業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の概要は次のとおりであります。

 

(1)経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国経済は、徐々に経済活動が回復する兆しがみえてきていますが、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化しており、引き続き厳しい状況で推移いたしました。

 当社グループが属する業界におきましては、モバイルオンラインゲーム市場においては、角川アスキー総合研究所の「ファミ通モバイルゲーム白書2022」によると、2021年の国内スマートフォンゲーム市場は1兆3,060億円と、引き続き安定的に推移をしております。XR市場においては、International Date Corporationが2021年に発表した報告によると、2026年にはVR/AR市場が747億米ドルまで拡大すると予測されております。ブロックチェーン市場においては、MarketsandMarkets Researchが2021年に発表した報告によると、2026年までにはブロックチェーン活用サービス市場規模が674億米ドルにまで成長すると予測されております。

 このような経済環境の中、当連結会計年度の売上高は18,942,037千円(前連結会計年度比1.7%増)となりました。また、営業損失は2,262,168千円(前連結会計年度は1,514,299千円の営業利益)、経常損失は3,890,047千円(前連結会計年度は6,071,130千円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は6,273,694千円(前連結会計年度は1,835,657千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

 

 セグメント別の状況は次のとおりであります。

 

① モバイルオンラインゲーム事業

 売上高に関しては、既存タイトルについては配信期間の経過に伴い減収となったものの、「乃木坂的フラクタル」や「ラグナドール 妖しき皇帝と終焉の夜叉姫」等、第2四半期より配信を開始した新規タイトルの売上寄与により、前連結会計年度比で増収となりました。

 営業利益に関しては、一部タイトルにおける版権手数料の支払い等に伴う売上原価の増加に加え、新規タイトルにおける大型プロモーションの実施による広告宣伝費の増加等、コストが増加したことにより、前連結会計年度比で減益となりました。

 この結果、売上高は18,748,642千円(前連結会計年度比1.4%増)、営業損失は2,238,698千円(前連結会計年度は1,629,278千円の営業利益)となりました。

 

② XR事業(VR、AR、MR等)

 XR事業に関しては、将来、市場の急拡大が見込まれるXR市場において早期に優位なポジションを築くことが重要な課題であると考えております。当社グループは、市場の状況に合わせて投資を行っていく方針であり、市場の黎明期においては国内外にて主にファンド出資を通じたXR関連企業の成長支援を実施し、また成長期においてはコンテンツの開発を主体的に取り組み、XR事業の収益化を目指しております。

 当連結会計年度においては、主に当社グループがジェネラル・パートナーとして参画しているVenture Reality Fundを通じたグローバル投資を実行し、有力な技術・コンテンツ・人材を保有する企業との戦略的な連携を図ってまいりました。

 この結果、営業損失は58,395千円(前連結会計年度は119,172千円の営業損失)となりました。

 

③ ブロックチェーン事業

 ブロックチェーン事業に関しては、当該事業を取り巻く法令及び行政の対応等を踏まえつつ、国内外の有力企業への投資を通じ、早期の収益化を目指しております。

 当連結会計年度においては、複数の有力チェーンにおけるノード運営が好調に推移したことに加え、IPホルダーとの協業によるNFT販売も売上に寄与いたしました。加えて、主にファンドを通じた投資活動を積極的に実行し投資収益の創出を図るとともに、世界各国のブロックチェーン企業とのネットワークを構築してまいりました。

 この結果、売上高は193,395千円(前連結会計年度比33.5%増)、営業利益は34,925千円(前連結会計年度比733.1%増)となりました。

 

(2)財政状態の状況

 当連結会計年度末における資産合計は18,362,709千円となり、前連結会計年度末に比べ6,649,586千円の減少となりました。流動資産合計は10,012,108千円となり、前連結会計年度末に比べ3,572,811千円の減少となりました。これは主に、現金及び預金の減少及び未収入金の減少によるものであります。固定資産合計は8,350,600千円となり、前連結会計年度末に比べ3,076,774千円の減少となりました。これは主に、その他の関係会社有価証券及びソフトウエア仮勘定の減少によるものであります。

 当連結会計年度末における負債合計は8,278,346千円となり、前連結会計年度末に比べ456,488千円の増加となりました。流動負債合計は5,742,578千円となり、前連結会計年度末に比べ1,166,567千円の増加となりました。これは主に、1年以内返済予定の長期借入金の増加によるものであります。固定負債合計は2,535,767千円となり、前連結会計年度末に比べ710,078千円の減少となりました。これは主に、繰延税金負債の減少によるものであります。

