当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①経営成績の状況
当社グループの事業セグメントは、証券ディーリングシステム、外国為替証拠金取引システム、暗号資産プラットフォーム等の開発及び保守を中心とする「金融ソリューション事業」、ITサポート及びグループ経営管理ソリューションシステムの開発及び販売を中心とする「ビジネスソリューション事業」、機能性食材であるハナビラタケの健康食品や化粧品等の開発及び販売を行う「ヘルスケア事業」の3つです。
当連結会計年度の当社グループの連結経営成績は次の表のとおりです。
(注)各事業の売上高は、セグメント間の内部取引を含んでおりません。
当連結会計年度における国内経済は、ウィズコロナの新たな段階への移行が進む中で、経済活動の再開への機運が高まっているものの、ウクライナ情勢に対する懸念が世界の株式市場に影を落とし不安定さが増しているため、依然として景気の先行きが不透明な状況が続いております。
このような事業環境の中で、当連結会計年度の業績は、売上面では主力の金融ソリューション事業で減収となり、ビジネスソリューション事業及びヘルスケア事業で増収となったものの、連結売上高に占める金融ソリューション事業の比率が高いため、連結売上高は前年度に比べ100百万円減少し2,056百万円となりました。また損益面は、売上原価の低減に努めた結果、前年度に比べ改善し営業利益は241百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、持分法適用関連会社である株式会社デジタルアセットマーケッツ(以下、デジタルアセットマーケッツ)における持分変動利益の計上額が前年度より減少したため173百万円となりました。
当社の主力市場である証券システム分野においては、世界でも新技術を使った金融サービスが広がっている中で、『Spider Digital Transfer』を通じて新たな成長領域を開拓し、ビジネス機会を提供してまいります。
セグメント別の経営成績は以下のとおりです。
なお、各事業の売上高には、セグメント間の内部取引を含んでおりません。
(金融ソリューション事業)
金融ソリューション事業は、当社の事業です。
当連結会計年度の経営成績は次のとおりです。
売上高 1,646百万円(前年度比 93.6%)
セグメント利益 561百万円(前年度比 94.0%)
金融ソリューション事業では、新規受託案件が前年度に比べ減少しましたが、月額による定期収入であるソフトウエア保守売上及びライセンス利用料等の増加により、安定した収益基盤を築いており、売上高は前年度に比べ6.4%減少の1,646百万円、セグメント利益は前年度より6.0%減少の561百万円となりました。
デジタルアセットマーケッツが目指す、web3.0時代の新たな金融プラットフォームの構築に引き続きシステム面で支えていきます。FinTechにより、これまでの縦割りのサービス展開から、非金融分野へと横断的なサービス展開ができる可能性を秘めており、金融ソリューション事業の事業領域も広がりを見せております。この流れをビジネスチャンスと捉え、更なる拡大を目指していきます。
(ビジネスソリューション事業)
ビジネスソリューション事業は、当社及び株式会社ビーエス・ジェイの事業です。
当連結会計年度の経営成績は次のとおりです。
売上高 277百万円(前年度比 103.8%)
セグメント利益 22百万円(前年度比 182.4%)
当連結会計年度においては、経済活動の再開の兆しが見え受注環境が改善したことにより、増収増益となりました。売上高は前年度比 103.8%の277百万円、セグメント利益は、増収の影響により前年度比182.4%の22百万円となりました。
ビジネスソリューション事業は5期連続の黒字を達成しており、引き続き、経営統合管理プラットフォーム 『GroupMAN@IT e2』の新規導入や追加開発案件を中心に安定した収益基盤を構築していきます。
(ヘルスケア事業)
ヘルスケア事業は、当社及び株式会社インタートレードヘルスケアの事業です。
当連結会計年度の経営成績は次のとおりです。
売上高 132百万円(前年度比 101.4%)
セグメント損失 51百万円(前年度は84百万円のセグメント損失)
当連結会計年度においては、売上高は前年度比101.4%の132百万円となりました。損益面においては、棚卸資産における評価減の対象品目が減少し自社製品による売上構成比の改善に伴い粗利益が増加したこと、また固定費の削減に努めた結果、セグメント損失は51百万円となり、前年度より32百万円改善しました。
機能性表示食品の取得に向けて準備を進めており、2023年9月期中の取得を目指しております。機能性表示食品の取得により『ITはなびらたけ』の機能性を表記することにより、消費者により訴求力の高い商品展開を進めていきます。
当連結会計年度末の総資産額(負債純資産合計額)は、前連結会計年度末に比べ157百万円増加し、1,609百万円となりました。自己資本比率は79.7%、当座比率(当座資産÷流動負債、短期的安全性の指標)は384.8%となっています。
(資産)
資産合計1,609百万円の主な内訳は、現金及び預金857百万円(構成比53.3%)、受取手形、売掛金及び契約資産280百万円(構成比17.4%)、棚卸資産(商品及び製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品)23百万円(構成比1.5%)、投資有価証券202百万円(構成比12.5%)となっています。
前連結会計年度末の資産合計1,452百万円より157百万円増加しており、その主な増減要因は、現金及び預金が248百万円増加しているものの、受取手形、売掛金及び契約資産が38百万円の減少、棚卸資産が25百万円減少していることによるものです。
