(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
(財政状態の状況)
当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べ393百万円(3.4%)減少の11,205百万円となりました。これは主に、商品及び製品は174百万円、投資有価証券は124百万円増加しましたが、売掛金が529百万円、機械及び装置が104百万円それぞれ減少したことによるものです。
負債につきましては、前事業年度末に比べ759百万円(13.6%)減少の4,831百万円となりました。これは主に、買掛金は225百万円増加しましたが、借入金が423百万円、設備関係支払手形が243百万円減少したこと等によるものです。
また、純資産は前事業年度末に比べ365百万円(6.1%)増加の6,373百万円となり、自己資本比率は56.9%(前事業年度末51.8%)となりました。
(経営成績の状況)
当事業年度におけるわが国経済は、新たな変異株による新型コロナウイルス感染症再拡大により、社会・経済活動が制限されることとなりました。また、原燃料価格の高騰、世界的な海上輸送の混乱に加え、ロシアのウクライナ侵攻による世界経済への影響等、厳しい状況が加速しました。
このような状況の中で、国内売上高は、5,664百万円となり、前年同期(4,960百万円)に比べ703百万円(14.2%)の増収となりました。これは、機能性用中間物は減少しましたが、医薬用中間物が増加、農薬用中間物が大幅に増加したためです。
一方、輸出売上高は、568百万円となり、前年同期(1,047百万円)に比べ478百万円(45.7%)の大幅な減収となりました。これは、医薬用中間物は増加しましたが、農薬用中間物が大幅に減少したためです。
この結果、総売上高は、6,232百万円となり、前年同期(6,008百万円)に比べ224百万円(3.7%)の増収となりました。輸出比率は9.1%(前年同期 17.4%)となりました。
利益につきましては、原燃料価格の上昇等はありましたが、総売上高の増収、安定した工場稼働及びコストダウンが進んだこと等により、営業利益は560百万円(前年同期 500百万円)となりました。営業外収益では、受取配当金37百万円を計上したこともあり、経常利益は590百万円(前年同期 532百万円)となりました。特別損失で固定資産解体撤去費79百万円等を計上したこともあり、当期純利益は404百万円(前年同期 317百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、棚卸資産は261百万円増加しましたが、売上債権が532百万円減少し、税引前当期純利益が484百万円、減価償却費が457百万円となったこと等により、1,441百万円の収入(前年同期 245百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が760百万円、有形固定資産の除却による支出が214百万円となったことにより、948百万円の支出(前年同期 634百万円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金が423百万円減少し、自己株式の取得による支出が61百万円となったこと等により、595百万円の支出(前年同期 599百万円の収入)となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は693百万円となり、前事業年度末に比べて97百万円減少しました。
③生産、受注及び販売の実績
当社の事業は、有機化学合成に基づく中間物の製造、販売、研究及びサービス等を行う単一セグメントであるため、セグメント情報を記載しておりませんので、「生産、受注及び販売の実績」については製品の種類別ごとに記載しております。
(a)生産実績
当事業年度の生産実績を製品の種類別に示すと、次のとおりであります。
区分 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
医薬用中間物 |
1,160,954 |
△10.0 |
農薬用中間物 |
4,019,297 |
+17.2 |
機能性用中間物 |
627,125 |
△5.4 |
その他用中間物 |
14,913 |
△54.9 |
界面活性剤 |
384,350 |
+12.4 |
合計 |
6,206,640 |
+7.8 |
(b)外注製品仕入実績
当事業年度の外注製品仕入実績を製品の種類別に示すと、次のとおりであります。
区分 |
仕入高(千円) |
前年同期比(%) |
医薬用中間物 |
62,385 |
+88.8 |
機能性用中間物 |
45,330 |
△59.0 |
その他用中間物 |
38,495 |
△2.6 |
合計 |
146,211 |
△20.1 |
(c)受注実績
当社は受注見込による生産方式をとっております。
(d)販売実績
当事業年度の販売実績を製品の種類別に示すと、次のとおりであります。
区分 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
医薬用中間物 |
1,396,459 |
+14.1 |
農薬用中間物 |
3,597,711 |
+6.4 |
機能性用中間物 |
764,445 |
△18.4 |
その他用中間物 |
90,355 |
△7.2 |
界面活性剤 |
365,012 |
+3.2 |
その他 |
18,930 |
+33.8 |
合計 |
6,232,914 |
+3.7 |
(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及びそれぞれの総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
