(1)経営方針
当社グループは、「ITサービスで企業の成長を継続的に支援します」という企業ビジョンを掲げております。私達は、ITサービスを通じてデジタル化を継続的に推進し、企業の成長と、そこで働く人々の幸せに貢献してまいります。さらに、行動指針として以下の「経営理念」を掲げ、企業ビジョンの達成を目指しております。
(経営理念)
「応える」 ラクスはお客様の期待に120%応えます。
私達はロイヤリティの高い顧客層を作り出すことが経営の安定につながると考えます。お客様との良好な関係を長期にわたって構築するために、お客様の期待に応えてまいります。
「育成する」 ラクスは結果が出せる人財を育成します。
私達は一人一人の成長が会社の成長につながると考えます。実務に通用する知識を体系的に付与し、チャレンジできる場を積極的に提供します。
「改善する」 ラクスは日々その活動を改善します。
私達はITビジネスにおける優位性は改善によって生まれると考えます。一つ一つによる差異は小さくとも、それが積み重なったときには他社が決して追いつくことができない絶大な競争力となります。
「偽らない」 ラクスはステークホルダーに対して偽りません。
私達は常に真摯な態度で向き合うことが継続的に会社を発展させるために不可欠だと考えます。お客様・株主・社員全てに対して誠実な会社運営を行います。
「進化する」 ラクスは変化の予兆を読み取り柔軟に進化します。
私達は企業の永続的な発展のためには環境の変化への柔軟な適応が不可欠だと考えます。新市場への参入や既存市場からの撤退も恐れません。
(2)経営戦略等
成長サービスへの集中・強化を進め、「ITサービスで企業の成長を継続的に支援します」という当社グループの企業ビジョンを実現してまいります。
当社グループが競争力を高め、持続的な成長を実現するための施策として、当社の成長を牽引している「楽楽精算」と「楽楽明細」にリソースを重点的に配分し、その他のサービスについては競争優位性と市場の可能性を勘案し、利益貢献を重視しながら適切にリソースを配分することで、当社グループの成長スピードの加速を目指してまいります。
足元では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大が落ち着きを取り戻すまでは新規受注の落ち込みも懸念されますが、デジタルトランスフォーメーションによる業務効率化を推進する流れは変わらないと判断しており、経営戦略等の見直しは行っておりません。
(3)経営環境
当社が所属する情報通信サービス市場においては、人手不足や働き方改革の影響からデジタルトランスフォーメーションによる業務効率化を推進する企業が増加する等、IT投資への意欲は引き続き旺盛に推移しております。
クラウド事業においては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大が落ち着きを取り戻すまでは、短期的には新規受注に影響を受ける可能性がありますが、中長期的にはリモートワークへの備えとして、紙で行っている業務の電子化(デジタルトランスフォーメーション)が加速すると見ております。
IT人材事業においては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大が落ち着きを取り戻すまでは、短期的には業績に影響を受ける可能性がありますが、中長期的には慢性的に不足するITエンジニアへの需要は旺盛であり、先行きの見通しは明るいものと見ております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
インターネットは経済活動を支えるインフラとして不可欠なものとなっており、当社グループが提供しているクラウドサービス及びITエンジニア派遣サービスは今後も需要が拡大するものと予測されますが、競合他社との競争は厳しさを増すものと認識しております。
当社グループの更なる成長を実現するため、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。
① 成長サービスへの集中・強化
クラウドサービス市場は、今後も規模が拡大すると予測されておりますが、一方で新規参入、サービスの飽和、価格の下落が進むものと考えております。
当社グループは今後も継続的に事業を拡大するため経営資源を成長サービスに集中させ、それぞれの分野において一定の市場シェアを獲得することで収益の拡大に努めてまいります。
② 認知度の向上
