課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループは、2004年の創業来、「データ活用の促進を通じて持続可能な未来をつくる」を変わらぬミッションとして、顧客企業のデータを活用した経営改善を支援してまいりました。

私たちは、ビッグデータ、AI、IoT、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、時代ごとにキーワードは違えど、その根底はデータを分析・活用して価値に変え、企業活動に変化と改善をもたらすことであると考えております。

 

私たちは、データを価値に変えるために必要な「分析力(国内随一のデータサイエンティスト数)」、「エンジニアリング力(市場No.1製品を自社開発・提供できる技術力)」、「ビジネス力(データ活用を支援した企業は業種問わず1,000社超)」の3つの力を有した、世界でも稀有な企業だと認識しております。この3つの力を有することは、顧客企業のデータを活用した経営改善を、コンセプトデザインから運用まで一貫してサービス提供できるという業界内でも際立った強みに繋がっております。

 

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世界的に増え続ける人口(減り続ける日本の人口)と、限られた資源、加速する環境変化の中、私たちは「データ活用のプロフェッショナル」として、ビジネスに、データに基づく高度化とイノベーションを与え、世界の持続可能性の向上に寄与していくことを経営方針としております。

 

2022年6月に日本政府より示された「経済財政運営と改革の基本方針2022(骨太の方針)」には、その内容に、「人への投資」の抜本強化、量子・人工知能(AI)などの科学技術分野での国家戦略の明確化、デジタル推進人材の育成などが盛り込まれました。日本国内においては、依然として高度IT人材の不足感が強く、日本企業がデジタル変革を起こすためには、クライアント企業に伴走しデジタル変革を牽引できるようなITベンダーの存在が欠かせない状況が続いていると言えます。

 

このような状況をふまえると、デジタル変革を起こすうえでの血液と言える「データ」の活用に関する需要は高まり続けるものと考えられるため、当社は引き続き「データ活用の総合力」を発揮するための組織体制の拡大・強化に努め、データ活用のリーディングカンパニーとしての市場でのプレゼンス(存在感)を維持・拡大し、さらなる成長を目指しております。

 

当社が、2019年5月10日開催の取締役会において決議し、対外公表した中期経営計画(2020年6月期~2023年6月期)の概要は以下のとおりであります。

 

<定量目標>

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<基本方針>

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当社グループは、中期経営計画の達成状況を判断するための客観的な指標として、事業規模の拡大を示す売上高と、事業規模の拡大に必須となる組織規模の拡大を示す従業員数を重要な指標としたうえで、事業の収益力を示すものとして経常利益を重視しております。また、資本効率の観点からROEも考慮しております。

 

同計画の最終年度となる2023年6月期は、中期経営計画にて目標としている年率20%前後の売上成長を目指したいと考えております。また、当社は、2022年7月29日付にて、株式会社TimeTechnologiesの全株式を取得(子会社化)いたしましたので、2023年6月期第1四半期より連結決算に移行いたします。この影響もふまえ、2023年6月期の通期連結業績予想は、売上高10,300百万円、営業利益1,100百万円、経常利益1,140百万円、親会社株主に帰属する当期純利益800百万円としており、対処すべき課題を次のとおり認識しております。

 

1.向上した採用力をベースに、人材基盤の拡充と強化を推進

 当社は、現・中期経営計画の基本方針のひとつに「多様な人材の採用・育成を含む組織規模の拡大」を掲げ、年率20%前後の人員増加を進めております。前事業年度(2021年6月期)までは採用人数が目標を下回る状況が続きましたが、先行投資として進めてきた人事部門の増強、人事部門と各部門の強固な連携による採用活動への人的リソースの投下による効果が当事業年度より表れ、IT業界における採用競争が激化する中でも、新卒・中途社員ともに順調に新規採用が進むようになってきております。

 この強化・向上した人材採用力をベースに、翌事業年度(2023年6月期)においても引き続き新規採用を推進するとともに、当社の未来をつくる人材基盤の拡充と強化に努めてまいります。

 

2.各事業にて、既存の延長線上ではない成長戦略を推進

 プロフェッショナルサービス事業は、これまでは人材供給量が制約条件となって、選別受注をせざるを得ない傾向にありましたが、今後は、前述のとおり人材採用力が向上していることをふまえると、よりアグレッシブな営業戦略を描いていけるものと考えております。翌事業年度においては、同事業がターゲットとする業界、高めるべきケイパビリティを明確にし、営業部門とデリバリー部門が一体となって新規案件の開拓と、既存案件の大型化・長期化を実現する事業体制を、より強固なものに進化させてまいります。

 

 

 続いて、翌事業年度のプロダクト事業は、円安による海外製品の仕入高やクラウド利用料の増加が一定程度続くことを前提に、売上拡大とコストコントロールの両面を推し進めることが求められる一年となります。主力3製品である「Rtoaster」、「Probance」、「Brandwatch」の収益改善を強力に推し進める一方で、2022年7月29日付にて株式取得した株式会社TimeTechnologiesが開発・提供する「Ligla」(*1)の投入により、顧客の認知・獲得からリテンション(*2)までの全ての施策を実施できる製品ラインナップを整え、データを起点としたマーケティング・ソリューションをより一層強化してまいります。

 

 加えて、両事業ともに、現・中期経営計画期間において進めてきた他社との業務提携関係(伊藤忠商事株式会社との資本業務提携、株式会社りそなホールディングスとの資本業務提携、株式会社電通グループとの合弁会社の設立)を基盤に、既存の延長線上ではない事業開発と収益創出にも取り組んでいく必要があると認識しております。

 

3.持続可能な成長実現に向けて経営体制の刷新へ

 現・中期経営計画において、事業規模・組織規模の急拡大を進めてきた当社は、翌事業年度において、500名超から成る組織が、その人数規模をさらに拡大しながら、売上高100億円超を目指す体制となります。この規模の拡大に適応し、次期中期経営計画においても持続的に成長するためには、現在の、創業者および取締役が経営と事業執行の両方を司る経営体制を進化させることが求められていると認識しております。

 このような背景から、当社は、2022年10月1日より執行役員制度を導入することを決議いたしました(詳細は、2022年8月23日公表の「執行役員制度の導入に関するお知らせ」をご参照ください)。この執行役員制度の導入により、当社は業務執行上の意思決定をより現場に近い位置で行うことで業務執行の機動性を高めるとともに、積極的な抜擢・登用を含めた次世代経営層の育成方法の多様化を実現し、持続的な成長を実現できる経営体制を構築していきたいと考えております。

 

なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書の提出日現在において当社が判断したものであり、不確定な要素を含んでおります。そのため、経済環境をはじめとする様々な要因の変化により、実際の業績はこれと異なる可能性があります。

 

(*1)「Ligla(リグラ)」は、「LINE」特化型のマーケティングオートメーションであります。

(*2)マーケティングにおいて、リテンションは既存顧客の維持を指します。

 

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