事業の概要
当社グループは、当社と、 連結子会社である株式会社バリューデザイン、佰餾(上海)信息技術有限公司、VALUEDESIGN SINGAPORE PTE.LTD.、VALUEDESIGN(THAILAND)CO.,LTD.、VALUEDESIGN(MALAYSIA)SDN.BHD. 及びValueDesign Service Pvt Limitedと持分法適用関連会社である株式会社デジクルで構成されており、「アイディアとテクノロジーで革新的なサービスを提供し、便利で楽しい、みんながハッピーになる社会を創る。」というミッションのもと、子供の頃、憧れていた未来の姿、まだ見ぬ未来の姿を想像し、創造し、便利で楽しく、ドキドキ・ワクワクするサービスを提供していくために事業を展開しております。
当社グループは、BtoBtoCを中心としたSaaS型(注1)販促ソリューションを提供しており、下記の4つの事業に区分されます。なお、以下に示す区分は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
(a)独自Pay(注2)を導入したい地域密着のスーパーマーケット、飲食店等を顧客とした「キャッシュレスサービス事業」
(b)一時に大量の電子メールを送付したい航空会社、金融機関、eコマースサイト、地方公共団体等を顧客とした「メッセージングサービス事業」
(c)個人情報を適切に管理したい金融機関、情報通信事業者等を顧客とした「データセキュリティサービス事業」
(d)「その他の事業(ARサービス)」
(a)~(c)の3事業につきましては、顧客との契約が継続する限りにおいて、安定的に収益を獲得できるリカーリングビジネス(注3)であることが、収益構造上の特徴となっております。顧客との価値の共創を通じて、様々なITサービスを生み出し、進化させ、顧客にとって、長期的に使い続けたいサービスとなることが、ミッション達成の近道と考えております。
2022年6月1日に当社を株式交換完全親会社とし、当社のキャッシュレスサービス事業と同様の事業を営む株式会社バリューデザインを株式交換完全子会社とする株式交換を行い、株式会社バリューデザインは当社の完全子会社となり、当社グループ企業となりました。
(注) 1.SaaS型とは、Software as a Serviceの略で、提供者側で稼働しているソフトウエアを、インターネット等のネットワーク経由で、利用者がサービスとして利用する状況を指します。
2.当社グループの顧客であるスーパーマーケット、小売店や飲食店等の店舗やeコマースサイトを展開する企業が、自社で発行する電子マネー、いわゆるハウス電子マネーや独自に展開する決済手段を2022年3月に独自Payと定義しました。
3.リカーリングビジネスとは、1つの商品を販売して取引が完了する従来のビジネスモデルではなく、顧客と継続して取引を行うシステムを構築することで、繰り返し利益を得ることができるビジネスモデルを指します。
それぞれの事業内容は以下のとおりであります。
当社グループの顧客である店舗や企業向けに、エンドユーザーが利用する独自PayやポイントをSaaS型の「アララキャッシュレス」及び「バリューカードサービス」にて提供しております。
当社グループの顧客が、「アララキャッシュレス」及び「バリューカードサービス」を活用し、自らが電子マネーの決済事業者となることで、クレジットカードやいわゆる「〇〇Pay」等の他社運営の決済手段とは異なり、エンドユーザーが電子マネーにチャージする際のインセンティブ付与や支払時のポイント付与等の設定を自由に行うことができ、再来店客の増加、エンドユーザーの愛着及び信頼向上に繋げることができます。
また、「アララキャッシュレス」及び「バリューカードサービス」の付加サービスとして、「アララキャッシュレス」では、エンドユーザーのキャッシュレスサービス利用時に蓄積された履歴をもとに顧客がメッセージングサービスを活用し、エンドユーザーと最適なコミュニケーションを取ることができる統合型販促ソリューションサービスを展開しております。また、スーパーマーケット等でエンドユーザーが独自Payにて特定メーカーの商品を購入した情報を販売時点情報管理システムから即座に得ることで、そのエンドユーザーにメーカーの販売促進費を原資とした電子マネーを付与するチャージバックシステムを東芝テック株式会社と共同で開発しております。更に、「バリューカードサービス」の周辺サービスや決済データを用いたデジタルマーケティングサービス領域では、銀行口座からの支払いが可能なコード決済サービス「Bank Pay」との接続による、銀行口座からの電子マネーチャージや、従来は応募にハガキを利用していたレシート販促キャンペーンをデジタル化したインスタントウィンサービス等、独自Pay利用促進・付加価値向上のための新サービスの開発・提供を継続的に実施しております。