第70期 |
第71期 |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
住友化学㈱ |
- |
- |
1,125,928 |
18.1 |
伊藤忠ケミカルフロンティア㈱ |
- |
- |
898,076 |
14.4 |
日星産業㈱ |
680,990 |
11.3 |
643,046 |
10.3 |
(注)第70期における住友化学㈱への販売額は232,536千円及び総販売実績に対する割合は3.9%、伊藤忠ケミカルフロンティア㈱への販売額は294,624千円及び総販売実績に対する割合は4.9%であります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(財政状態の状況)
(総資産)
当事業年度末の総資産は前事業年度末に比べ393百万円減少し、11,205百万円となりました。主に増加したのは、商品及び製品174百万円、投資有価証券124百万円、原材料及び貯蔵品74百万円であります。主に減少したのは、売掛金529百万円、機械及び装置104百万円、現金及び預金97百万円であります。
(負債)
当事業年度末の負債は前事業年度末に比べ759百万円減少し、4,831百万円となりました。主に増加したのは、買掛金225百万円、繰延税金負債102百万円であります。主に減少したのは、借入金423百万円、設備関係支払手形243百万円、未払金220百万円、未払費用175百万円であります。なお、借入金の総額は2,381百万円(前事業年度末2,805百万円)となりました。
(純資産)
当事業年度末の純資産は前事業年度末に比べ365百万円増加し、6,373百万円となりました。主な要因は、利益剰余金が363百万円増加したことによるものであります。自己資本比率については、前事業年度末51.8%に比べ5.1ポイント上昇の56.9%となりました。
(経営成績の状況)
(売上高)
当事業年度の売上高は、前事業年度に比べ224百万円増収の6,232百万円となりました。国内売上高は、イオン液体用、香料用等の需要減により機能性用中間物は減少しましたが、高脂血症治療薬用、殺菌・消毒剤用等の需要増により医薬用中間物が増加、殺菌剤用、殺ダニ剤用等の需要増により農薬用中間物が増加したため、前事業年度に比べ703百万円増収の5,664百万円となりました。輸出売上高は、成人病用治療薬用、大腸がん用治療薬用等の需要増により医薬用中間物は増加しましたが、非農耕地用除草剤用の販売減により農薬用中間物が減少したため、前事業年度に比べ478百万円減収の568百万円となり、輸出比率は9.1%となりました。
(売上総利益)
当事業年度の売上総利益は、前事業年度に比べ74百万円増加し、1,371百万円となりました。これは、原燃料価格の上昇等はありましたが、医薬用中間物や農薬用中間物をはじめとした総売上高の増収、工場の安定稼働による生産高増、コストダウンによる原価率の改善によるものです。売上総利益率は22.0%(前事業年度 21.6%)となりました。
(営業利益)
当事業年度の営業利益は、前事業年度に比べ59百万円増加し、560百万円となりました。売上高営業利益率は9.0%(前事業年度 8.3%)となりました。
(経常利益)
当事業年度の経常利益は、前事業年度に比べ58百万円増加し、590百万円となりました。売上高経常利益率は9.5%(前事業年度 8.9%)となりました。
(当期純利益)
当事業年度の当期純利益は、前事業年度に比べ86百万円増加し、404百万円となりました。特別損失として和歌山県和歌山市宇須地区に所有する和歌山工場の休止設備の解体撤去費用48百万円及び和歌山県和歌山市湊地区に所有する和歌山西工場のコージェネレーション設備の撤去費用30百万円を特別損失へ計上いたしました。また、法人税、住民税及び事業税は41百万円計上し、法人税等調整額を38百万円計上いたしました。
以上の結果、2023年度(2024年3月期)を最終年度とする新中期経営計画「Make the next leap 2023」(2022年3月期~2024年3月期)では、売上高66億円以上、営業利益6億円以上(売上高営業利益率9%以上)を目標としており、初年度となる当事業年度の業績は、売上高6,232百万円、営業利益560百万円(売上高営業利益率9.0%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末と比較して97百万円減少し、693百万円となりました。これは、営業活動により得られた資金1,441百万円に対して、有形固定資産の取得など投資活動により支出した資金948百万円、借入金返済や自己株式取得など財務活動により支出した資金595百万円によるもの等であります。
なお、当社は、必要な運転資金及び設備投資資金については自己資金又は金融機関からの借入れにより調達しております。当事業年度末における借入残高は2,381百万円となりました。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たっては、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りが必要となり、継続的な評価を行っております。
繰延税金資産の回収可能性等の見積り及び判断・評価については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関して、当社は、各事業拠点において厳重な対策を実施した上で事業活動を継続しており、現時点では財政状態及び経営成績への影響は限定的なものという仮定のもと、会計上の見積りを行っております。
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