業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度の業績は、売上高6,571百万円(前年同期比49.8%増)、営業利益355百万円(前年同期は25百万円の損失)、当期利益808百万円(前年同期は51百万円の損失)となりました。なお、EBITDAは755百万円(前年同期比90.2%増)となりました。

※EBITDA=営業利益+減価償却費

 

財政状態については、次のとおりであります。

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,546百万円増加し、7,314百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ387百万円増加し、3,183百万円となりました。

当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ1,159百万円増加し、4,131百万円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて531百万円増加2,598百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、678百万円(前年同期は466百万円の増加)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、536百万円(前年同期は342百万円の使用)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は、307百万円(前年同期は255百万円の増加)となりました。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループは、ソーシャルメディアマーケティング支援事業の単一セグメントでありますが、事業区分は、SNSマーケティング支援事業、クロスバウンド事業及びDaaS事業の各サービスにより構成されております。

第22期有価証券報告書 (事業年度2020年1月1日から2020年12月31日、2021年3月29日提出)記載の経営方針、経営戦略、サービスの内容から重要な変更はありません。

 

(グループ全体、事業別の振り返り)

1) グループ全体

当連結会計年度において、世界的な新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受ける中で、ワクチン接種の促進や各種の経済施策により、国内外で社会経済活動が回復に向かうことが期待されております。しかしながら、変異株による感染の再拡大もあり、新型コロナウイルス感染症の拡大状況の変化による世界的な景気下振れリスクに対する十分な注意は引き続き必要であり、依然として先行きは不透明であります。

デジタルマーケティング市場においては、従来からの市場成長の流れに加え、ウィズコロナの中、世界中の人々がインターネットに費やす時間が増えたため、その成長速度は増しております。また、人々の情報の収集・発信・交換手段としてのソーシャルメディアの重要性は、これまで以上に高まっております。

このような中、当社グループは、データと分析のテクノロジーを強みとし、顧客のソーシャルメディアマーケティングを支援するビジネスを、拡大する事業と位置づけ注力しております。

 

 2) SNSマーケティング支援事業

当事業は、主に日本国内向けのSNSマーケティング支援から成り立っており、その主なサービスは、SNS広告・SNS運用コンサルティングと、SNSの分析ツールである「クチコミ@係長」などであります。これらのサービスは、当社が保有する膨大なデータと、長年に亘り蓄積してきたSNS分析・運用ノウハウで、分析から施策立案、効果測定までを一気通貫でサポートするものです。

当事業の売上高は1,888百万円(前年度比31.7%増)となりました。これは主に、拡大する事業と位置づけているビジネスである、SNS広告・SNS運用コンサルティングが引き続き好調だったことによるものであります。新型コロナウイルスの影響による新しい生活様式の中でSNSマーケティングの重要性が高まり需要が増加したことと同時に、順調に実績を積み上げている当社サービスへの顧客からの評価が高まっていることによるものと考えております。SNS分析ツールについては、営業人員をSNS広告・SNS運用コンサルティングに集中しておりますが、こちらも堅調に推移し、前年度と比較し増加となりました。

 

3)クロスバウンド事業

当事業は、拡大する事業と位置づけているビジネスの1つであり、主にソーシャル・ビッグデータを活用した日本と中国をつなぐクロスバウンドの消費行動の分析と、これを強みとするプロモーション支援、越境ECサービスから成り立っております。

当連結会計年度においては、引き続き訪日中国人向けプロモーション(インバウンド)需要は停止しているものの、安定して経済回復を続ける中国市場向けプロモーション(アウトバウンド)において、高まる顧客企業の需要の積極的な獲得に努めて参りました。また、越境ECの新開発サービスが当連結会計年度より売上に貢献いたしました。これらの結果、当事業の 売上高は2,974百万円(前年度比167.2%増)となりました。

 

 

4) DaaS事業

当事業は、当社の米国子会社であるEffyis,Inc.の主にSNSデータアクセス権の販売から成り立っております。

当事業の売上高は1,707百万円(前年度比7.1%減)となりました。第2四半期連結会計期間において、SNSデータアクセス権の1つが契約更新をしなかったことにより、前年度から微減となりました。本件は地政学的な問題によるものと捉えており、当社の米国子会社であるEffyis,Inc.は引き続き、世界中のソーシャル・ビッグデータを保有するメディアとの間で良好な関係を維持し、安定したデータ提供や新規メディアからのデータアクセス権の契約を順調に獲得してまいります。

 

事業別売上高

サービスの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日 至 2021年12月31日)

売上高(千円)

前年度比(%)

ソーシャルメディアマーケティング支援事業

 

 

SNSマーケティング支援事業

1,888,928

131.7

SNS分析ツール

501,309

113.7

SNS広告・SNS運用コンサルティング

1,387,619

139.7

クロスバウンド事業

2,974,419

267.2

DaaS事業

1,707,652

92.9

合計

6,571,001

149.8

 

 

