業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の実施により社会活動や個人消費が停滞するなど厳しい状況にありましたが、ワクチン接種が進んだことや外需の回復に支えられ、緩やかながらも回復に向けた動きがみられるようになりました。しかしながら、直近ではより感染力の強い変異株が発生し、またガソリン価格の高騰や原材料高などにより企業業績の下振れリスクも懸念され、加えて米国の金融引き締めやウクライナ情勢等で先行きは依然不透明な状況が続いております。

このような環境の下、当社グループの事業とかかわりの深い界面活性剤業界は、海外経済の回復を背景に生産・販売活動ともコロナ前の水準にまで回復してきました。当社グループにおいても在宅勤務やオンライン商談等を活用し、化学品事業におけるオレオケミカルを中心とした既存得意先への拡販・拡充、新興国化学品の販売拡大に取組んでまいりました。

こうした中、自動車関連や繊維油剤関連の国内主要得意先からの受注は好調に推移し、また競合先の供給不足から当社に対し供給要請もあり、受注増となりました。その他、販売価格に影響を及ぼすオレオケミカルを中心とした天然油脂相場価格は過去最高値をつける等、1年を通じ大きく上昇し、それ以外の原材料価格も上昇したことで、販売価格は上昇しました。

これらの結果、当連結会計年度における経営成績は、売上高が21,147,821千円前連結会計年度比24.2%増)となり、過去最高を記録し、営業利益は302,336千円前連結会計年度比91.8%増)、経常利益は営業外収益188,964千円、営業外費用16,405千円を計上したことにより474,894千円前連結会計年度比51.5%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益として、投資有価証券売却益370,010千円を計上したことにより578,640千円前連結会計年度比143.4%増)となりました。

また、当社グループの目標とする経営指標における売上総利益の絶対額の持続的な増加については、当初計画数値を大きく上回り、前年実績から177,372千円増加した1,650,454千円(前連結会計年度比12.0%増)となり達成することができました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

なお、各セグメントの売上高は外部顧客への売上高を表示し、セグメント損益は連結損益計算書における営業損益(営業利益又は営業損失)をベースとしております。また、各セグメントの営業損益のほかに、各セグメントに帰属しない全社費用177,460千円前連結会計年度比10.4%増)があります。

① 化学品事業

化学品事業におきましては、海外経済の回復を背景に自動車関連や繊維油剤関連の国内主要得意先からの受注が好調に推移し、競合先の供給不足から当社に対し供給要請もあり、販売数量は大きく伸長しました。また、世界的な資源高同様、オレオケミカルを中心とした原材料価格(天然油脂相場価格)は過去最高値をつけ、それ以外の原材料価格も上昇し、販売価格は上昇しました。

この結果、化学品事業に係る当連結会計年度の売上高は18,999,211千円前連結会計年度比25.6%増)、セグメント利益は380,723千円前連結会計年度比92.5%増)となりました。

② 日用品事業

日用品事業におきましては、量販店向けルートで取扱う一部商品(眼鏡くもり止めシート)の売行きは好調に推移しましたが、巣ごもり需要があった前年と比べ、当事業が取扱う掃除用関連商品や生活日用品の売行きは前年並みの特需には至りませんでした。また、利益面でも原材料高や物流費のコストアップ等の影響を受けました。

この結果、日用品事業に係る当連結会計年度の売上高は870,655千円前連結会計年度比5.3%減)、セグメント利益は115,127千円前連結会計年度比19.2%減)となりました。

③ 土木建設資材事業

土木建設資材事業におきましては、当事業の取扱商品とかかわりの深い地盤改良工事、コンクリート補修補強工事で大型物件の新規受注があり、工事に使用される材料・添加剤等の販売は回復基調となりました。また、環境関連薬剤の販売については、災害復興関連工事等の汚染土壌対策の受注獲得やその他新たな商材としてバイオレメディエーション(微生物等の分解能力を用いて土壌、環境汚染を修復する技術)用浄化促進剤の販売も順調に推移しました。

この結果、土木建設資材事業に係る当連結会計年度の売上高は1,277,954千円前連結会計年度比30.3%増)、セグメント損失は16,053千円(前連結会計年度は21,818千円のセグメント損失)となりました。

 

 

〔2022年3月期 セグメント別連結業績〕

(単位:千円,%)

 

セグメント区分

セグメント別売上高

セグメント損益(営業損益)

 

実績

百分比

前期比増減率

実績

利益率

前期比増減率

化学品事業

18,999,211

89.9

25.6

380,723

2.0

92.5

日用品事業

870,655

4.1

△5.3

115,127

13.2

△19.2

土木建設資材事業

1,277,954

6.0

30.3

△16,053

全社費用

△177,460

10.4

セグメント合計

21,147,821

100.0

24.2

302,336

1.4

91.8

 

