりを受け、消費者の体感インフレが高まり、生活防衛色が強まっております。そのような経済環境のなか、当社グループは、お客様の日常から最も近いところから「本当にいいものや必要とされるものを見極める感性を磨き続け、良質な提案をスピーディーにお届けすること」を最重要使命とし、グループ全体でお客様、そして地域社会の生活文化の質的な向上を「美・健康・ゆとりの側面」から応援し、顧客満足、社員満足を高めていくことで会社満足も高め、これら3つの満足によってグループ価値の更なる向上に努め、株主様、取引先様をはじめとするすべての関係者の皆様への利益還元と社会貢献の実現を目指しております。

具体的な取り組みとして、令和3年9月、ヘルス&ビューティーケアユニット各店において、高さのあるメタル什器を導入し、見た目もオシャレな輸入菓子やこだわりの食材を増やす等、食品部門の売場を拡張し、また、お客様の生活シーンに沿ったキッチン・インテリア商品等の品揃えを充実するリニューアルを実施いたしました。また、同年10月、世界各国のウイスキー約1,000種類を取り扱うウイスキー専門店、芦屋WHISKY(兵庫県芦屋市)をオープンし、同年11月、ライフスタイルユニットとアルコユニットにおいて、ECサイトによる販売チャネルを増やすことで、より便利に、楽しくお買い物をしていただけるようPLAZAALEX ONLINE STOREと元町WHISKY ONLINE SHOPを開設し、運用を開始いたしました。そして、令和4年1月、アスレユニットにおいては、アウトドアやスポーツブランドのラインナップを充実するリニューアルを実施いたしました。また、同年3月、チャーリーレインボーロード店(香川県高松市)において、店舗の内外装のフルリニューアルに取り組み、美と健康をテーマとする高感度なコスメ商品、医薬品、日用品等に加え、セレクトされた生活雑貨やインテリア等、ライフスタイル要素を新しく取り入れたハイブリッド型の店舗としてリニューアルオープンし、同年同月、国内外のコスメや日常を楽しく美しく過ごせる生活雑貨をセレクトしたアレックスコンフォートオアシス21(名古屋市東区)をオープンし、同年4月には、国内外のウイスキーを500種類以上取り揃え、免税店限定商品等、入荷困難なウイスキーも数多く取り扱う青山WHISKY Established in 2022をオープンいたしました。そして、同年6月には、国内外のコスメや日常を楽しく、美しく過ごせる生活雑貨をセレクトし、自由なライフスタイルを提案するアレックスコンフォート豊田T-FACEをオープンし、同年8月には、室内用の観葉植物から多肉植物、ガーデン雑貨等を豊富に取り揃え、グリーンのある生活を提案するデコールグリーン万代倉庫をオープンいたしました。

その結果、当連結会計年度末におけるグループ店舗数は、44店舗となりました。

以上の結果、当連結会計年度は、売上高11,327百万円、営業利益443百万円(前期比19.3%増)、経常利益313百万円(前期比14.8%増)となりました。特別利益、特別損失及び法人税等を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は258百万円(前期比25.6%増)となりました。

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

なお、当社グループは当連結会計年度より、業績管理区分の見直しに伴い、従来「その他」に計上していた蒸溜所事業を「卸売事業」に計上しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」の「1.報告セグメントの概要」をご参照ください。以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分にて組み替えた数値で比較しております。

(a) 小売事業

小売事業につきましては、ヘルス&ビューティーケアユニットでは、食品部門の売場を拡張し品揃えを充実するリニューアルを実施した店舗を中心に、食品部門の菓子カテゴリーや、キッチン部門の食材カテゴリー等の販売が好調に推移したほか、低刺激処方にこだわった、べビー・マタニティ用のスキンケア関連商品の販売が好調に推移いたしました。一方で、一般化粧品部門のシャンプー等のインバスカテゴリーや、人気ブランドの売れ筋商品が品薄になったインポートコスメカテゴリー等の販売が落ち込んだこと等により、当ユニットの売上高、売上総利益額、セグメント利益を押し上げるには至りませんでした。

ライフスタイルユニットでは、前連結会計年度においてストアブランドを変更しリニューアルオープンした店舗を中心に、アパレル部門のトップスやアウター、ボトムスカテゴリー等の高単価商品の販売が好調に推移いたしました。一方で、前連結会計年度にあった家具部門の大口受注の剥落や、巣ごもり需要で好調だったキッチン家電の販売が一巡したこと等により、当ユニットの売上高、売上総利益額、セグメント利益を押し上げるには至りませんでした。

