(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2021年4月1日から2022年3月31日)における我が国の経済はワクチン接種等により新型コロナウイルス感染症による影響が徐々に薄らいではいるものの、新たな変異株による感染再拡大の懸念及び為替リスクや原材料価額の高騰等によるコスト上昇が懸念され、依然として不透明な状況が続いております。
このような状況の中で当社グループは、理美容事業及び通信販売事業におけるそれぞれの流通チャンネルにあった商品の選定、販路や販売方法の構築をすることでより収益を安定させるよう対応するとともに、コロナ禍に対応するために社内の働き方改革を行い、それぞれの職場に合わせた状況を構築できるよう対処して参りました。
理美容事業におきましては、上半期におきまして韓国からのコスメ商材の輸入販売を開始し、販売力のある春夏商材の発掘に成功し、売上を拡大することができました。その後もテストマーケティングを行いながら商材発掘を継続中であり、市場の動向をみながら商品選定を進めてまいります。
通信販売事業におきましては、前連結会計年度において収録した番組が当連結会計年度の上半期に放送されたことで一時的に収益が増加いたしました。しかしながらコロナ禍の自粛による新規顧客開拓の遅れ、更にその後の顧客対応が十分にできなかったことによる取引継続率の低下などが主な要因として収益が減少しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は937,284千円(前年同期比11.0%減)、営業利益は11,923千円(前年同期比49.6%減)、経常利益は15,971千円(前年同期比43.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,172千円(前年同期は17,326千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用することにより、当連結会計年度の売上高は106,192千円減少しております。詳細については、「第5 経理の状況 1 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
イ.理美容事業
理美容事業におきましては、主要顧客である理美容サロンへの来店頻度は回復傾向にある反面、コロナ以前には回復しておりません。そのような中、新規販路としてB to Cを開拓するために問屋への韓国商材の輸入販売を中心に展開した結果、上半期における販売が好調だったことにより、当該事業における売上高は223,920千円(前年同期比30.1%増)となりました。
ロ.コンサルティング事業
コンサルティング事業におきましては、前連結会計年度において新規受注した中国市場向け製品のコンサルティングを受注し、当連結会計年度は既存顧客に対するサポートを継続して行って参りました。しかしながら、コロナ感染拡大が止まらない中、来日中国人の減少により中国市場でのSNSを利用した広告宣伝が縮小し、当該事業における売上高は47,593千円(前年同期比8.0%減)となりました。
ハ.通信販売事業
通信販売事業におきましては、当社の主要顧客であるダイレクトマーケティング事業者に対してのアプローチ方法をいろいろと試行錯誤し、遠隔での面談を中心に行った結果、特に新規顧客とのコミュニケーション不足が原因となりテレビ通販番組における取引継続率が減少しました。その結果、当該事業における売上高は664,941千円(前年同期比19.7%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ19,011千円減少し395,732千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは18,385千円の支出(前連結会計年度は30,992千円の収入)となりました。資金減少の主な要因は仕入債務の減少23,234千円が発生したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは626千円の支出(前連結会計年度は248千円の支出)となりました。資金減少の主な要因は有形固定資産の取得による支出626千円が発生したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは発生していません。(前連結会計年度についても発生していません。)
③販売及び仕入の実績
イ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
理美容事業(千円) |
223,920 |
30.1 |
コンサルティング事業(千円) |
47,593 |
△8.0 |
通信販売事業(千円) |
664,941 |
△19.7 |
報告セグメント計(千円) |
936,455 |
△11.0 |
その他(千円) |
829 |
13.5 |
合計(千円) |
937,284 |
△11.0 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
||
販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
株式会社ディーエムジェイ |
159,609 |
15.2 |
144,922 |
15.5 |
株式会社広明通信社 |
117,569 |
11.2 |
- |
- |
株式会社ヴァーナル |
- |
- |
126,637 |
13.5 |
株式会社全日本通教 |
- |
- |
122,642 |
13.1 |
(注)3.前連結会計年度の株式会社ヴァーナル及び株式会社全日本通教並びに当連結会計年度の株式会社広明通信社については、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
