事業の内容

3【事業の内容】

 当社グループは、当社、連結子会社13社で構成され、「クラウド世代のリーディング・カンパニー」を目指し、クラウドにおける「ソリューション事業」及び「製品事業」を展開しております。クラウド・コンピューティングは現在、「クラウドファースト」という言葉が示す通り、ITを活用する際にクラウドサービスの利用を第1候補とする考え方が定着しつつあります。

 IT専門調査会社IDC Japan株式会社(所在地:東京都千代田区)は、国内パブリッククラウドサービス市場予測を発表しました。これによると2021年の国内パブリッククラウドサービス市場規模は、前年比 20.3%増の1兆5,087億円になると予測しています。また、2020年~2025年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は18.4%で推移し、2025年の市場規模は2020年比2.3倍の2兆9,134億円になるとIDCは予測しています。

 このように、引き続きクラウド市場が急速に拡大する環境の下、当社グループにおいてはクラウドのリーディングカンパニーとして、国内屈指のSalesforce認定技術者を育成、業種・業態・企業規模を問わずクラウド導入のコンサルティングから、カスタマイズ、インテグレーションまで、多数のクラウド導入実績を積み重ねて参りました。その結果、多くの企業様より信頼をいただき、Salesforce、AWS等クラウドサービスの導入実績は、累計で13,000件を突破いたしております。

会社名

セグメント

事業内容

株式会社テラスカイ(当社)

ソリューション事業

・Salesforceをはじめとしたクラウドサービスを最大限に活用できるITシステム企画を支援するクラウドコンサルティングサービス。

・Salesforceに特化したクラウドインテグレーションの提供及び保守。

・クラウドにおけるERP(注1)システムの導入、インテグレーション及び保守。

製品事業

・クラウドサービス(概要については次項②製品事業をご参照ください)の開発、販売及び保守。

TerraSky Inc.

(連結子会社)

製品事業

・北米地域における当社で開発したクラウドサービスの販売。

株式会社スカイ365

(連結子会社)

ソリューション事業

・クラウドに特化したMSPサービス(注2)の提供。

株式会社BeeX

(連結子会社)

ソリューション事業

・SAPソフトウェア基盤のクラウド導入に特化した事業

・AWS(注3)を最大限に活用できるITシステム企画を支援するクラウドコンサルティングサービス。

・AWSに特化したクラウドインテグレーションの提供及び保守。

株式会社キットアライブ

(連結子会社)

ソリューション事業

・北海道を中心としたクラウド導入に特化した事業

株式会社Cuon

(連結子会社)

ソリューション事業

・Webシステム開発に特化した事業

株式会社テラスカイベンチャーズ

(連結子会社)

その他

・投資事業

TSV1号投資事業有限責任組合

(連結子会社)

その他

・投資事業

株式会社Quemix

(連結子会社)

ソリューション事業

・量子コンピュータの応用研究

TerraSky (Thailand) Co., Ltd.

(連結子会社)

ソリューション事業

・タイ王国を中心としたクラウド導入に特化した事業

株式会社テラスカイ・テクノロジーズ

(連結子会社)

ソリューション事業

・クラウドエンジニアの人材派遣、人材紹介

・コンピュータソフトの開発、教育

株式会社エノキ(注)

(連結子会社)

製品事業

・会話 AI プラットフォームの開発、提供

株式会社リベルスカイ

(連結子会社)

ソリューション事業

・Google技術を用いたデータ活用コンサル・AI導入・インテグレーション

株式会社DiceWorks

(連結子会社)

ソリューション事業

・マーケティングオートメーション導入のコンサルティング

(注)株式会社エノキは2021年10月1日付でアイフォーカス・ネットワーク株式会社から社名変更しております。

 

① ソリューション事業

 当社グループが展開するソリューション事業は、「クラウドコンサルティング」、「クラウドインテグレーション」、「クラウドERP」の3サービスを中心として提供しております。特に、「クラウドインテグレーション」は、当社が株式会社セールスフォース・ドットコム(株式会社セールスフォース・ジャパン)のパートナーとして創業して以来の継続事業であり、当社事業を牽引する構造となっております。

 なお、ソリューション事業の売上高及び前期比を示すと、以下のとおりであります。

決算期

第14期

第15期

第16期

売上高(千円)

7,614,913

9,579,541

11,159,929

前期比(%)

141.1

125.8

116.5

 

・クラウドコンサルティング

 クラウドインテグレーションにおける豊富な実績と培われた知見をベースに、新たなソリューションサービスとして、提供しております。顧客企業のクラウドシステム開発計画段階から、当社グループのコンサルタントが参画し、単なる提案(システムデザイン)に留まらず、導入後の計画・教育までを含めた包括的ソリューションを顧客企業の業務改善・コスト削減といった観点から、提案・実行をしております。具体的には、最適なクラウドサービスの選定、場合によっては複数のクラウド、オンプレミスとの連携といった、各プラットフォームの適材適所を組み合わせた「ハイブリッド・クラウドソリューション」を提案し、顧客満足度の高いクラウドシステムを実現することで、顧客企業の業務改善、コスト削減に貢献しております。