(主な関係会社)当社及び株式会社バリューデザイン
<「アララキャッシュレス」及び「バリューカードサービス」の主な利用例>
<「アララキャッシュレス」及び「バリューカードサービス」の主な機能>
(注) プレミアムバリューとは、エンドユーザーが所有するハウス電子マネー残高に、顧客が付与する上乗せ金額を指します。
a.「キャッシュレスサービス事業」に関連する市場環境について
資金決済に関する法律が2010年4月に施行されて以降、前払式支払手段(注1)の登録及び届出発行者数は2011年3月末には1,806者でしたが、2021年3月末には1,970者(注2)となりました。第三者型が2011年3月末の1,117者から発行事業の廃止等に伴い減少しているものの、主に独自Payを発行する店舗や企業が分類される自家型前払式支払手段(注3)の届出数は同689者から毎年増加を続けており、自家型の届出者数は2019年3月末に第三者型前払式支払手段(注4)の登録数を初めて上回り、2020年3月末には、1,000者を超えております。また、媒体別発行額におきましても、IC型の発行額が2020年3月末から約1兆9千億円減少する中、当社グループの「アララキャッシュレス」及び「バリューカードサービス」が属するサーバ型前払式支払手段(注5)の発行額が2020年3月末から3,859億円増加し、2021年3月末には約9兆8千億円となっております。
(注) 1.前払式支払手段とは、あらかじめお金を払っておいて、買い物のときに決済する商品券やプリペイドカードを指します。
2.出典:一般社団法人日本資金決済業協会2021年12月掲載「第23回発行事業実態調査統計」
3.自家型前払式支払手段とは、自社が提供する商品等に利用可能な前払式の決済手段を提供するサービスをいいます。
4.第三者型前払式支払手段とは、発行者以外の店舗等で利用することが可能な前払いの決済サービスをいいます。
5.サーバ型前払式支払手段とは、金額情報がエンドユーザーの手もとになく、発行者もしくは発行者がシステムを委託する企業のサーバで管理されている前払式支払手段のことを指します。
b.「キャッシュレスサービス事業」の売上構成について
サービス提供に関わる基本的な売上は、リカーリングビジネスによる売上と一時的な売上によって構成されております。
リカーリングビジネスによる売上
・月額利用料:ポイント機能や販売促進機能のサービス利用料
・決済手数料:顧客ごとに定めた条件・料率及び独自Payの決済金額に応じた手数料
一時的な売上
・システム導入に係る初期費用並びにカード制作及びチャージ機等の物品販売
c.サービスの提供・販売方法について
サービス提供方法については、基本的に下記の2つのルートにて行っております。
・顧客へサービスを直接提供・販売
・サービス提供のための顧客との契約締結及び顧客からの債権回収を行う代理店経由の提供・販売
適切なタイミングで、電子メールを一時に大量に配信したい企業・団体(主要顧客:運輸業、金融機関、情報通信業、地方公共団体等)を対象に、メッセージングサービスを提供する事業であります。主にSaaS型にてサービスの提供をしております。顧客にとって下記のような業務上不可欠で様々な情報配信ニーズにお応えしております。
(主な関係会社)当社
<メッセージングサービスの利用例>
<メッセージングサービスの主な機能>
本サービスは、1つの統合システムとしての提供も可能ですが、メール配信自動連携API、メール配信管理システム及び高速メール配信エンジンの3つのパーツで構成されており、顧客ニーズによって、それぞれ単独での使用も可能となっております。メールを配信するシステムとして、様々な顧客のサービスやシステムと連携し、業務フローに組込まれ、人の手を介さず、自動的にメール配信を行っているケースもあります。
