当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。 そのため、当連結会計年度における経営成績に対する説明の売上高については前連結会計年度と比較しての増減額及び増減率は記載しておりません。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2021年7月1日から2022年6月30日)における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の再拡大が繰り返し生じたことで、先行きが不透明な状態が続きましたが、活動制限が緩和され経済活動は回復基調となりました。一方で、ウクライナ情勢の長期化による地政学リスクの影響や、エネルギー資源や材料価格の高騰など未だ先行き不透明な状況が続いております。
自動車業界におきましては世界規模での半導体不足や物流の混乱による商品・部品の供給の遅れ、停滞等により当連結会計年度における国内の新車(乗用車)登録台数は2,199,383台(前期比:84.8%)(注1)、外国メーカーの新車(乗用車)登録台数は238,465台(前期比86.1%)(注2)と減少いたしましたが、日本国内における輸入車の販売シェアは10.84%(前年度は10.68%)と過去最高となりました。
(注1) 出典:日本自動車販売協会連合会HP 統計データ
(注2) 出典:日本自動車輸入車組合HP 統計情報輸入車登録台数推移
当連結会計年度における当社グループの新車販売は、世界規模での半導体不足や物流の混乱により新車供給が停滞したこと等により、新車売上高は全体に占める割合が減少し、19,576百万円となりました。中古車販売につきましては、新車供給の停滞の影響により需要が高まり、当社グループにおきましても順調に販売台数を伸ばしました。中古車売上高は11,009百万円となり、全体に占める割合も増加いたしました。
ストック型ビジネスである車輌整備や損害保険代理店事業につきましては、継続してお取り引き頂くお客様が着実に拡大し、堅調に推移いたしました。
これらの結果、連結売上高は 39,696 百万円となりました。
利益面では、適正価格による販売や利益に寄与する取り組みを徹底した結果、売上総利益は前期比 2.3% 増加の 8,441 百万円、売上総利益率は1.0Pt上昇の21.3%となりました。販売費及び一般管理費は、業容の拡大に伴う人件費・家賃が増加したこと、店舗設備の整備、EV化に対応した充電設備の設置により減価償却費が増加したこと等により前期比 1.8% 増加の 6,075 百万円となりました。
この結果、営業利益は 2,366 百万円(前期比 3.3 %増)となり、営業利益率は過去最高の6.0%となりました。経常利益は 2,377 百万円(前期比 3.3 %増)、親会社株主に帰属する当期純利益は 1,550 百万円(前期比 1.1 %増)となりました。
当連結会計年度における資産合計は、主に商品が減少した一方で現金及び預金の増加により前期比1,657百万円増加の18,630百万円となりました。新車供給の遅れ等により買掛金が減少した一方で、長期借入金の増加により負債合計は前連結会計年度末に比べ359百万円増加し、9,800百万円となりました。純資産は前連結会計年度末に比べ1,298百万円増加の8,829百万円となりました。
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より2,161百万円(前期比64.0%)増加し、5,538百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、1,910百万円(前連結会計年度は2,890百万円の獲得)となりました。これは、税金等調整前当期純利益が2,375百万円、減価償却費が1,121百万円、前受金の増加が133百万円、のれんの償却額が73百万円の資金増加要因があった一方で、仕入債務の減少が150百万円、棚卸資産の増加が526百万円、法人税等の支払額が927百万円あったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、217百万円(前連結会計年度は676百万円の使用)となりました。これは主に、EV対応の充電設備等の固定資産の取得による支出が194百万円、店舗移転等による敷金及び保証金の支出が18百万円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は469百万円(前連結会計年度は1,359百万円の使用)となりました。これは、長期借入金が1,500百万円あった一方で、短期借入金の減少が100百万円、長期借入金の約定返済が678百万円、配当金の支払額が270百万円あったこと等によるものであります。
当社グループは、輸入車販売関連事業の単一セグメントであり、商品品目別に記載しております。
当連結会計年度における仕入実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度における販売実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
(注)主な相手先別販売実績及び当該販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。
なお、本項における将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
A)経営成績等の状況に関する分析
(売上高)
