(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
① 経営成績の状況
当社グループは、「つながりで世界をワクワクさせる」というミッションのもと、「人の成長を加速させるキャリアデータベースプラットフォームをつくる」というビジョンを掲げ、就職活動中の学生及び企業を対象に新卒ダイレクトリクルーティングサービス「OfferBox(オファーボックス)」と適性検査サービス「eF-1G(エフワンジー)」を提供してまいりました。
2022年度の新卒採用支援サービスの市場規模は1,285億円(前年度比成長率4.4%)と予測されるのに対して、当社グループが事業を展開するダイレクトリクルーティングサービス市場の前年度比成長率は約28%と高い成長率を維持しております(出典:㈱矢野経済研究所「新卒採用支援市場の現状と展望2022年版」)。また、2022年卒学生の就職内定率(2022年3月卒業時点)は、96.4%と前年と同水準となりました(出典:㈱リクルート 就職みらい研究所「就職白書2022」)。
(売上高)
新卒採用のオンライン化が進んだことで1to1コミュニケーションの重要性が増していることから、採用母集団形成のためにダイレクト・リクルーティングが選択されやすい環境になりつつあり、2021年12月末にはOfferBoxの企業登録数が1万社を突破しました。2022年卒学生は19万人が登録し、民間就職を希望する学生の約3人に1人が登録しているサービスとなっております。
このような状況のなか、当連結会計年度の売上高は3,041,482千円(前年同期比41.4%増)、OfferBoxの2022年卒内定決定人数は5,027人(同41.7%増)となりました。
当社グループは、HRプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。サービス別に区分した売上高の概況は、次のとおりであります。
OfferBox(早期定額型)
2023年卒を対象とした早期定額型は、前年度から取り組んできた営業部門における顧客フォロー体制の強化によって、OfferBoxで採用成功に至る企業が増加し、早期定額型のリピート受注や平均受注単価の上昇に繋がっており、新規受注も好調です。これに加え、OfferBox期首の契約負債(前受収益)の償却による売上計上の結果、当連結会計年度のOfferBox(早期定額型)の売上高は2,066,234千円(前年同期比52.2%増)となりました。
OfferBox(成功報酬型)
2022年卒を対象とした成功報酬型は、新卒採用を取り巻く環境から新規登録企業が増加しております。また、企業の採用意欲が高まっていることから、企業の活動量は増加し、学生の内定決定が好調に推移しました。この結果、当連結会計年度のOfferBox(成功報酬型)の売上高は673,996千円(前年同期比42.3%増)となりました。
eF-1G(適性検査)
企業の採用意欲が高まっていることから、適性検査の受検数は回復しております。一方、対面を前提とした適性検査結果を用いた企業内研修は依然として厳しい状況が続いておりますが、適性検査結果の個別帳票生成システムを搭載するなど対策を講じております。この結果、当連結会計年度のeF-1G(適性検査)の売上高は262,828千円(前年同期比3.2%増)となりました。
その他
専門学校向けに提供しているマーク式の適性検査や他社向けにカスタマイズした適性検査のロイヤリティ収入は堅調に推移しておりますが、一部のサービス形態を変更したことで総額から純額で売上計上しております。この結果、当連結会計年度のその他の売上高は38,422千円(前年同期比41.2%減)となりました。
(営業利益)
主力サービスであるOfferBoxは好調ですが、さらに成長を加速させるべく、オンボーディング強化のための営業職、マッチング効率改善のための開発職等を増員しており、また、サービス規模拡大のためにプロモーション関連に投資しました。この結果、当連結会計年度の営業利益は367,336千円(前年同期比17.0%増)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度において、保険積立金を解約したため保険解約返戻金が5,540千円発生しております。この結果、当連結会計年度の経常利益は370,639千円(前年同期比27.1%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度末において、留保金課税等で法人税等が大きくなっております。税金等調整前当期純利益から法人税等116,844千円を差し引いた結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は253,795千円(前年同期比9.2%増)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は3,321,154千円となり、前連結会計年度末に比べ456,720千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が営業活動等により344,328千円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は1,890,511千円となり、前連結会計年度末に比べ182,797千円増加いたしました。これは主に未払金が263,332千円増加した一方で、長期借入金が170,644千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は1,430,642千円となり、前連結会計年度末に比べ273,922千円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ371,071千円増加し、当連結会計年度末には2,783,787千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は553,697千円(前年同期比35.7%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が370,639千円(前年同期は税金等調整前当期純利益291,589千円)、未払金の増加額259,289千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は54,206千円(前年同期は2,723千円の獲得)となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出44,893千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は130,805千円(前年同期は840,855千円の獲得)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出311,146千円等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社グループは、受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。なお、当社グループは、HRプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、サービス別に記載しております。
サービスの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
OfferBox(早期定額型) |
2,066,234 |
152.2 |
OfferBox(成功報酬型) |
673,996 |
142.3 |
eF-1G(適性検査) |
262,828 |
103.2 |
その他 |
38,422 |
58.8 |
合計 |
3,041,482 |
141.4 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この連結財務諸表の作成において、損益又は資産の状況に影響を与える見積りの判断は、一定の会計基準の範囲内において過去の実績やその時点での入手可能な情報に基づき合理的に行っておりますが、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。なお、当社グループの連結財務諸表作成にあたり採用した会計方針は、「第5 経理の状況 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、売上高と決定人数であります。
第10期連結会計年度の経営成績及び当該指標等の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。今後も継続的な増収及び決定人数の増加を実現し、高い成長性を継続してまいります。
また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、「2 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社は、外部環境の変化に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保することで、経営成績に重要な影響を与える可能性のあるリスク要因を分散、低減し、適切に対応を行ってまいります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性並びに、第10期連結会計年度のキャッシュ・フローの概況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社グループの資金需要のうち主なものは、当社サービスを拡大していくための開発及び営業人員の人件費や認知度向上及び顧客基盤拡大に係るプロモーション費用であります。これらの資金需要に対しては、自己資金及び銀行借入により調達することを基本方針としております。
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