文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、経営理念として掲げた『“人”と“技術”を新しい時代のために』及びビジョンとして掲げた『人々や企業から最も信頼される存在を目指して』の実現のために、全役員及び従業員が法令及び定款を遵守しながら事業を遂行してまいります。
(2)経営戦略等
当社グループは、プラットフォーム事業、セールスフォース事業、メディア事業、リクルーティング事業及びシェアリングビジネス事業の5つの事業を営んでおり、これらの事業を拡大させることが、当社の更なる成長と発展を遂げるために必要であると認識しております。並行して、新サービス分野における他社との事業・資本提携を推進してまいります。
プラットフォーム事業及びセールスフォース事業では、サービスデリバリ・サポートでのクラウド・インテグレーション案件でノウハウを蓄積し、ソフトウェア部品の販売による利益率改善を目指してまいります。プロダクト・ディベロップメントにおいては、Salesforce.com社、Amazon社及びGoogle社との提携関係を活かした製品開発を継続し、IoTやBigData、AIを活用した次世代のソフトウェア企業と資本・事業提携を行ってまいります。また、プロダクト開発への投資が奏功しなかった結果、システム投資が嵩み業績が悪化しておりましたが、2020年3月期より方向転換を行い、プロダクト開発を終了しクラウド型アプリケーション導入支援という本業に回帰することで、業績改善を図っております。
メディア事業では、「キャリコネ」プラットフォーム上のサービス機能の充実を図り「キャリコネ」の訪問者数、登録者数を増加させるとともに、各種既存運営メディアの人材業界の周辺領域における企業の販促ニーズを新たに捉え、既存メディアの機能提供によって収益機会を拡大し、持続的な成長を目指してまいります。
リクルーティング事業では、メディア事業内の連携により、求職者及び求人開拓の費用を抑制しながら、大企業へのDX促進を支援する企業(外資系ソフトウェア企業、戦略及びITコンサルティング企業、システム開発企業等)への有料職業紹介を通じて、持続的な成長を目指してまいります。
シェアリングビジネス事業は、CtoC向けサービス及びシェアリング・エコノミー型サービスを展開する株式会社タイムチケットが運営するTimeTicket(タイムチケット)及びスイスZug州のTimeTicket GmbHが対象セグメントです。タイムチケットは、個人が空き時間を売買するサービスとなります。2019年7月から法人と個人間で個人の時間を販売できるサービスとなるTimeTicket Pro(タイムチケットプロ)を開始いたしました。2019年6月にタイムチケット事業を分社化し、2019年6月、8月、11月、2020年5月、11月及び2021年2月の第三者割当増資により総額478,006千円を調達しております。タイムチケットにおいては、ユーザー数増加及びサービス利用の活性化に重点を置いており、広告宣伝費の投資及びシステム改修を行っております。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、継続的な成長と収益力の向上に努め、時価総額の拡大を目指してまいります。主な経営指標として営業利益及び経常利益の中長期的な成長を重視しております。
(4)経営環境
当社グループを取り巻く経営環境において、インターネット関連市場につきましては、スマートフォンやタブレット端末の普及に伴い、インターネット利用人口の拡大が続いております。また、クラウド市場につきましては、企業が進める働き方改革や、オムニチャネル等のデジタル変革に伴うIT投資によって堅調に推移しております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①「キャリコネ」のデータベースを活かした新規事業等について
当社グループのメディア事業におきましては、現在、企業の口コミや求人情報等、求職者への「職探し」に関する情報提供を軸とする「キャリコネ」の運営を行っております。今後も訪問者数、登録者数増加のための施策を行い、口コミを蓄積させることによって、求職者だけではなく、求人企業にとって採用ブランディング等で利用価値のあるサイトへの成長を目指してまいります。また、「キャリコネ」の中心利用者はM1層(20~34歳の男性)とF1層(20~34歳の女性)となっており、今後これらのターゲット層のニーズを詳細に分析し、ライフイベントに関連したサービス展開を予定しております。
②新規受注と新規領域への拡大について
当社グループのプラットフォーム事業では、開発受託案件の継続拡大を目指しつつ、リカーリング/マネージドサービス(セキュリティーサービス、コールセンターソリューション)の立ち上げにより新規受注を拡大し、大きくビジネスを拡大していく予定です。
当社グループのセールスフォース事業では、コアサービスのご支援を継続拡大しつつ、セールスフォースソリューションの新規領域(Commerce,MuleSoft,Industry Cloudなど)に対する取り組みを強化することにより新規受注を拡大し、大きくビジネスを拡大していく予定です。
③情報管理体制の強化について
当社グループのメディア事業では、会員情報を含む個人情報を保有しており、リクルーティング事業では、求職者の個人情報を保有しており、ビジネスアプリケーション事業及びセールスフォース事業におきましては、クライアントの業務用ソフトウェアの運営において顧客情報等を取り扱っております。これらの情報につきましては、社内規程の厳格な運用、定期的な社内教育の実施、システム環境の整備などを行うことで厳密に管理しておりますが、今後も重要な課題のひとつとして認識し、管理体制の強化に取り組んでまいります。
④コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の強化について
当社グループの事業の継続的な発展を実現させるためには、コーポレート・ガバナンス機能の更なる強化が重要な課題であると認識しております。また、経営の公正性・透明性を確保するため、業務運営の効率化やリスク管理の強化など内部管理体制の強化に取り組んでまいります。
⑤人材の確保と教育について
当社グループが持続的に成長するためには、有能な人材の確保が重要であると考え、専門性を有する人材の確保及び教育に注力してまいります。また、幅広い人材採用活動を行っていくほか、OJT、社内教育等による従業員のレベルアップを進めてまいります。
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