当連結会計年度の新車販売は、マルチブランド戦略の強みを活かし、安定した新車供給のあるモデルや高額車両を中心に適正価格での販売を進めるなど、新車供給の停滞の影響を最小限にとどめる取り組みを行った結果、新車売上高は19,576百万円となりました。
中古車については、新車供給の停滞の影響により需要が高まり、中古車相場は上昇傾向となりました。当社グループでは、中古車販売を新車販売同様に重点戦略と位置付けておりますが、これまで以上に下取り率を高める取り組みを強化し、商品確保に努め、順調に販売台数を伸ばしました。この結果、中古車売上高は11,009百万円となり、連結売上高に占める割合も増加いたしました。
ストック型ビジネスにつきましては、店舗数が増加したことに加え、継続してお取引いただくお客様が着実に拡大し、堅調に推移いたしました。ストック型ビジネスのひとつである損害保険代理店事業においては保険募集人の品質向上を目的とした研修を実施するなど、グループ全体での取り組みにより、保険手数料収入は前期比8.9%増加の289百万円となりました。これらの結果、連結売上高は39,696百万円となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における売上総利益は、比較的原価率の低い中古車売上高の全体に占める割合が増加したことや、適正価格による販売や利益に寄与する取り組みを継続したこと等により、前期比2.3%増加の8,441百万円となりました。販売費及び一般管理費は、業容の拡大に伴い人件費、地代家賃、店舗運営費用が前期比増となったほか、EV化に対応した充電設備の設置等により減価償却費が増加し、1.8%増加の6,075百万円となりました。この結果、営業利益は、前期比3.3%増加の2,366百万円となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、主に、店舗取得に伴う支援金収入の減少により前期比13.2%減少の22百万円となりました。営業外費用は、支払利息が減少したこと等により前期比21.7%減少の11百万円となりました。この結果、経常利益は前期比3.3%増加の2,377百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益の発生はなく、前期比13百万円減となりました。これは、前連結会計年度にはM&Aで事業継承した際に取得した土地を売却したことにより固定資産売却益が発生したことによるものであります。特別損失は、店舗設備や工場設備の修繕、改修等により固定資産除却損が発生し、前期比66.6%増加の2百万円となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前年比1.1%増加の1,550百万円となりました。
B)財政状態及びキャッシュ・フローの状況に関する分析
a)財政状態の分析
資産、負債及び純資産の状況は、以下のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ、1,657百万円増加し、18,630百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ、1,886百万円増加し、11,374百万円となりました。これは、新車供給が不安定なことや、中古車市場の活況により商品が315百万円減少した一方で、現金及び預金が2,161百万円増加したこと等によるものであります。
固定資産は前連結会計年度末に比べ228百万円減少し、7,255百万円となりました。これは主に有形固定資産、のれんの償却等によるものであります。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べ255百万円減少し、8,254百万円となりました。お客様からの受注が増加していることに伴い前受金が133百万円増加した一方で、新車供給の遅れ等により買掛金が165百万円減少、短期借入金が返済により100百万円減少したこと等によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ614百万円増加し、1,545百万円となりました。これは、主に長期借入金が600百万円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ、1,298百万円増加し、8,829百万円となりました。これは、剰余金の配当が270百万円あったものの、新株予約権の権利行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ9百万円増加したこと、親会社株主に帰属する当期純利益が1,550百万円あったことにより利益剰余金が増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社の資本政策はつぎのとおりであります。
当社グループの業容の拡大に向けた財務体質の強化及びM&A資金並びに店舗設備等への投資のために内部留保の拡充を図りながら、株主の皆様への還元も安定的に継続して実施していくこととしております。
当社グループの主な資金需要は、商品仕入れや人件費等の費用等に係る運転資金と店舗設備投資用資金であります。これらの資金需要については、営業キャッシュ・フローである自己資金により充当することを基本的な方針としておりますが、多額な店舗投資やM&A等の戦略的投資については、必要に応じて金融機関からの借入を実施しております。
また、複数の金融機関との間で当座貸越契約を締結しており、機動的な戦略的投資ができる体制となっております。
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