業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

当連結会計年度の我が国経済は、新型コロナウイルス感染症による影響が長期化する中、ワクチン接種や治療薬の浸透に伴い、行動制限が緩和されるなど経済活動の持ち直しの動きが見られました。一方で、不安定な世界情勢の影響等から資源価格の高騰や、金融資本市場の変動等により先行きが不透明な状況が継続しております。

このような状況の下、当社グループの主力事業であるビズリーチ事業においては、新型コロナウイルス感染症による採用抑制からの採用再開や、採用企業における中途採用への取組み機運の高まりを背景としたプロフェッショナル人材に対する高い求人意欲は継続し、広告宣伝活動等による求職者の増加も背景に好調に推移いたしました。

ビズリーチ事業がグループ全体の業績をけん引し、当連結会計年度における、売上高は43,954百万円前年同期比53.2%増)、営業利益は8,320百万円同251.3%増)、経常利益は8,751百万円同284.8%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は5,858百万円同312.4%増)となりました。

 

(ⅰ)HR Tech

HR Techセグメントは『ビズリーチ』、『HRMOS』及びその他のHR Techサービスで構成されています。

ビズリーチ事業における当連結会計年度末時点の各指標は、累計導入企業数(注1)は21,100社以上(前連結会計年度末17,100社以上)、年次利用中企業数(注2)は10,400社以上(同8,000社以上)、利用ヘッドハンター数(注3)は5,500人以上(同5,100人以上)、スカウト可能会員数(注4)は170万人以上(同138万人以上)となり、全ての指標で、前連結会計年度末比で成長し、ビズリーチ事業の売上高は37,607百万円前年同期比59.6%増)となりました。費用面では、TVコマーシャルを含む広告宣伝活動を継続したことに加え、営業活動やプロダクト開発を行う人員増等の人材投資も継続した結果、管理部門経費配賦前の営業利益(注5)は17,609百万円同82.7%増)となりました。

HRMOS事業においては、2022年4月に、企業が従業員のコンディション変化を把握する「個人コンディションサーベイ」の新規機能をリリースしたことに加え、既存機能の改善を継続実施いたしました。新規機能の開発等のプロダクト投資を継続しつつ、利用顧客の拡大のための営業活動等を行っております。

HRMOS事業のARR(注6)は前年同期末比28.2%増の1,627百万円、利用中企業数(注7)は、同26.8%増の1,193社、ARPU(注8)は、同1.1%増の113,688円となり、12か月平均であるChurn rate(注9)は0.60%となりました。

この結果、HRMOS事業の売上高は1,458百万円前年同期比26.2%増)、管理部門経費配賦前の営業損失(注5)は2,954百万円前年同期は2,102百万円の管理部門経費配賦前の営業損失)となりました。これらの結果、HR Techセグメントの当連結会計年度のセグメント売上高は41,791百万円前年同期比54.5%増)、セグメント利益は10,670百万円同166.7%増)となりました。

 

(注)1.ビズリーチを導入した累計企業数、ヘッドハンターを除く

2.会計期間中に1日以上の利用がある直接採用企業数

3.期末時点における株式会社ビズリーチによる審査を経たヘッドハンター数

4.ビズリーチ会員のうち、「採用企業への職務経歴書公開設定」を公開にしている、または、「ヘッドハンターへの職務経歴書公開設定」を公開にしている会員数

5.経理、法務、人事機能等の経営管理に携わる人件費や付随する外注費等の費用及び、情報システム部門やデザイン部門のうち直接製品に費用を賦課することの出来ない人件費や付随する外注費等の費用を事業に負担させる前の事業の営業利益又は損失

 

6.Annual Recurring Revenueの略称。各四半期末の月末のMRR(Monthly Recurring Revenueの略)を12倍して算出。MRRは、対象月末時点における継続課金企業に係る月額料金の合計額(一時収益は含まない)

7.『HRMOS』シリーズのサービスを利用する有料課金ユーザー企業数

8.Average Revenue Per Userの略称。月末時点のMRR÷利用中企業数

9.当月の解約により減少したMRR÷前月末のMRRを単月Churn rateとし、その直近12ヵ月平均

 

(ⅱ)Incubation

Incubationセグメントは『トラボックス』、『M&A サクシード』、『BizHint』等で構成されています。

Incubationセグメントの各事業については、HR Techセグメントより生み出される利益の範囲内で人材投資、新規プロダクト開発、広告宣伝活動等を行っており、当連結会計年度のセグメント売上高は2,002百万円前年同期比34.8%増)、セグメント損失は1,649百万円前年同期は863百万円のセグメント損失)となりました。