(注) 1.2021年11月に「repica auto-mail」「repica editor」「repicasender」を「アララメッセージ」に名称変更及び統合メッセージングサービスとして提供しております。
2.APIとは、あるコンピュータプログラム(ソフトウエア)の機能や管理するデータ等を、外部の他のプログラムから呼び出して利用するための手順やデータ形式等を定めた仕様のことを指します。
3.エラー率を低減とは、不達としてエラー検知される割合が、全送信数の3%以下となることと定義しております。
a.メールの市場ニーズについて
総務省提供「電気通信事業者10社の全受信メール数と迷惑メール数の割合(2022年3月末時点)」によりますと、迷惑メールを除いた受信数は、増加傾向で推移しております。
出典:総務省発表「電気通信事業者10社の全受信メール数と迷惑メール数の割合(2022年3月末時点)」を基礎に当社グループにて作成
b.「メッセージングサービス事業」の売上構成について
サービス提供に関わる基本的な売上は、リカーリングビジネスによる売上と一時的な売上によって構成されております。
リカーリングビジネスによる売上
・SaaS型:メールアドレス数に応じた月額固定のサービス利用料
・オンプレミス型(注):年間ライセンス料
(注) オンプレミス型とは、サーバやソフトウエア等の情報システムを顧客が管理する設備内に設置し、運用することを指します。
一時的な売上
・システム導入に係る初期費用
c.サービスの提供・販売方法について
サービス提供方法については、基本的に下記の3つのルートにて行っております。
・顧客へサービスを直接提供・販売
・サービス提供のための顧客との契約締結及び顧客からの債権回収を行う代理店経由の提供・販売
・サービス連携パートナー経由の提供・販売(注)
(注) 「メッセージングサービス事業」の場合、当社グループサービスとサービス連携パートナーが提供するマーケティングツール等を統合し、顧客へ提供している販売手法を指します。
当社グループが提供する「P-Pointer File Security」は、個人情報の保護に関する法律に基づき、顧客がデータの適切な管理を実現することを目的としており、顧客のPC、ファイルサーバ内にインストールし、個人情報等の検出、適切な保管場所への移動、削除等の適切な管理を顧客自らが行います。主に、金融機関や個人情報を多数取り扱う情報通信事業者、サービス事業者等が、当社グループの顧客であります。
(主な関係会社)当社
<「P-Pointer File Security」の主な機能>
(注) UIとは、User Interfaceの略で、エンドユーザーが情報端末とやり取りをする際の入力や表示方法等の仕組みを指します。
a.「データセキュリティサービス事業」の売上構成について
サービス提供に関わる基本的な料金の仕組みは、主にオンプレミス型の年間ライセンス料によるリカーリング売上となっております。
b.サービスの提供・販売方法について
サービス提供方法については、基本的に下記の3つのルートにて行っております。
・顧客へサービスを直接提供・販売
・サービス提供のための顧客との契約締結及び顧客からの債権回収を行う代理店経由の提供・販売
・サービス連携パートナー経由の提供・販売(注)
(注) 「データセキュリティサービス事業」の場合、当社グループのサービスとサービス連携パートナーが提供するIT資産管理システム等を統合し、顧客へ提供している販売手法を指します。
「その他の事業」では、ARサービスを行っております。ARの活用方法は幅広く、図鑑等の書籍、新聞、チラシ又はポスター等に音や映像といったデジタルの付加価値をつける際に活用されております。当社グループでは、スマートフォンARアプリ「ARAPPLI」のサービス提供及び米国Meta社(旧Facebook社)が運営する「Facebook」や「Instagram」上で動作するカメラエフェクト「Spark AR」のコンテンツ制作を受託開発しております。
(主な関係会社)当社
[事業系統図]
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