課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、「お客様の満足」「利益の確保」「株主への還元」の三つのバランスを取りつつ、同時に充足させることが必要と考え、経営に取り組んでおります。

 当社グループは創業以来、生産物を全国に安心・安全・適正な形でお届けするために必要な製品を開発し、提供していくことで、社会に貢献することを目指してきました。そのためには、顧客満足の向上と同時に、従業員はもとより、お取引先、株主・投資家、そして地域社会の皆さまと良好な関係を構築していくことが重要であると認識しております。

 また、当社グループは、取り巻く経営環境が大きく変化するなか、持続的な成長を目指すべく、2022年に新たに企業理念を制定いたしました。当社が、重包装袋の製造販売会社として、長年の経験と技術開発力を活かし、安心・安全な製品を提供し続けることで、物流という社会基盤を支えるとともに、当社グループは常に時代の要請に敏感な企業集団として、環境の保全に対応した製品開発活動で、クリーンで豊かな社会の維持向上に貢献してまいります。

新しい企業理念、ミッション、ビジョン、バリュー、行動指針は以下のとおりであります。

●新しい企業理念

「お客様からお客様へ、安心で豊かな未来を願い包装の“カタチ”を創り続ける」

●ミッション(使命)

「安心・安全な製品を、安定供給することで物流という社会基盤を支える」

●ビジョン(目指す未来)

「お客様と社会の様々なニーズに応える最適な製品を開発、製造、納入できる体制を整備し、豊かな未来をクリエイトする」

●バリュー(約束する価値)

 ①信頼の供給力

 ②確かな品質

 ③新しい提案力

 ④環境に対応する力

 ⑤誠実な経営

●行動指針

①課題解決に向けスピードをもって実践する

②あらゆる可能性を粘り強く探求する

 ③お客様と仲間に尊敬と感謝の心を持ち、ともに成長していく

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

 当社は、2022年度を初年度とする中期経営計画「PAXXS Vision-2030」を策定いたしました。計画は2段階の構想とし、段階的に取り組むべき経営課題に向き合い、解決していくことを想定しています。1stSTAGE(2022~2026年度)では喫緊の課題へリソースを注ぎ、企業運営基盤の整備と意識改革を推進します。また、開発体制、生産設備、人への投資を積極的に行ない、持続的成長と企業価値の向上を目指します。2ndSTAGE(2027~2030年度)では1stSTAGEでの取組みを着実に推進して、製品・サービスを拡充させ顧客満足度を高めます。さらに次のSTAGEへ向けて新しい価値の創造・投資に取り組んでまいります。

 

中期経営計画「PAXXS Vision-2030」

 「ニーズをカタチに」:お客様が満足される製品を開発・供給する

 「品質の追求を」:いつも安心・安全な品質を素早くお届けする

 「仕事に自信を」:“働くことの満足感”を得られる職場環境づくり

 

 重包装分野では、得意とする合成樹脂分野をはじめ各分野で、時代の趨勢にあった生産・販売体制、即ちAI・画像センサーによる品質管理システムや、新しい顧客ニーズに素早く対応できる営業体制の構築でシェア拡大を図り、フィルム分野では、産業用フィルム、農業用フィルムの両面で機能開発、用途開発を行って販売活動を更に推し進めるなど、現有事業の強化拡大に努めてまいります。同時に、物流および包装に係る新製品開発・新市場創造および新事業進出に積極的に取り組んで新たな成長を図ります。

 お客様の新たなニーズに「最適な包装のカタチ」でお応えすることで、持続可能な社会に貢献を続ける100年企業を目指します。

 

(3)経営環境

 当社グループの事業は産業用包装資材の製造・販売であり、当社グループの収益は、大口顧客である素材産業や農水産業の生産高の増減、ひいては景気の動向に大きく左右されます。世界経済が新型コロナウィルス感染症流行による落ち込みから回復に向かったものの、供給体制の復旧が遅れたために、原油価格の高騰に始まって資源価格全般が値上がりし、サプライチェーンの混乱で部材供給にも支障が出ました。当社グループにおいてもレジン関連を中心に原材料が値上がりしました。そこに2022年に入ってウクライナ情勢激変による供給不安が加わり、資源価格はさらに騰勢を強めています。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 優先的に対処すべき事業上の課題は、原材料値上がりへの対応です。世界的に資源価格が騰勢を強める中にあって、当社グループもレジン関連にとどまらず、クラフト紙、副資材すべての原材料の価格が相当に上昇することを覚悟せざるを得ません。当社グループの主要製品は産業の基本素材や農業分野に不可欠な包装資材であり、需要に応えた供給を第一に、製造コストをマネージしつつも、お客様の理解も得ながら売上、利益の確保に努めてまいります。

 財務上の課題は、設備導入・更新やリスク対応に必要な資金を投じながらも、健全な財務体質を保ち続けることです。また、スタンダード市場に上場する企業として、コーポレートガバナンスコードを踏まえガバナンスを強化して、「お客様からお客様へ、安心で豊かな未来を願い包装の“カタチ”を創り続ける」を企業理念とし、100周年の未来につなげてまいります。

 

(5)目標とする経営指標

 経営指標としては、1株当たり当期純利益(EPS)、株主資本利益率(ROE)を重視して経営にあたっております。過去の実績は、EPSが260.07円(2019年3月期)、233.24円(2020年3月期)、202.93円(2021年3月期)、ROEが7.5%(2019年3月期)、6.5%(2020年3月期)、5.2%(2021年3月期)でした。当期のEPSは248.24円、ROEは5.8%でどちらも前期を上回りました。

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