(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大防止対策と社会経済活動との両立が図られる中、各種政策の効果や海外経済の改善もあって持ち直しの動きがみられましたが、新たな変異株などにより新型コロナウイルスの感染拡大は未だ収束の見通しは立っておらず、ウクライナ情勢の悪化に伴う原油価格の上昇や金融資本市場の変動もあり、依然として先行きが不透明な状況が続いております。
海外旅行市場に関しては、新型コロナウイルス感染拡大による各国での海外渡航制限や我が国での水際対策等の規制が継続したことにより、旅行需要は著しく低い水準で推移しました。また、国内旅行市場に関しても、感染拡大による影響が続いており、感染拡大前に比べ旅行需要は大きく減少した状態が続いております。(出所:観光庁「主要旅行業者の旅行取扱状況速報」)
このような状況のもと、当社の旅行関連事業におきましては、海外渡航時の入国・帰国制限等の措置に関する情報や各都道府県の旅行補助施策「県民割(地域観光事業支援)」等の旅行割引施策に関する情報の掲載など、新しい環境下における消費者のニーズへの対応を迅速に行ったほか、将来の旅行需要の回復を見据え、ユーザー利便性向上のための積極的なシステム開発を進めてまいりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,327,733千円減少し、5,368,341千円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ204,861千円減少し、280,975千円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,122,871千円減少し、5,087,365千円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高1,201,541千円(前期比7.0%増)、営業損失653,602千円(前期は772,113千円の営業損失)、経常損失541,434千円(前期は708,722千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失544,801千円(前期は652,160千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
なお、当社グループの報告セグメントは単一セグメントであるため、セグメントの業績については記載を省略しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の残高は、前連結会計年度末より100,464千円増加し、3,018,844千円(前年同期比3.4%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果増加した資金は117,731千円(前連結会計年度は1,154,221千円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失541,434千円の減少要因と、法人税等の還付452,598千円及びその他164,677千円などの増加要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果減少した資金は17,101千円(前連結会計年度は1,578,067千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出16,219千円の減少要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果減少した資金は165千円(前連結会計年度は発生なし)となりました。これは、自己株式の取得による支出165千円であります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループの報告セグメントは単一セグメントであるため、生産、受注及び販売の実績については、セグメント情報に代えて事業部門ごとに記載しております。
a.生産実績
当社グループは、生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
b.受注実績
当社グループでは概ね受注から役務提供開始までの期間が短いため、受注実績に関する記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
事業部門別の名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
|
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
旅行関連事業 |
1,181,009 |
107.2 |
その他の事業 |
20,531 |
97.2 |
合計 |
1,201,541 |
107.0 |
(注)1.当社グループは単一セグメントであるためセグメント情報の記載を省略しております。
2.最近2連結会計年度において、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
株式会社さくらトラベル |
179,342 |
16.0 |
325,712 |
27.1 |
楽天グループ株式会社 |
118,900 |
10.6 |
145,167 |
12.1 |
3.「楽天株式会社」は、2021年4月1日付で「楽天グループ株式会社」に商号変更しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における総資産は、5,368,341千円(前連結会計年度末は6,696,074千円)となり、1,327,733千円減少しました。
流動資産は、3,274,096千円(前連結会計年度末は3,706,665千円)となり、432,568千円減少しました。これは主に、現金及び預金が100,464千円増加したものの、未収還付法人税等が461,603千円、その他の流動資産が107,399千円減少したことによるものであります。
固定資産は、2,094,244千円(前連結会計年度末は2,989,409千円)となり、895,164千円減少しました。これは主に、投資有価証券が840,040千円減少したことによるものであります。
(負債合計)
当連結会計年度末における負債は、280,975千円(前連結会計年度末は485,837千円)となり、204,861千円減少しました。
流動負債は、171,281千円(前連結会計年度末は117,433千円)となり、53,847千円増加しました。これは主に、その他の流動負債が34,466千円増加したことによるものであります。
固定負債は、109,694千円(前連結会計年度末は368,403千円)となり、258,708千円減少しました。これは主に、繰延税金負債が257,798千円減少したことによるものであります。
(純資産合計)
当連結会計年度末における純資産は、5,087,365千円(前連結会計年度末は6,210,237千円)となり、1,122,871千円減少しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失544,801千円を計上したことに加え、その他有価証券評価差額金が582,819千円減少したことによるものであります。
2)経営成績
(売上高)
売上高は、1,201,541千円(前連結会計年度比7.0%増)となりました。前期と同様に新型コロナ感染拡大の影響を受けましたが 前期と比較して増収で着地しました。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、662,134千円(前連結会計年度比2.3%増)となりました。
この結果、売上総利益は539,406千円(前連結会計年度比13.6%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、1,193,008千円(前連結会計年度比4.3%減)となりました。主な要因は、経費削減に努めたことによるものであります。
この結果、営業損失は653,602千円(前期は772,113千円の営業損失)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
営業外収益は112,167千円(前連結会計年度比76.9%増)となりました。主な要因は、助成金収入の増加によるものであります。
この結果、経常損失は541,434千円(前期は708,722千円の経常損失)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税等は、3,366千円(前期は△56,561千円)となりました。主な要因は、前期に法人税等還付税額の計上があったものの、当期は法人税等還付税額の計上がなかったことによるものであります。
この結果、親会社株主に帰属する当期純損失は544,801千円(前期は652,160千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、事業運営体制、システム等様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
c.目標とする経営指標
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等」で述べましたとおり、当社グループでは、売上高及び営業利益を重要な指標としております。当連結会計年度における売上高は1,201,541千円(前連結会計年度比7.0%増)であり、営業損失は653,602千円となりました。
引き続きこれらの指標の改善について取り組んでまいります。
d.資本の財源及び資金の流動性
資金需要
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金及び固定資産への投資資金であります。運転資金のうち主なものは、システムの開発・運用に係る労務費等の原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。営業費用のうち主なものは、広告宣伝費及び人件費であります。
財務政策
当社グループの運転資金及び設備投資資金などの資金需要につきましては、自己資金で賄っております。
②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
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