(注)1.セグメント別売上高は、各セグメントの外部顧客への売上高を表示しております。

2.セグメント損益は、各セグメントの営業利益又は営業損失(△)を表示しております。

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

① 生産実績

該当事項はありません。

 

② 商品仕入実績

当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

商品仕入高(千円)

前年同期比(%)

化学品事業

17,993,599

27.8

日用品事業

573,046

△6.6

土木建設資材事業

1,178,024

29.9

合計

19,744,670

26.6

 

(注) 金額は、仕入価格によっております。

       

③ 受注実績

受注実績と販売実績との差異は僅少なため、受注実績の記載は省略しております。

 

④ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

化学品事業

18,999,211

25.6

日用品事業

870,655

△5.3

土木建設資材事業

1,277,954

30.3

合計

21,147,821

24.2

 

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

三洋化成工業株式会社

2,169,470

10.3

 

2.前連結会計年度の三洋化成工業株式会社に対する販売実績については、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

 

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末の総資産は14,480,863千円前連結会計年度末比124,938千円減少)、負債は7,530,486千円前連結会計年度末比569,432千円増加)、純資産は6,950,376千円前連結会計年度末比694,371千円減少)となりました。

主な増減要因は、次のとおりであります。

 

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は9,394,690千円となり、前連結会計年度末に比べ1,673,615千円増加しました。主な要因は、現金及び預金が98,274千円減少した一方で、売上債権が1,453,591千円、商品が242,954千円それぞれ増加したことによるものです。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は5,086,172千円となり、前連結会計年度末に比べ1,798,554千円減少しました。主な要因は、保有投資有価証券の一部売却や時価変動等により投資有価証券が1,768,036千円減少したことによるものです。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は6,264,846千円となり、前連結会計年度末に比べ1,094,643千円増加しました。主な要因は、支払手形及び買掛金が990,515千円、未払法人税等が148,383千円それぞれ増加したことによるものです。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は1,265,639千円となり、前連結会計年度末に比べ525,210千円減少しました。主な要因は、繰延税金負債が522,087千円減少したことによるものです。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は6,950,376千円となり、前連結会計年度末に比べ694,371千円減少しました。主な要因は、利益剰余金516,162千円増加した一方で、保有投資有価証券の一部売却や時価変動等によりその他有価証券評価差額金1,222,718千円減少したことによるものです。

 

なお、当社グループでは、経営の意思決定上、資産及び負債を各セグメントに配分していないため、セグメントごとの財政状態の状況に関する記載を省略しております。

 

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、営業活動の結果使用した資金が398,371千円投資活動の結果獲得した資金が382,729千円財務活動の結果使用した資金が62,477千円であったこと等により、前連結会計年度に比べ97,574千円減少913,365千円となりました。

当連結会計年度中における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果使用した資金は398,371千円前連結会計年度は324,817千円の資金の獲得)となりました。主な要因は、仕入債務の増加額943,576千円税金等調整前当期純利益844,904千円があった一方で、売上債権の増加額1,419,718千円、投資有価証券売却益370,010千円、棚卸資産の増加額239,894千円、法人税等の支払額109,013千円があったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果獲得した資金は382,729千円前連結会計年度は39,014千円の資金の獲得)となりました。主な要因は、投資有価証券の売却による収入392,710千円があったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は62,477千円前連結会計年度は77,019千円の資金の使用)となりました。要因は、配当金の支払額62,477千円があったことによるものです。

 

資本の財源及び資金の流動性に係る情報は、次のとおりであります。

① 主要な資金需要及び財源

当社グループの主要な資金需要は、原材料、販売費及び一般管理費、並びにシステム投資等の投資であります。

また今後、当社グループの収益の源泉として、事業間及び国内外間のシナジーを追及し売上高の増加を目指してまいります。

② 資金の流動性
突発的な資金需要に対して、迅速かつ確実に資金を調達できるよう、20億円の当座借越枠を取得しており、流動性リスクに備えております。

 

(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2020年3月

2021年3月

2022年3月

自己資本比率(%)

54.2

52.3

48.0

時価ベースの自己資本比率(%)

20.6

23.9

26.2

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

2.2

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

76.8

 

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注)1.各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

2.キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを利用しております。

3.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

4.「キャッシュ・フロー/利払い」は、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業キャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を利用しております。

5.2020年3月期及び2022年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。

 

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたっては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づき、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりですが、世界各国の変異株等の新型コロナウイルス感染症の影響が長期化した場合には、国内外の景気減速要因となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

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