(1) 業績等の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。
なお、当事業年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。
詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の影響を受け、個人・法人とも活動が大きく制限される中、ロシアのウクライナ侵攻による地政学リスクが顕在化するなど、先行きが極めて不透明な状況で推移しました。
当社が属する市場及び顧客においては、企業のシステム投資ニーズは安定しており、エンジニアの需要も高水準を維持しているものの、今後の状況は予断を許さないものと認識しております。
このような環境のもとで、当社は、主力製品であるクラウドERP「MA-EYES」について、需要動向を捉えた新機能の開発や、新規顧客獲得に向けた営業努力を重ねてまいりました。
この結果、当事業年度の業績は、売上高12億63百万円(前年同期比8.3%増)、営業利益1億54百万円(同27.5%増)、経常利益1億54百万円(同27.5%増)、当期純利益1億17百万円(同27.6%増)となりました。
セグメント毎の経営成績は、次のとおりであります。
(パッケージ事業)
新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け一時的に新規受注が減少した前期からの回復分、及び、既存ユーザーからの追加開発に関する受注や、保守料及びSaaS版の利用料が増加したことなどから、売上高は7億91百万円(前年同期比14.2%増)、セグメント利益は3億47百万円(同20.3%増)となりました。
(システムインテグレーション事業)
パッケージ事業の増収に伴い、一部エンジニアを本事業からパッケージ事業にシフトさせたこと、及び、不足したリソースを外部パートナーから調達し原価率が上昇したことなどから、売上高は4億73百万円(前年同期比0.4%減)、セグメント利益は1億8百万円(同12.3%減)となりました。
財政状態は、次のとおりであります。
当事業年度末の総資産は18億82百万円となり、前事業年度末に比べ1億62百万円増加いたしました。これは主に、当期純利益の計上に伴う現金及び預金の増加によるものであります。
当事業年度末の負債合計は4億49百万円となり、前事業年度末に比べ63百万円増加いたしました。これは主に、パッケージ事業の新規受注および保守やSaaS版利用料に係る契約負債(前受金)の増加によるものであります。
当事業年度末の純資産合計は14億33百万円となり、前事業年度末に比べ98百万円増加いたしました。これは主に、当期純利益の計上に伴う繰越利益剰余金の増加によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、税引前当期純利益が1億54百万円(前年同期比27.5%増)となったことおよび売上債権の減少等により、前事業年度末に比べ1億76百万円増加し、当事業年度末には15億96百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1億95百万円(同72.9%増)となりました。これは主に、税引前当期純利益の計上によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は0百万円(同80.0%減)となりました。これは、定期預金の預入と戻入によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は18百万円(同0.2%減)となりました。これは、配当金の支払額によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社のサービス提供の実績は、販売実績とほぼ一致しておりますので、生産実績に関しては販売実績の項をご参照ください。
b.受注実績
当事業年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2021年7月1日 至 2022年6月30日) |
|||
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
パッケージ事業 |
811,678 |
103.2 |
298,001 |
107.6 |
システムインテグレーション事業 |
509,900 |
108.5 |
120,081 |
145.0 |
合計 |
1,321,578 |
105.2 |
418,082 |
116.2 |
c.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2021年7月1日 至 2022年6月30日) |
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
パッケージ事業 |
790,639 |
114.2 |
システムインテグレーション事業 |
472,645 |
99.6 |
合計 |
1,263,284 |
108.3 |
(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりでありま
す。
相手先 |
前事業年度 (自 2020年7月1日 至 2021年6月30日) |
当事業年度 (自 2021年7月1日 至 2022年6月30日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
株式会社インターネットイニシアティブ |
146,863 |
12.6 |
162,615 |
12.9 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。この財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があると考えております。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討の内容
当社は、セグメント情報に記載した報告セグメントのうち、クラウドによる自社ERP提供を中心とするパッケージ事業を「重点事業」と位置付け、リソースを投入して拡大を図る方針としております。主に顧客企業先に常駐して開発を行うシステムインテグレーション事業につきましては「安定事業」と位置付け、併せてパッケージ事業へのリソースの供給源としての役割も持たせております。
当事業年度のパッケージ事業の売上高および利益が増加したことにつきましては、新型コロナウイルスの感染拡大を受け売上高が減少した前期からの回復分に加え、既存ユーザーからの追加開発に関する受注や、保守料およびSaaS版の利用料が増加したことが主な要因であると認識しております。
当事業年度のシステムインテグレーション事業の売上高および利益が減少したことにつきましては、前述のパッケージ事業の増収に伴い、一部エンジニアを本事業からパッケージ事業にシフトさせたこと、及び、不足したリソースを外部パートナーから調達し原価率が上昇したことによるものであると認識しております。
③経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、経営指標として、重要なリソースである社員技術者を効率的に配置し、売上・利益の極大化を目指す観点から“技術者稼働率”を重視しております。(技術者稼働率=稼働技術者数/総技術者数)
当事業年度の技術者稼働率は66.8%であり、前年度比で0.9%低下しました。これは、主に、政策的な観点から、次世代パッケージの開発のために研究開発プロジェクトに大きな工数を投入したことのよるものであると認識しております。
④資本の財源及び資金の流動性
当事業年度末の純資産合計は14億33百万円となり、前事業年度末に比べ98百万円増加いたしました。これは主に、当期純利益の計上に伴う繰越利益剰余金の増加によるものであります。
当事業年度末の現金及び預金の残高は、前事業年度末に比べ1億76百万円増加し、16億56百万円となりました。当事業年度末において有利子負債の残高はなく、当面の事業活動に必要となる資金の流動性は確保できているものと認識しております。また、近い将来において、重要な資本的支出の予定はありません。
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