(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により経済活動の制限と緩和が繰り返される中で、景気は緩やかに持ち直しの動きが見られたものの、半導体を含む部材不足、国内外における感染症の再拡大やウクライナ情勢の影響など、景気の先行き不透明な状況が続いております。
このような経済状況のもとで、当社グループは「接着・樹脂加工を基盤とし、拠点相互のネットワークを最大限活かした成長事業、新規事業とグローバル展開」を基本方針として、「ソリューションビジネスの推進」「グローバル展開の推進」「成長事業・新規事業推進」「生産の合理化」「共感力の浸透」を目標に取り組んでまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は3,475百万円(前年同期比6.8%増)となりました。また、営業利益は370百万円(前年同期比14.7%増)、経常利益は380百万円(前年同期比8.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は279百万円(前年同期比32.2%増)となりました。
各セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
総合接着・樹脂加工
総合接着・樹脂加工につきましては、研磨関連製品は、ディスプレイ向けの販売が低下した一方、ベルト関連製品は、主力の自動車・鉄鋼業界向け製品の好調な伸びに加え、食品業界向けの堅調な需要に支えられて大幅な増収となりました。
地域別では、日本国内は新型コロナウイルス感染症の影響が依然として残るものの、国内景気が持ち直しの動きを示す中、当社の製品販売はほぼコロナ前の水準にまで戻しております。
アジア地域は、中国経済の回復と伴に売上を伸ばしたものの足元では再びロックダウンの影響によって先行き不透明な状況になっております。タイ国内は変異株の感染拡大により経済活動停滞の影響を受けました。
以上の結果、売上高は2,918百万円(前年同期比8.9%増)となりました。
特殊設計機械
特殊設計機械につきましては、食品業界向けの特需が一服し、新規案件等の延期が継続するなど、引き続き厳しい状況となりました。
以上の結果、売上高は556百万円(前年同期比2.9%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて84百万円増加し、1,235百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前年同期に比べ17百万円減少し、313百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が387百万円計上されたことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、前年同期に比べ315百万円減少し、146百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が148百万円計上されたことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、前年同期に比べ2百万円増加し、81百万円となりました。これは主に配当金の支払額が81百万円計上されたことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月 1日 至 2022年3月31日) |
|
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
|
総合接着・樹脂加工 |
2,671,972 |
111.7 |
特殊設計機械 |
556,346 |
113.8 |
合計 |
3,228,319 |
112.1 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月 1日 至 2022年3月31日) |
|||
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
総合接着・樹脂加工 |
2,887,814 |
96.1 |
320,198 |
91.2 |
特殊設計機械 |
654,996 |
135.6 |
143,976 |
315.00 |
合計 |
3,542,810 |
101.6 |
464,174 |
117.0 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月 1日 至 2022年3月31日) |
|
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
総合接着・樹脂加工 |
2,918,222 |
108.9 |
特殊設計機械 |
556,868 |
97.1 |
合計 |
3,475,090 |
106.8 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2020年4月 1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月 1日 至 2022年3月31日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
AGC株式会社 |
620,485 |
19.1 |
478,046 |
13.8 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、資産、負債、収益及び費用に影響を与える見積り、判断及び仮定を必要としております。
当社グループは連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の実績を参考に合理的と考えられる判断を行った上で計上しております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果とは異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べて289百万円増加し、6,517百万円となりました。このうち、流動資産につきましては、前連結会計年度末に比べて239百万円増加し、3,107百万円となりました。これは主に、現金及び預金が84百万円増加したことによるものであります。また、固定資産につきましては、前連結会計年度末に比べて50百万円増加し、3,409百万円となりました。これは主に、建物及び構築物が79百万円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債につきましては、前連結会計年度末に比べて90百万円増加し、1,160百万円となりました。このうち、流動負債につきましては、前連結会計年度末に比べて80百万円増加し、756百万円となりました。これは主に、その他(営業外支払手形・未払金等)が41百万円増加したことによるものであります。また、固定負債につきましては、前連結会計年度末に比べて9百万円増加し、403百万円となりました。これは主に、退職給付に係る負債が14百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産につきましては、前連結会計年度末に比べて199百万円増加し、5,357百万円となりました。これは主に、利益剰余金が198百万円増加したことによるものであります。
経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べて222百万円増加し、3,475百万円となりました。
これは、研磨関連製品は、ディスプレイ向けの販売が低下した一方、ベルト関連製品は、主力の自動車・鉄鋼業界向け製品の好調な伸びに加え、食品業界向けの製品が堅調に推移したことによるものであります。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べて47百万円増加し、370百万円となりました。
これは、総合接着・樹脂加工事業において、ベルト関連製品が主力の自動車・鉄鋼業界向け製品の好調に推移した結果、売上高が増加したことによるものであります。
(経常利益)
当連結会計年度の営業外収益につきましては、前連結会計年度に比べて5百万円増加し、41百万円となりました。これは主に、為替差益が5百万円増加したことによるものであります。
営業外費用につきましては、前連結会計年度に比べて22百万円増加し、31百万円となりました。これは主に、株式公開費用が26百万円増加したことによりものであります。
この結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度と比較して30百万円増加し、380百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益及び1株当たり当期純利益金額)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて68百万円増加し、279百万円となりました。
この結果、1株当たり当期純利益金額は、前連結会計年度80円38銭から25円84銭増の106円22銭となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性
資本政策につきましては、当社は未だ成長途上であることから、内部留保の充実を図るとともに、経営基盤の長期安定に向けた財務体質の強化及び事業の継続的な拡大発展を実現させることと、株主様への利益還元との最適なバランスを考慮し、実施していくこととしております。
また、当社における資金需要の主なものは、既存事業の持続的成長の投資資金や原材料費・労務費・外注費・販売費及び一般管理費等の事業に係る運転資金であります。
当社は、必要となった資金については、主として内部留保資金及び営業活動によるキャッシュ・フローによるものを活用しております。
④ 経営戦略の現状と見通し
企業を取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症の影響により経済活動の制限と緩和が繰り返される中で、景気は緩やかに持ち直しの動きが見られたものの、半導体を含む部材不足、国内外における感染症の再拡大やウクライナ情勢の影響など、景気の先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループとしましては、総合接着・樹脂加工では、日本国内において食品、自動車、鉄鋼業界向けベルトの販売を強化、研磨関連部材及び新規研磨パッド等の販売拡大を行ってまいります。また、オンラインを活用した営業活動を積極的に行ってまいります。
アジア地域においては、中国及びタイにおいて自動車・鉄鋼業界向けを中心に、食品・衛生材関連の業界向けにもベルト関連製品の販売を強化してまいります。また、中国及び韓国において研磨関連部材の販売拡大に注力してまいります。
特殊設計機械では、機械販売の販路拡大を行ってまいります。また、セグメント間の連携強化によりグループシナジーを最大限発揮できるワンストップ体制の構築に注力してまいります。
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