(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当社は、2019年5月23日に開催された第15回定時株主総会で、「定款一部変更の件」が承認されたことを受けて、事業年度の末日を2月末日から12月31日に変更しました。これに伴い、経過期間となる当連結会計年度は、当社及び2月決算であった連結対象会社は2019年3月1日から2019年12月31日の10ヶ月間を、12月決算であった連結対象会社は2019年1月1日から2019年12月31日の12ヶ月間を連結対象期間とする変則的な決算となっております。このため、前期との比較は行っておりません。
当連結会計年度(2019年3月1日から2019年12月31日まで)におけるわが国経済は、雇用や所得環境は堅調に推移したものの、米中貿易摩擦や英国のEU離脱問題の影響など、依然として先行き不透明な状況となっております。
当アパレル・ファッション業界においては、消費者の衣料品に関する購買行動の多様化に加え、食料品をはじめとする生活必需品の値上げ、消費税増税などにより、消費者の節約志向が依然として根強く、大変厳しい状況が続きました。
このような経営環境の中、当社グループは原点である「消費者視点」に立ち返り、今一度事業運営を徹底することや、社会や消費者の意識を汲み取り新しい事業にチャレンジしていくことが求められていると考え、昨年8月に中期経営計画『Target 2023』を策定しました。当該計画の基本方針である「お客様と深く結びつく」「新たなお客様との出会いを増やす」「お客様との継続的な繋がりを支える基盤を構築する」に基づき、個別の施策に取り組み始めました。
当連結会計年度については、10月以降の消費税増税の影響に加え、記録的暖冬によりコートを中心とした防寒アイテムの販売が苦戦し、主力販路である百貨店向け販売が低調に推移、加えて、在庫増加による評価損の増加などにより売上総利益が減少しました。また、当社の親会社である山東如意科技集団有限公司の子会社である恒成国際発展有限公司に対する売掛金の回収が滞ったことにより、販売費及び一般管理費に貸倒引当金繰入額を計上しました。更に、2019年11月14日にお知らせしました「固定資産の譲渡及び特別利益の発生に関するお知らせ」のとおり、固定資産売却益を特別利益として計上した一方で、当社の店舗及び本部設備等の減損損失、投資有価証券評価損を特別損失として計上しました。
以上により、当社グループの当連結会計年度の売上高は 502億6千2百万円 、 営業損失は79億9千9百万円 、 経常損失は77億9千5百万円 、 親会社株主に帰属する当期純損失は67億4千2百万円 となりました。
②キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失が 66億4千4百万円 となり、貸倒引当金の増加及び売上債権の増加による減少等により、 45億6千7百万円 の支出となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却による収入等により、 10億9千万円 の収入となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の減少等により、 10億2千5百万円 の支出となりました。
以上のような結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は、 33億1千6百万円 となり、期首に比べて 45億1千6百万円減少 しております。
(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移
|
2016年2月期 |
2017年2月期 |
2018年2月期 |
2019年2月期 |
2019年12月期 |
自己資本比率(%) |
59.2 |
61.2 |
54.8 |
55.2 |
47.4 |
時価ベースの 自己資本比率(%) |
25.9 |
28.8 |
39.4 |
25.5 |
34.7 |
キャッシュ・フロー対 有利子負債比率(年) |
- |
- |
2.4 |
3.0 |
- |
インタレスト・ カバレッジ・レシオ(倍) |
- |
- |
128.4 |
45.2 |
- |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1 いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2 株式時価総額は、期末株価終値×自己株式控除後期末発行済株式数により算出しております。
3 キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の「営業活動によるキャッシュ・フロー」を使用しております。
4 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
5 利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の「利息の支払額」を使用しております。
6 2016年2月期、2017年2月期及び2019年12月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスのため、記載を省略しております。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年3月1日 至 2019年12月31日) |
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
衣服等繊維製品関連事業 |
9,897 |
- |
(注)1 金額は製造原価によっております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3 当連結会計年度 は、決算期変更により、 当社及び従来2月決算であった連結対象会社は、2019年3月1日から2019年12月31日までの10 ヶ月 間を、12月決算である連結対象会社は2019年1月1日から2019年12月31日までの12 ヶ月 間を連結対象期間とする変則的な決算となっております。このため、対前年同期比については記載しておりません。
b. 受注実績
当社グループは受注による生産は行っておりません。
c.販売実績
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年3月1日 至 2019年12月31日) |
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
衣服等繊維製品関連事業 |
50,238 |
- |
その他の事業 |
24 |
- |
合計 |
50,262 |
- |
