1.業績等の概要
(1) 業績
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当社グループは当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前期との比較分析は行っておりません。
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループはこれまで、経営基盤の再構築を進めるとともに、当社グループの既存事業領域に隣接した事業領域への事業拡大及び新規事業領域の創出を進め、積極的に資本・業務提携やM&Aを進めてまいりました。令和7年12月期を最終年度とした中長期経営計画を推進し、経営基盤の再構築を進めるとともに、当社グループの既存事業領域に隣接した事業領域への事業拡大を図るために、積極的に資本・業務提携等のM&Aや新規事業の創出を進めておりました。この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、1,010,752千円となりました。
流動資産は、849,879千円となりました。
固定資産は、160,872千円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、160,124千円となりました。
流動負債は、112,925千円となりました。
固定負債は、47,199千円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、850,627千円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の売上高は495,573千円、営業損失は91,541千円、経常損失は91,783千円、親会社株主に帰属する当期純損失は133,814千円となりました。
なお、子会社である株式会社XYEEDのビジネスインキュベーション事業の本格的な開始を見据え、当社グループは当連結会計年度より連結財務諸表を作成しております。しかし、事業計画等を再検討した結果、株式会社XYEEDは令和3年12月に解散することを決議いたしました。
新型コロナウイルス感染症の再拡大による政府の緊急事態宣言の再度の発令を受け、当社グループにおきましては、従業員の安全確保を最優先に考え令和3年12月期のほとんどの期間を在宅勤務とし、テレワークにより業務を遂行しておりましたが、業務の遂行において支障は出ておりません。今後につきましても情勢を確認いたしながら、引続き一部テレワークによる実務を行う予定です。
各分野別の状況は次のとおりであります。
①業務コンサルティング領域(ERP,HCM等)
当社グループの主要な事業分野である「ERPコンサルティング」においては、オラクル社の「JD Edwards」及び「NetSuite」に関連する案件を中心に推移しております。「JD Edwards」を継続して利用する企業向けの保守及びバージョンアップ、サーバーのリプレイス、クラウドへの移行等の案件を継続して支援しております。また、利用中のハードウェアの老朽化や保守期限の到来、運用コストの削減等の理由により「JD Edwards」をオンプレミスの環境からクラウド環境へ移行する企業の受注に繋げております。
しかしながら企業の設備投資に対する動向がまだ回復しておらず、新規案件の受注が停滞しているために、業績に影響を受けました。「NetSuite」に関しては、導入支援の受注が回復傾向にあり、また、既存顧客への運用支援を受注しております。
令和4年以降につきましては、他のERP製品の扱いを増やし、窓口を広くして受注を促進してまいる予定です。「人事コンサルティング」の分野においては、タレントマネジメント(人材の適材配置及び育成管理)の導入及び定着化支援及び導入支援を行っております。
② 自動化・効率化コンサルティング領域(RPA、AI、xR等)
新たな事業として取り組んでおりましたRPA及びAI領域においては、当社グループでの商談が減少したため、技術者の稼働の割合を減少させ、他の領域での稼働を優先させております。
③ M&A及び新規事業領域
既存事業領域における事業の拡大、新規事業領域への進出に向けて、当社グループとの間でシナジーが期待できる企業との資本・業務提携等のM&Aの検討及び交渉を継続して進めておりましたが、利益計画等を勘案して新規事業領域への進出については当面縮小いたします。
④ その他
安定的な経営を継続するために、以下の取り組みを積極的に進めております。
1.マーケティング活動による見込み客の開拓
2.即戦力となるコンサルタントの採用、外部コンサルタントとの協業
3.コンサルタントの育成によるスキルアップ及び多能化による収益率の改善
4.既存顧客向け付加価値サービスの開発と提案
5.既存サービスの拡張、既存パートナーとの関係強化
6.ERPコンサルティング事業強化のための採用と育成
7.株主還元策の充実
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、704,830千円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
なお、当社グループは当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前年同期等との比較分析は行っておりません。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動で使用した資金は73,648千円となりました。収入の主な内訳は、売上債権の減少額25,743千円であり、支出の主な内訳は、未収入金の増加額26,485千円及び、たな卸資産の増加額13,839千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動で使用した資金は40,855千円となりました。収入の主な内訳は、子会社の清算による収入2,893千円であり、支出の主な内訳は、関係会社株式の取得による支出30,000千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動で取得した資金は62,280千円となりました。収入の主な内訳は、新株予約権の行使による株式の発行による収入156,000千円であり、支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出93,720千円であります。
2.生産、受注及び販売の実績
当社グループは、ITコンサルティング事業を営んでおり、当社グループにおけるセグメントは、「ITコンサルティング事業」のみの単一セグメントであります。
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 令和3年1月1日 至 令和3年12月31日) |
前期比(%) |
ITコンサルティング事業 (千円) |
425,778 |
- |
合計 (千円) |
425,778 |
- |
(注)1.金額は売上原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)仕入実績
当連結会計年度の仕入実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 令和3年1月1日 至 令和3年12月31日) |
前期比(%) |
ITコンサルティング事業 (千円) |
8,736 |
- |
合計 (千円) |
8,736 |
- |
(注)1.金額は仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)受注実績
