(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループの主たる事業領域である医療関連業界におきましては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を契機として、柔軟な医療提供体制、データ利活用、予防医療の重要性が再認識されました。これにより、都道府県による医療機能の分化・連携や病院と診療所の機能分化・連携、医療・介護分野におけるデータ利活用やオンライン化、PHRの拡充、多職種連携による生活習慣病などの予防・重症化予防を推進する動きが加速しております。医療関連業界をはじめ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による影響は、予断を許さない状況にありますが、当連結会計年度における当社グループの業績に重大な影響は観測されておりません。
このような事業環境のもと、データネットワークサービスにおいては、主として株式会社Doctorbookの医療動画配信サービスの売上拡大、及び株式会社システム ビィー・アルファの新規連結効果により、売上高は2,061,638千円(前期比28.7%増)となりました。
データ利活用サービスにおいては、主として製薬会社向けに当社が保有する大規模診療データベースを活用した調査・分析サービス、及びWEB分析ツール「MDV analyzer」の売上拡大により、売上高は3,610,662千円(前期比21.3%増)となりました。また、大規模診療データベースは、2021年12月末現在で、実患者数が3,849万人(前年同月末比398万人増)となりました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は5,672,300千円(前期比23.9%増)となり、売上総利益は4,643,759千円(前期比19.6%増)となりました。
販売費及び一般管理費については、主に人件費や研究開発費の増加に伴い、3,049,540千円(前期比11.5%増)となりました。その結果、営業利益は1,594,218千円(前期比39.1%増)となりました。
営業外収益として主に貸倒引当金戻入額、営業外費用として主に自己株式の取得に伴う支払手数料を計上したことにより、経常利益は1,592,990千円(前期比38.7%増)となりました。
また、特別損失として固定資産除却損等を計上したことにより、税金等調整前当期純利益は1,591,896千円(前期比47.9%増)となりました。
法人税、住民税及び事業税を568,676千円計上し、法人税等調整額を△76,818千円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,087,267千円(前期比55.3%増)となりました。
なお、当社グループは、医療データネットワーク事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。(以下、「② キャッシュ・フローの状況」においても同じ。)
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、3,202,172千円となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、1,082,616千円(前期は964,366千円の収入)となりました。これは主に、法人税等の支払額又は還付額が471,953千円あったものの、税金等調整前当期純利益が1,591,896千円であったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、26,933千円(前期は142,583千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が24,040千円であったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、1,030,598千円(前期は589,644千円の支出)となりました。これは、自己株式の取得による支出が889,073千円、配当金の支払額が141,524千円であったことによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは、医療データネットワーク事業の単一セグメントであります。
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をサービスごとに示すと、次のとおりであります。
サービスの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
前年同期比(%) |
生産高 |
||
データネットワークサービス(千円) |
692,317 |
161.9 |
データ利活用サービス (千円) |
336,223 |
124.6 |
合計(千円) |
1,028,541 |
147.5 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.金額は売上原価によっております。
b. 受注実績
当社グループのサービスは、受注から納品までの期間が極めて短いため、記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をサービスごとに示すと、次のとおりであります。
サービスの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
前年同期比(%) |
販売高 |
||
データネットワークサービス(千円) |
2,061,638 |
128.7 |
データ利活用サービス (千円) |
3,610,662 |
121.3 |
合計(千円) |
5,672,300 |
123.9 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。これらの連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、過去の実績等を勘案して合理的な見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
② 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の資産残高は、前連結会計年度末と比べて212,928千円増加し、5,534,706千円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末と比べて205,913千円増加し、4,525,088千円となりました。これは主に、売掛金が190,890千円増加したことによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末と比べて7,014千円増加し、1,009,618千円となりました。これは、無形固定資産が75,712千円、有形固定資産が37,568千円減少したものの、投資その他の資産が120,296千円増加したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末の負債残高は、前連結会計年度末と比べて143,898千円増加し、1,328,848千円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末と比べて143,572千円増加し、1,243,559千円となりました。これは主に、未払法人税等が101,340千円増加したことによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末と比べて326千円増加し、85,288千円となりました。これは主に、資産除去債務が291千円増加したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産残高は、前連結会計年度末と比べて69,029千円増加し、4,205,858千円となりました。これは主に、自己株式を889,073千円取得したものの、剰余金の配当を上回る親会社株主に帰属する当期純利益を計上した結果、利益剰余金が945,332千円増加したことによるものです。
③ 当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度における当社グループの主たる事業領域である医療関連業界におきましては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を契機として、柔軟な医療提供体制、データ利活用、予防医療の重要性が再認識されました。これにより、都道府県による医療機能の分化・連携や病院と診療所の機能分化・連携、医療・介護分野におけるデータ利活用やオンライン化、PHRの拡充、多職種連携による生活習慣病などの予防・重症化予防を推進する動きが加速しております。医療関連業界をはじめ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による影響は、予断を許さない状況にありますが、当連結会計年度における当社グループの業績に重大な影響は観測されておりません。
このような事業環境のもと、データネットワークサービスにおいては、主として株式会社Doctorbookの医療動画配信サービスの売上拡大、及び株式会社システム ビィー・アルファの新規連結効果により、売上高は2,061,638千円(前期比28.7%増)となりました。
データ利活用サービスにおいては、主として製薬会社向けに当社が保有する大規模診療データベースを活用した調査・分析サービス、及びWEB分析ツール「MDV analyzer」の売上拡大により、売上高は3,610,662千円(前期比21.3%増)となりました。また、大規模診療データベースは、2021年12月末現在で、実患者数が3,849万人(前年同月末比398万人増)となりました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は5,672,300千円(前期比23.9%増)となり、売上総利益は4,643,759千円(前期比19.6%増)となりました。
販売費及び一般管理費については、主に人件費や研究開発費の増加に伴い、3,049,540千円(前期比11.5%増)となりました。その結果、営業利益は1,594,218千円(前期比39.1%増)となりました。
営業外収益として主に貸倒引当金戻入額、営業外費用として主に自己株式の取得に伴う支払手数料を計上したことにより、経常利益は1,592,990千円(前期比38.7%増)となりました。
また、特別損失として固定資産除却損等を計上したことにより、税金等調整前当期純利益は1,591,896千円(前期比47.9%増)となりました。
法人税、住民税及び事業税を568,676千円計上し、法人税等調整額を△76,818千円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,087,267千円(前期比55.3%増)となりました。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは財務の安全性を重視するとともに、銀行借入に依存しない経営を継続しております。資金の運用は短期的な預金等に限定するとともに、運転資金については内部資金により調達することを原則としております。
当社グループの運転資金需要の主なものは、人件費をはじめとする販売費及び一般管理費等の営業費用であり、これらの支出は内部資金によっております。また設備投資資金等についても、現金及び預金を使用することとしており、安全性を重視しつつも効率的な資金運用を目指しています。
また、利益配分に関して、当社は株主に対する利益還元を重要な経営課題の一つと位置付けており、連結配当性向20%以上程度を目途に、長期安定的な配当を行っていくことを基本方針としています。加えて、資本効率の向上を通じた株主利益の向上及び機動的な資本政策の遂行のため状況に応じて自己株式取得を機動的に行ってまいります。
⑥ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上高成長率、売上高経常利益率、ROEを経営上の重要な指標と位置づけ、高い成長率の持続と収益性及び資本効率のさらなる向上を図り、企業価値のさらなる増大を目指しております。
当連結会計年度の売上高成長率は、23.9%、売上高経常利益率は、28.1%、ROEは、26.3%となりました。引き続き、これらの指標について、高水準の持続及び改善に取り組んでまいります。
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