当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染拡大が続くなか、ワクチン接種の普及などにより、経済活動の持ち直しに向けた期待感が持たれたものの、新たな変異株による感染が再拡大するなど、収束は見通せず景気の停滞が懸念されております。また、ウクライナ情勢の緊迫化や原材料・エネルギー価格の高騰などにより、これまで以上に先行き不透明な状況が続いております。
当社建材事業の主要マーケットである住宅市場は需要が堅調に推移し、新設住宅着工戸数が持家・貸家ともに増加し、2021年度全体では865千戸と前期比6.6%の増加となりました。
このような状況の中、当事業年度の業績につきましては、売上高は21,787百万円と対前期比2,002百万円(10.1%)の増収となりました。営業利益は2,078百万円と対前期比570百万円(37.9%)の増益、経常利益は2,084百万円と同521百万円(33.4%)の増益、当期純利益は1,365百万円と同276百万円(25.4%)の増益となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
建材事業
住宅分野は、「外壁と軒裏のデザインを揃えたい」という、簡単なようで実現できなかったコーディネートを可能にした新世代の外壁材『アルテミュール』を上市しました。また注力製品である「2020年度 グッドデザイン賞」受賞の『アルテザート(高意匠軒天井用素材)、アトラフィット(専用金具による施工方法)』など当社の強みである「基材の強み」に「塗装技術」を掛け合わした高付加価値製品の高級軒天ボードは大幅に販売量が増加しました。
非住宅分野は、都市型高層ビル用の耐火パネルが好調に推移しました。
このような結果、売上高は13,395百万円と対前期比1,231百万円(10.1%)の増収、セグメント利益(営業利益)は、燃料費・原材料価格の高騰による負担や製品保証引当金の増加があったものの、高付加価値製品の高級軒天ボードの拡販や各種コスト削減による収益改善などにより1,007百万円と同450百万円(80.8%)の大幅な増益となりました。
化成品事業
マグネシウムは、前期に新型コロナウイルスの感染症拡大の影響を受けた自動車等工業用製品の受注回復に伴い、難燃水酸化マグネシウム製品の販売量が増加しました。また、海外のサプリメント需要好調により酸化マグネシウム製品の販売量も増加しました。当事業年度末の2022年4月には、酸化マグネシウムの顆粒設備が完成しました。
セラミックスは、蛍光体製品を中心に大幅な増収となりました。新工場建屋完成により2022年3月から順次設備が稼働開始しております。
このような結果、売上高は8,391百万円と対前期比771百万円(10.1%)の増収、セグメント利益(営業利益)は、燃料費・原材料価格の高騰による負担増加があったものの、高利益率のマグネシウム製品・セラミックス製品の拡販などにより1,660百万円と同197百万円(13.5%)の増益となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格であります。
当社の生産は主として見込生産であり、該当事項はありません。
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当事業年度末の総資産は24,697百万円(前事業年度末は18,602百万円)となり、前期比6,094百万円増加いたしました。主な増加要因は、有形固定資産が3,393百万円、現金及び預金が904百万円、電子記録債権が402百万円増加したことによるものであります。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
建材事業
当事業年度末のセグメント資産は、9,006百万円(前事業年度末は8,801百万円)となり、前期比204百万円増加いたしました。これは主として、電子記録債権が382百万円増加したことによるものであります。
化成品事業
当事業年度末のセグメント資産は、12,269百万円(前事業年度末は7,594百万円)となり、前期比4,675百万円増加いたしました。これは主として、有形固定資産が3,978百万円増加したことによるものであります。
負債は15,331百万円(前事業年度末は10,062百万円)となり、前期比5,269百万円増加いたしました。主な増加要因は、短期借入金が 1,200 百万円、設備関係電子記録債務が1,022百万円、長期未払金が695百万円増加したことによるものであります。
純資産は9,365百万円(前事業年度末は8,540百万円)となり、前期比825百万円増加いたしました。主な増加要因は、繰越利益剰余金が1,019百万円増加したことによるものであります。
その結果、自己資本比率は前事業年度末に比べ減少し、37.7%となりました。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は1,871百万円と前事業年度末に比べ904百万円の増加となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローについて、当事業年度における営業活動による資金の増加は2,057百万円(前年同期は3,013百万円の増加)となりました。
主な増減要因は、税引前当期純利益1,905百万円、減価償却費1,079百万円、売上債権の増加760百万円によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローについて、当事業年度における投資活動による資金の減少は2,372百万円(前年同期は1,139百万円の減少)となりました。
主な増減要因は、有形固定資産の取得による支出2,388百万円、投資有価証券の売却による収入29百万円によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローについて、当事業年度における財務活動による資金の増加は1,219百万円(前年同期は2,346百万円の減少)となりました。
主な増減要因は、短期借入金の純増額1,200百万円、長期借入れによる収入1,100百万円、長期借入金の返済による支出458百万、配当金の支払額345百万円によるものであります。
運転資金需要のうち主なものは原材料の購入費用、製造費用の他、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は設備投資等によるものであります。
当社は適切な資金調達と流動性の確保により、安定化を図ることを基本方針としております。
運転資金は、自己資金及び金融機関からの短期借入による資金調達を行い、設備投資資金については、自己資金及び金融機関からの長期借入による資金調達を行っております。
なお、当事業年度末における借入金、リース債務、長期未払金(未払金を含む)及びその他の有利子負債の残高は、5,765百万円となっております。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項については、過去の実績や状況に応じて、判断を行い、その結果を基に金額を算出しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関して当社は、各事業拠点において感染リスクの低減や事業活動を継続するための対策を実施した上で事業を遂行しており、現時点における経営成績への影響は軽微なものという仮定のもと、会計上の見積りを行っております。しかしながら、こうした見積りについては、常に不確実性が伴うため、実際の結果と異なる可能性があります。
当社で採用する重要な会計方針の詳細については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載されているとおりです。
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