(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は3,739,332千円となり、前連結会計年度末に比べ398,333千円増加いたしました。
これは主に、現金及び預金が280,378千円増加したこと等によるものであります。
固定資産は559,291千円となり、前連結会計年度末に比べ193千円減少いたしました。
これは主に、建物が14,294千円増加したものの、土地が21,000千円、のれんが8,830千円減少したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は1,451,442千円となり、前連結会計年度末に比べ125,836千円増加いたしました。
これは主に、短期借入金が100,000千円、未払消費税等が56,946千円増加したものの、買掛金が61,939千円減少したこと等によるものであります。
固定負債は295,847千円となり、前連結会計年度末に比べ8,338千円減少いたしました。
これは主に、長期借入金が55,000千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は2,551,334千円となり、前連結会計年度末に比べ280,641千円増加いたしました。
これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が278,680千円増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの変異株の流行が依然として続いているものの、経済活動の正常化が進んだことにより国内経済に回復の動きが見られました。しかしながら、ウクライナをめぐる国際的緊張の高まりが長期化し、エネルギー価格の高騰や世界的な物価の上昇、サプライチェーンの混乱等から、日本経済の先行きは不透明な見通しとなっています。
当社グループが属する情報サービス産業においては、経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査2022年6月分 確報」の情報サービス業の売上高合計は、前年同月比4.9%増と3か月連続の増加、「受注ソフトウェア」は、同6.3%増と3か月連続の増加となりました。
このような経済状況のなか当社グループは、新型コロナウイルスの流行に対応し、テレワークの実施やリモート会議の活用等により事業の継続に努め、一部プロジェクトの延期や遅延による受注の減少に対して、新規受注の獲得や、顧客からの信頼を獲得し、リスクが低く安定した収益が期待できるリピートオーダーの提案・受注に努めました。
それらの結果、社会情報インフラ・ソリューションの顧客からの受注が堅調に推移したことや、M&Aによる新規連結子会社の増加等が売上高増加の要因になりました。
また、採用抑制の解除にともなう教育・待機工数の増加や待遇改善による人件費の増加に加え、インドネシアのロックダウンに伴う、技術者の就業場所確保のためのホテル賃借料等の対応関連費用の計上等により利益を落としたものの、売上高の増加による利益の増加等により営業利益が増加しました。また、前年同期に特別利益として計上した、投資有価証券売却益が当期は計上されなかったものの、営業利益が増加したこと等により親会社株主に帰属する当期純利益が増加しました。
以上の要因により、当連結会計年度における連結業績は、売上高7,576,146千円(前期比20.3%増)、営業利益435,697千円(前期比14.2%増)、経常利益457,369千円(前期比15.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益305,976千円(前期比10.6%増)となりました。
当社グループは、総合情報サービス事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載をしておりませんがソリューション別の概況は、次のとおりであります。
グローバル製造業ソリューションにおいては、車載ECU(電子制御ユニット)関連顧客や電機関連顧客等からの受注が堅調に推移したこと等により、売上高は2,828,833千円(前期比7.3%増)となりました。
社会情報インフラ・ソリューションにおいては、電力関連顧客等からの受注は堅調に推移したこと等により、売上高は4,548,412千円(前期比31.0%増)となりました。
モバイル・ソリューションにおいては、受託開発の受注の増加等により、売上高は198,901千円(前期比5.5%増)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて282,928千円増加し、2,728,486千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と主な要因は、次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により取得した資金は、303,613千円(前連結会計年度は366,016千円の取得)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益456,369千円を計上したことのほか、資金の増加として、棚卸資産の減少54,443千円等があった一方、資金の減少として、法人税等の支払額171,183千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により取得した資金は、33,315千円(前連結会計年度は114,329千円の使用)となりました。
これは主に、資金の減少として、有形固定資産の取得による支出32,880千円等があった一方、資金の増加として、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入35,692千円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、52,152千円(前連結会計年度は136,258千円の使用)となりました。
これは主に、資金の減少として、長期借入金の返済による支出83,360千円、配当金の支払額36,162千円等があったことによるものであります。
当連結会計年度の生産、受注及び販売の状況は以下のとおりであります。
当社グループは、総合情報サービスの提供を行っており、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
当連結会計年度の受注状況をソリューション区分別に示すと、次のとおりであります。
(注) 当社グループは、総合情報サービス事業の単一セグメントであるため、ソリューション区分別の実績を記載しております。
当連結会計年度の販売実績をソリューション区分別に示すと、次のとおりであります。
(注) 当社グループは、総合情報サービス事業の単一セグメントであるため、ソリューション区分別の実績を記載しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。なお、詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載したとおりであります。