 

② 財政状態の状況

当連結会計年度末における総資産は45,762百万円で、前連結会計年度末に比べ10,685百万円の増加となりました。これは主に、現金及び預金が5,731百万円増加し、31,362百万円となったこと、売上高が伸長したことにより売掛金が1,097百万円増加し、4,356百万円となったこと、IEYASU株式会社及びイージーソフト株式会社の株式取得によりのれんが2,661百万円増加し、3,958百万円となったこと等によるものであります。

当連結会計年度末における負債合計は16,983百万円で、前連結会計年度末に比べ4,442百万円の増加となりました。これは主に、ビズリーチ事業において、利用企業数が伸長したことにより未経過分の契約負債(前連結会計年度においては前受収益)が1,898百万円増加し、4,941百万円となったこと、未払法人税等が1,188百万円増加し、2,030百万円となったこと等によるものであります。

当連結会計年度末における純資産は28,779百万円で、前連結会計年度末に比べ6,242百万円の増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が5,858百万円増加したこと等によるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は31,362百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

税金等調整前当期純利益 8,755百万円 契約負債の増加1,769百万円 売上債権の増加1,045百万円未払金の増加700百万円未払消費税等の増加861百万円法人税等の支払による支出2,049百万円などにより、全体として9,608百万円の収入となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

有形固定資産の取得による支出325百万円 差入保証金の差入による支出655百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出2,875百万円どにより、全体として3,954百万円の支出となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

新株予約権の行使による株式の発行による収入325百万円リース債務の返済による支出24百万円長期借入金の返済による支出219百万円などにより、全体として77百万円の収入となりました。

 

④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績

当社グループで行う事業は、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b.受注実績

当社グループで行う事業は、提供するサービスの性質上、受注状況の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

c.販売実績

当連結会計年度おける販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

HR Tech

41,791

154.5

Incubation

2,002

134.8

合計

43,793

153.5

 

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記の他に不動産賃貸収入が161百万円計上されております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものです。

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択と適用を前提とし、資産・負債及び収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や将来における発生の可能性等を勘案し合理的に判断しておりますが、判断時には予期し得なかった事象等の発生により、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

(固定資産の減損)

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

(繰延税金資産)

当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異等について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績の状況の分析

(売上高)

当連結会計年度における売上高は43,954百万円前年同期比53.2%増)となりました。主な内訳としては、ビズリーチ事業が37,607百万円同59.6%増)、HRMOS事業が1,458百万円同26.2%増)と伸長しております。

ビズリーチ事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響を受けていたプロフェッショナル人材領域の採用再開や、企業の積極的な中途採用への取り組み機運受け、2022年7月期末の利用中企業数は10,400社以上と2021年7月期末の8,000社以上に比べ増加いたしました。また、TVコマーシャルを含む広告宣伝費の投下により、スカウト可能会員数は170万人以上(同32万人増)となり売上の伸長に寄与いたしました。

HRMOS事業においては、積極的な顧客開拓により、利用中企業数は1,193社(同252社増)となりました。12か月平均のChurn rateは0.60%となりました。

 

(売上原価、売上総利益)

売上高の増加に伴い、売上原価は5,802百万円前年同期比45.1%増)となり、売上総利益は38,151百万円同54.5%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

販売費及び一般管理費は29,830百万円前年同期比33.6%増)となりました。人員の拡大等に伴う人件費等の増加に加え、ビズリーチ事業の広告宣伝費の増加を上回る売上総利益の増加の結果、営業利益は8,320百万円同251.3%増)となりました。

 

(営業外収益、営業外費用、経常利益)

営業外収益は持分法による投資損益等により451百万円、営業外費用は貸倒引当金繰入額等により21百万円となり、この結果、経常利益は8,751百万円前年同期比284.8%増)となりました。

 

(特別利益、特別損失、親会社株主に帰属する当期純利益)

特別利益は新株予約権戻入益3百万円となり、税金等調整前当期純利益は8,755百万円前年同期比282.3%増)となりました。また、法人税等を2,896百万円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は5,858百万円同312.4%増)となりました。

 

b.財務状況の分析

財務状況の分析については、「第2事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に含めて記載しております。

 

c.キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。

 

 

③ 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの主な資金需要は、営業活動にかかる広告宣伝費や人件費です。必要な資金は主に営業活動によって得られるキャッシュ・フローにより調達しております。また、運転資金については、当社及び連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、グループ内資金を当社が一元管理しております。各社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」をご参照下さい。

 

⑤ 経営者の問題意識と今後の方針に関して

経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。

 

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