文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当企業グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績
当連結会計年度における当企業グループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症の完全な収束時期は見通せない中、依然として先行きは不透明な状況が続いておりますが、ワクチン接種が普及した効果や行動制限が緩和されたこともあり、エンドユーザーの挙式実施意欲は復調傾向となり、市場の緩やかな回復が見られました。
このような環境のもと、当企業グループはお客様と従業員の安全を第一に感染防止対策に取り組みつつ、引き続き婚礼衣裳メーカーとして“ものづくり”をコアとし、より最終消費者に近く、より大きなマーケットである挙式関連サービス事業領域(B to C)の開拓を推進し、当企業グループの市場拡大に向け注力しております。
当連結会計年度に行った主な事業展開としましては、株式会社クラウディアコスチュームサービスにおいて、2022年1月に「ミライエレクストハウスナゴヤ 衣裳室」「同 美容室」(名古屋市中区)、「ザ・グランドティアラSenju 衣裳室」「同 美容室」(三重県四日市市)を新規オープンいたしました。一方で、同年6月には同社が運営する結婚式場「ル・センティフォーリア天保山」(大阪市港区)を事業譲渡いたしました。また、同年8月に株式会社梅花ブライダルが大阪天満宮内で運営する結婚式場「天満宮会館」(大阪市北区)の「梅の間」の改装を実施し、好調な少人数婚の需要に対応する体制を強化いたしました。
当企業グループはコンシューマー事業領域の中長期的な業績の拡大を図っていくため、経営資源の投資先を慎重に検討し、スクラップ・アンド・ビルドを進めてまいります。
当企業グループは単一セグメントであるためセグメント別の記載を省略しております。
当連結会計年度における事業部門別売上高の状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (自 2020年9月1日 至 2021年8月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年9月1日 至 2022年8月31日) |
増減 |
増減率 (%) |
|
ホールセール事業部門 売上高 |
1,575 |
|
1,923 |
347 |
22.1 |
|
|
製・商品売上高 |
689 |
|
884 |
194 |
28.3 |
|
レンタル収入等 |
886 |
|
1,039 |
152 |
17.2 |
コンシューマー事業部門 売上高 |
5,439 |
|
7,584 |
2,144 |
39.4 |
|
|
衣裳取扱収入 |
1,989 |
※2 |
2,390 |
400 |
20.1 |
|
リゾート挙式売上高 |
532 |
※2 |
853 |
321 |
60.4 |
|
式場運営収入 |
1,760 |
※2 |
2,649 |
888 |
50.4 |
|
写真・映像・美容等売上高 |
1,157 |
※2 |
1,691 |
534 |
46.2 |
連結売上高 |
7,015 |
|
9,507 |
2,492 |
35.5 |
※1上記の売上高の数値につきましては、事業部門内及び事業部門間の取引消去後となっております。
※2「収益認識会計基準」等の適用により、当連結会計年度の衣裳取扱収入は0百万円減少、リゾート挙式売上高は4百万円減少、式場運営収入は3百万円増加、写真・映像・美容等売上高は27百万円減少しております。
当連結会計年度の売上高は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた前年同期と比べて回復傾向にあり、9,507百万円(前年同期比35.5%増)となりました。
利益面につきましては、売上高の回復と原価率の改善により、営業利益は104百万円(前年同期は1,732百万円の損失)、経常利益は686百万円(前年同期は405百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は824百万円(前年同期は810百万円の損失)となりました。なお、当連結会計年度は営業活動の再開が進んだため休業体制を縮小し、雇用調整助成金等による助成金収入は前年同期比66.6%減少の416百万円を営業外収益に計上しております。また、円安進行の影響による為替差益157百万円を営業外収益に計上しております。特別利益に計上しております事業譲渡益及び資産除去債務戻入益は、2022年6月に行った結婚式場「ル・センティフォーリア天保山」(大阪市港区)の事業譲渡により計上いたしました。
法人税等調整額の計上につきましては、連結子会社の繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、当該連結子会社の繰延税金資産を計上したこと等によるものであります。
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、売上高は28百万円減少し、営業利益は25百万円減少、経常利益は25百万円減少しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)(収益認識に関する会計基準等の適用)」に記載のとおりであります。
b.財政状態
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ192百万円減少し5,786百万円となりました。これは主に、現金及び預金299百万円の減少、受取手形及び売掛金101百万円の増加によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ15百万円減少し7,791百万円となりました。これは主に、差入保証金135百万円の減少、繰延税金資産128百万円の増加によるものであります。
この結果、資産合計は前連結会計年度末に比べ207百万円減少し、13,577百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ41百万円増加し5,743百万円となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金126百万円の減少、賞与引当金97百万円、買掛金35百万円の増加によるものであります。
なお、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)(収益認識に関する会計基準等の適用)」に記載のとおり、収益認識会計基準等を適用したため、前連結会計年度の連結貸借対照表において、「流動負債」の「その他」に含めて表示していた「前受金」は、当連結会計年度より「契約負債」として表示しております。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ1,017百万円減少し4,697百万円となりました。これは主に、長期借入金1,106百万円の減少によるものであります。
この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ975百万円減少し10,440百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べ768百万円増加し3,136百万円となりました。これは主に、利益剰余金754百万円の増加によるものであります。この結果、自己資本比率は23.1%となりました。
