課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営の基本方針・経営戦略等

当社グループは『仕事をラクに。オモシロく。』というビジョンのもと、『次のいつもの働き方へ。』をミッションに掲げ、ビジネスを展開しております。

また、当社グループでは「情熱」「協働」「変化」という3つの行動指針を共通の価値観として大切にしながら、ITを活用し、仕事の効率化や柔軟な働き方を実現する製品やサービスの開発・提供に取り組んでおります。

こうした経営方針の下、当社グループの主要なサービスである企業向けグループウェア製品「rakumo」の普及と、関連するサービスの提供により、お客様の働き方改革の実現や労働生産性の向上に貢献してまいります。

具体的な販売戦略としましては、販売パートナーとの関係強化を図り、当社製品の販売強化を実施してまいります。また、販売パートナーとの関係強化だけでなく、各種マーケティング施策及び積極的な営業施策により、自社直接販売の強化を継続してまいります。

プロダクト開発においては、Google社及びセールスフォース社との関係を維持し、現製品の機能向上及び市場ニーズを踏まえた新たな製品をタイムリーに提供してまいります。また、カスタマーサクセスの強化により、お客様の継続的な利用、更にはアップセルに注力してまいります。

以上のような施策により、新規顧客の開拓に加え、新規及び既存のお客様のサービス満足度を向上させ、高い成長性の確保と継続的な収益の確保を実現していく方針であります。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、持続的な成長と企業価値の向上を目指しており、主な経営指標として売上高及び営業利益を特に重視するとともに、適正な人員規模・人材配置による事業運営に努めております。

また、「rakumo」は、料金を顧客企業の使用期間及びユーザー数に応じて定期定額契約(サブスクリプション)として課金することで、継続的な収益(リカーリングレベニュー)を得ることができる「サブスクリプション型リカーリングレベニューモデル」であるため、ユーザー数、利用企業数、ストック収益の成長率及び解約率を重視しております。

 

(3)当社グループを取り巻く経営環境

① 企業構造

当社グループは、当社及び連結子会社であるRAKUMO COMPANY LIMITED(ベトナム)により構成されております。

当社においては、SaaSサービスとして、企業向けグループウェア製品「rakumo」の開発・販売、他社ライセンスの代理店販売等、また、ソリューションサービスとして、当社及び他社SaaSサービスの導入支援や業務支援等のソリューションサービスに加え、ライセンスサービスに関連した他社ハードウェアの販売等を行っております。

また、RAKUMO COMPANY LIMITED(ベトナム)においては、ITオフショア開発サービスの提供や当社製品の開発を行っております。

 

② 市場環境

日本国内の経済環境は、生産年齢人口減少に伴う労働力不足が問題視される一方で、政府主導による時間外労働時間の上限引き下げをはじめとした労働法規の改正等、働き方改革が推進される中で、労働生産性の向上や業務効率化に資するソリューションへの期待が高まっているものと認識しております。

また、コロナウイルス感染症の影響により、在宅勤務やモバイルワークなどテレワークの実施、オフィス勤務とリモートワークを併用したハイブリッド勤務の増加など、「新しい働き方」が定着しつつあります。この変化に対応するため、テレワークや組織メンバーのコミュニケーション円滑化、情報共有に関連するシステム投資への需要拡大が引き続き見込まれます。

当社グループが主なサービスプラットフォームとして利用しているGoogle社及びセールスフォース社においては、当社サービスと連携の深い両社の製品・サービスであるGoogle Workspace及びSales Cloudの利用者数が年々急増しております。

こうした環境を踏まえると、「rakumo」は、多種多様なお客様のニーズに対応できるラインナップを保持していると認識しており、今後の更なる認知度向上に伴い、当社グループのサービスに対する需要も益々拡大していくものと考えております。

 

③ 競争優位性

当社グループの主要なサービスである「rakumo」は、ビジネスモデルの主な特徴として以下のような点が挙げられ、当該事項は当社グループの競争優位性に繋がっております。

a.世界的なクラウドプレーヤーが提供するプラットフォーム上でのビジネス展開

・世界的な信用力・知名度

・市場の継続的な拡大

・参入障壁(プラットフォームの仕様に合わせた製品開発及びメンテナンスの必要性)

b.2つの販売チャネルによる「rakumo」の拡販

・100社以上の販売パートナー等との関係

・インバウンドを主体とした自社販売チャネルの確立

c.多種多様なプロダクトの提供及び開発力

・2つのプラットフォーム上でのサービス展開

・多くのクライアントのニーズに対応可能な複数プロダクトの提供

・複数プロダクトを保持していることによるクロスセルの実現

d.強固な顧客基盤(業種規模を問わず、多種多様な多くのクライアントへのサービス提供)

詳細は、「第1 企業の概況  3 事業の内容  (1)SaaSサービス」をご参照ください。

 

④ 顧客基盤及び販売網

「rakumo」は、導入・利用しやすい料金の実現やユーザー体験分析を基としたサービスデザイン、自社・他社サービスとの連携によるプロセスの自動化・効率化等により、業種・規模を問わず、多種多様な2,200社以上のクライアントにサービスを提供しております。

