業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較・分析の記載はしておりません。

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、各種施策の効果から持ち直しに向かうことが期待されるものの、依然として先行きが不透明な状況にあります。当社グループが属するインターネット業界、オンラインゲーム業界においては、大手企業を中心にデジタルトランスフォーメーションの推進により、既存のビジネスモデルや業界構造を見直す動きが継続しております。また、感染症対策としてのリモートワークの環境整備など、ITに対する底堅いニーズがある一方で、一部の企業では業績悪化によりIT投資を縮小・延期するケースも発生するなど、楽観視はできない状況が継続しております。

当社グループの属する情報サービス産業におきましては、デジタルトランスフォーメーションの潮流の下、クラウド、AI、IoT、ビッグデータ等へのIT投資意欲は依然として高く、引き続き市場の拡大が見込まれている一方で、国内でこれらを担うIT技術者不足は依然として継続しており、人材の確保及び育成が大きな課題となっております。

このような状況の下、当社は「ザ・インターネットカンパニー」という理念に基づき、「セカイに愛されるインターネットサービスをつくり続ける」ことを目指し、進化したデジタル技術を用いて人々の生活をよりよいものへ変革するという考え方の基、Webソリューション事業とオンラインゲーム事業を展開しております。

この結果、2022年1月期は、売上高4,795,709千円、営業利益233,302千円、経常利益220,130千円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税等調整額51,878千円を計上した結果、109,206千円となりました。

なお、当社は当第4四半期連結会計期間において、ファンコミュニティサイトの企画・開発・運営事業に注力している株式会社ムービングクルーを完全子会社化したことに伴い、当連結会計年度より連結決算へ移行しております。

 

(Webソリューション事業)

Webソリューション事業では、市場のデジタルトランスフォーメーション化への追い風の中で、顧客のニーズに合わせたサービス設計から開発・保守までの一連を請け負うことによりロイヤリティループ(注1)を形成し、継続受注や複合サービスの提供案件を順調に伸ばすことができました。また、案件規模の拡大により受注単価も順調に上昇しております。そのため、当社グループの事業においては、エンジニアを中心としたデジタル人材を事業の源泉と考えており、優秀な人材の採用と育成を重要課題と捉え、中途採用に加えて新卒採用についても積極的に採用活動を行い、増加する受注案件に対応できる組織作りに努めてまいりました。さらに、株式会社ムービングクルーを完全子会社化したことにより、エンターテインメント領域の開発ノウハウの獲得と優秀なデジタル人材を迎え入れることで、より一層デジタルビジネスの変革と拡大に貢献できるものと考えております。

また、新型コロナウイルス感染拡大による影響として、デジタルトランスフォーメーション化の後押しによりビジネスが活発になるなど受注案件は増加しました。一方で、上期においては緊急事態宣言等によりリモート開発を余儀なくされたことや、増加する受注の取り込みを優先したことで一時的に外注費用の増加に繋がりましたが、下期における対策として案件と人材配置の最適化を徹底した結果、当連結会計年度における売上高は2,184,831千円、セグメント利益は556,805千円となりました。

(注1)マッキンゼー・アンド・カンパニーが提唱した意思決定と購入を繰り返す過程で発生するロイヤリティの高いユーザーがとる行動パターン。

 

(オンラインゲーム事業)

オンラインゲーム事業では、「自社ゲーム開発」においては、各タイトルにおいて各種イベントの開催や新キャラクターの追加等を行い、売上維持に努めるとともに、不採算タイトルのサービスを終了し、運営体制の見直しを図りました。また、「パートナーゲーム開発」においては、「自社ゲーム開発」にて開発した自社エンジンと、それらのノウハウを活かした他社ゲーム開発の受注や過去最大のセカンダリ案件(注2)である「けものフレンズ3」の運営が順調に推移しました。また新型コロナウイルス感染拡大による影響で「クリエイター派遣」の新規獲得速度に鈍化が見られたものの、オンラインゲーム事業全体での売上高への影響は軽微であります。

その結果、2022年1月期における売上高は2,610,877千円、セグメント利益は209,353千円となりました。

(注2)既にリリースされているゲームタイトルをゲームメーカーと協業、またはゲームタイトルの買取を実行し運営を行う事業。

 

また、財政状態は次のとおりとなりました。

(資産)

当連結会計年度末における総資産は2,815,856千円となりました。

流動資産は2,148,644千円となり、その主な内訳は現金及び預金が1,439,134千円、売掛金が512,643千円、仕掛品が122,134千円であります。

固定資産は667,211千円となり、その主な内訳は有形固定資産が75,276千円、のれんが194,051千円、差入保証金が287,239千円、繰延税金資産が108,784千円であります。

 

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は891,316千円となりました。

流動負債は884,816千円となり、その主な内訳は買掛金が88,579千円、短期借入金が300,000千円、未払金が311,946千円、未払消費税等が56,138千円であります。

固定負債は6,500千円となり、これは長期借入金であります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は1,924,540千円となりました。