 

・クラウドインテグレーション

 当社は、創業時よりクラウド、その中でもSalesforceに特化したクラウドインテグレーター(CIer(注4))として顧客企業に対して、Salesforceの導入支援及びクラウドシステム構築を行っております。現在までに、大手金融機関、大手損保グループをはじめ、様々な業種・業態の顧客企業のクラウドシステムの構築実績によるノウハウ及びエンジニアの稼働効率を意識したプロジェクトマネジメントにより、顧客企業への短期間でのクラウドシステムの導入を可能としており、株式会社セールスフォース・ジャパンにより認定された国内トップレベルであるエンジニア数(注5)をバックグラウンドに、大規模かつ複雑なクラウドシステムの案件であっても対応が可能となっております。

 連結子会社の株式会社BeeXは、SAPをクラウドに乗せ換えるクラウドマイグレーション、Salesforceと連携したAWS開発を行っており、AWSクラウド領域における特徴的なコンサルティング、インテグレーション事業を行っております。また、新たに設立した連結子会社の株式会社リベルスカイではGoogleクラウドの特性を生かしたコンサルティングや導入を行っていくなど、当社グループ内連携によるマルチクラウド対応を可能にしております。

 

・クラウドERP

 クラウドコンサルティング、クラウドインテグレーションがソリューション事業の中核であるのに対し、クラウドERPは、クラウドにおける新たな市場の創造が見込めるサービスとして、注力しているサービスであります。

 クラウドERPは、生産管理ERPのソリューションを提供してきた富士通株式会社の「GLOVIA」のノウハウを、Force.comの持つクラウドプラットフォームとして、クラウド型ERP(SaaS(注6))として提供されている「GLOVIA OM」を利用し、基幹業務システムをクラウド上で構築、また、会計システムまでをワンストップで提供いたしております。従来のERPシステムと比べ、クラウドにおける特性を活かし、導入期間が非常に短期間であるため、素早い運用開始が可能となっております。

 

② 製品事業

 当社グループは、SaaSベンダーとして、「SkyVisualEditor」、「DataSpider Cloud」といった、クラウドサービスの開発・提供を行っており、国内のみならず、海外においても、製品販売を展開しております。上記の製品の概要は、以下のとおりであります。

 

・「SkyVisualEditor」

 「SkyVisualEditor」は、Salesforceの画面をユーザ自身がマウスのドラッグ&ドロップだけ(プログラムレス)で、自由にデザインできるクラウドサービスであり、Salesforce上のAppExchange(注7)において、利用が可能になっております。

 従来、Salesforceの画面は決められたレイアウト機能の中で作成するか、SIer(注8)などへ時間やコストをかけて開発依頼することが一般的でありました。「SkyVisualEditor」は、SIerに頼らない、ノンプログラミングでエンドユーザコンピューティングを実現することで、ユーザ目線での画面開発を可能としております。

 また、画面開発ニーズが高い画面につきましては、テンプレートを用意することで、容易な画面デザインを可能としております。そのため、Salesforceをもっと使いやすくしたい顧客企業のみならず、スピード感のある提案導入を実現したいシステム開発会社様にとっても有用なツールとなっております。

 「SkyVisualEditor」及びその関連の国内における売上金額及び前期比は、以下のとおりであります。

製品名

決算期

第14期

第15期

第16期

SkyVisualEditor

売上高(千円)

338,735

355,848

383,724

前期比(%)

105.2

105.0

107.8

 

・「DataSpider Cloud」

 「DataSpider Cloud」は、SaaS型のデータ連携サービスで、Salesforce及びAWSのみならず、Windows Azure、Google Cloud Platformといった複数のクラウドと顧客企業の基幹システム間のシステム連携や、異なるクラウド同士のデータ連携を、クラウド上でユーザ自身がドラッグ&ドロップで簡単に設定できるクラウドサービスであります。クラウドのメリットとして、すぐに利用を開始することができる点が挙げられますが、「DataSpider Cloud」は、社内システム等とのデータの連携を個別開発することなく、シンプルにデータの連携を開発、修正することを可能としております。なお、本製品については、株式会社セゾン情報システムズと共同開発、販売しております。

 「DataSpider Cloud」の特長としては、以下のようなものがあります。

・豊富な接続先に対応:SalesforceやAWSのほか、Excelなどのファイルなどと簡単に連携できるアダプタ(注9)を豊富に備えています。また、クラウドならではのエラーを適切に処理できる機構を備えており、エラーが起きるような場合には、一定間隔でリトライを繰り返すことにより、エラーを回避することが可能となっております。

・連携処理状況の確認:連携ジョブ状況をSalesforce上で確認・閲覧することを目的としたLog Manager for SalesforceアプリケーションをSalesforceにインストールすることにより、ジョブ情報をSalesforce上で確認することが可能となっており、システム管理者にとって、有用な機能となっております。

