(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済については、ワクチン接種の普及が進み、制限されていた経済活動が再開されるなど欧米諸国を中心に回復基調で推移しました。一方で、経済活動の再開に伴い需要が急激に増えたことにより、半導体をはじめとする部材の供給不足、原油などの資源価格の上昇、コンテナ不足を背景にした物流網の混乱などによる経済活動への影響がでており、加えて新たな変異株「オミクロン株」の感染拡大、ウクライナ情勢などによる経済活動への影響が懸念されるなど依然として先行き不透明な状況にあります。日本経済については、2021年9月末に緊急事態宣言が全面解除されて以降、ワクチン接種の普及も進み緩やかながら持ち直しの動きがみられたものの、新たな変異株「オミクロン株」の感染拡大、急激な円安進行、ウクライナ情勢などの影響が顕在化し始めるなど、依然として予断を許さない状況にあります。
このような経済情勢下、当社グループにおきましては、新型コロナウイルス感染防止策を徹底し、品質の向上と安定供給を目指し生産工程の見直しや設備のIT化に努めてまいりました。売上高につきましては、コロナ禍前の状態までには回復しておりませんが建築資材向けなどが増加したことなどにより、115億67百万円(前年同期比7億22百万円の増加)となりました。損益面につきましては、前年に比して売上高は順調に回復しましたが、下半期からの急激な資源価格の高騰などの影響により営業利益1億38百万円(前年同期比13百万円の減少)、経常利益2億92百万円(前年同期比14百万円の減少)、親会社株主に帰属する当期純利益1億90百万円(前年同期比11百万円の増加)となりました。
今後の経済見通しにつきましては、欧米ではロシアのウクライナ侵攻と西側諸国による対ロシア経済制裁により資源価格が高騰し、インフレ圧力が一段と強まっております。日本経済につきましてもウクライナ情勢の緊迫化などによる資源価格の高騰が、多くの企業の収益を下押ししており、今後も予断を許さない状況となっております。次期の見通しにつきましては、売上高は120億円(前年同期比4億32百万円、3.7%増)と増収を見込んでおります。損益面につきましては、原料燃料価格の上昇による影響が続くものと想定され、販売価格の値上げ、コスト削減の努力を致しますが、営業利益は80百万円(前年同期比58百万円、42.2%減)、経常利益は2億円(前年同期比92百万円、31.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は80百万円(前年同期比1億10百万円、58.1%減)と見込んでおります。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度の売上高は1億16百万円減少しております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項の(会計方針の変更)」をご参照ください。
財政状態の状況につきましては、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ9億58百万円減少し156億37百万円となりました。これは主に売掛金が3億12百万円、商品及び製品が96百万円増加し、投資有価証券が10億74百万円、機械装置及び運搬具が2億36百万円減少したことなどによるものであります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ4億47百万円減少し63億40百万円となりました。これは主に未払金が1億28百万円増加し、繰延税金負債が3億27百万円、長期借入金が2億49百万円減少したことなどによるものであります。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ5億11百万円減少し92億97百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3億50百万円減少し26億84百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は5億29百万円で、これは主に税金等調整前当期純利益2億78百万円、減価償却費5億89百万円、仕入債務の増加56百万円などによる資金増加に対して、売上債権の増加2億18百万円、棚卸資産の増加1億45百万円などによる資金減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は4億41百万円で、これは主に投資有価証券の償還1億円の収入に対して、定期預金の預入1億36百万円、投資有価証券の取得52百万円、有形固定資産の取得3億26百万円などの支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は4億78百万円で、これは主に短期借入金の純減額1億27百万円、長期借入金の返済2億49百万円、非支配株主への支払を含めた配当金の支払額85百万円などの支出によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度におけるグループ生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
化合炭酸カルシウム(百万円) |
5,010 |
111.3 |
重質炭酸カルシウム(百万円) |
928 |
104.5 |
その他(百万円) |
4 |
96.9 |
合計(百万円) |
5,943 |
110.2 |
(注)金額は、販売価格によっております。
b.受注実績
製品について見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度におけるグループ販売実績をグループ内での製造品・グループ外からの購入品の別及び品目別に示すと、次のとおりであります。
品目 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
グループ内 製造品 (製品) |
化合炭酸カルシウム(百万円) |
4,857 |
108.0 |
重質炭酸カルシウム(百万円) |
934 |
105.3 |
|
その他(百万円) |
4 |
96.9 |
|
小計(百万円) |
5,796 |
107.5 |
|
グループ外 購入品 (商品) |
化合炭酸カルシウム(百万円) |
204 |
119.7 |
重質炭酸カルシウム(百万円) |
2,467 |
105.3 |
|
その他(百万円) |
3,098 |
105.4 |
|
小計(百万円) |
5,770 |
105.8 |
|
合計(百万円) |
11,567 |
106.7 |
当連結会計年度におけるグループ販売実績を用途別に示すと、次のとおりであります。
用途 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
合成樹脂(百万円) |
5,038 |
107.6 |
塗料(百万円) |
2,386 |
93.6 |
輸出(百万円) |
1,506 |
112.2 |
食品・飼料(百万円) |
754 |
99.6 |
ゴム(百万円) |
691 |
112.7 |
その他(百万円) |
1,190 |
132.2 |
合計(百万円) |
11,567 |
106.7 |
(注)最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が10%以上の相手先がないため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に含めて記載しております。
第75期につきましては、化合炭酸カルシウム等の生産合理化及び品質向上などを意図して、設備投資を9億3百万円(第74期比4億89百万円増)実行する予定です。
運転資金、設備投資資金等につきましては、自己資金又は金融機関からの借入による資金調達を予定しております。
中長期の目標経営指標としましては、自己資本当期純利益率(ROE)8%を目指しております。当期は2.1%(前期2.0%)であり、上記に記した施策にて更なる収益構造の改善に努める所存です。
②資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、主な資金需要は、原材料や商品の仕入、製造費、販売費及び一般管理費などの運転資金並びに設備投資資金であります。また、これらの主な資金調達としては、営業活動によるキャッシュ・フローなどの自己資金や金融機関からの借入によっております。
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