文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営指針等
(経営指針)
(行動基準)
・ 事実を確認せよ(情報に惑わされるな 現物・現場・現実主義)
・ 決め打ちするな、選択肢を示せ
・ すぐに断らず、諦めず、できる方法を考え抜け
・ 間違ってもよい、すぐに報告し改善せよ
・ 問題は起きる、原因を究明し再発を防げ
・ 情報を閉じ込めるな、早く広く共有せよ
・ 人とは違う発想で、新しい目標にチャレンジせよ
当社グループでは、2021年5月14日に、2021年度から2025年度を計画期間とする中期経営計画「ビジョン2025」を策定いたしました。この中期経営計画では、新ビジョンとして「あらゆる服づくりの舞台裏に私たちがいる」を掲げ、縫製、加工から製品企画まで一貫して関わりながら、お客様が求める素材や新商品を提案できる組織を目指しております。
当社グループの縫製メーカーとしての経験、ネットワーク、強みを活かし、目まぐるしく変化し不確実性の高い外部環境のなかでも、積極的な投資とさまざまな変革を推進し、お客さまの全てのニーズにお応えしてまいります。
(2)経営環境及び優先的に対処すべき事業上の課題
当連結会計年度において、当社グループの主要取引先であるアパレル業界は、コロナ禍の影響を大きく受け、消費マインドの低下と需要の低迷が長期化し、店舗を通常どおり営業できずに苦戦を強いられました。また、世界的なコンテナ不足等により国際物流の混乱とサプライチェーンの寸断が生じ、計画通りにものを運べない状況が常態化しました。加えて、ミャンマーでの政変、ロシアによるウクライナ侵攻といった地政学的リスクも顕在化し、生産地の見直しや代替え地での生産を検討する顧客が増える傾向にありました。繰り返されるコロナ感染再拡大や地政学的リスクの顕在化等により、生産地においては、縫製工場いわゆる「つくり場」が減少し、国際物流の停滞も長期化するなか「欲しいときに欲しいものを欲しい量、調達したい」という顧客のニーズに対応できる生産背景が必要とされています。
このような環境認識のもと、当社グループが優先的に取り組む課題は以下のとおりです。
・さまざまな環境変化へ適応し、顧客ニーズに対応できる生産体制の構築
・回復が見込まれるアパレル需要をカバーし得る生産能力の拡大とサプライチェーンの多元化、
強靭化
・当社の強み、優位性を活かした既存顧客への企画提案強化、新規顧客開拓の注力ならびに
新素材開発と新たな商品開発への取り組み推進
(3)経営戦略等
当社グループが2021年5月に策定しました中期経営計画「ビジョン2025」では、2021年度から2025年度の計画期間のうち、2021年度から2022年度の2年間をウィズコロナに対応し、次のステップアップのための準備期間とする第1期、2023年度からの3年間をアフターコロナにおける成長再加速をめざす第2期と位置づけております。
2022年度は引き続き第2期につながる基礎固めの年として、しっかりとした経営基盤づくりに取り組んでまいります。
目標
2025年度 売上高700億円、経常利益35億円
基本戦略と重点取り組み
サプライチェーンの更なる多元化推進と、「良質なものづくり」の一層の強化
顧客が欲しいときに欲しいものを欲しい量お届けするための柔軟で強靭なサプライチェーンを整備する。また、ASEAN諸国等を中心とした多拠点展開で、コスト競争力の強化と地政学的リスクの低減を両立させる。データ経営の実践 (ICT戦略)及び新人事制度とグローバル人事データベースを軸にしたグローバルに活躍できる人材の採用と育成を進める (人材戦略)。
新素材開発及び新たな製品開発への取組推進
新素材開発
透湿・防水・撥水加工技術を活かした機能性素材を顧客に積極提案すると共にアウトドア素材、医療品向け、自動車関連素材等、新たな領域を含めた開発を進める。また、これらの素材と縫製事業のシナジー効果を生むビジネスモデルの構築をめざす。
新たな製品開発
顧客のニーズに対して積極的に協働し、新たな商品企画に取り組む。
主力OEM事業における営業力の強化
既存顧客との取り組み深耕
各工場の特徴を踏まえた得意アイテムと生産能力を整理し、顧客に対して見える化を図り、既存顧客と中長期の協働体制を確立する。
新規顧客開拓
成長の見込める新セグメントへの進出、ミドル~ハイエンド顧客への中長期の協働体制の提案、米国・欧州の顧客の開拓を行う。
また、これまで当社グループでは「CSRへの取り組み」として、社会的責任を果たす活動を経営に取り込んでまいりましたが、持続可能な社会の実現に向けた課題解決に対する企業責任への要請の高まりを受け、TCFDを基本的な枠組みとした気候変動対策に関する取り組みに着手する等、新たにESGやSDGsを視野に入れたサステナビリティを推進してまいります。
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