・大容量データ対応:処理データを一定の単位で分割し並列処理を行うことでパフォーマンス向上を図るパラレルストリーミング機能と、メモリを効率良く使用するための機構を有することで、大容量データの連携に対応しています。

 なお、「SkyOnDemand」は2021年9月にサービスを終了し、「DataSpider Cloud」に統合されました。

「DataSpider Cloud」及び「SkyOnDemand」及びその関連の売上金額及び前期比は、以下のとおりであります。

製品名

決算期

第14期

第15期

第16期

「DataSpider Cloud」(「SkyOnDemand」)

売上高(千円)

1,016,180

813,943

566,882

前期比(%)

206.4

80.0

69.6

 

・「mitoco(ミトコ)」

 「mitoco(ミトコ)」は、2016年7月にリリースした、クラウドネイティブで開発された次世代型グループウェア製品です。Salesforceをプラットフォームとするため、カスタムアプリを手軽に追加でき、堅牢なセキュリティが標準搭載。コミュニケーションの範囲を社外ユーザにも拡張できるコラボレーションを実現。操作性がよく洗練されたモバイルアプリを標準提供。IoTデバイスや外部クラウドストレージなどと連携が可能なため、人だけでなくモノ、コトにもコミュニケーションの範囲を拡張できます。

 

・その他の製品事業における活動

 株式会社セールスフォース・ジャパンと販売パートナー契約を締結しており、Salesforceのライセンス販売も行っております。

 また、クラウド上ではなく、オンプレミス(サーバ上にインストールして利用)による連携ツール「DCSpider」(株式会社セゾン情報システムズが開発した「DataSpider」を当社がOEM化)の提供も行っております。

 SalesforceとLINEの法人向けサービス「LINE公式アカウント」を連携し、LINEを使ったマーケティングやカスタマーサービスをSalesforceで一元管理できるサービス「OMLINE」(オムリン)の開発・提供を行っております。

 クラウドサイン Salesforce版など、他社製品のSalesforce版の連携開発を支援するとともに販売を行っております。

 なお、当社の製品事業においては、製品の提供のみにとどまらず、顧客企業のニーズに合わせ、保守サービスについても提供を行っております。

 

※用語解説

(注1)ERP:「Enterprise Resource Planning」の略であり、企業の持つ様々な資源(人材、資金、設備、資材、情報など)を統合的に管理・配分し、業務の効率化や経営の全体最適を目指す手法。また、そのために導入・利用される統合型(業務横断型)業務ソフトウェアパッケージ(ERPパッケージ)のことです。

(注2)MSP:「Management Service Provider」の略で、企業が保有するサーバやネットワークの運用・監視・保守などを請け負う事業者のこと。システムがサービスを適切に提供できる状態になっているかどうかを定期的に確認し、不具合が発見されると復旧作業を行います。

(注3)AWS:「Amazon Web Services」の略語。米国Amazon社が企業を対象にウェブサービスという形態でITインフラストラクチャのサービス(IaaS(注10))を提供しています。クラウドの拡張性ある低コストのインフラストラクチャプラットフォームであり、世界190ヵ国の数十万に及ぶビジネスを駆動しています。

(注4)CIer:クラウドに特化したシステムインテグレーターの総称であります。

(注5)2022年3月1日現在、資格者数は以下のとおりであります。

出典:Salesforce 認定資格

(http://www.salesforce.com/jp/services-training/education-services/certification/)

名称

国内における順位

在籍者数

Salesforce MVP

1位

国内で16名中3名在籍

認定テクニカルアーキテクト

1位

国内で17名中6名在籍

認定 Platform デベロッパー

2位

182名

認定上級 Platform デベロッパー

2位

38名

認定 Platform アプリケーションビルダー

2位

260名

認定 Data アーキテクト

1位

57名

認定 Sharing and Visibility アーキテクト

2位

60名

認定アプリケーションアーキテクト

1位

51名

認定アドミニストレーター

2位

338名

認定 Sales Cloud コンサルタント

2位

173名

認定 Service Cloud コンサルタント

2位

154名

認定 JavaScript デベロッパー

1位

14名

(注6)SaaS:「Software as a Service」の頭文字を取った略語。これまでパッケージ製品として提供されていたソフトウェアを、インターネット経由でサービスとして提供・利用する形態であります。

(注7)AppExchange:世界初のオンデマンドアプリケーション共有サービス。salesforce.comのAppExchangeプラットフォームで開発されたアプリケーションを参照、テストドライブ、共有、およびインストールできます。

(注8)SIer:システムインテグレーターの総称であります。

(注9)アダプタ:異なるデータ形式やシステム間の連携を実現する機構の総称であります。

(注10)IaaS:「Infrastructure as a Service」の略語。情報システムの稼動に必要な仮想サーバをはじめとした機材やネットワークなどのインフラを、インターネット上のサービスとして提供する形態であります。

 

[事業系統図]

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(注)株式会社エノキは2021年10月1日付でアイフォーカス・ネットワーク株式会社から社名変更しております。

 

 

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