当社及び当社の関係会社(子会社8社と関連会社1社により構成)は、IP(※1)の新規開発から、ソーシャル・キャラクター(※2)等のIPを活用したマーケティング・サービス、スマートフォンアプリ等の企画開発等、映像コンテンツの企画製作及びメディア展開プランの策定・実行までを統合的に手掛けるファスト・エンタテインメント事業を展開しております。
(1) ファスト・エンタテインメント事業について
インターネット時代・ソーシャルメディア時代には「いつでも、どこでも、すぐに」楽しめる「手軽なエンタテインメント」が求められており、当社グループが展開するファスト・エンタテインメント事業は、ファスト・フードやファスト・ファッションのように手軽なエンタテインメントを提供するものです。
① IPの企画開発、制作
IPの映像コンテンツ(アニメーション、スマートフォンアプリ等のデジタルコンテンツ)の企画開発・制作及び制作後の総合的な展開(テレビ・ウェブ・映画等のメディア展開、グッズ、ゲーム化、イベント運営及び海外展開等)のプランの策定及び実行等により、主に制作収入及び当該IPのプロモーション収入を得ております。
企画開発・制作の対象となるIPは、当社が開発し、原著作権を保有するIP(オリジナルIP)が中心ですが、他社が保有するIPのリプロデュース(※3)も一部対象としております。
② ソーシャル・キャラクター・マーケティング・サービス
顧客の扱う商品やサービスの紹介、マナーの啓蒙及び観光誘致等の地域活性化のため、ソーシャル・キャラクターを活かして口コミ等により伝播していく広告・マーケティングプラン等の企画提案及びテレビコマーシャルやインターネット動画広告等のデジタルコンテンツ制作等を提供し、主に広告・マーケティング収入を得ております。
③ デジタルコンテンツの企画開発
キャラクターのソーシャルな特徴を活かしたスマートフォンアプリ、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)向けのゲーム・スタンプ等を企画開発・提供し、主に課金収入・ライセンス収入を得ております。
④ その他
映画興行による配給収入、製作委員会(※4)からの分配金収入及びライセンシーからのライセンス料等による権利収入並びにグッズ販売による小売収入、アフィリエイト収入を得ております。
(2) ファスト・エンタテインメント事業の特徴
当社グループは、スキマ時間に楽しめ、容易に共有できるショート・コンテンツを、短納期かつ低コストで提供するために、IPの新規開発から多様な流通・販売までを統合的に手掛けており、下記の特徴をもつビジネスモデルを構築しております。
なお、国際展開においても同ビジネスモデルの現地展開を推進しております。
① IPの短納期かつ低コストでの量産と柔軟なプロデュース
「Flash」等のデジタル制作技術を活用した独自の演出手法を開発して、コンテンツ制作工程の効率化を実現し、IPを短納期かつ低コストで大量に生産することを可能としております。これにより、映像作品やマーケティングサービスに係るコンテンツ制作に当たっては、視聴者の声や消費者の動向等をビッグデータ等から収集・分析し、適時に反映・予測することで、最新の顕在化した又は潜在的なマーケットニーズに適合したプロデュースを可能としております。具体的には、SNS等で共有されやすい時事ネタのように迅速性が要求される話題を題材としたコンテンツの提供(コンテンツの企画提案及び制作)が可能となる他、増加するメディア、チャンネル数及び動画広告等それぞれに対してオリジナルコンテンツの提供を可能としております。
② IPの原著作権を保有することによる迅速かつ柔軟な事業展開
自社又は共同でIPを保有することで、権利許諾や調整コストを削減でき、また市場ニーズへの迅速かつ柔軟な対応ができるため、話題性の高いプロモーションプラン等の主体的な策定や実行を可能としております。
なお、キャラクター等のIPの新規開発にあたっては、当社は主に製作委員会を活用しており、当社が関与するケースでは、製作委員会への出資者を限定し、当社を含む少数で共同の原著作権者(IPオーナー)となるように努めております。
③ IPを小さく生んで大きく育てる事業展開(展開エリアの順次拡大)
地方テレビ局等の特定メディアとの共同事業では、当初は限定された地域・メディアで展開を開始し、IPの露出を増やすことで高めた認知度を踏まえて、展開する地域・メディアを拡大させる戦略をとっております。
当社は短納期かつ低コストで大量のIPを生産することが可能であるため、限定された地域・メディアにもIPを提供することが可能となり、また、複数のIPを提供した上で、視聴者の評判が良かったIPのみを選抜して展開する戦略も可能となります。さらに、共同事業であること及び当初の展開エリアが小さいことから、当社の費用負担を抑制しながら、多数のIPの事業展開が可能となります。
上記の実績事例は次のとおりです。
a. 秘密結社 鷹の爪