また、販売網に関しては、インターネットマーケティングの活用による、ネット経由でのクライアントからの直接アプローチを主体とした自社販売に加え、Google WorkspaceやSales Cloud等の代理店として販売する企業を中心に、100社以上の販売パートナー及び紹介パートナーを有しております。この2つの販売チャネルを効果的に機能させることで、導入企業数及びユーザー数の更なる増加による事業の安定性及び成長性の実現に尽力しております。

 

なお、新型コロナウイルス感染症の影響による経営環境の大幅な変化により、事業活動に対して制約を受ける可能性はありますが、現時点における経営環境への影響は限定的なものとなっております。当社グループにおきましては、リモート環境による営業活動の実施や顧客サポート体制の構築・提供、従業員への在宅勤務環境の整備支援施策等により、通常通りの業務遂行が可能な体制となっております。従いまして、基本的な経営方針・経営戦略等に関しては今後も継続していくこととしております。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 販売パートナーとのリレーション強化

当社グループは、2010年の「rakumo」サービス提供開始時から販売パートナーとの関係構築を進めており、現在ではGoogle WorkspaceやSales Cloudを販売する企業を中心に100社以上の販売パートナー等を有しております。これら販売パートナーとの関係は、当社グループのサービス展開上の優位点となっております。

今後も市場拡大が見込まれる中、当社グループが更なる成長を果たしていくためには、販売体制の強化及び知名度の向上が重要であると認識しております。そのため、販売パートナーの新規開拓及び既存パートナーの深耕により、販売体制の強化を図ってまいります。また、販売パートナーがより当社製品を販売しやすくなるよう、展示会やセミナー等を実施するほか、個々の主要販売パートナーに合わせた対応を行ってまいります。

 

② 自社販売体制(マーケティング含む)の更なる強化

当社グループは、当社のサービスがGoogle WorkspaceやSales Cloudといったサービスとの連携の中で提供されるという性質上、Google社やセールスフォース社の顧客に向けたマーケティング・販売施策を主に実施しておりますが、より大きな顧客認知と販売機会の獲得に向けて、現在実施しているインターネットマーケティングやイベント出展のほか、Google Workspace導入企業への当社からの積極的なアプローチ及びIT系メディアの露出を図る等、幅広い顧客に対する施策を検討してまいります。

また、これまでに獲得した顧客リード(見込み客)のうち、すぐには商談に繋がらないリードについては、商談に繋げるための対策を十分に実施できておらず販売機会を逃すこともありましたが、マーケティングオートメーションの活用等により、顧客の検討意向を上げる情報提供を積極的に行ってまいります。

さらに、クレジットカードによるオンライン決済など、インターネット上で顧客自身がサービスの購入手続きが可能となる方法を実現し、より多くの顧客の購買手続きに同時に対応できる、効率的な販売手段の構築を検討してまいります。

 

③ 既存サービスの強化による顧客満足度の維持向上

当社グループの主要サービス「rakumo」が今後も継続的な成長を果たしていくためには、より幅広い業種・業態の顧客に選ばれるとともに、継続的に支持される必要があると考えております。そのためには、当該サービスの優位性となっているユーザビリティ(使いやすさ)の維持・向上が不可欠であると認識しております。

今後も顧客ニーズの変化を迅速に把握し、継続的なユーザー・インターフェースの改善、各種機能強化及び他社製品との連携といった製品機能強化に加え、顧客サポートの品質向上等により、市場優位性の保持に努めてまいります。

 

④ 継続的な新サービスの提供

当社グループが競争優位性を確保しながら持続的に成長するためには、前述したユーザビリティの向上に加えて、提供するサービスの付加価値を高めることで、高い継続率を確保することが重要であると考えております。当社グループでは付加価値向上のため、HRテック領域(人事分野でのテクノロジー領域)やデータ活用といった新たな提供サービスの開発・展開を推進し、「rakumo」のビジネスインフラとしての価値向上に努めるとともに、収益基盤の強化にも注力してまいります。

 

⑤ 優秀な人材の継続的な採用と育成

当社グループの持続的な成長のためには、多岐にわたる経歴を持つ優秀な人材を多数採用し、営業体制や開発体制、管理体制等を整備していくことが重要であると捉えております。当社グループのビジョン及び事業方針に共感し、高い意欲を持った優秀な人材を採用していくために、積極的な採用活動を進めるとともに、高い意欲を持って働ける環境や仕組みの構築に引き続き取り組んでまいります。

 

⑥ 海外事業展開の促進

当社グループでは、日本市場で蓄積した知見・ノウハウを活用し、アジア市場をはじめとした海外市場に積極的に展開を図ることで、当社サービスの他国展開を行うことが事業の一層の発展における重要な要素であると考えております。海外戦略の一環として、当社グループのソフトウェア開発拠点として、ベトナム国ホーチミン市において、子会社のRAKUMO COMPANY LIMITED(ベトナム)が事業を展開しております。今後も、海外における現地法人の設立やパートナーシップを構築することで、海外事業の立ち上げと拡大・成長を目指してまいります。

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得