当連結会計年度の受注実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 令和3年1月1日 至 令和3年12月31日) |
|||
受注高(千円) |
前期比(%) |
受注残高(千円) |
前期比(%) |
|
ITコンサルティング事業 |
677,817 |
- |
406,940 |
- |
合計 |
677,817 |
- |
406,940 |
- |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(4)販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 令和3年1月1日 至 令和3年12月31日) |
前期比(%) |
ITコンサルティング事業 (千円) |
495,573 |
- |
合計 (千円) |
495,573 |
- |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当連結会計年度の主な取引先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
当連結会計年度 (自 令和3年1月1日 至 令和3年12月31日) |
|
金額(千円) |
割合(%) |
|
㈱ジール |
111,948 |
22.6 |
(注)上記の金額には消費税等は含まれておりません。
3.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、決算日における資産及び負債の状況に基づき、将来の費用として発生が見込まれるものにつきましては一般に合理的と認められる方法により、慎重な見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
(2) 財政状態の分析
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.業績等の概要 (1) 業績」に記載のとおりであります。
(3) 経営成績の分析
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.業績等の概要 (1) 業績」に記載のとおりであります。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(5) 経営戦略の現状と見通し
当社グループは、独立系コンサルティングファームとして、ビジネスコンサルティング及びシステムコンサルティング事業をもって、国内上場企業、中堅企業、海外企業をお取引先として、ERPやHCMソリューション、働き方改革や業務効率化ソリューションの導入・運用支援のサービスを提供してまいりました。新型コロナウイルス感染症の影響もあり、企業のIT設備への投資が鈍化しております。
最近の当社グループを取り巻く市場環境を見渡してみると、当社グループの主力事業であるERPソリューションに関連するコンサルティング事業領域においては、既存の顧客である大企業へはバージョンアップやクラウドへの移行、管理会計やデータ活用、セキュリティ強化といった周辺事業領域の商談に力を入れております。また、中堅中規模企業や新興企業へのERPソリューションの導入支援については、クラウドERPを取扱う当社グループにとって商談の機会の増加が見込めるため、引続き商談に力を入れてまいります。
「人的資源の確保と育成」に力を入れ当社グループの主力事業であるERPソリューションに尽力いたします。
次期事業年度の見通しにつきましては、令和3年12月に連結子会社株式会社XYEEDの解散を決議したため、個別の業績の見通しとさせていただきます。売上高680百万円(当事業年度比141.6%)、営業利益20百万円(当事業年度は63百万円の営業損失)、経常利益18百万円(当事業年度は63百万円の経常損失)、当期純利益10百万円(当事業年度は129百万円の当期純損失)を見込んでおります。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、労務費、外注費等の製造費用及び販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要としては資本業務提携に係る株式の取得等であります。
運転資金等は、自己資金及び金融機関よりの借入金を基本としております。また、投資を目的とした資金は、
第三者割当による増資を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金等の有利子負債の残高は、84百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、704百万円となっております。
(7) 経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 3.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (5)経営戦略の現状と見通し」に記載のとおりであります。
当社グループは、中長期経営計画「VISION2025」(令和元年12月期~令和7年12月期)基づき、積極的に企業価値ならびに株主価値の向上を目指し、収益構造の改革及び事業領域の拡大を推進すると共に、長期間において成長し続けるために必要な事業基盤の整備を進めております。
中長期経営計画の基本方針における取り組み状況は以下の通りです。
① 財務基盤の充実と戦略的な投資計画の実行
戦略的な投資を実行するための資金として、新株予約権の行使による増資により156百万円を調達しました。
② 資本・業務提携、M&Aによる短期間での業容の拡大
当社におけるM&A戦略を策定し、複数のM&A仲介会社や銀行の協力を得て、当社との間でシナジーが見込める企業に対して積極的に資本・業務提携やM&Aの検討を進めました。
③ 株主還元策の充実
株主の皆様への利益還元を重要な経営課題と位置づけ、株主の皆様との対話方法や関係性構築のありかたを含めて総合的な検討を行っております。
④ 人材の拡充、社員の多能化推進、ワークライフバランスの向上
人材の確保・育成に重点を置き、社員の多能化を推進することで、よりお客様のビジネス成長に貢献することができる体制を整えることを目的として、人事制度の改革を進めております。
当初の計画では令和7年度が中期経営計画の最終年度となりますが、新型コロナウイルス感染症による影響を受け営業機会の減少等によって当初計画した業績の達成が困難な状況となりましたため、令和3年12月期に設定をしていた業績目標値を1年間先延ばしました。なお、新型コロナウイルス感染症による影響が長引いているため、事業戦略の変更を策定しております。
中長期経営計画「VISION2025」(令和元年12月期~令和7年12月期)の3年目である令和3年12月期の達成・進捗状況は以下の通りです。
売上高は計画比229,427千円減(31.6%減)となりました。これは、新型コロナウイルス感染症の影響による営業機会の減少により、新規案件受注が減少したことによるものが主な原因となります。
指標 |
令和3年12月期 (計画) |
令和3年12月期 (実績) |
計画比 |
売上高 |
725,000千円 |
495,573千円 |
△229,427千円(△31.6%) |
営業利益又は営業損失(△) |
21,000千円 |
△91,541千円 |
△112,541千円(-) |
親会社株主に帰属する 当期純利益又は当期純損失(△) |
18,000千円 |
△133,814千円 |
△151,814千円(-) |
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