文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 当社グループの経営方針、経営環境及び優先的に対処すべき課題等
① 経営の基本方針
当社グループは、「自由闊達」、「技術のたゆまざる研鑽」、「製品の高度化」、「社会への貢献」の4つの経営理念の下、高付加価値製品の創出を通じた社会への貢献と企業価値の向上に取り組んでいく所存であります。
② 目標とする経営指標
当社グループは、事業活動の成果である連結営業利益を重視することとし、中長期的には過去最高益の更新を目標にしております。加えて、収益性や資本効率向上という企業価値拡大の観点から、連結EBITDA(償却前利益)や連結ROE(自己資本利益率)についても目標とする経営指標と位置づけております。
なお、2024年度の目標については以下のとおりであります。
連結営業利益 : 270億円以上
連結EBITDA : 350億円以上
連結ROE : 8%以上を維持
③ 中長期的な経営戦略
当社グループは、2030年に向けた長期ビジョン「TOK Vision 2030」を策定し、経営ビジョン「豊かな未来、社会の期待に化学で応える“The e-Material Global Company”」の実現を目指しております。通信革命等によってもたらされる新たな価値創造を支えるべく、電子材料分野の深耕と開拓に一層邁進するとともに、当社グループのコアコンピタンスである微細加工技術や高純度化技術を活用した新領域の創出に挑戦してまいります。
④ 経営環境
当連結会計年度における当社グループを取り巻く経営環境については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に含めて記載しております。
⑤ 対処すべき課題
上記③の経営戦略を実現するための具体的なマイルストーンであります、2022年度を初年度とする3カ年の中期計画「tok中期計画2024」を新たに策定いたしました。本中期計画は、次の5つの全社戦略を中心に推進してまいります。
(イ)先端レジストのグローバルシェアを向上させる
当社グループの成長ドライバーである先端レジストのグローバルシェア向上のため、徹底した顧客目線での課題解決の体制を構築するとともに、微細化、パッケージング、光コントロール、表面コントロールの4つの技術を軸に、最新技術を先取りし、様々なニーズに応えてまいります。これらにより、顧客の価値創造プロセスに貢献できる技術・品質・環境・付加価値を提供してまいります。
(ロ)電子材料および新規分野でのコア技術を獲得・創出する
今後10年、さらにその先の100年企業を見据え、現在の事業の柱であるフォトレジスト・高純度化学薬品に並び立つ事業創出に向けた活動を展開してまいります。半導体の既存市場だけでなく、周辺領域や異業種といったステークホルダーとともに新規テーマを創出し、事業機会を着実に捉えてまいります。
(ハ)高品質製品の安定供給とグループに最適な生産体制を検討・構築する
変化し続ける外部環境や、高度化・複雑化していく顧客要望に迅速かつ的確に応えるため、グローバル拠点をシームレスに最大限活用していくことに加え、サプライチェーンの最適化と強化を進めてまいります。また、将来を見据え、人や環境に配慮した設備投資や生産体制の構築を進めるとともに、さらなる高純度化技術の確立と、脱炭素をはじめとした環境負荷の低減に取り組んでまいります。
(ニ)従業員エンゲージメントを向上させ人を活かす経営を推進する
会社と従業員がともに前進できる経営の実現のため、各個人が持つ能力を最大限に発揮できる土壌作りを進めてまいります。従業員一人ひとりの幸福度の追求を根底に据え、仕事へのやりがいや喜びに繋がるサポートの拡充および仕組みづくりを推進するとともに、生産性向上に向けた環境整備に注力してまいります。グループ全体でのエンゲージメント向上を通じて、持続的な企業価値の向上に繋げてまいります。
(ホ)健全で効率的な経営基盤を整備する
(イ)から(ニ)の戦略を最大限のパフォーマンスで遂行し、当社グループ発展のため、さらなる経営基盤の整備に取り組んでまいります。コンプライアンスの徹底を継続し、情報およびリスク管理を高水準で実現させ、当社グループ全体でのガバナンス強化を図るとともに、社内のデジタル環境の整備にも取り組むことで、変化し続ける外部環境に対応してまいります。また、グループ全体へバランスシートマネジメントを推進し、資本効率のさらなる向上を図ることで、キャッシュ創出力の最大化に繋げてまいります。これにより、当社グループの持続的な成長と株主の皆様への安定的な利益還元の実施を両立し、企業価値の向上に繋げてまいります。
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