アスレユニットでは、プロサッカーチーム向けの販売やスポーツクラブ関連の大口販売があったことや、ECサイトによるアウトレットの秋冬物関連商品の販売が好調に推移いたしました。一方で、これまで好調を維持してきた人気アウトドアブランドのアパレル販売が落ち着き始めたことや、キャンプ関連用品の販売が一巡したこと等により、当ユニットの売上高、売上総利益額を押し上げるには至りませんでしたが、販売費及び一般管理費の合理化に伴いセグメント利益は伸長いたしました。

ホームキーパーユニットでは、優しい手触りと温かみが持ち味の陶器鉢の販売が好調に推移したほか、新入学シーズンにおける通学用自転車やクロスバイク等の販売が好調に推移いたしました。一方で、前連結会計年度にみられた巣ごもりを楽しむためのDIY関連用品の販売が一巡したことや、住宅設備部門のリフォーム工事の売上高の剥落等により、当ユニットの売上高、売上総利益額、セグメント利益を押し上げるには至りませんでした。

アルコユニットでは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により自宅で普段より少し上質なウイスキー等を飲みたいという消費傾向がみられ、中価格帯のシングルモルトウイスキー等の販売が好調に推移したほか、ECサイトにおいて希少価値の高い高単価ウイスキーの販売が好調に推移したことや、前連結会計年度に開所した六甲山蒸溜所(神戸市灘区)の見学ツアーに参加したお客様のお土産用ウイスキーの販売等が寄与したことで、当ユニットの売上総利益額は伸長いたしました。一方で、国内出荷量が減少傾向にある日本酒や焼酎及び飲食店向けの業務用ビールや果実酒等の販売が落ち込んだことや、新規出店に伴い販売促進費等が増加したことから、当ユニットの売上高、セグメント利益を押し上げるには至りませんでした。

これらの結果、当セグメントの売上高は7,578百万円、セグメント利益は343百万円(前期比25.2%減)となりました。

 

(b) 卸売事業

卸売事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の長期化やウクライナ情勢等の影響による世界的な物流の混乱により資材・商品の不足が長期化することを踏まえ、あらゆるサプライソースを利用することで商品の安定した供給に取り組みました。国内市場においては、マーケットをエリア・業態などで再定義し、より低価格なものを求める消費者へは価格訴求型のワイン・ウイスキー等の取扱い強化での需要の再発屈を行い、よりプレミアムなものを求める消費者へは、日本で流通していない高年代ウイスキーや終売品としてプレミア化したヴィンテージウイスキー等を取り揃えることにより様々な需要に対応する等、顧客の需要を見直し提案を進めてまいりました。しかし、商品の値上がりによる買い控えや一部商品の欠品により、全ての需要に対応することが出来なかったこと等から、当セグメントの売上高を押し上げるまでには至りませんでしたが、高付加価値の商品をより多く扱うことで、売上総利益額、セグメント利益は伸長いたしました。

これらの結果、当セグメントの売上高は3,369百万円、セグメント利益は311百万円(前期比41.1%増)となりました。

 

(c) 不動産賃貸事業

不動産賃貸事業につきましては、既存テナントからの安定した売上に加え、構造改革を実施する一環として不動産賃貸事業に転換した、デコール沖浜店及びチャーリー阿南店の売上が全額計上され始めたこと等により、当セグメントの売上高、売上総利益額、セグメント利益は伸長いたしました。

これらの結果、当セグメントの売上高は624百万円、セグメント利益は232百万円(前期比52.6%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ1,676百万円減少し、当連結会計年度末残高は2,382百万円(前期末比41.3%減)となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの概況とそれらの要因は次のとおりであります。

(a) 「営業活動によるキャッシュ・フロー」

営業活動の結果使用した資金は400百万円(前期は158百万円の獲得)となりました。主な要因は税金等調整前当期純利益286百万円に対し、減価償却費314百万円等により増加し、棚卸資産の増加額811百万円等により減少いたしました。

 

(b) 「投資活動によるキャッシュ・フロー」

投資活動の結果使用した資金は1,480百万円(前期比237.2%増)となりました。主な要因は預り保証金の受入による収入48百万円等により増加し、有形固定資産の取得による支出1,476百万円等により減少いたしました。

 

(c) 「財務活動によるキャッシュ・フロー」

財務活動の結果獲得した資金は205百万円(前期比80.8%減)となりました。主な要因は長期借入れによる収入530百万円等により増加し、長期借入金の返済による支出287百万円等により減少いたしました。