 当連結会計年度末における純資産合計は10,084,362千円となり、前連結会計年度末に比べ7,106,075千円の減少となりました。これは主に、利益剰余金の減少によるものであります。なお、自己資本比率は50.2%となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末8,492,510千円に比べ2,189,768千円減少し、6,302,742千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果支出した資金は2,473,028千円(前連結会計年度は2,805,637千円の収入)となりました。収入の主な内訳は、減損損失1,906,092千円及び減価償却費857,380千円、支出の主な内訳は、税金等調整前当期純損失6,290,109千円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果獲得した資金は398,638千円(前連結会計年度は2,155,749千円の支出)となりました。収入の主な内訳は、投資事業組合からの分配による収入1,469,033千円、暗号資産の売却による収入948,491千円、支出の主な内訳は、無形固定資産の取得による支出1,686,956千円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果支出した資金は248,456千円(前連結会計年度は1,919,130千円の収入)となりました。収入の主な内訳は、長期借入れによる収入9,634,250千円、支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出8,732,806千円、自己株式の取得による支出999,932千円であります。

 

(4)生産、受注及び販売の実績

 ① 生産実績

 当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

 ② 受注実績

 当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

 ③ 販売実績

 当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績は、次のとおりであります。

セグメント

当連結会計年度

(自 2021年5月1日

至 2022年4月30日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

モバイルオンラインゲーム事業

 

日本語版

14,938,587

113.7

海外言語版

3,810,055

71.2

XR事業(VR、AR、MR等)

ブロックチェーン事業

193,395

133.5

合計

18,942,037

101.7

(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年5月1日

至 2021年4月30日)

当連結会計年度

(自 2021年5月1日

至 2022年4月30日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

Apple Inc.

4,538,224

24.4

7,150,125

37.7

株式会社スクウェア・エニックス

9,437,122

50.7

6,679,998

35.3

Google Inc.

3,745,788

20.1

4,728,365

25.0

2.Apple Inc.及びGoogle Inc.は決済代行事業者であり、ユーザーからの代金回収を代行しております。

 

経営者の視点による財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。

 なお、新型コロナウイルス感染症による影響は、現時点では大きな影響は出ておらず、今後の影響も限定的と考えておりますが、引き続き今後の動向を注視してまいります。

 

(2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 ① 「当連結会計年度の経営成績等」及び「セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況」に関する認識及び分

   析・検討内容

 「経営成績等の状況の概要 (1)経営成績の状況」及び「経営成績等の状況の概要 (2)財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

 

 ② 経営成績に重要な影響を与える要因

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末8,492,510千円に比べ2,189,768千円減少し、6,302,742千円となりました。

 当社グループの運転資金需要のうち主なものには、モバイルオンラインゲーム事業及びXR事業(VR、AR、MR等)、ブロックチェーン事業等における人件費、外注費及び広告宣伝費のほか、XR事業、ブロックチェーン事業等の新規事業領域における国内外の有力企業への投資資金があります。

 当社グループでは、主として内部資金及び借入により調達した資金を運転資金に充当する方針であり、必要に応じて追加の資金調達を実施いたします。

 なお、キャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 (3)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

 ④ 経営者の問題認識と今後の方針

 経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

 ⑤ 中長期的な会社の経営戦略

 当社は、2023年4月期より、これまで別セグメントとして位置付けていたXR事業とブロックチェーン事業をメタバース事業として統合し、モバイルオンラインゲーム事業及びメタバース事業の2セグメントにて事業を推進してまいります。

 モバイルオンラインゲーム事業に関しては、既存タイトルの安定的な運用、ヒットタイトルの開発実績を有するスタジオにおける高品質なオリジナルタイトルの開発、及び自社ヒットタイトルのゲームエンジンと他社有力IPを掛け合わせた新規タイトルの開発、自社ゲームエンジンのライセンスアウト、開発受託等、バランスの良いポートフォリオを構築することにより、売上高及び利益の更なる拡大を図ってまいります。

 メタバース事業に関しては、特にブロックチェーン領域においてコンテンツ開発、ファンド出資、ノード運営の3つの領域に積極的に経営資源を投下し、収益の主軸として成長させていく方針です。

 なお、新型コロナウイルス感染症による業績への影響は、現時点では大きな影響は出ておらず、今後の影響も限定的と考えておりますが、引き続き今後の動向を注視してまいります。

 

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