なお、この連結財務諸表の作成にあたりまして、決算日における資産・負債及び連結会計年度の収益・費用の数値に影響を与える見積りは、主に資産の評価や引当金の計上であり、これらの見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
なお、新型コロナウイルスの今後の感染拡大や収束時期等については統一的な見解がない状況ですが、当社では「当連結会計年度以降も一定期間にわたり、感染拡大の影響があるものの、当社グループの事業活動に与える影響は限定的である」との仮定のもと、繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りを行っております。結果として、当連結会計年度末及び翌連結会計年度以降の連結財務諸表に及ぼす重要な影響はないものと判断しております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載したとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は 7,576,146 千円(前期比 20.3%増 )となり、前連結会計年度に比べ 1,279,288千円増加 いたしました。
これは主に、M &Aによる新規連結子会社の増加や社会情報インフラ・ソリューション関連顧客等からの 受注等が堅調に推移したこと等によるものであります。
(営業利益)
当連結会計年度の売上原価は 5,885,372 千円となり、前連結会計年度に比べ 991,558千円増加 いたしました。
これは主に、従業員の待遇改善やM &Aによる新規連結子会社の増加により、 人件費が増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は 1,255,076 千円となり、前連結会計年度に比べ 233,686千円増加 いたしました。
これは主に、従業員の待遇改善による人件費の増加に加え、M&Aによる新規連結子会社の増加等により人件費や費用が増加したこと等によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は 435,697 千円(前期比 14.2%増 )となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は 27,671 千円となり、前連結会計年度に比べ 7,426千円増加 いたしました。
これは主に、助成金収入が増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度の営業外費用は 5,999 千円となり、前連結会計年度に比べ 1,777千円増加 いたしました。
これは主に、為替差損が増加したこと等によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度の経常利益は 457,369 千円(前期比 15.0%増 )となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特別損失は1,000千円となり、前連結会計年度に比べ690千円増加いたしました。
これは連結子会社の所有する土地を売却したことに伴い、固定資産売却損を計上したことによるものであります。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は456,369千円(前期比8.6%増)となりました。
これに法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を計上した結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は 305,976 千円(前期比 10.6%増 )となりました。
当社グループは、売上高前期比率及び売上高営業利益率を重要な経営指標として目標を設定しておりますが、2021年9月13日に2022年7月期の連結業績予想として売上高前期比率11.2%(前期比4.3ポイント増)、売上高営業利益率を6.0%(前期比0.1ポイント減)と公表しております。2022年7月期の実績における売上高前期比率については、20.3%増(前期比13.4ポイント増)と社会情報インフラ・ソリューション顧客からの受注の増加等により、公表した目標を上回りました。また、売上高営業利益率については、5.8%(前期比0.3ポイント減)と受注損失引当金の計上や検収遅延等により、公表した目標を下回りました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載しております。
当社グループは、中期経営計画「SYSTarget2025」(2023年7月期~2025年7月期)を策定し、成長戦略として、「基幹システムの総合サポート」、「独自の採用試験×独自の教育システム」、「付加価値のあるM&A」を推進しており、現状では、当社グループとして、提案から保守まで一貫したトータル・ソリューションの提供を行い、旺盛なIT需要に対応するためのIT人材の採用と教育に努め、M&Aの検討も積極的に行っております。
今後の見通しについては、当社グループが属する情報サービス産業においては、DX(デジタル・トランスフォーメーション)市場の拡大が見込まれており、ソフトウェア投資は引き続き一定の需要があるものと考えており、旺盛な需要に対して、IT技術者の人材不足は引き続き継続する見通しであり、M&Aについても一定の需要があると見込んでいることから、上記戦略を引き続き推進してまいります。
当社グループの資金状況は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、主として営業活動によるキャッシュ・フローの安定的な確保と金融機関からの資金調達を基本方針としております。
また、M&A等による計画外の支出につきましては、手元資金の状況や金融機関からの調達等を検討したうえで、適宜判断してまいります。
株主還元につきましては、景気後退期に備えた手元資金の確保、M&Aや社内システムへの投資を含む成長投資のための資金の確保により企業価値を向上させることを優先としておりますが、安定的な株主還元を行うことを方針としております。
なお、営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、主に人件費等の事業運転資金の支払等がありましたが、借入金及び手元資金で充当しております。
投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、主に社内システム開発のための人件費や外注加工費の支払、M&Aによる子会社株式取得関連費用の支払等がありましたが、全て手元資金で充当しております。
財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、長期借入金の返済や配当金の支払等がありましたが、全て手元資金で充当しております。
現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は2,728,486千円であり、資金の流動性は十分に確保できております。
経営者の問題意識及び今後の方針については「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
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