なお、2021年11月25日開催の第45回定時株主総会決議に基づき、2021年12月22日付で減資の効力が発生し、資本金1,021百万円及び資本準備金1,052百万円を減少し、その他資本剰余金に振り替えました。この結果、資本金50百万円、資本準備金50百万円となりました。
②キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが989百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが133百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが1,234百万円の支出となり、この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ322百万円減少し、4,455百万円(前年同期は4,777百万円)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は989百万円(前年同期は515百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益743百万円、減価償却費256百万円の収入及び、売上債権の増加241百万円の支出によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は133百万円(前年同期は381百万円の収入)となりました。これは主に、有形固定資産の取得120百万円の支出があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は1,234百万円(前年同期は126百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済1,233百万円の支出によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当企業グループは単一セグメントであるため、事業部門別の情報を記載しております。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。
事業部門の名称 |
当連結会計年度 (自 2021年9月1日 至 2022年8月31日) |
前年同期比(%) |
ホールセール事業部門(千円) |
218,009 |
105.4 |
コンシューマー事業部門(千円) |
- |
- |
合計(千円) |
218,009 |
105.4 |
(注)金額は、製造原価額(一部予定原価額を含む)によっております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績を事業ごとに示すと、次のとおりであります。
事業の名称 |
当連結会計年度 (自 2021年9月1日 至 2022年8月31日) |
|||
受注高 |
前年同期比 (%) |
受注残高 |
前年同期比 (%) |
|
ホールセール事業(千円) |
1,312,435 |
159.4 |
456,504 |
193.1 |
式場事業(組) |
799 |
120.0 |
590 |
82.2 |
(注)1.ホールセール事業部門のうちホールセール事業(婚礼衣裳の卸売り)については、製・商品の販売価額によっております。なお、ホールセール事業部門のうちリース事業(貸衣裳店向けレンタル)については、当該事業の性質上受注高及び受注残高を正確に把握することが困難であるため含めておりません。
2.コンシューマー事業部門のうち衣裳事業、リゾート挙式事業、写真・映像事業、美容事業については、施行予定月ごとの受注状況管理を行っているため、受注高及び受注残高を把握することが困難であり記載しておりません。なお、式場事業については、金額による記載に代えて組数による記載をしております。
3.式場事業のうち「ル・センティフォーリア天保山」については、2022年6月に事業譲渡したため、受注組数は2022年5月までの組数を含めております。なお、同式場の当連結会計年度末の受注残高はありません。
また、重要性が増したため、当連結会計年度より「天満宮会館」の受注組数を含めて表示しております。前年同期比についても、同式場の組数を含めて比較しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。
事業部門の名称 |
当連結会計年度 (自 2021年9月1日 至 2022年8月31日) |
前年同期比(%) |
ホールセール事業部門(千円) |
1,923,224 |
122.1 |
コンシューマー事業部門(千円) |
7,584,708 |
139.4 |
合計(千円) |
9,507,932 |
135.5 |
(注)1.事業部門間の取引については相殺消去しております。
2.販売実績が総販売実績の10%以上の相手先はありません。
3.「収益認識会計基準」等の適用により、当連結会計年度のコンシューマー事業部門の販売実績は28,883千円減少しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当企業グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項については、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っています。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当企業グループの当連結会計年度の経営成績等は「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
当連結会計年度の売上高は9,507百万円(前年同期比35.5%増)、営業利益は104百万円(前年同期は1,732百万円の損失)、経常利益は686百万円(前年同期は405百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は824百万円(前年同期は810百万円の損失)となりました。ブライダルマーケットは、新型コロナウイルス感染症の影響は依然として残るものの、2022年の春以降緩やかな回復傾向にあります。この流れを受け、当連結会計年度において、売上高は前年同期に比べ2,492百万円増と大幅に増加いたしました。一方で、売上原価については、レンタル衣裳の投入を抑えたこと等により、前年同期に比べ242百万円増にとどまりました。販売費及び一般管理費については、人件費等を中心に前年同期に比べて413百万円増加いたしましたが、引き続き経費削減に努めました。この結果、営業利益は前年同期に比べ大きく改善いたしました。また、損益面では雇用調整助成金等による助成金収入416百万円及び円安進行の影響による為替差益157百万円を営業外収益に計上したこと、結婚式場「ル・センティフォーリア天保山」の事業譲渡により、特別利益に事業譲渡益15百万円及び資産除去債務戻入益55百万円を計上したこと等により、前年同期に比べ大きく改善いたしました。
b.資本の財源及び資金の流動性
当企業グループの運転資金需要のうち主なものは、各事業部門における仕入れ、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資資金需要としては、販売店舗、結婚式場、リゾート挙式施設、ソフトウエア等への設備投資や、M&Aによる投資資金等であります。これらの運転資金や投資資金に必要な資金は、主として自己資金及び銀行借入により調達しております。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
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