(負債)
負債合計315百万円の主な内訳は、短期借入金100百万円(負債純資産合計に対する構成比6.2%)、買掛金67百万円(負債純資産合計に対する構成比4.2%)、未払法人税等28百万円(負債純資産合計に対する構成比1.8%)となっています。
前連結会計年度末の負債合計337百万円より21百万円減少しており、その主な増減要因は、買掛金の減少17百万円、未払法人税等の減少13百万円等によるものです。
(純資産)
純資産合計1,294百万円の主な内訳は、資本金1,478百万円、資本剰余金996百万円、利益剰余金△1,097百万円、自己株式△95百万円、非支配株主持分11百万円等となっています。
前連結会計年度末の純資産合計1,115百万円より179百万円増加しており、その主な増減要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の獲得による利益剰余金の増加173百万円によるものです。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ248百万円増加し、857百万円となりました。各活動によるキャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、270百万円の収入(前連結会計年度は221百万円の収入)となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益217百万円、持分法による投資損失177百万円、売上債権の減少38百万円であり、主な減少要因は、持分変動利益154百万円、仕入債務の減少17百万円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、11百万円の支出(前連結会計年度は28百万円の支出)となりました。主な増減要因は、長期前払費用の取得による支出5百万円、無形固定資産の取得による支出4百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、10百万円の支出(前連結会計年度は110百万円の支出)となりました。主な増減要因は、リース債務の返済による支出10百万円等です。
(注) 1 各指標の算出は以下の算式を使用しています。
・自己資本比率:自己資本/総資産
・時価ベースの自己資本比率:期末株価による株式時価総額/総資産
・キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
・インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
2 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しています。
3 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しています。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。
4 2018年9月期、2019年9月期及び2020年9月期は、営業キャッシュ・フローがマイナスとなっておりますので、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは記載しておりません。
当連結会計年度の生産状況をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度の受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1 ライセンス・サポート等の継続契約については1年以内に売上が計上されることが確実な受注のみを受注残高としております。
2 金融ソリューション事業、ビジネスソリューション事業以外の事業については、事業の特性上記載が困難であるため、記載しておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
なお、各事業の金額については、セグメント間の内部売上高を含んでおりません。
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(注)A社との間で守秘義務を負っているため、社名の公表は控えさせていただきます。また、当連結会計年度のA社に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、上記「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況 ②財政状態」をご参照ください。また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「2事業等のリスク」に記載のとおりであります。
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、上記「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社グループの資金需要の主なものは、設備投資などの長期資金需要と、製品製造のための労務費等の製造費用、販売費及び一般管理費等の運転資金需要であります。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、事業活動に必要な資金を安定的に確保することを基本としております。資金調達につきましては自己資金を基本としております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
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