その内訳は、資本金が588,912千円、資本剰余金が487,082千円、利益剰余金が848,544千円であります。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、1,439,134千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は307,656千円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益183,685千円、売上債権の減少が74,386千円、仕入債務の増加が59,215千円、減損損失が36,445千円、のれん償却額が33,339千円、減価償却費が23,454千円あった一方で、たな卸資産の増加が58,147千円、未払消費税等の減少が42,085千円、法人税等の支払額が55,025千円あったこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により支出した資金は426,430千円となりました。これは事業譲受による支出が180,000千円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が86,240千円、差入保証金の差入による支出が61,338千円、有形固定資産の取得による支出が57,199千円、無形固定資産の取得による支出が41,651千円あったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により得られた資金は525,026千円となりました。これは短期借入金の純増加額が300,000千円、株式発行による収入が243,116千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入が36,120千円あった一方、長期借入金の返済による支出が39,806千円、上場関連費用の支出が14,403千円あったことによるものであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績

当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高

(千円)

前期比(%)

Webソリューション事業

1,839,510

636,295

オンラインゲーム事業

821,405

166,871

合計

2,660,915

803,167

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.2022年1月期より連結財務諸表を作成しているため、前期比については記載しておりません。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

Webソリューション事業

2,184,831

オンラインゲーム事業

2,610,877

合計

4,795,709

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、以下のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

株式会社マーベラス

555,034

11.6

 

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

4.2022年1月期より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度及び前期比については記載しておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されておりますが、この連結財務諸表の作成に当たっては、経営者により一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。

これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うために、実際の結果はこれらとは異なる可能性があります。

なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載の通りであります。

 

② 経営成績及び財政状態の分析
(売上高)

Webソリューション事業においては、顧客のデジタルトランスフォーメーションに向けての取り組みを実現するパートナーとして、既存顧客との継続的な取引を可能とする品質の担保、また、デジタルトランスフォーメーション推進のために周辺サービスのラインナップを強化することにより、新規顧客からの受注を獲得した結果、増収となりました。オンラインゲーム事業では、大規模セカンダリ案件である「けものフレンズ3」の運営が順調に推移したことなどが売上増加に貢献しました。なお、新型コロナウイルス感染拡大による影響で「クリエイター派遣」に新規獲得の速度鈍化は見られたもののオンラインゲーム事業全体での売上高への影響は軽微でございました。

その結果、当連結会計年度の売上高は4,795,709千円となりました。

(売上原価、売上総利益)

Webソリューション事業では、上期においては緊急事態宣言等によりリモート開発を余儀なくされたことや、増加する受注の取り込みを優先したことで、一時的に外注費用の増加に繋がりましたが、下期における対策として受注案件と人材配置の最適化を徹底しました。

オンラインゲーム事業においては、「けものフレンズ3」の運営移管に係る費用が想定を上回り、原価が一時的に増加しましたが、運営体制の適正化による外注費等の抑制化を図ることに努めました。

その結果、当連結会計年度の売上原価は3,605,208千円、売上総利益は1,190,501千円となりました。

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、957,198千円となりました。主な内訳は、給料手当が281,780千円、広告宣伝費が95,188千円、支払手数料が93,753千円、研究開発費が57,443千円、求人費が51,328千円であります。

その結果、当連結会計年度の営業利益は233,302千円となりました。

   (営業外収益、営業外費用、経常利益)

営業外収益は、前受金取崩益等により4,765千円となりました。営業外費用は、上場関連費用等により17,937千円となりました。

その結果、当連結会計年度の経常利益は220,130千円となりました。

特別損失、親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度において、当初予定していた収益を見込めなくなったゲームタイトルについて、減損損失を36,445千円計上しました。また、法人税、住民税及び事業税を22,599千円、法人税等調整額を51,878千円計上しております。

その結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は109,206千円となりました。

 

財政状態の分析内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要」をご参照ください。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの財務政策は、安定的な運用を行うことを基本方針としております。

運転資金及び将来の事業拡大を目的にした投資資金の財源については、自己資金及び銀行からの借入金を財源としております。

 

⑤ 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等の分析

当社グループは、売上高の継続的かつ累積的な増加を実現するために、安定的で成長性の高いWebソリューション事業における売上高及び契約継続率を重要な指標としております。Webソリューション事業の売上高については、2018年1月期が1,190百万円、2019年1月期が1,272百万円、2020年1月期が1,425百万円、2021年1月期が1,824百万円、2022年1月期が2,184百万円と安定的に増加しており、契約継続率については、2022年1月期においては、前年度からの契約継続の顧客が78.3%となっております。

今後更に顧客満足度を上げて継続率を高めるために、開発のみの単発受注ではなく、こちらから積極的に分析・戦略立案といったサービス設計を行い、その流れで企画、開発、保守、また次の提案へと繋がる所謂ロイヤリティループを引き続き発生させることで売上高の安定化を図るとともに継続成長を実現させる戦略であります。

 

⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑦ 経営者の問題意識と今後の方針について

経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は常に市場ニーズや内部環境及び外部環境の変化に関する情報の入手及び分析を積極的に実施し、現在及び将来における内部環境及び外部環境を認識したうえで、当社の経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針であります。

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得