文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「成長機会を創り出し、人と組織の可能性を最大化する」を経営理念に掲げ、法人営業領域(BtoB)において年間1,500社以上、累計約4,000社の企業を支援してきました。今後もより多くの組織や個人が成長できる機会を作るべく、そして、私達自身も成長していくために、「『働く』を変える」というビジョンを現実のものとするべく、世の中に大きな影響を与えていきたいと考えております。
(2)経営戦略等
当社グループは、創業以来培ってきた営業、マーケティング、そしてテクノロジーのノウハウを活用して、「法人営業の新しいスタイルを創造する」事業の拡大に取り組んでまいりました。引き続き既存事業の規模の拡大に取り組むと同時に、法人営業の枠を超えて、より多くの働く人に感動と成長の機会を提供していきたいと考えております。この戦略を実現するために、2016年12月に実施した公募増資、2020年7月及び2022年4月に実施した第三者割当増資により得られた資金、顧客資産及びノウハウを積極的に活用し、事業内容の多様化と収益基盤の拡大及び認知度の向上を推進してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、より高い成長性を確保する観点から「売上高」の伸び率において各事業が属する市場全体の伸び率を上回ることを重視し、短期的な利益に固執し過ぎることなく中長期的な企業価値の向上を目指しております。
(4)経営環境
新型コロナウイルス感染症の拡大、収束の過程において、社会や経済の在り方が大きく変化していくことが予想され、企業活動においても在宅勤務を含む多様な働き方の拡大と、業務のデジタル化が加速していく契機となると考えられます。当社グループの事業領域においては、対面営業の自粛による新規顧客獲得機会の損失、顧客企業の広告宣伝費抑制等による売上高減少のリスクがあるものの、収束後の新しい企業活動に資するメディア並びにソリューション提供の一層の強化により、業容のさらなる拡大を見込んでおります。
① オンラインメディア事業
2021年の国内インターネット広告市場規模は前年比21.4%増、インターネット広告媒体費は同22.8%増(出典:株式会社電通「2021年 日本の広告費」)となり継続的な拡大基調にあり、企業における購買プロセスでインターネットの活用が急速に進んでいる状況にあります。新型コロナウイルス感染症の拡大は、これまで以上に企業活動におけるインターネットの活用を促すと考えられることから、インターネット広告市場の拡大基調は続くものと予測しております。また、テレワークやペーパーレスの拡大等、ワークスタイルの変革に向けたIT環境の整備が企業活動の継続のために急務となっており、テレワーク関連カテゴリー等における検索数の大幅な増加が当面は続くものと見込まれます。
このため、「ITトレンド」への掲載製品・サービス数の拡大を図るとともに、検索エンジンを中心とした集客の最適化、口コミ機能の拡張やユーザデータベース構築を推進することで、来訪者数と資料請求数の更なる増加を見込んでおります。
② ITソリューション事業
近年のデジタルマーケティングの手法の確立とともに、テレビや紙媒体などのマスマーケティングから、顧客ごとに最適なアプローチを行うOne to Oneマーケティングへの移行が進んでおります。マーケティングオートメーションにつきましても、「マーケティングオートメーション元年」と言われた2014年以降、急速に普及が進んでおり、国内統合型マーケティング支援ツール市場は引き続き大きな伸びが見込まれております。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、企業の営業活動におけるインターネットを活用したOne to Oneマーケティングの重要性は更に増してくるものと見込まれる一方で、短期的には競合関係が激化していることから堅実なアカウント数の増加を見込んでおります。
③ 金融プラットフォーム事業
証券営業の分野は、ITの活用による業務の効率化、デジタルマーケティングによるマーケットの拡大の余地がまだまだ大きいと認識しております。子会社の株式会社Innovation IFA Consultingを核として、既存のIFA事業にとどまらず、将来の金融周辺事業全般におけるITプラットフォーム化を見据えた事業展開を目指してまいります。
(5)会社の対処すべき課題
① 新型コロナウイルス感染症の影響および対応