(注)1 「その他の事業」は、保険業務等の売上高であります。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3 当連結会計年度 は、決算期変更により、 当社及び従来2月決算であった連結対象会社は、2019年3月1日から2019年12月31日までの10 ヶ月 間を、12月決算である連結対象会社は2019年1月1日から2019年12月31日までの12 ヶ月 間を連結対象期間とする変則的な決算となっております。このため、対前年同期比については記載しておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年3月31日)現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、その内容は、第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表]の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ 財政状態の分析
(資産の部)
資産は、前連結会計年度末に比べて 73億6千8百万円減少 し、 323億4千4百万円 となりました。これは、貸倒引当金の増加、並びに現金及び預金の減少等によるものであります。
(負債の部)
負債は、前連結会計年度末に比べて 7億8千万円減少 し、 170億8百万円 となりました。これは、短期借入金、退職給付に係る負債及び長期借入金の減少、並びに流動負債(その他)の増加等によるものであります。
(純資産の部)
純資産は、前連結会計年度末に比べて 65億8千7百万円減少 し、 153億3千5百万円 となりました。これは、利益剰余金の減少等によるものであります。
ロ 経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は 502億6千2百万円 、 営業損失は79億9千9百万円 、 経常損失は77億9千5百万円 、 親会社株主に帰属する当期純損失は67億4千2百万円 となりました。
ハ キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フロー の分析については、第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況に記載しております。
ニ 重要事象等についての分析
当社グループは2期連続で営業損失を計上しており、当連結会計年度においては7,999百万円の営業損失を計上しております。また、当連結会計年度において営業活動によるキャッシュ・フローが△4,567百万円となっております。なお、当連結会計年度の販売費及び一般管理費に計上した貸倒引当金繰入額5,779百万円には、当社の親会社である山東如意科技集団有限公司の子会社である恒成国際発展有限公司に対する売掛金の回収が滞ったことにより計上した貸倒引当金繰入額5,324百万円が含まれており、当社グループの資金繰り計画に重要な影響を及ぼしております。
さらに、当社グループは2期連続で経常損失を計上しており、その結果、一部の金融機関と締結している借入契約(2019年12月31日現在借入残高585百万円)について財務制限条項に抵触しております。2020年2月末以降の新型コロナウィルスの感染拡大が販売に影響を及ぼす中、当該財務制限条項への抵触による資金繰りに与える影響が増しております。
当該状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在していると認識しております。
当社グループは早期の営業黒字化を目指すとともに、滞留している売掛金の回収を実現することで当該状況を解消すべく、以下のとおり対応してまいります。
(a) 販売施策
基幹ブランドであるダーバン、アクアスキュータム、アーノルドパーマータイムレスに経営資源を集中し、収益の改善を図ります。消費者の購買行動の変化に対応すべく、EC事業の強化及びサブスクリプション型事業「着ルダケ」の展開を加速してまいります。
(b) コスト削減策
売場ごとの損益管理を徹底し、不採算・低効率な売場や取引の見直しを行うほか、人員効率の改善などによるコスト削減を図ってまいります。また、販売状況を踏まえた効率的な仕入政策を行うことで、正価販売比率の向上及び在庫の適正化に取り組んでまいります。
以上に加え、全体的な経費削減にも取り組むことで、営業損益の改善を図ってまいります。
(c) 売掛金の回収
恒成国際発展有限公司に対しては引き続き同社の財務状況等について情報収集に努め、支払いの督促を行ってまいります。
また、恒成国際発展有限公司に対する売掛金に関して、引き続き契約に基づき連帯債務者となっている山東如意科技集団有限公司に対し、担保の提供要求を含めた債務の履行の交渉を行ってまいります。
(d) 財務制限条項
財務制限条項に抵触した借入金については、当該金融機関に対して、期限の利益喪失の請求を猶予していただくよう申し入れをしております。
③資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、以下のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品及び原料の仕入の他、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、出店等の設備投資によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は27億2千3百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、33億1千6百万円となっております。
④目標とする経営指標の達成状況
当社グループは、中期経営計画『Target 2023』を策定し、2023年12月期において、売上高700億円、営業利益25億円、営業利益率3.6%を目標としております。
当連結会計年度(2019年3月1日から2019年12月31日まで)の売上高は502億6千2百万円、営業損失は79億9千9百万円となりました。
当社グループは当期の業績を踏まえ、基幹ブランドであるダーバン、アクアスキュータム、アーノルドパーマータイムレスに経営資源を集中し、収益の改善を図ります。消費者の購買行動の変化に対応すべく、Eコマース事業の強化及びサブスクリプション型事業「着ルダケ」の展開を加速してまいります。また、売場ごとの損益管理を徹底し、不採算・低効率な売場や取引の見直しを行うほか、人員効率の改善などによるコスト削減を図ってまいります。また、販売状況を踏まえた効率的な仕入政策を行うことで、正価販売比率の向上及び在庫の適正化に取り組んでまいります。加えて、全社的な経費削減にも取り組むことで、営業損益の改善を図ってまいります。
消費スタイルの変化や多様化に則した新たな価値の創造、お客様にとってより魅力ある商品・サービスの提供によって顧客ロイヤルティを高め、業績回復を図ってまいります。
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