ロ.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
理美容事業(千円) |
167,471 |
33.3 |
コンサルティング事業(千円) |
- |
- |
通信販売事業(千円) |
470,502 |
△2.0 |
報告セグメント計(千円) |
637,974 |
5.3 |
その他(千円) |
403 |
△8.1 |
合計(千円) |
638,378 |
5.3 |
(注)金額は実際仕入価格によっております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.財政状態
当連結会計年度末の総資産は512,072千円となり、前連結会計年度末に比べて30,076千円の減少となりました。流動資産は488,703千円となり、前連結会計年度末に比べて22,529千円の減少となりました。この減少は、主に現金及び預金19,011千円の減少によるものであります。固定資産は23,369千円となり、前連結会計年度末に比べて7,547千円の減少となりました。この減少は、主に繰延税金資産7,527千円の減少によるものであります。流動負債は134,968千円となり、前連結会計年度末に比べて33,703千円の減少となりました。この減少は、主に支払手形及び買掛金23,234千円の減少によるものであります。固定負債は4,864千円となり、前連結会計年度末に比べて546千円の減少となりました。この減少は、預り保証金546千円の減少によるものであります。純資産は372,240千円となり、前連結会計年度末に比べて4,172千円の増加となりました。この増加は、主に利益剰余金4,172千円の増加によるものであります。
ロ.経営成績
当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比115,667千円減少の937,284千円、営業利益は前連結会計年度比11,719千円減少の11,923千円、経常利益は前連結会計年度比12,262千円減少の15,971千円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比21,499千円増加の4,172千円となりました。
セグメントごとの概況を含む売上高につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。営業利益に関しましては、日韓におけるデジタルギフト事業の展開を目的として「Mafin inc.」及び関連企業の株式を取得するにあたりデューデリジェンス費用を負担したことに伴い、影響が生じております。経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益に関しましては、上記売上高及び営業利益の記載事項によって影響が生じております。
当社グループにおきましては、現在コロナ禍の影響により引き続き営業活動が低調となっているものの、上記分析を踏まえ、理美容事業におけるコスメ商材の輸入及びB to Cを見据えた流通チャンネルの構築と通信販売における通販番組やコマーシャル等に使用できる短編番組の作成に伴う提案営業の拡大に合わせてデジタルギフト事業を開始することで収益の増加を目指した活動を行って参りたいと考えております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資金需要は主に運転資金需要及び利益拡大に向けた投資需要であります。運転資金は主に通販事業における番組制作費及び放送枠仕入高、理美容事業における商品仕入高、販売費及び一般管理費などの営業費用であり、営業キャッシュ・フローを源泉とし必要に応じて借入又は第三者割当増資による新株式等の発行を行う方針としています。投資需要につきましては、計画している投資はありませんが、自己資金に加えて借入又は第三者割当増資による新株式等の発行を行う方針です。なお、当連結会計年度末における借入金の残高はございません。
資金の流動性につきましては、当連結会計年度末における流動比率が連結ベースで362.1%(前連結会計年度末は303.1%)となっており、十分な財務健全性を有していると認識しております。
③重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、当社グループは、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、並びに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わなければなりません。当社グループは、貸倒債権、棚卸資産、法人税等、財務活動、偶発事象等に関する見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。当社グループは、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判別しにくい資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数値についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
新型コロナウイルス感染症に伴う会計上の見積りへの影響
当社グループは、将来の事業計画を前提として繰延税金資産の評価を行っております。
当該事業計画は、新型コロナウイルス感染症の影響が今後も軽減していくと考えているものの、短期的には変異株の影響が存在すると仮定しております。なお、コロナ禍の影響が依然として存在する前連結会計年度と比較すると翌連結会計年度に向けて改善に向かうと考えられることから、当該事業計画を前提として繰延税金資産を評価しております。なお、事態が仮定より長期化した場合、見積りの評価に影響が生じる可能性があります。
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