当社オリジナルIPである「秘密結社 鷹の爪」は、コンテンツの量産、多面展開及び最新のマーケットニーズを捉えたストーリーを取り扱うことにより露出の相乗効果を高め、IP価値の向上(認知度の向上)を図っております。
具体的には、(a) 企業や自治体向けのソーシャル・キャラクター・マーケティング・サービス、(b) アプリやスタンプ等のデジタルコンテンツの企画開発、(c) グッズ販売やイベント開催、(d) テレビ放映・劇場公開等、多面的に展開しております。
b. パンパカパンツ
当社オリジナルIPである「パンパカパンツ」は、IPの展開エリアを順次拡大させ、IP価値の向上(認知度の向上)を図っております。静岡県内の放送局(特定エリアのメディア)との共同事業により新規開発し、当初はメディアパートナーの得意とするエリア内でソーシャル・キャラクター・マーケティング・サービス、デジタルコンテンツ等の提供に注力しておりました。
その後、岩手・山形・熊本、全国展開(国内マス・マーケットへの展開)へと展開エリアを順次拡大し、現在はグローバル・マーケットまで拡大しております。
c. 貝社員
当社オリジナルIPである「貝社員」は、展開エリアを順次拡大させ、IP価値の向上(認知度の向上)を図っております。TOHOシネマズ株式会社と実施した共同事業である「キャラクターバトルクラブ」において新規開発し、当初は映画の幕間での展開で認知を高めてまいりました。その後、全国ネットのTVの情報番組に活用されることで全国展開を行い、ソーシャル・キャラクター・マーケティング・サービスの提供を行っております。
d. 耐え子の日常
当社オリジナルIPである「耐え子の日常」は、SNSを起点にメディアを順次拡大させ、IP価値の向上(認知度の向上)を図っております。当社単独でTwitter漫画として新規開発し、認知拡大に伴い、女性向けフリーペーパーやInstagramへとメディア展開を拡大し、ソーシャル・キャラクター・マーケティング・サービスの提供や書籍販売を行っております。
(※1)IP:Intellectual Propertyの略称。著作権、商標権等の知的財産権。原著作権(例:コミック、小説)を指し、二次的著作権にまで及ぶ。二次的著作権とは、原著作権を利用して開発された二次的著作物にかかる著作権(例:アニメ、ドラマ、映画)。
(※2)ソーシャル・キャラクター:当社が提唱する概念であり、主にブログやSNS等のソーシャルメディアを含む、あらゆるメディアでのコミュニケーションを促進させるような特徴を持つキャラクターのこと。例えば、「世代を選ばない広い認知度」「共有したくなる高い好感度」「話題を限定しないキャラクター設定」「口コミ等により広がりやすい話題の提供」「ユーザーと双方向に会話する機能」等の特徴が挙げられる。
(※3)リプロデュース:第三者が有するIPの使用許諾を得て、原作のオリジナルの世界観をアレンジした二次的著作物(アニメーション、デジタルコンテンツ等)の制作及びメディア展開等のプラン策定・実行等。
(※4)製作委員会:アニメーションや映画の製作資金を効率的に調達すること等を目的に組成される民法上の任意組合。原則として、出資割合によって共同で製作した(原著作権者から許諾された二次的著作物の範囲内での)著作権を保有する。なお、当社は製作委員会に対する出資金を「投資その他の資産」に計上し、合理的に見積もられた方法で償却を実施している。
主なIP一覧
主な展開地域 |
IP保有形態 |
主要なIP |
日本 |
当社単独 |
「秘密結社 鷹の爪」、「耐え子の日常」、「古墳ギャルのコフィー」、「電脳戦士 土管くん」、「菅井君と家族石」、「京浜家族」、「蛙男劇場」、「ごはんかいじゅうパップ」、「GO!GO!家電男子」、「ぼくの彼女、ヤバにゃん」、「周辺男子」他 |
共同保有 |
「パンパカパンツ」、「貝社員」、「RUN BEAR RUN」、「ピチ高野球部」、「へんしん!!じゃがポテ仮面」、「燃えよ!バッカルコーン」、「ぬいぐるみのラパン」、「モリのバンビーノ」、「ブッとべ!プーデル」、「たまこちゃんとコックボー」、「貝がらブラッコ」、「かよえ!チュー学」、「バカ・ミゼラブル」、「にゅるにゅる!!KAKUSENくん」、「ぴったらず」、「おにくだいすき!ゼウシくん」、「よしまほ」、「変形少女」、「新変形少女」他 |
|
台湾 |
共同保有 |
「ペペンギン」、「ラビトル」 |
タイ |
共同保有 |
「いろっくま」、「CHICKEN BREAK」 |
当社グループの事業の系統図は次のとおりであります。
〔事業系統図〕
(※1)原作権の使用許諾及び原作使用料の支払いを含みます。
なお、共同IPの場合、共同IP製作委員会が製作委員会(二次的著作物)に使用許諾します。
(※2)SAP(Social Application Provider)
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