世界規模での新型コロナウイルス感染症の拡大が続く中、当社グループでは対策本部を設置し、迅速な対応を進めてまいりました。緊急事態宣言下における外出自粛要請に対し、2020年3月よりグループ全体での在宅勤務、対面営業活動の自粛を徹底する中で、感染症拡大前の事業活動を維持するに留まらず、より効率化を実現した状態で事業活動を継続しております。また、収束後の新しい働き方の検討を進めており、労働環境の多様化に向けての社内情報システムの強化、各種規程の整備等に取り組んでおります。事業面においては、テレワークや社内業務のデジタル化への対応が急務となっている顧客企業への提供価値の維持と向上に努めてまいります。
② インターネット業界の変化への対応
当社グループが提供する法人営業を効率化する各種インターネットサービスは、認知度の向上に伴い今後も規模が拡大すると予想されますが、一方で新規参入、サービスの飽和、価格の下落、代替サービスの登場等も進むものと考えております。当社グループが今後も継続的に事業を拡大させていくためには、このような変化をいち早く捉え変化に対応するとともに、常に新しい付加価値を創造し続けることが必要であると考えております。このため当社グループでは、技術革新や顧客ニーズの変化にいち早く対応できる柔軟な経営判断及び組織運営を心がけるとともに、機能改善や新機能追加等を迅速かつ継続的に進められるよう、優秀な人材の採用や社内の育成環境の整備に積極的に取り組んでまいります。
③ 事業内容の多様化や新規事業による収益基盤の拡大
イ.技術革新及び顧客ニーズの変化への対応
当社グループのさらなる成長のためには、事業内容の多様化や新規事業への取り組みを進めていくことで収益基盤を拡大することが必要不可欠であると考えております。このため、技術革新及び顧客ニーズの変化をいち早く読み取り、事業内容の多様化及び新規事業に積極的に取り組んでまいります。
ロ.デジタル情報の有効活用
当社グループが提供する法人営業を効率化する各種インターネットサービスでは、見込み顧客の行動履歴等のデジタル情報が蓄積されております。これらの蓄積されたデジタル情報を活用することが事業内容の多様化や新規事業に必要不可欠であると考えております。このため、蓄積されたデジタル情報を個人情報を特定しない形式にてビッグデータ化し、それらの分析及び活用に積極的に取り組んでまいります。
④ 認知度の向上
当社グループは、これまでインターネットへの広告の掲載、展示会への出展等を通じて顧客を獲得してまいりました。提供する各種サービスの顧客の拡大、企業価値の向上を実現するには当社グループ及びサービスの認知度の向上も必要であると考えております。今後は、費用対効果を見極めながらインターネット、展示会及びマスメディア等も活用しさらなる認知度の向上に努めてまいります。
⑤ 開発力の強化
当社グループが提供する法人営業を効率化する各種インターネットサービスは、サービスの機能優位性及び販売価格を維持していくためには機能の改善や追加を迅速かつ継続的に実施していくことが必要であります。当社グループでは、国内自社開発リソースの確保に注力しており、今後も引き続き開発リソースの確保に努めてまいります。
⑥ 人材の確保と育成
当社グループのさらなる成長のためには、優秀な人材を数多く確保することが不可欠であります。そのため、新卒採用を中心に積極的な採用活動を継続することはもちろんのこと、労働市場における認知度の向上を図り採用力の向上に努めるとともに、人材に対する教育育成にも引き続き積極的に取り組んでまいります。
⑦ システムの安定性の確保
当社グループは、インターネット上で顧客にサービスを提供しておりシステムの安定稼動の確保は必要不可欠であります。そのため、安定してサービスを提供するため顧客の増加にあわせたサーバの増設等の設備投資を継続的に行うことはもちろん、新しいシステム稼働環境を創造していくことに取り組んでまいります。
⑧ 内部管理体制の強化について
当社グループは、企業価値の拡大を図る中でコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であると認識しております。業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な運用、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守を徹底しております。今後も、内部管理体制の整備、強化及び見直しを適切に行うとともに、法令遵守の徹底に努めてまいります。
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