以上の結果、当連結会計年度においては、売上高6,571百万円(前年度比49.8%増)となり、売上総利益が売上高の増加に伴い2,160百万円(前年度比33.8%増)となりました。販売費及び一般管理費は1,813百万円(前年度比8.3%増)となりました。主な増減要因は、コスト削減に努め業務委託費や支払手数料が減少した一方で、業容拡大に伴う人件費が増加したことなどによるものであります。これらのことから、営業利益は355百万円(前年度は営業損失25百万円)となりました。また、金融収益が主に有価証券の評価益を計上したことにより721百万円(前年度は85万円)となり、当期利益808百万円(前年度は当期損失51百万円)となりました。この有価証券の評価益は、中長期的な事業の種まきのために、ブロックチェーン分野における世界規模の動向調査と人脈構築を目的としてブロックチェーンスタートアップに投資するファンドに出資しており、このファンドの資産価値が増加したことによるものです。資産価値の評価に関しては、変動リスクを考慮し、適切な安全率をかけて評価しております。なおEBITDAは、755百万円(前年度比90.2%増)となりました。

 

(財政状態に関する分析)

・資産の部

 流動資産は、前連結会計年度末に比べて733百万円増加し、3,444百万円となりました。これは主に、売上高の増加などにより現金及び現金同等物が531百万円増加したこと、営業債権及びその他の債権が116百万円増加したこと、クロスバウンド事業の越境EC新開発サービスにより棚卸資産が131百万円増加したことの一方、法人所得税の還付により未収法人所得税が44百万円減少したことなどによるものであります。

非流動資産は、前連結会計年度末に比べて812百万円増加し、3,870百万円となりました。これは主に、当連結会計年度において新たなブロックチェーンファンドへ出資114百万円を行い、この新規分を含めブロックチェーンファンド出資分について評価益621百万円が計上されたことなどによりその他の金融資産が832百万円増加したこと、また為替換算調整によりのれんが162百万円増加したことの一方、米国子会社のオフィス移転などにより使用権資産が180百万円減少したこと、繰延税金資産が13百万円減少したことなどによるものであります。

以上により、当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて1,546百万円増加し、7,314百万円となりました。
 

 ・負債の部

流動負債は、前連結会計年度末に比べて191百万円増加し、1,123百万円となりました。これは主に、営業債務及びその他の債務が162百万円増加したこと、未払法人所得税が43百万円増加した一方、仮受金の減少によりその他の流動負債が18百万円減少したことなどによるものであります。

非流動負債は、前連結会計年度末に比べて196百万円増加し、2,059百万円となりました。これは主に、借入金が254百万円増加したこと、繰延税金負債が187百万円増加したことの一方、前年度にクロスバウンド事業において長年の協業先であった普千(上海)商務諮訊有限公司(以下、普千という)から全部の事業を譲り受けており、普千への事業譲受対価支払によりその他の非流動負債が50百万円減少したこと、米国子会社のオフィス移転などによりリース負債が195百万円減少したことなどによるものであります。

以上により、当連結会計年度末における負債の合計は、前連結会計年度末に比べて387百万円増加し、3,183百万円となりました。

 

・資本の部

資本合計は、前連結会計年度末に比べて1,159百万円増加し、4,131百万円となりました。これは主に、当期利益808百万円により、利益剰余金が764百万円増加したこと、ストックオプションの行使に伴う払込などにより資本金及び資本剰余金が145百万円増加したこと、非支配持分が86百万円増加したこと、また海外子会社の財務諸表の為替換算調整等によるその他の資本構成要素が162百万円増加したことによるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a. キャッシュ・フローの状況の分析

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、678百万円(前年同期は466百万円の増加)となりました。この主な要因は、税引前利益1,059百万円、非資金項目である、減価償却費及び償却費399百万円と営業債務及びその他の債務の増加136百万円を調整したことにより資金が増加した一方、非資金項目である、金融収益688百万円と売上高の増加に伴う営業債権及びその他の債権の増加131百万円、棚卸資産の増加131百万円を調整したことにより、資金が減少したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、536百万円(前年同期は342百万円の使用)となりました。この主な要因は、短期貸付の回収による収入24百万円、長期貸付の回収による収入25百万円により資金が増加した一方、無形資産の取得による支出274百万円、事業譲受による支出73百万円、ブロックチェーンファンドへの出資金の払込による支出114百万円を行ったこと、長期貸付による支出113百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は、307百万円(前年同期は255百万円の増加)となりました。この主な要因は、ストックオプションの行使による資本の増加による収入123百万円、長期借入による収入390百万円、長期借入金の返済143百万円及びリース負債の返済62百万円を行ったことによるものであります。

 
b. 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、運転資金および設備投資資金(主にソフトウェア等)であり、運転資金需要の主なものは、人件費及び外注費であります。資金需要は手元資金で賄うことを基本としつつ、短期の運転資金の調達のために、必要に応じて変動金利の有利子負債による資金調達を実施しております。

当連結会計年度末における借入金及びリース負債を含む有利子負債の残高は、1,607百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,598百万円となっております。

 

③ 重要な会計方針並びに重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準(IFRS)に基づいて作成されております。なお、個々の「重要な会計方針並びに重要な会計上の見積り」と「新型コロナウイルス感染症に伴う会計上の見積り」については、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断 5.追加情報」に記載のとおりであります。

 

④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、売上高、売上成長率及び営業利益率を重視しております。当連結会計年度における売上高は6,571百万円、売上成長率は49.8%(前連結会計年度は18.7%)であります。営業利益率については、5.4%(前年同期は25百万円の損失)となりました。詳細につきましては、「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(グループ全体、事業別の振り返り)」をご参照ください。
 

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