 

③ 仕入及び販売の状況

(a) 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

区分

前連結会計年度

(自 令和2年9月1日

至 令和3年8月31日)

当連結会計年度

(自 令和3年9月1日

至 令和4年8月31日)

金額

(千円)

前年同期比

(%)

金額

(千円)

前年同期比

(%)

小売事業

5,269,170

94.1

5,294,890

100.5

卸売事業

3,397,651

116.1

3,255,505

95.8

合計

8,666,822

101.7

8,550,395

98.7

(注)1.仕入高は、仕入価格によっております。

2.セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(b) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメント及び地域別に示すと、次のとおりであります。

 

前連結会計年度

(自 令和2年9月1日

至 令和3年8月31日)

当連結会計年度

(自 令和3年9月1日

至 令和4年8月31日)

区分

地域別

(都道府県別)

店舗数

売上高

(千円)

構成比

(%)

前年

同期比

(%)

店舗数

売上高

(千円)

構成比

(%)

前年

同期比

(%)

小売事業

東京都

1

809

0.0

2

13,347

0.1

愛知県

2

116,937

1.0

351.1

4

189,422

1.7

滋賀県

3

456,560

3.9

132.1

3

362,494

3.2

大阪府

1

106,095

0.9

67.7

1

61,541

0.5

兵庫県

7

1,407,643

11.9

99.0

8

1,404,745

12.4

岡山県

1

54,343

0.5

81.2

1

39,840

0.4

徳島県

19

4,523,532

38.3

87.8

20

4,171,600

36.8

香川県

4

1,340,192

11.4

90.7

4

1,333,828

11.8

小 計

38

8,006,115

67.8

92.5

43

7,576,820

66.8

卸売事業

1

3,296,532

27.9

97.2

1

3,128,363

27.6

不動産賃貸事業

503,063

4.3

113.9

620,220

5.5

そ の 他

1,718

0.0

123.9

2,055

0.1

合  計

39

11,807,430

100.0

94.5

44

11,327,460

100.0

(注)1.店舗数は、当連結会計年度末の店舗数を記載しております。

2.セグメント間の取引については相殺消去しております。

3.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 令和2年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しているため、前年同期比の記載はしておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって採用した重要な会計方針等につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響の見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」をご参照ください。

 

② 経営成績の分析

当社グループの経営成績の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

 

③ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等に関する、当連結会計年度の達成状況及び翌連結会計年度の計画等につきましては、次のとおりであります。

 

売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

自己資本

利益率

(%)

自己資本比率

(%)

当連結会計年度

(令和4年8月期)

当初計画

11,675

397

当連結会計年度

(令和4年8月期)

実績

11,327

443

12.3

11.5

対比率

(計画比)

3.0%減

(計画比)

11.6%増

(前期比)

1.7ポイント増

(前期比)

0.6ポイント増

翌連結会計年度

(令和5年8月期)

計画

11,285

409

 

④ 財政状態の分析

(a) 資産

総資産は18,914百万円(前期末比2.1%増)となりました。うち流動資産は8,426百万円(同8.9%減)、固定資産は10,479百万円(同13.1%増)、繰延資産は7百万円(同33.4%減)となりました。

 

(b) 負債

負債合計は16,735百万円(前期末比1.4%増)となりました。うち流動負債は12,182百万円(同1.4%増)、固定負債は4,553百万円(同1.5%増)となりました。

 

(c) 純資産

純資産合計は2,178百万円(前期末比7.8%増)となりました。以上の結果、自己資本比率は11.5%(同0.6ポイント増)となりました。

 

⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因等につきましては、「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑥ キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

 

⑦ 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、小売事業及び卸売事業で販売する商品の仕入れ並びに販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、設備資金需要のうち主なものは、店舗に関わる設備投資及び賃貸不動産の取得等であります。

当社グループは、運転資金需要に対しては、安定的且つ資金需要に応じた機動的な経常運転資金調達手段を導入し、財務の健全性を確保するとともに事業環境の変化に即応した施策の実行を可能にすることを目的とし、当社の連結子会社であるアクサスは、取引金融機関各行と運転資金枠及びシンジケーション方式によるコミットメントライン契約を締結しております。設備資金需要に対しては、設備投資計画に基づき、案件ごとに調達方法を検討し、適切な調達を行っております。

なお、当連結会計年度末における借入金、社債及びリース債務を含む有利子負債の残高は15,251百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,382百万円となっております。

 

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