業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(業績等の概要)

(1)業績

当社は、「スマホオンラインゲーム世界一」をミッションに掲げ、スマートフォンをはじめとした基本無料の「オンラインゲーム事業」を主たる業務としております。

国内のスマートフォン向けオンラインゲーム市場は、2020年度は1兆3,164億円となり、2022年度には1兆3,990億円になると予測(※)されており、緩やかな成長を続けております。その一方、アニメやゲームなどの知名度の高いIP(Intellectual Propertyの略)を題材としたタイトルや、品質の高い海外企業のゲームが国内でサービスを開始するケースも多く、競争は激化しております。また、国内外の品質の高いゲームが市場に投入されることで、ユーザーの求めるゲーム品質の水準が高まっていることから、ゲームの開発期間は長期化し、開発費用も高騰しております。

このような状況の中、当社はオンラインゲーム事業のさらなる成長およびシェアの拡大を目指し、サービス中タイトルの拡充と開発中タイトルの準備を進めてまいりました。

サービス中タイトルにつきましては、株式会社スクウェア・エニックスとの共同開発タイトル『ドラゴンクエストタクト』が1周年を迎え、TVCMの実施などを通じて堅調に運営を継続しました。『剣と魔法のログレス いにしえの女神』や『CARAVAN STORIES』をはじめとする他タイトルについては、長期運営によるKPIの低下は見られるものの、有名IPとのコラボレーション等により、アクティブユーザー数及び課金ユーザー数の改善に取り組みました。

開発中タイトルにつきましては、株式会社GOTとの共同開発タイトル『恋するコーデ ペアリウム』を2021年10月27日にサービスを開始しました。

また、2021年12月1日にUUUM株式会社の子会社であるLiTMUS株式会社との共同事業契約の締結を発表しました。今後ますます激化することが予想される市場競争に対し、IPの創出やマーケティングといった課題の解決に取り組んでまいります。

 

売上高は、『ドラゴンクエストタクト』の通期にわたる貢献や受託案件の安定稼働により、前事業年度に比べて増加したものの、開発中タイトルの増加やTVCMの実施等により人件費、外注費および広告宣伝費を中心に費用が増加したため、営業利益は前事業年度に比べて減益となりました。

 

 以上の結果、当事業年度における売上高は 12,054 百万円(前期比1.3%増)、営業利益は 1,490 百万円(前期比11.0%減)、経常利益は 1,443 百万円(前期比12.7%減)となり、当期純利益は 1,170 百万円(前期比30.9%減)となりました。

 

(※)出典『ファミ通ゲーム白書2021』株式会社角川アスキー総合研究所

 

オンラインゲーム事業のサービス区分別の業績の状況等は次のとおりであります。

(オンラインゲーム配信サービス)

『剣と魔法のログレス いにしえの女神』、『CARAVAN STORIES』、『ドラゴンクエストタクト』は当社の売上高の主軸となっております。

 

(オンラインゲーム制作/運営受託サービス)

今年度において制作および運営を受託したオンラインゲームは合計9タイトルとなっております。

 

各サービス区分別の実績につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (生産、受注及び販売の状況) (3)販売実績」をご参照ください。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物は前事業年度より999百万円増加し、5,493百万円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によって増加した資金は746百万円(前事業年度は1,787百万円の増加)となりました。これは主として、未払金の減少221百万円、未払消費税等の減少241百万円及び法人税等の支払額384百万円があったものの、税引前当期純利益1,438百万円を計上したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によって増加した資金は225百万円(前事業年度は38百万円の増加)となりました。これは主として、有形固定資産取得による支出46百万円があったものの、敷金及び保証金の回収による収入281百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によって増加した資金は41百万円(前事業年度は1,805百万円の増加)となりました。これは、株式の発行による収入41百万円によるものであります。

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1) 生産実績

当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

(2) 受注実績

当社は受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

(3) 販売実績

当事業年度の販売実績を事業ごとに示すと、次のとおりであります。なお、当社はオンラインゲーム事業の単一セグメントであります。

 

サービスの名称

販売高(千円)

前期比(%)

オンラインゲーム事業

 オンラインゲーム配信サービス

 オンラインゲーム制作/運営受託サービス

 

10,386,042

1,668,340

 

△7.7

157.4

合計

12,054,382

1.3

 

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

  なお、Apple Inc.及びGoogle LLCに対する販売実績は、当社が、同社等を介して行うアイテム課金サービスのユーザーに対する利用料の総額であります。

 

相手先

前事業年度

(自 2020年1月1日

2020年12月31日

当事業年度

(自 2021年1月1日

2021年12月31日

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

Apple Inc.

6,580,113

55.3

6,130,403

50.9

Google LLC

2,831,825

23.8

2,757,057

22.9

 

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

この財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1.財務諸表等(1)財務諸表 重要な会計方針」に記載のとおりであります。

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。なお、この財務諸表の作成にあたっては、資産・負債及び収益・費用の数値に影響を与える見積りを必要とする箇所がございます。これらの見積りにつきましては、経営者が過去の実績や取引状況を勘案し、会計基準の範囲内でかつ合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なる可能性があることにご留意ください。

 

(2)財政状態の分析

 資産につきましては、前事業年度末に比べ492百万円増加し、7,204百万円となりました。これは主として、売掛金の減少141百万円、敷金及び保証金の減少140百万円があったものの、現金及び預金の増加999百万円によるものであります。

 負債につきましては、前事業年度末に比べ753百万円減少し、969百万円となりました。これは主として、未払金の減少241百万円、未払法人税等の減少253百万円及び未払消費税等の減少241百万円によるものであります。

 純資産につきましては、前事業年度末に比べ1,245百万円増加し、6,234百万円となりました。これは主として、当期純利益の計上による利益剰余金の増加1,170百万円によるものであります。

 

(3)経営成績の分析

売上高は、 12,054 百万円(前期比1.3%増)、営業利益は 1,490 百万円(前期比11.0%減)、経常利益は 1,443 百万円(前期比12.7%減)、当期純利益は 1,170 百万円(前期比30.9%減)となりました。

詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要 (1)業績」をご参照ください。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

当社の資金需要のうち主なものは、新規タイトルの開発や運営にかかる人件費や外注費、サービス提供・拡充のための広告宣伝費であります。

当社は、事業運営上、必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、これらの資金需要に対して、営業活動によるキャッシュ・フローや自己資金を充当することを基本とし、状況に応じて、金融機関からの借入れや各種資本政策等による資金調達で対応することとしております。

 

(5)経営成績に重要な影響を与える要因について

当社は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、市場動向、競合他社、技術革新、人材の確保・育成等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

そのため、当社は優秀な人材の採用、ユーザーのニーズに合ったタイトルの提供等を積極的に行っていくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因に対し適切に対応を行ってまいります。

 

 

(6)経営者の問題意識と今後の方針

経営者は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社が今後の業容拡大を遂げるためには、厳しい環境の下で、様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。

そのためには、収益力のある新規タイトルの継続的な提供、グローバル市場への対応、ゲームの安全性及び健全性の強化を図ることが重要であると考えています。

 

(7)経営戦略の現状と見通し

当社は、創業時の2011年5月から現在までオンラインゲーム事業に特化して注力してまいりましたが、その運営で得たノウハウを敷衍し、海外市場への本格的な進出も含めた今後の展開について検討していく所存であります。

 

(8)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

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