当社グループはこれまでインターネットやテレビ、雑誌への広告の掲載、展示会への出展や販売代理店を通じて顧客を獲得してまいりました。提供する各サービスの顧客数を拡大し、企業価値の向上を実現するには当社及びサービス名の認知度の向上が不可欠であると考えております。
引続き費用対効果を見極めながら、インターネットやテレビ、雑誌などマスメディアの活用に加え、展示会への出展を通じて、更なる認知度の向上に努めてまいります。
③ 営業力の強化
クラウド事業では、東京・大阪・名古屋・福岡の4拠点で営業活動を行っており、今後も既存顧客及び新規顧客の期待に応えるために営業人員を増員し営業力を強化するとともに、パートナー企業や販売代理店との連携を強化することにより販路の拡大も図ってまいります。
また、既存顧客に対しても、当社グループの他のサービスを追加で提案していく販売アプローチを進め収益機会の最大化に努めてまいります。
IT人材事業は、派遣先での業務を通じてITエンジニアのキャリアアップを行い、提供するサービスの高付加価値化を行う事業であり、多くの案件を常に確保し、ITエンジニアの成長機会を提供することが不可欠であります。そのため営業担当者が顧客のニーズを引き出し、最適なマッチングを行うことで継続的な案件確保に努めてまいります。
④ 開発力の強化
クラウドサービス市場においてサービスの機能優位性を維持していくためには機能の改善・追加をスピーディーかつ継続的に実施していく必要があります。
当社グループでは、従来の国内開発に加え、オフショア開発の導入、ベトナムに開発拠点を設立する等開発リソースの確保に注力してまいりました。今後も国内外を問わず開発力の強化に努めてまいります。
⑤ マーケティングの強化
現在クラウド事業において行っているマーケティング戦略は、時間とともに陳腐化する可能性があります。そのため新たなマーケティング手法を取り入れ、得られたデータを分析し販売力の強化に努めてまいります。
⑥ サービスラインナップの強化
当社グループは、法人向けに業務効率化に貢献するクラウドサービスとして、多様なサービスを提供するサービスポートフォリオ管理を特色としております。
サービスラインナップを拡充させることで、主力サービス(交通費・経費精算システム「楽楽精算」と、問い合わせメール共有・一元管理システム「メールディーラー」)への依存度を低下させるとともに、今後さらに事業規模を拡大していく上では、規模が大きくなる可能性が高いと推定する市場での事業拡大を実現することが重要であると認識しており、柔軟な組織体制を構築し、より専門性の高いチーム編成を行うことで、サービスラインナップ強化を進めてまいります。
⑦ 人材の確保
当社グループの成長のためには優秀な人材を数多く確保することが不可欠であります。そのため積極的な採用活動を継続することはもちろんのこと、労働市場において知名度の向上を図り採用力の向上に努めてまいります。
⑧ システムの安定性の確保
当社グループは、インターネット上で顧客にサービスを提供しており、システムの安定稼働の確保は必要不可欠であります。安定してサービスを提供していくため顧客の増加に合わせたサーバーの増設等の設備投資を継続的に行い、システムの安定性の確保に努めてまいります。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは1株当たり利益(EPS)の持続的成長を最重要指標として掲げております。1株当たり利益(EPS)を中長期で大きく伸長させていくために、成長投資を強化して売上高の拡大を目指してまいります。
成長投資強化期間においては、高い売上高成長を優先するため、営業利益率は低い水準で推移することになりますが、最終年度においては、翌年度以降の成長に必要な投資は行いながらも効率化を追求し、高い営業利益率を実現することで、1株当たり利益(EPS)の持続的伸長を目指してまいります。
なお、中期経営目標数値は以下の通りです。
・5カ年の売上高 : CAGR(年平均成長率)25%~30%
・2026年3月期 当期純利益 : 100億円以上
・2026年3月期 純資産 : 200億円以上
売上高CAGRにつきましては、足元の数値を踏まえ、下限を26%に引き上げます。
見直し後の、中期経営目標数値は以下の通りです。
・5カ年の売上高 : CAGR(年平均成長率)26%~30%
(最終年度に近づくに従って、蓋然性の高いレンジ幅に適宜数値を見直します)
・2026年3月期 当期純利益 : 100億円以上
・2026年3月期 純資産 : 200億円以上
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